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いのちをつなぐ未来館を見学する平田いきいきサークルの会員。川崎さん(左)の説明に耳を傾けた

震災学習 徐々に再開、伝承施設「市内の人の見学」期待〜平田サークル 鵜住居へ、コロナ禍から気分転換

いのちをつなぐ未来館を見学する平田いきいきサークルの会員。川崎さん(左)の説明に耳を傾けた

いのちをつなぐ未来館を見学する平田いきいきサークルの会員。川崎さん(左)の説明に耳を傾けた

 

 県境をまたぐ移動自粛が19日に全面解除され、新型コロナウイルスの影響で臨時休館や時短営業を行ってきた釜石市内の観光施設に人出が戻ってきた。外出自粛で休止状態が続いた市民グループの活動も徐々に再開。平田地区で100歳体操に取り組む「平田いきいきサークル」(藤澤静子代表、会員約30人)は23日、三陸鉄道を利用した「プチ旅行・お楽しみ会」を企画し、鵜住居町のいのちをつなぐ未来館などを見学した。

 

 同サークルでは週1回の体操、月1回のサロン(食事会)活動を楽しんできたが、感染症の影響で4月中旬に活動を休止。体操は5月中旬に再開したが、サロン活動はまだ控えている。

 

 今回、感染症関連の特別定額給付金を受け、「地域にお金を落とそう」とお楽しみ会を計画。平田駅から三鉄に乗って鵜住居駅に降り立った20人は釜石祈りのパークで犠牲者に手を合わせた後、未来館を見て回った。

 

 未来館スタッフの川崎杏樹(あき)さん(24)が展示内容を説明。会員らは、東日本大震災当時、釜石東中2年生だった川崎さんが交える実体験に真剣な表情で聴き入った。

 

 鵜の郷交流館で昼食。生ウニ丼、海鮮丼など地元産海産物を味わいながら仲間との会話を楽しんだ。

 

 どの施設も初めて訪れた久保京子さん(84)は「逃げる。心に留めておかないといけない」と再認識した。尾崎白浜地区で被災し、4年前に上平田ニュータウンに転居。「知らない人ばかりだったが、サークルのおかげでなじみ、元気でいられる」と活動再開を喜んだ。

 

 藤澤代表(78)は「20分くらい列車に揺られて旅行気分。外の空気やおいしいものに触れてリフレッシュ。喜んでもらえたよう」と目を細める。地域を知る機会にもなると実感。ウオーキングと食を組み合わせたプチ旅第2弾の実行に思いを巡らせた。

 

 未来館は感染拡大を受け、4月下旬から臨時休館(約3週間)、時短運営(約2週間)を経て、6月からマスク着用や手の消毒など感染対策を継続した上で、通常の運営に戻している。まだ人影はまばらだが、県をまたぐ移動が全面解禁された週末は30~50人ほどが来館。今年3月以降、団体の研修などを中心にキャンセルが相次いでいたが、秋に修学旅行を計画する県内の小学校などから見学の予約や問い合わせも寄せられるようになった。

 

 ゆっくりともどり始めた人の流れを感じる一方、自粛傾向が緩和されても県外からの訪問は見込めない状況が続く。休館期間中にオンラインによる展示物の紹介ガイド(無料)、津波体験談を伝える語り部(有料)の受け付けを開始。コロナ禍、被災地への来訪者減少などで発信機会が限られる中、新たな伝承の形として継続していく。

 

 川崎さんは「自粛傾向が残る今、市内の人に足を運んでもらいたい。震災を振り返る意味で、じっくりと見ることができる。三鉄に乗り、おいしいものを楽しみつつ、遊びに立ち寄ってほしい」と呼び掛ける。

 

 オンラインガイドなどの詳細は未来館ホームページ(https://www.unosumai-tomosu.jp/miraikan.html)または電話(0193・27・5666)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年6月27日発行 第892号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

沿岸各地の観光の現状について情報共有した初回の養成塾

コロナ禍からの復活目指し、三陸観光プランナー養成塾 釜石で開講〜本県は感染者ゼロ、ピンチをチャンスに

沿岸各地の観光の現状について情報共有した初回の養成塾

沿岸各地の観光の現状について情報共有した初回の養成塾

 

