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ラグビーカフェ釜石

「ラグビーカフェ釜石」がシープラザ釜石にグランドオープンします

ラグビーカフェ釜石

 

ラグビーカフェ釜石とは?

「ラグビーカフェ釜石」は、平成25年10月に、震災復興に励む釜石を、ラグビーを通じて盛り上げようと、市民有志によりラグビーワールドカップ2019開催地立候補を応援する目的で、鵜住居絆ハウスにオープンした情報発信カフェです。平成27年3月、釜石市がラグビーワールドカップ2019開催都市に決定された後、鵜住居地区の復興事業に伴い移設を行いました。

 

4/29(金)、グランドオープン

この度、ラグビーワールドカップ2019釜石開催支援連絡会プロモーション事業の一環として、平成27年11月15日(日)にプレオープンイベント、平成28年3月19日(土)・20日(日)にMeetup Kamaishiへの出展を経て、平成28年4月29日(金)から、シープラザ釜石にグランドオープンいたします。
釜石へお越しの際は、どうぞお立ち寄りください。

 

1. 出展時間

2016年4月29日(金)午後2時00分~午後6時00分

2. 出展場所

シープラザ釜石2階西側フロア(住所:釜石市鈴子町22-1)

3. 運営

ラグビーワールドカップ2019釜石開催支援連絡会(担当:釜石市ラグビーワールドカップ2019推進室)

4.グランドオープンセレモニー

【時間】
午後4時00分~午後5時00分(予定)
【次第】
・開会
・市長挨拶
・ブリッジプログラムニュージーランドツアー参加中学生による報告
・釜石シーウェイブス選手紹介
・閉会

5. 展示コーナー

釜石ラグビー、ラグビーワールドカップに関するパネル・物品の展示

 

コーヒー100杯、釜石バーガー100食を無料にておふるまいいたします。
数に限りがありますので、1人1組とさせていただき、無くなり次第終了とさせていただきます。

 

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/ragby_city/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/04/22/Open.pdf

ラグビーカフェ釜石 グランドオープン告知チラシ

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今後の予定

 

(1)シープラザ釜石
グランドオープン以降は、原則として土・日・祝日に開設。平日に見学を希望される方はご相談下さい。
※お問い合わせ先:ラグビーワールドカップ2019推進室(電話:0193-22-6323)

 

(2)出張ラグカフェ
各地で実施されるラグビー関係のイベントに、随時出展予定。
※今後の予定は随時プレスリリースやホームページ等の掲載で周知していきます。

 

シープラザ釜石について

 

下記URLより、案内ページをご覧ください。

 

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/spot/detail/1191195_2452.html

シープラザ釜石-詳細ページ-観光スポット-楽しむ-釜石市

三陸の大地に光輝き、希望と笑顔があふれるまち、釜石市の公式ウェブサイト。市政より釜石市の紹介に関するコンテンツを提供しています。
リンク


 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-22-2111(105) / Fax 0193-22-6040 メールでの問い合わせ
元記事:
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/ragby_city/detail/1200896_3208.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
国体OWS競技について話す大貫映子さん

国体成功へ機運高める 200日前記念イベント〜復興のシンボル 頑張る姿 全国へ発信、ドーバー横断水泳 大貫さん OWS周知

>エアロビックチームならではの振り付けも入れたわんこダンスでイベントを盛り上げた

エアロビックチームならではの振り付けも入れたわんこダンスでイベントを盛り上げた「DA★DA」

 

10月に本大会が行われる「希望郷いわて国体」(第71回国民体育大会)まで半年を切り、釜石市実行委員会は10日、200日前記念イベントをイオンタウン釜石で開いた。関係者や一般市民ら約200人が参加し、東日本大震災復興のシンボルとして開催される国体の成功へ機運を高めた。

 

 国体を盛り上げようと県下で普及活動が進められてきた「わんこダンス」を、市内のエアロビックチーム「DA★DA」が披露。小学1年生から中学2年生の10人が躍動的なダンスでオープニングを飾った。

 

