紫に包まれリフレッシュ、刈り取り体験も楽しく〜橋野町青ノ木ラベンダー園


2020/08/11
復興釜石新聞アーカイブ #観光

ラベンダーのいい香りに包まれながら刈り取りに夢中になる来場者

ラベンダーのいい香りに包まれながら刈り取りに夢中になる来場者

 

 釜石市の世界遺産「橋野鉄鉱山」への玄関口に位置する青ノ木ラベンダー園で、7月23日から26日まで花の観賞と刈り取り体験を楽しむ会が開かれた。橋野町振興協議会(和田松男会長、168世帯)が栗橋地区まちづくり会議と共催。見ごろを迎えた花が世界遺産登録から5周年を迎えた同鉄鉱山周辺に彩りを添え、訪れた人たちにひとときの癒やしをもたらした。期間中、165人が訪れた。

 

 同園は旧青ノ木グリーンパークスケート場跡地の一角に整備され、グロッソラベンダー約700株が育つ。今年の開花は例年並み。23日からの4連休には多くの花が咲きそろい、目にも鮮やかな紫色のじゅうたんが広がった。

 

 梅雨の晴れ間に恵まれた24日は、家族連れや友人グループが次々と来園。会場に用意されたはさみを手に園内をまわり、開花が進んだ花を刈り取った。刈った花は一束300円で販売された。

 

 浜町から足を運んだ60代の夫婦は「コロナ疲れか頭がもやもやする感じだったが、ラベンダーの花の香りで気分もすっきり」と心身ともにリフレッシュ。新型コロナウイルスの再びの感染拡大で帰省もままならない関東や関西在住の子どもらのために「ラベンダースティックを作り、荷物と一緒に送ろうと思う。お盆にも帰ってこられないだろうから」と厳しい現状を案じた。

 

 ラベンダーの香り成分は精神の安定、鎮痛などに効果があるとされ、ドライフラワーやリース、リボンと編み込んだラベンダースティックなどで長く香りを楽しむ人も多い。同園の来場者からもそれぞれの活用法が聞かれた。

 

 同振興協が管理するラベンダー園は、橋野鉄鉱山の世界遺産登録に伴う駐車場確保のため一時、撤去されたが、2015年に現在地に移転整備された。今年は、市の「橋野地区地域資源利用魅力向上事業」補助金を受け、スケート場跡地全体(約2300平方メートル)をフラワーガーデンとして整備する計画で、現在、土地の造成工事が進められている。

 

 植栽種は検討中だが、「シカの食害にあいにくいものを考えている。春から秋まで花を楽しめるような種類をそろえられたら」と和田会長。植え付けは9月を予定している。

 

 同鉄鉱山の世界遺産登録から5年。和田会長は「新しい人の流れができ、地域活性化への波及効果もある。今後は鵜住居地区を拠点に海岸部と山間部をつなぎ、トータルな魅力発信で観光振興を図っていければ」と願う。

 

(復興釜石新聞 2020年8月1日発行 第897号より)

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