 三陸の売れる旅行商品の企画を担う人材育成を目的とした「三陸観光プランナー養成塾」が19日、釜石市で開講した。公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンター(盛岡市)が主催。5期目となる本年度は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光産業の復活を目指し、新たな生活様式に基づく体験アクティビティーの研究などを行う。

 

 同塾は、三陸の豊かな自然や文化、食などを生かした魅力ある旅行商品の開発、販売のための力を身に付けてもらおうと実施。本年度1回目は釜石市鵜住居町の根浜シーサイドを会場に開かれ、沿岸各地で観光事業に携わる関係者約30人が参加した。

 

 三陸のメンバーがつながり、情報共有することに重点をおいた初回。参加者は各地の観光の現状を報告し合い、今後の振興策について意見を交わした。

 

 コロナ禍は春の観光シーズンを直撃。三陸地域も祭りやイベントの中止、観光・宿泊施設の臨時休業、飲食店の客足減など地域経済に深刻なダメージを与えた。越県移動の自粛解除で今後、観光客が戻ることが期待されるが、事業者には感染防止策を強化した受け入れ体制が求められる。

 

 同塾の参加者からは、観光客誘致の第一歩として県民限定の宿泊料補助の実施、イベント中止などで消費が低迷する特産品をオンラインで情報発信し、購買を促す取り組みなど、〝withコロナ時代〟に対応した各種試みが紹介された。「本県の感染者ゼロは、観光客に足を運んでもらえる要素」「県民にとっては地元観光の魅力を再認識する機会に」など、ピンチをチャンスに変える発想も。

 

 三陸地域は震災後、教育(修学)旅行の訪問先としての需要も高いが、今年はコロナ感染のリスクを避けるため、県内陸部の学校が県外旅行を取り止め、三陸沿岸を訪問地に選ぶ動きも出てきているという。

 

 一方で、3密回避の対策には頭を悩ませることも多く、課題解決に向けた模索が続く。同塾は本年度、11月まで全5回の開催を予定。2回目以降はコロナ対策に配慮した野外での体験プログラムを盛り込んだモニターツアーなどを沿岸各地で試行しながら、安全安心な三陸観光の提供のあり方を考える。

 

 今回、根浜シーサイドでは希望者を対象に前日からキャンプ泊も行われ、釜石の新たな観光、レジャースポットの発信にも一役買った。

 

(復興釜石新聞 2020年6月27日発行 第892号より)

復興釜石新聞

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新発売!さんてつ×観光タクシーセットプラン(8月31日まで)

新発売!さんてつ×観光タクシーセットプラン(8月31日まで)

新発売!さんてつ×観光タクシーセットプラン(8月31日まで)

 

三陸鉄道では、タクシー会社と提携してフリー乗車券に観光タクシーをセットした、お得な三鉄乗車観光プラン「さんてつ×観光タクシーセットプラン」を発売いたします。三陸鉄道を使って、沿線観光地を巡る旅行などにぜひご利用ください!

発売機関・利用期間

2020年6月25日~2020年8月31日

きっぷの特徴

・タクシー料金を気にせず定額で乗れる!
・全31種類のコースをご用意!
・駅から、宿から自由にスタート!
・2日間乗り降り自由!三陸鉄道乗車券付き!
(盛~宮古間、宮古~久慈間)

有効期間

三陸鉄道「宮古~久慈間」2日間乗り放題フリー乗車券+観光タクシー
・久慈地区コース ・北山崎コース ・宮古地区コース
 
三陸鉄道「盛~宮古間」2日間乗り放題フリー乗車券+観光タクシー
・宮古地区コース ・釜石地区コース ・大船渡地区コース
 
※詳しいコース内容については、下記三陸鉄道ホームページをご覧いただくか、お電話にてお問合せください。
※三陸鉄道ホームページ https://www.sanrikutetsudou.com/?p=15111
※チラシ さんてつ×観光タクシーセットプラン[PDF:829KB]