 トークショーには、釜石での実施競技の一つ、オープンウォータースイミング(OWS=遠泳)の国内第一人者、大貫映子さん(55)=東京都=がスペシャルゲストに招かれた。大貫さんは早稲田大在学中、イギリス―フランス間のドーバー海峡(33キロ)横断泳に日本人として初めて成功。釜石市出身の及川文寿さん(67)から水泳の指導を受け、小学生のころから釜石の市営プールで合宿を行い、ドーバー海峡挑戦前には釜石湾で練習を重ねた。

 

国体OWS競技について話す大貫映子さん

国体OWS競技について話す大貫映子さん(中央)

 

 震災後は、根浜海岸で行われる「はまゆりトライアスロン」復活大会にも出場。新日鉄釜石ラグビー部のトレーナーも務めた及川さんとのつながりで、日本一7連覇の主力として活躍した石山次郎さん(58)らとリレーチームを組み、2013年から3年連続で大会に出ている(13年はアクアスロン)。

 

 OWS競技は、いわて国体で初めて導入され、正式競技として実施される(9月6日、根浜海岸)。日本水泳連盟OWS委員を務める大貫さんは「甚大な被害を被った場所でありながら、地元から開催の意志を示していただき、連盟も深く感謝している。海での5キロ競泳は選手にとっても大きなチャレンジ。震災犠牲者の冥福を祈り、頑張る姿を見せること、全国から多くの関係者が来ることで釜石の応援ができれば」と思いを述べた。

 

 ドーバー海峡完泳後、ヨーロッパ各地のOWS大会に招待された大貫さんと及川さんは、当時、日本ではなじみの無かった同競技に刺激を受けた。その後、日本でも大会が始まり、世界選手権、五輪出場選手を輩出するなど競技環境が整っていった。

 

 2人の遠泳練習地、国体OWS第1回開催地が釜石と、深い縁を感じる大貫さんは「釜石は、いわば(国内OWS)発祥の地とも言えるのでは」とし、競技の認知、普及に期待。実行委は7月10日、本番を想定したプレ大会を東北6県の選手らを集めて行う予定だという。

 

 国体で釜石ではほかに、トライアスロン(10月2日、根浜海岸)、ラグビー(7人制)成年(10月4~7日、市球技場)が行われる。トライアスロンと女子ラグビーはいわて国体から正式競技に採用される。

 

 イベントでは、国体のイメージソングを歌う臼澤みさきさん(大槌町出身)のライブや餅まきも行われた。

 

(復興釜石新聞 2016年4月16日発行 第479号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石はダラス・タタナらが踏ん張り競り勝つ

オール岩手優勝 国体へ弾み、ラグビー男子 釜石セブンス〜釜石SWは連携いま一つ

オール岩手—関東学院大 岩手は関東申峻の先制トライで勢いに乗る

オール岩手—関東学院大 岩手は関東申峻の先制トライで勢いに乗る

 

 7人制ラグビーの第4回FPホームズ杯釜石セブンズ大会は10日、釜石市甲子町の市球技場で行われ、男子は釜石シーウェイブス(SW)RFCを主体に選抜したオール岩手が3戦全勝で優勝。秋の岩手国体へ向け順調なスタートを切った。外国人選手を中心に、セブンズの練習をほとんどしないまま臨んだ釜石SWは連係がいま一つ。秋田ノーザンブレッツには競り勝ったものの、1勝2敗で3位に終わった。

 

 男子には関東学院大を加えた4チームが出場し、総当たり戦を行った。オール岩手は初戦で秋田を17―7で下し、釜石SWにも12―10で競り勝った。事実上の決勝となった関東学院大戦は接戦の予想を覆し、42―12の大差で圧倒。連係の取れたパスワークで翻弄(ほんろう)し、学生にも走り負けないフィジカルの強さを印象付けた。

 

釜石はダラス・タタナらが踏ん張り競り勝つ

釜石SW|秋田ノーザンブレッツ 釜石はダラス・タタナ(左)らが踏ん張り、競り勝つ

 

