三陸ジオパーク魅力発信〜釜石鉱山でワークショップ、ストーリー作りを探る

復興釜石新聞2020/08/17

旧鉱山事務所前で化石が入った岩などを見学する参加者

旧鉱山事務所前で化石が入った岩などを見学する参加者

 

 三陸ジオパーク(3県16市町村)の構成エリアとなっている釜石市で、ジオ(地球・大地)的観点から釜石鉱山の魅力を知ってもらうためのストーリー(物語)作りが始まった。三陸ジオパーク推進協議会と同市が、住民参加型のワークショップ(10月まで全5回)として開催。釜石鉱山繁栄の源となった大地の成り立ちや地質を来訪者への説明にどう生かすか、複数の視点で伝え方を考える。

 

 「釜石鉱山のジオストーリーを作ろう」と題したワークショップは7月30日が初回で、県沿岸部の観光関係者や興味のある一般の人など約30人が参加。1回目は「三陸ジオパーク認定ガイド」養成のための講座の一つに位置付けられたことで、久慈市から陸前高田市まで広範囲から参加者が集まった。

 

ズリ堆積場脇から流れ出る人工の滝の前で記念撮影

ズリ堆積場脇から流れ出る人工の滝の前で記念撮影

 

 甲子町のJR陸中大橋駅に集合した参加者は、講師を務める市世界遺産課課長補佐・森一欽さんの案内で、旧釜石鉱山事務所周辺を散策。採掘で6千人もの人々が暮らした時代を物語る工員の社宅、病院、私立小学校跡地などのほか、今も痕跡が残る貨物の計量場や選鉱場跡を見て回った。各所には、昨年市が写真入りの説明看板を設置している。

 

 森さんは同所が鉱山として栄えた背景として、「1億2千年前のマグマの上昇で熱を加えられた石が、さまざまな性質に変化。それを鉱石として活用し、各種産業が成り立っていった」と説明。鉄鉱石は、この地に洋式高炉での日本初の連続出銑の成功をもたらし、後に銅鉱石や石灰石の採掘も行われてきた。

 

 釜石観光ガイド会員の菅原真子さん(53)は「世界遺産の橋野鉄鉱山だけでなく、釜石鉱山エリアにももっと目を向けてもらえるよう、三陸ジオに対応した説明の仕方を考えていかないと」と、知識の習得、ストーリー作りに意欲を見せた。

 

 同所に足を運ぶのは50年以上ぶりという大槌町の菊池國雄さん(67)は「見ごたえがあって、ジオの観点からも魅力十分な場所。うまくやれば人を呼び込める観光ができるのでは。興味を持つ人も多いと思う」と話した。

 

 一連の説明を受けた後、同事務所内の展示室も見学。この日は、どのような切り口でジオストーリーを作るか、テーマ決めまで行った。2回目以降は各テーマに沿ってさらに深く学び、分かりやすく説明できるようなストーリーを作り上げる。

 

 同推進協は今回の釜石での取り組みをモデルに各市町村でジオストーリー作成を推進させたい考えで、本年度の取り組みや成果は冊子にまとめ、次年度以降の参考にしてもらう予定。

 

 三陸ジオパークは、青森県八戸市から宮城県気仙沼市までの南北約220キロ、東西約80キロに及ぶ日本一の大きさを誇り、2013年に日本ジオパークに認定された。

 

(復興釜石新聞 2020年8月8日発行 第898号より)

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