予約・お問合せ先

三鉄ツーリスト  岩手県宮古市宮町一丁目1-80
TEL:0193-71-1170 予約受付時間10:00~17:30(土日祝日を除く)
ただし、申込みは2名以上で、乗車日の7日前までにお願いします。

この記事に関するお問い合わせ
市民生活部 生活環境課 市民生活係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8451 / Fax 0193-22-2702 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020062500032/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
期間限定特別企画!三陸鉄道半額2枚きっぷ発売のお知らせ(8月31日まで)

期間限定特別企画!三陸鉄道半額2枚きっぷ発売のお知らせ(8月31日まで)

期間限定特別企画!三陸鉄道半額2枚きっぷ発売のお知らせ(8月31日まで)

 

三陸鉄道では、使い方が選べてお得な2枚の回数券「半額ぶらり旅半額2枚きっぷ」発売いたします。お2人で片道でご利用いただくこともできますし、お1人で往復ご利用いただくことも可能です。期間限定の発売になりますので、ぜひ、この機会に三陸鉄道をご利用ください!

発売機関・利用期間

2020年6月25日~2020年8月31日

きっぷの特徴

・三陸鉄道のご希望区間が半額になります。
(例)宮古ー大槌 1,240円×2=2,480円のところ1,240円になります。
・同一区間のきっぷ2枚セットでの発売 
※ただし片道1,010円以上の区間に限ります。

有効期間

ご利用開始日より2日間 ※2日間有効で途中下車が可能です。

販売駅

盛・綾里・三陸・釜石・大槌・陸中山田・宮古・岩泉小本
島越・田野畑・普代・陸中山田・久慈

注意事項等

・利用期間内であれば事前の購入が可能です。乗車する日をご指定ください。
※ただし有効期間をすぎると払戻できませんので、ご注意ください。
・当面は岩手県民の方限定の発売となります。

チラシ

三鉄ぶらり旅半額2枚きっぷ[PDF:345KB]

お問合せ先

三陸鉄道㈱旅客営業部 岩手県宮古市宮町一丁目1-80
TEL:0193-62-7000 受付時間9:00~17:30

この記事に関するお問い合わせ
市民生活部 生活環境課 市民生活係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8451 / Fax 0193-22-2702 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020062500025/
釜石市

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前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

コロナ影響の長期化懸念〜登録から5周年の世界遺産「橋野鉄鉱山」も客足減少

前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

 

 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に歯止めがかからぬ中、釜石市内でも観光、宿泊、飲食など各方面への影響が顕著になってきている。橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」は冬期休館していたインフォメーションセンターが3月20日から開館し、見学者を受け入れているが、4月7日に政府の緊急事態宣言(7都府県対象)が出されて以降、客足は減少傾向に。世界遺産登録から5周年を迎える今年、市は各種記念行事を計画しており、影響の長期化が懸念される。

 

 同センターは、昨年10月の台風19号被害から復旧した三陸鉄道の全線運行再開に合わせ、例年4月1日からの開館を前倒しし、3月20日に開館。3月の来館者数は267人で、震災復興による三鉄リアス線運行開始に合わせ23日から開館した昨年(23~31日151人)を100人余り上回るシーズン入りとなっていた。4月になってからも昨年並みに推移していたが、7日の緊急事態宣言で一層の外出自粛が要請されたことで、同鉄鉱山を訪れる人も減少傾向にある。

 

 11日も来訪者はまばら。昼ごろには市内の家族連れ2組が訪れた。上中島町の家族4人はドライブ途中に同センターに立ち寄り、スタッフの勧めで昼食を取った。父親(52)は「窓を開けながらドライブするぐらいなら大丈夫かなと思って。ここは世界遺産登録前に訪れて以来。今日は天気も良く、リフレッシュできた」と“コロナ疲れ”のストレス解消にもつながった様子。

 