 釜石が会場となる岩手国体ラグビー成年の部で優勝を目指すオール岩手は、釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)が監督を務め、三浦健博ヘッドコーチがHCを兼任。今回は12人のメンバーのうち10人をSWの選手で編成し、WTB小野航大を主将に起用した。

 

 国体本番で指揮を執る三浦HCは「国体を目標に2月から練習してきた。やろうとしていることが形になってきた」と手ごたえを話す。中でも高く評価したのは、藤原健太、小野航大、村井佑太朗のバックスリーの動き。ベテランFB沼田邦光もよく得点に絡み、存在感を示した。

 

 小野主将は「しっかりとボールを出し、前へ前へという意識でできた。オール岩手に限らず、SWも若手で盛り上げていきたい」と意欲を示す。桜庭GMは「15人制で培ったことが7人制でできた。波がなく、試合を重ねるごとに良くなった」と目を細めた。

 

 一方、連係不足が目立った釜石SW。昨年と同じ3位に終わったものの、東海大から加わったバックスのオスカ・ロイドと佐々木裕次郎が合わせて3トライを奪うなど新戦力が活躍。秋田戦では2年目のFWダラス・タタナと新加入の中野裕太が豪快な突破を見せ期待を抱かせた。

 

 大学時代に7人制も普通にやっていたというロイドは「連係では悪い面も出たが、久しぶりの試合で雰囲気は楽しめた。タックルでもっと頑張り、トップリーグ昇格に貢献したい」と思いを新たにしていた。

 

(復興釜石新聞 2016年4月13日発行 第478号より)

 

復興釜石新聞

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トップリーグ昇格への貢献を誓う新規加入選手ら=30日、釜石SWクラブハウス

釜石SW ピーターセンら10選手補強 TL昇格再挑戦〜続投三浦HC「今年こそ歴史変える」

トップリーグ昇格への貢献を誓う新規加入選手ら=30日、釜石SWクラブハウス

トップリーグ昇格への貢献を誓う新規加入選手ら=30日、釜石SWクラブハウス

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCは3月30日、2016年度の新体制を発表した。南アフリカ出身のSOジョー・ピーターセン(31)、今年の大学選手権決勝に東海大CTBとして出場したオスカ・ロイド(22)ら10選手が新規加入。悲願のトップリーグ(TL)昇格へ、質、量ともバランスの取れた陣容で臨む。続投し3年目の指揮を執る三浦健博ヘッドコーチ(HC)は「今年こそ昇格を果たし歴史を変えたい」と決意を示した。

 

2016釜石シーウェイブス 選手

 

 FWに韓国代表キャップ22を持つプロップ許雄(ホ・ウン、31)がNTTドコモから加わるほか、フッカー吉田竜二(28)がセコムから釜石に復帰。フッカーには盛岡工高出身の中川亮(18)も獲得した。ロックに三菱重工相模原から菅原貴広(27)、フランカー・ナンバー8には神戸製鋼から中野裕太(26)が加わる。

 

 CTBにはロイドのほか、東海大から共に黒沢尻工高出身の佐々木裕次郎(22)、堀田隼平(22)の即戦力3人を補強。SHには地元釜石商工高から前川紘(18)が加入する。

 

 今後さらに1、2人の補強を予定する。

 
 司令塔として期待するピーターセンは南半球の世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」シャークスに所属。夏ごろ合流する見込み。

 

 豪州出身のロイドは母親が日本人。大学選手権では堅いディフェンスで東海大の準優勝に貢献した。「タックルで釜石をトップリーグに」と意欲を見せる。

 

 須田康夫主将(32)も続投。スタッフでは桜庭吉彦ディビジョンマネジャー(DM)がゼネラルマネジャー(GM)専任となるほか、ディーン・ラットン氏(42)がアシスタントコーチとして復帰する。

 

 三浦HCはアタックシステムの変更に時間がかかった昨季の反省を踏まえ、「さらに攻撃力のあるチームに」と青写真を描く。桜庭GMは「19年ワールドカップを成功させるためにも、1年でも早くトップリーグに上がりたい」と誓う。

 