インフォセンターで休憩する市内の家族連れ

インフォセンターで休憩する市内の家族連れ

 
 センター前の緑地にある遊具や駐車場の空きスペースでのスケートボードを楽しんだのは千鳥町の柏木渉さん(37)、理伯君(10)親子。渉さんのおい、めいも連れて初めて同鉄鉱山に足を運んだ。「休校になってからは家の中にいることが多かった。今日は子どもたちをのびのびと遊ばせたいと思い、少し遠出をした。高炉跡も見学していこうかな」と渉さん。岩手県内では感染者は確認されていないが、全国的な感染者増に「これからどうなるのか…。人も亡くなっているので怖いですよね」と不安も。学校が再開した理伯君は「友達と会えてうれしいけど、マスクをしないと授業できないし、手洗いや消毒などにも気を使う」と、感染対策をしながらの生活はやはり違和感があるよう。コロナの感染拡大に「志村けんさんが亡くなったのが悲しい。バカ殿とかテレビで見ていたから。早く治まってほしい」と強く願った。

 

センター前の遊具で遊ぶ子ども。日ごろのコロナストレスを発散!

センター前の遊具で遊ぶ子ども。日ごろのコロナストレスを発散!

 
 市の委託でセンターの来館者応対などを担う橋野町振興協議会のスタッフは「入館前の手指のアルコール消毒は必ずお願いしているが、ここまで感染拡大が進んでくると心配。県外から来る人も多いので」と対策強化を望む。

 

 同鉄鉱山は2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」(8エリア23資産)の構成資産の一つとして世界文化遺産に登録された。市世界遺産課によると、登録5周年記念行事は6月からスタート。7月には、台風被害でしばらく開催を見送っていた採掘場跡の一般公開、12月には同遺産のある北九州市と連携した企画展示会を予定。継続してきた鉄のフォーラムも開催する。

 

 青ノ木地区の春はこれからが本番。同鉄鉱山周辺を彩る八重桜並木と高炉場跡内の石割桜の開花は、例年並みの5月初旬と予想される。

 

(復興釜石新聞 2020年4月15日発行 第884号より)

 

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作成途中のマップを見せながら地区のアピールポイントを説明する長田さん(中左)、西海さん(左)

箱崎白浜 魅力満載まち歩きマップ〜観光振興へ体験プログラム、「復興・創生インターン」大学生が発表

箱崎白浜への思いが詰まった観光マップの発表に聞き入る地元住民ら

箱崎白浜への思いが詰まった観光マップの発表に聞き入る地元住民ら

 

 復興庁の「復興・創生インターン」で2月からかまいしDMCに所属し、釜石市箱崎白浜地区の観光マップ作りに取り組んできた大学生2人が13日、協力を得た地元住民らに成果を発表。地域の魅力満載のまち歩きマップ、体験プログラムを紹介するパンフレットのレイアウトを見せ、意見を聞いた。完成後は、地元民泊施設「御箱崎の宿」や市内の観光案内所などに置く予定で、震災復興を目指す同地区の活性化、交流人口拡大に役立てる。

 

 箱崎白浜集会所で開かれた発表会には、住民ら約20人が集まった。インターンプログラムで同地区の観光開発に挑戦したのは、東洋大1年の長田尚華さん(19)と東京女子大2年の西海明莉さん(20)。長田さんは2月3日から、西海さんは同11日から釜石に滞在。漁業・料理体験、地理把握の散策、住民の聞き取り調査を基に、地域の魅力をアピールするマップなどを作成した。

 

 まち歩きマップと体験プログラムパンフは共にA3版。一部を手書きにし、ぬくもり感を演出。訪れてみたいと思わせる効果的な写真が目を引く。

 

作成途中のマップを見せながら地区のアピールポイントを説明する長田さん(中左)、西海さん(左)

作成途中のマップを見せながら地区のアピールポイントを説明する長田さん(中左)、西海さん(左)

 

 マップは「美しい海と温かい人に出会えるまち」をコンセプトに、地図上でお薦めのビュースポット(5カ所)や神社、遺跡、震災前後のまちの変化などを紹介。集落から離れた自然の造形美「鬼岩」「小白浜」「千畳敷」も盛り込んだ。裏面では▽知る▽楽する▽発見する▽まねる(頭文字をつなげると“しらはま”)―をキーワードに、まちの変遷や豊富な海の幸、絶景ポイントなどを詳しく説明する。

 

 体験プログラムは8種を掲載。船上や陸上での漁業体験(ホタテ、ワカメ、ウニなど)、千畳敷トレッキング、漁船クルーズ、郷土料理体験(ところてん、かま団子など)―と、海を主体としたメニューがそろう。漁獲時期や地域行事の日程を記した年間カレンダーやアクセスも記載する。

 

 このほか、地域住民の温かさに魅せられた2人が、住民に会いに行くツールとして作成したのが「住民紹介カード」。略歴や趣味、話したいことなどを顔写真入りのカードにし、御箱崎の宿に置いて、交流のきっかけにしてもらうという。

 

 発表を聞いた住民は「古里を再生する上で大変心強い」「若さのパワーをもらった」「今後の発信力に期待が高まる」などと喜び、短期間でここまで形にしたことに驚きの声を上げた。

 

 「来てくれてありがとう。家族や仲間とまた(遊びに)来てね」

 

 わずか1カ月ながら住民らと心を通わせてきた2人は、感謝の言葉に感極まって涙声になる場面も。西海さんは「多くの方と接し、人との関わりの大切さを強く感じた。地区は高齢化や人口減少が進むが、住民のやさしさなど、誇るべき一番の魅力は人の良さ」、長田さんは「釜石の情報発信に貢献できれば。手持ちマップの拡大版を御箱崎の宿に掲示し、実際にまち歩きをした人に新たな情報を書き込んでもらえるようにもしたい」と話した。

 

 同社のインターンには今回、山添俊さん(大阪経済大2年)、川合杏奈さん(南山大3年)も参加。観光や防災に関する課題解決に取り組んだ。

 

(復興釜石新聞 2020年3月18日発行 第876号より)

 

復興釜石新聞

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SL銀河 ご招待企画

SL銀河 ご招待企画

SL銀河 ご招待企画

 

ご好評につき、募集定員に達したため、受付を終了しました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。(2/3 12:20追記)
 

SL銀河運行開始5周年を記念して、SL銀河への乗車にご招待します

 

乗車日時

3月20日(金・祝)

乗車区間

遠野駅(13:31発)~釜石駅(15:08着)
※釜石~遠野間の往路分(普通列車)の乗車券もつきます

対象

市内在住の小学生を含む家族
※1家族4名まで(1ボックス席)
※2名で申し込みの場合は、相席になることがあります

定員

先着56名

申込期間

2月3日(月)~2月28日(金)
※期間中でも定員に達し次第応募締め切りとなります

申込方法

電話(代表者氏名、小学生の学年、乗車人数、住所、電話番号をお知らせください)

申込先

市商業観光課 観光おもてなし係
TEL:0193-27-8421

 
※当日は車内に報道機関が入ることがあります。あらかじめご了承ください

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商業観光課 観光おもてなし係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-27-8421 / FAX 0193-22-2762 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/matsuri_event/detail/1235143_2438.html
釜石市

釜石市

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地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

「魚河岸テラス」エコ電飾〜廃食油を燃料に点灯

地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

 

 釜石市魚河岸の「魚河岸テラス」で24日に始まったイルミネーションの点灯。釜石湾を一望できる2階テラスを発光ダイオード(LED)で彩り、市民や来館者を楽しませている。地域の廃食油(使用済み食用油)を電力の燃料として活用しているのが特徴。「エネルギーの地産地消」を体現した照明が夜のまちをあたたかく照らす。

 

 明かりをともす電力として使われたのは魚河岸テラスや鵜の郷交流館、市内の飲食店など協力施設から回収された廃食油で、サラダオイル、ごま油、オリーブオイルなど、あらゆる食用油をバイオディーゼル燃料にリサイクル。会場に設置した発電機でほぼ全ての電力をまかなっているという。

 