(復興釜石新聞 2016年4月2日発行 第475号より)

 

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勝利を信じて最後まで声を張り上げる在校生

「よく頑張った」「ありがとう」はつらつプレーに感動の拍手〜釜石ナイン爽やかに散る

勝利を信じて最後まで声を張り上げる在校生

勝利を信じて最後まで声を張り上げる在校生

 

 釜石高側のアルプススタンドでは約1千人の応援団が声援を送った。25日に行われた第88回全国高校野球選手権大会2回戦で、釜石は滋賀学園と対戦。1―9で敗れたが、今大会で甲子園初勝利を挙げた選手たちははつらつプレーで全力を尽くし、爽やかな印象を残した。試合後、選手たちがスタンド前に整列すると、「よく頑張った」「ありがとう」の声。温かい拍手で奮闘をたたえた。

 

序盤の失点にも、同点、逆転を祈って声を振り絞る釜石応援団の家族席=二回裏

序盤の失点にも、同点、逆転を祈って声を振り絞る釜石応援団の家族席=二回裏

 

 三塁側アルプススタンドには生徒や教職員、卒業生のほか、震災後から支援を続けている摂津市や倉敷市などからも応援団が駆け付けた。生徒たちは24日午後2時過ぎにバスで釜石市を出発、車内で一夜を明かすスケジュールだったが、疲れは見せず元気いっぱい。釜高応援団長の菊池望君(3年)は「力強いプレーで甲子園を感動の渦に。自分たちの応援で後押しする」と力を込めた。

 

チャンス釜高

好機には野球部伝統の応援「チャンス釜高」を大合唱

 

 試合は四回を終えて0―6と点差がついたが、「頑張れ」「踏ん張れ」「負けるな」の声が飛び交った。昨年夏まで釜石高野球部主将を務めた西澤和哉さん(18)=東京都八王子市=は「押されているけど、あきらめず、粘り強いプレーを続ければチャンスはある。夢の場所に立てる喜び、全国からの支援への感謝の気持ちを込めた全力プレーを見せてほしい」と期待した。

 

劣勢にも勝利を祈り続ける応援スタンド

劣勢にも勝利を祈り続ける応援スタンド

 

 五回表を三者凡退で切り抜けると、その裏に反撃。2死一、三塁として、「ゴーゴーレッツゴー、チャンス釜高」の応援ソングが響く中、8番・大尻悠矢選手が左前に適時打を放ち、スコアボードに待望の「1」が刻まれると、アルプスは最高潮に盛り上がった。「まだいけるぞー」。震災後、鵜住居町根浜地区の支援をきっかけに釜石を応援し続けている倉敷市玉島地区からは約30人の応援団が。堀三津子さん(47)は「勢いに乗って釜石らしい爽やかなプレーを。『鋼鐵の意志』で頑張れ」と熱のこもった応援で選手たちを後押しした。

 

五回裏、待望の1点に沸き立つ釜石応援団

五回裏、待望の1点に沸き立つ釜石応援団

 

熱い応援を送り続ける倉敷市玉島地区の住民

熱い応援を送り続ける倉敷市玉島地区の住民

 

 八回にも3点を失ったが、「ドンマイ、OK」「一つ一つしっかり守れ」「みんなで声出していこう」と選手たちを鼓舞し続けた。4番・菊池勇貴選手の母、香織さん(45)は「頑張っている姿を見てきた。大きい舞台だけど落ち着いて、今までやってきたことを十分出しきり、楽しんでプレーしてほしい」と見守った。

 

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「甲子園まで連れてきてもらった感謝を込め、勝ってもらえるよう盛り上げる」。釜高吹奏楽部は力強い演奏でエールを送り続けた

 

 「かまいし、釜石」。九回裏、最後まで全力でプレーする選手たちに観衆からは温かい声援が送られた。及川勇悦さん(82)は釜石生まれの釜石育ち。仕事で移り住んだ東海市から駆け付け、「よう健闘した。ひたむきに頑張った。感動した」と笑顔を見せた。

 