 同テラスを指定管理する「かまいしDMC」が一般社団法人ユナイテッドグリーン(橋野町、山田周生代表)の協力を得て実施。今年は地球温暖化が漁業に与える影響、厳しさを感じずにはいられない一年となり、イルミネーションには温暖化防止への願いを込めた。

 

 かまいしDMCでは「SDGs(持続可能な開発目標)」に合わせ、社用車をバイオ燃料に切り替えるといった取り組みも展開。同社の河東英宜事業部長は「海を眺めながら食事を楽しんでもらいつつ、揚げ物などで使われた油についても考えてもらう機会に。気候変動で海の環境が変わっていることに思いをはせてほしい。自然に対抗するのは難しいが、温暖化防止につながる工夫を各自が考えるきっかけになれば」と期待している。

 

 点灯時間は午後4時から11時頃まで。来年1月7日(飲食店が閉店する12月29日~1月2日は除く)まで見られる。

 

(復興釜石新聞 2019年12月28日発行 第854号より)

 

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入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

「魚河岸テラス」入場10万人〜オープンから7ヵ月で達成

入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

 

 釜石市魚河岸の「魚河岸テラス」の入館者数が22日、10万人に達した。「海、魚のまち釜石」を発信する新拠点として4月にオープンし、約7カ月で達成。同日、セレモニーがあり、10万人目の入館者に指定管理者のかまいしDMC(社長・野田武則市長)から花束や記念品が贈られた。

 

 10万人目となったのは、大阪府大阪市の会社員大村森香さん(29)、東大阪市の会社員後藤鮎夏さん(24)。東日本大震災の被災地を巡る研修ツアーの途中で同館に立ち寄った。

 

 セレモニーでは、くす玉を割ってお祝い。野田市長が記念品の目録を贈った。

 

 2人は前日に釜石入りし、鵜住居町の旅館に宿泊。同館訪問前には「うのスタ」や「うのすまい・トモス」を見学し、震災時の映像や経験談を見聞きした。

 

 被災者の話を聞き、「過去を見つめることが未来につながっている」と感じた大村さん。同館の印象は「おしゃれな空間。おいしい料理が魅力」と味覚も満喫した。

 

 初めて東北を訪れた後藤さんは「釜石の海、潮風を感じることができた。記念、思い出に残る旅になった。被災地を知る貴重な機会を生かし、防災意識を高め、災害に備えたい」と力を込めた。

 

 同館は地元の食材を生かした飲食店や新商品開発の拠点となるキッチンスタジオなどを備える。2階テラスからは釜石湾を一望でき、まちの新名所として4月13日にオープン。9月には港のにぎわい拠点となる「みなとオアシス」に登録され、港湾を生かした観光振興にも期待が高まっている。

 

 かまいしDMCによると、同館には1カ月平均で約1万4千人が来館。盛岡市や北上市など県内陸部からの来訪者も多く、年間の入館者目標7万7千人は9月中旬に達成した。

 

 地元食材を用いた多彩な料理が味わえる飲食店の人気に加え、高速道路網の整備効果もあると分析。野田市長は「順調な入り込みを維持できるよう知恵を出し、港湾を生かした観光の振興にチャレンジしていきたい」と気を引き締めた。

 

(復興釜石新聞 2019年11月27日発行 第845号より)

 

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お色直し後初の渡御に繰り出した尾崎神社の六角大みこし

台風被災の釜石に勇気の祭り〜尾崎神社の大みこし復活、曳き船中止も盛り上がる

お色直し後初の渡御に繰り出した尾崎神社の六角大みこし

お色直し後初の渡御に繰り出した尾崎神社の六角大みこし

 

 釜石市浜町の尾崎神社と桜木町の日本製鉄釜石製鉄所山神社の合同祭「釜石まつり」(同実行委主催)は18日から3日間にわたって開催された。19日に予定されていた釜石湾内での「曳き船まつり」は雨のため中止となったが、天候が回復した最終日の20日は待望のみこし渡御を実施。1週間前の台風19号豪雨で浸水被害に見舞われた中心市街地をご神体を乗せたみこしが練り歩き、災害復旧に追われる市民らを元気づけた。

 

 20日の渡御行列には両神社と神楽や虎舞、鹿踊りの奉納団体、一般参加の各種芸能団体合わせて約1100人(13団体)が参加。鈴子町で合同祭の神事を行った後、中心市街地を走る県道釜石港線を進み、魚河岸の魚市場までにぎやかな行列を繰り広げた。

 

 中でも異彩を放ったのが、尾崎神社の六角大みこし。300年以上の歴史を誇る同みこしは一昨年、70年ぶりに修復され、今回の渡御が一般への初お披露目となった。漆を塗り直し、金具を新調するなどしたみこしは、秋の日差しを受け一層輝きを増した。沿道に詰めかけた見物客らは目の前を通るみこしに手を合わせ、震災や台風被害からの復興、家内安全、商売繁盛などを願い、祈りをささげた。

 

みこしを見つめ手を合わせる沿道の見物客

みこしを見つめ手を合わせる沿道の見物客

 

 大町から只越町にかけてのおまつり広場では、各団体が演舞を披露。行列の到着前には、盛岡市のさんさ踊りチーム、山形大学の花笠サークル、東京・浅草で行われるサンバコンテストで最多優勝しているトップダンサーらが、自慢の舞、ダンスで祭りを盛り上げた。

 

 天神町の野崎富男さん(81)は、なかなか目にする機会のない他地域の芸能に「ベリーグッド!すごいね。(躍動感あふれる踊りを見ると)こっちも若返る」と感嘆の声。釜石まつりは毎年見ているといい、「人口が減っているので、こういう祭りでまちが活気づけば」と願った。

 

華やかな衣装とダンスで魅了した浅草のサンバチーム

華やかな衣装とダンスで魅了した浅草のサンバチーム

 

 今年の曳き船まつりには、震災後最多の21隻が参加予定だったが、台風19号の影響で前日までに11隻に減少。それも当日の悪天候による中止で出船はかなわなかった。震災復興完遂まであと少しという段階で、台風による大きな被害を受けた釜石市。ラグビーワールドカップ(W杯)釜石第2戦の中止、釜石まつり参加予定団体の取り止めのほか、影響は各方面に及んでいる。

 

 背後の山から流れ出た水が低地にたまり、広い範囲で浸水した只越町。地元只越虎舞のメンバーは台風接近に伴い、山車の保管庫前に土のうを積むなどして対策。水が引いた後は泥かき作業に追われた。メンバーの岩崎健一さん(55)は苦労を乗り越え迎えた祭りに「曳き船がないのが残念だったが、行列や演舞で少しでも地域の人たちに力を与えられたら。震災で内陸に引っ越した人たちも祭りには帰ってくる。やっぱり楽しみにしているんだと思う」と古里の良さを口にした。

 

 みこし渡御が行われた20日の人出は主催者発表で約1万人に上った。

 

(復興釜石新聞 2019年10月23日発行 第835号より)

 

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大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

郷土資料館リニューアル〜展示室拡充 震災・復興専用コーナーに、企画展を11月18日まで開催

大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

 

 2カ年にわたる釜石市郷土資料館(村上修館長)の改修事業が完了し、展示の見直しと整備が行われた。施設規模が拡大し、空調設備が整い、照明も改善された。管理する市教育委員会は「市民、入場者の便益向上が図った」と説明する。

 

 同資料館の前身は1984年5月に大町の旧青葉ビルに開設された「郷土資料展示室」。2005年、鈴子町の現施設に移転し14年が経過した。鉄骨造り2階建ての1階部分(延べ床面積1337平方メートル)のうち471平方メートルを展示スペースに充て、事務室、図書資料室などを配置した。

 

 17、18年度に行われた改修工事では、専用トイレの設置、空調設備の導入、天井や壁面の整備が行われたほか、新たな展示室(77平方メートル)の拡充も行われた。入り口右手の企画展示室(47平方メートル)も室内を一新、照明、空調も整備した。郷土芸能室では、多様な資料映像をモニターでゆっくり鑑賞できる。

 