三塁側の応援スタンド前に整列し感謝する釜石高ナイン

三塁側の応援スタンド前に整列し感謝する釜石高ナイン

 

 今年度で定年退職する釜石高の互野恭治校長は「甲子園に連れてきてもらい、伸び伸びと爽やかな釜高野球をしてくれた生徒に感謝。甲子園はすごい力を持っている。一生経験できないかもしれないことを経験できたことに感謝し、今後の生活の踏ん張りにしてほしい。夏があるので頑張ってほしい」と激励した。

 

(復興釜石新聞 2016年3月30日発行 第474号より)

 

復興釜石新聞

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伝令役の菊池主将がマウンドに走ると岩間投手ら内野陣に笑顔が広がる

最後まで全力プレー 甲子園に爽やかな風〜釜石大敗 ベスト8進出ならず

伝令役の菊池主将がマウンドに走ると岩間投手ら内野陣に笑顔が広がる

八回表の釜石のピンチ、伝令役の菊池主将(右)がマウンドに走ると、岩間投手ら内野陣に笑顔が広がる

 

 第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)で初戦を突破した釜石(岩手)は25日、2回戦で滋賀学園(滋賀)に1―9で敗れ、ベスト8進出はならなかった。頼みのエース岩間大投手(3年)の制球が乱れ、初回に2点、二回に1点、四回は3点を失うなど序盤から主導権を握られた。攻めては五回の1得点にとどまった。大敗に終わったものの、釜高ナインは最後まで走攻守に全力で、はつらつとしたプレーを披露。震災の逆境を乗り越えて臨んだ甲子園の晴れ舞台に、爽やかな風を吹かせた。(学年は新年度)=4面に関連記事

 

「よく頑張った」「ありがとう」はつらつプレーに感動の拍手〜釜石ナイン爽やかに散る

 

 接戦に持ち込み、後半に勝負をかけたい釜石だったが、先発岩間は立ち上がりから制球が定まらない。失策から走者を許し、連続安打と中犠飛でいきなり2点を失った。リズムを取り戻せないまま二回、四回にも連打を浴び、失点を重ねた。中でも3番後藤に二塁打2本を含む5安打、4番馬越には本塁打を含む3安打と主軸を抑えることができなかった。攻めては五回に新沼康大(2年)の右中間二塁打から2死一、三塁とし、大尻悠矢(2年)の左前打で1点を返すにとどまった。

 

 九回裏2死、最後の打席に入った岩間大投手が捕飛に終わりゲームセット。釜石ナインは唇をかみ、滋賀学園の校歌を聞いた。足取りも重く三塁側のアルプススタンド前に整列し、応援団に向かって深々と頭を下げた。

 

 「何もできなかった。打たれるとは思ったが、守りでミスが出た。粘れればと思っていたが、流れをつかめなかった。私自身の試合に対する気持ちの作り方が足りなかった」。インタビュールームで佐々木偉彦監督(32)は肩を落として、そう答えた。

 

 試合直前に選手に見せて士気を高めるメッセージ動画をこの日も見せたが、「もう1回ピークをつくるのは難しかった」。

 

 「(小豆島との)初戦は話題性が大きかったが、今度は野球そのものが問われる」(佐々木監督)と気を引き締めて臨んだ2回戦。19安打を浴び、9失点と完敗に終わった。しかし釜石ナインは最後まで笑顔を絶やさず、野球を楽しんだ。

 

 そこには、「たくさんの期待を背負い、子どもたちにはつらい時期もあったと思うが、甲子園では伸び伸びと野球を楽しんでほしい」という佐々木監督の願いもあった。

 

 象徴的だったのは、八回のピンチ。菊池智哉主将が全力で伝令に走ると、マウンドに集まった内野陣に笑顔が広がった。新沼康大一塁手が「投げさせてくれ」と冗談交じりに言うと、「オレも」「オレも」となったという。岩間投手がボールを渡すことはなかったが、笑顔で落ち着きを取り戻した。

 

 最後までベンチで声を出し続けた菊池主将は「悔しい結果となったが、釜石らしい全力野球は見せることができた。チーム全体が成長し、夏には甲子園に戻ってきたい」と誓った。