 新たな展示室は東日本大震災、津波と復興の専用コーナーに充てた。震災の被災状況と復興の写真やパネル、写真集や新聞などメディアの縮刷版、釜石の津波被災の歴史、関連書籍や資料がある。

 

 映像設備は65インチモニターと、2台の32インチタッチパネルを導入。モニターでは4種のCDを用意し、希望に応じて上映する。スチール製の丸いす30脚は、天板に尾崎半島林野火災の被災木を活用している。

 

 常設展示コーナーには英文の説明を加えた。「資料館の場所が分かりづらい」との指摘に対応し、近くの市道交差点に看板を新設した。

 

企画展示室では「釜石のヒーロー」展が

企画展示室では「釜石のヒーロー」展が

 

 改修完了に合わせ、企画展示室では企画展第3弾の「釜石のHERO(ヒーロー)展―昭和~平成を駆け抜けた人々―」を11月18日まで開催中。①北の鉄人 新日鉄釜石ラグビー部②作家井上ひさし「井上家のファミリー・ヒストリー」③日本ポップスの先駆者・大瀧詠一―の3つのテーマを取り上げ、映像、解説資料などで紹介している。

 

(復興釜石新聞 2019年10月19日発行 第834号より)

関連情報 by 縁とらんす
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鵜の郷交流館も10万人〜オープンから7ヵ月、見込みを上回る集客

鵜の郷交流館も10万人〜オープンから7ヵ月、見込みを上回る集客

鵜の郷交流館も10万人〜オープンから7ヵ月、見込みを上回る集客

 

 釜石市鵜住居町の観光交流拠点施設「鵜(う)の郷(さと)交流館」の入館者数が3日、10万人に達した。ラグビーワールドカップ(W杯)開催効果に加え、団体ツアーの立ち寄り所としての活用、高速道路網の整備で交通の便が良くなったこともあり、当初の見込みを上回る集客数で推移。オープンから約7カ月で達成した。同日、セレモニーがあり、10万人目の入館者に指定管理者のかまいしDMC(社長・野田武則市長)から記念品が贈られた=写真。

 

 10万人目となったのは、東京都武蔵村山市の植竹正義さん(82)、タカ子さん(78)夫妻。東日本大震災からの復興の様子を見る旅の途中で交流館に立ち寄った。前日に釜石入りし、町内の旅館に宿泊。旅館では震災時の映像や経験談を見聞きし、「本当に大変なことがあったのに、立ち直ってすごい。いい所だ」と実感を込めた。

 

 セレモニーでは、くす玉を割ってお祝い。野田市長は記念品、交流館そばの施設で職場体験していた唐丹中の香川美咲さん(2年)が花束を贈った。

 

 数日後に52回目の結婚記念日を迎えるという夫妻。そのお祝いにもなった様子で「こういう場に立ち会うのは、これまで縁がなかった。驚いている。こうした良いことが続けばいい」と笑顔を重ねた。2人は交流館周辺を見て回った後、三陸鉄道に乗車。「動けるうちにふたりで旅を楽しみたい。また釜石に来たいね」と言葉を残し、宮古市方面に向かった。

 

 交流館は鵜住居駅前周辺に整備された公共施設(愛称=うのすまい・トモス)の一つで、3月23日にオープン。特産品や海産物などの物販、飲食の計4店舗、休憩スペースなどが設けられ、地域の魅力発信や交流人口の拡大を推進する。

 

 当初、年間8万1千人の入館者を目標に設定していた。一日の入館者数は300~500人だが、W杯釜石会場第1戦の9月25日は5300人余りと、普段の10倍以上を記録。かまいしDMCでは、開催効果の大きさを実感している。

 

 三陸を巡る団体ツアー客がトイレ休憩などで利用するなど立ち寄り所としての認知、他施設と合わせた利用の多さも、予想を上回る伸びにつながったと分析。かまいしDMC鵜住居トモス運営課の佐々学さん(40)は「W杯後も多くの人に訪れてもらえるよう取り組んでいく」と思いを強めた。

 

(復興釜石新聞 2019年10月5日発行 第830号より)

 

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