 

(復興釜石新聞 2016年3月30日発行 第474号より)

 

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八回裏、決勝点に在校生も歓喜の笑顔(

「甲子園に連れてきてくれてありがとう」スタンドに歓声と涙、「鋼鐵の意志」アルプスに響く

三回裏、待望の先制点に沸き立つ家族応援団

三回裏、待望の先制点に沸き立つ家族応援団

 

 釜石ナインが甲子園で躍動した。20年前の釜石南時代を含め、センバツ2度目の挑戦でつかんだ悲願の初勝利。「連れてきてくれてありがとう」。一塁側アルプススタンドの応援団は力の限り声を上げ、ナインの奮闘を後押し。スクールカラーの紫一色に染め、歓喜に沸いた。

 

 最後の打者を打ち取って勝利が決まると、応援団は互いにハイタッチして喜びを爆発させた。「岩手の山川 太平洋の…」。選手とともに校歌を歌い、春の甲子園初勝利をかみしめた。

 

 一塁側アルプス席は生徒や保護者、卒業生などで埋め尽くされた。「頑張れ」「勝つぞ」。プレーボールのサイレンが鳴る前から声援が途切れない。釜高応援団とともにブラスバンド演奏で後押しする吹奏楽部の黒沢美咲さん(3年)は「甲子園まで連れてきてもらった感謝を込め、勝ってもらえるよう盛り上げる」と笑顔を見せた。

 

 駆け付けたOBの中には20年前の甲子園メンバーの姿も。野球部OB会長の小国晃也さん(37)=大槌町職員=は「震災でつらい思いをしてきた中で、つかみ取った甲子園。頑張ってほしい。被災地ということで背負うものもあると思うが、伸び伸び楽しんで。笑顔でやることが被災地に元気を届けることにつながる」と激励した。その隣には「KAMAISHI MINAMI」と校名が入った白い上着が。震災で犠牲になった宮田豊さん(享年32)の遺品だ。「一緒に校歌を歌えればいいな」と亡き友に語りかけた。

 

 姉妹都市の東海市からもバス2台で80人が応援に駆け付けた。佐々木有三さん(68)は「公立校、釜石のような地方校が甲子園に出るのはめったにないこと」、大槌町生まれの後藤順次さん(64)は「つながりがあるから、この場で応援したい」と試合を見守った。

 

 三回に1番・佐々木航選手の中前打で先制点をあげると、「ヨッシャー」などと喜ぶ声が上がった。「ハガネノココロ GO!カマイシ!」と声援を送るのは、関東を中心に全国の釜石出身者でつくる釜石応援団のメンバー15人。及川健智副団長(40)=東京都江東区=は「震災時は小学生。制約の中、頑張ってきた。悔いのないように」と願った。

 

 その後、八回にも佐々木航選手の安打を足掛かりに、3番・奥村颯吾選手の中越え二塁打で追加点をあげた。メガホンを突き上げて割れんばかりの大歓声に包まれるアルプス。奥村選手、5番・新沼康大選手が小学時代に在籍していた双葉野球スポーツ少年団でエース投手の金澤俊輔君(12)が「生で見ることができてうれしい。ぼくも甲子園に出たい。(先輩たちは)かっこいい」と笑顔をはじけさせた。

 

 応援団が祈るように見つめたのは九回表。一球一打に息をのむ。奥村選手の前に白球が転がる。丁寧にさばき、一塁へ。新沼選手ががっちりと受け止めると、紫色に染まったスタンドは、ようやく大きく揺れた。

 

八回裏、決勝点に在校生も歓喜の笑顔(

八回裏、決勝点に在校生も歓喜の笑顔

 

 笑顔で声援を送り続けていた同校の佐々木春菜さん(2年)は「ドキドキした。勝ってくれると信じていた。甲子園は一生に一度、行けるかどうか分からない。来ることができただけでもいいのに、いい試合して勝って本当にうれしい。ありがとう」と目を潤ませた。

 

 一塁コーチャーを務めた中村翔斗選手の祖母、絢子さん(78)=小佐野町=は「勝利と孫の頑張る姿を見ることができて良かった。最高」と、一緒に訪れた親戚の佐野ミサ子さん(77)=定内町=と顔を見合わせ笑った。

 

 東京都江東区から駆け付けた高杉知明さん(49)は、おいの9番・石崎仁鵬(のりたか)選手の活躍を見つめた。「感無量。涙が出た」と感激。息子の太基君(11)は「(石崎選手は)かっこいい。ぼくも何かに挑戦したい気になった」と目を輝かせた。親子で声を合わせ、「もう一つ勝って」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2016年3月23日発行 第472号より)

 

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一塁側の応援スタンドに駆け寄る釜石高ナイン

センバツ初勝利 復興の光に〜21世紀対決 小豆島に2-1、釜石高 歴史つくった

一塁側の応援スタンドに駆け寄る釜石高ナイン

悲願の甲子園初勝利。「校歌」を歌った後、一塁側の応援スタンドに駆け寄る釜石高ナイン

 

 「鋼鐵(はがね)の意志(こころ)」甲子園に響く――。第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)は20日、西宮市の阪神甲子園球場で開幕。釜石(岩手)は第2日の第1試合で同じ21世紀枠の小豆島(香川)と対戦し、2―1で競り勝った。不利と予想された下馬評を覆し、20年ぶり2回目のセンバツで手にする悲願の甲子園初勝利。一塁側のアルプススタンドには釜石から、あるいは釜石ゆかりの各地から約2千人が応援に駆け付け、被災地に届ける1勝に沸いた。

 

 釜石が接戦を制し、悲願の甲子園初勝利を手にした。三回1死三塁で1番佐々木航が中前に弾き返して先制。佐々木航は八回にも中前打で出塁し、3番奥村の中越え二塁打で生還。結局、これが決勝点となった。主戦の岩間は立ち上がりこそ制球が定まらなかったが、尻上がりに調子を上げ、直球とスライダーにチェンジアップを効果的に混ぜて打ち取り、完投した。

 

被災地に届ける勇気の1勝

 

スコアボード

 

 20年前、釜石南高として初めて甲子園の土を踏んだ、米子東とのあの初戦が思わず頭をよぎった。2―0とリードして迎えた最終回の守り。1死二塁から左前安打にエラーが絡み、1点差に迫られる。20年前はここから逆転され、無念の涙をのんだが、今度は違った。落ち着いて後続を内野ゴロに打ち取り、ゲームセット。「釜石高の歴史をつくった」。九回を投げ抜いた岩間大投手は、4万2千人の大観衆の中で飛び上がって喜んだ。

 

 「ここまでが長かった。たくさんの期待を背負い、子どもたちにはつらい時期もあったと思うが、本当におめでとうと言ってやりたい」。佐々木偉彦監督は選手とともに、晴れやかな表情で母校の校歌を甲子園に響かせた。

 

 21世紀枠でつかんだ2度目のセンバツ切符。しかも震災を乗り越えての出場で全国から注目を集めることになったが、のしかかる重圧も大きかった。技術よりメンタル面を重視してきた佐々木監督。時には「(被災地ということで)ひいきにされることに甘えるな」と選手に厳しく諭すこともあったという。「野球と震災は分けて考えています。野球をやるのは生徒。せっかく出るのであれば、シンプルに野球に集中し楽しんでほしかった」。32歳の青年監督は、この信念を貫き通した。

 

 大舞台に向かって選手の気持ちを盛り上げていく心配りも見事だった。試合直前の室内練習の場面では、各部員宛てのメッセージをパソコンの画面に映し出して見せた。「ここで、それが出るか」。岩間投手は感極まり、思わず泣いたという。

 

 「うちは弱いです」と佐々木監督はよく口にする。甲子園本番までの練習試合は8連敗。最後に予定していた練習試合は、雨もあったが取りやめたほど。うまくいかなかった時期を乗り越え、監督のタイムリーなメッセージがナインの気持ちを切り替え、奮い立たせた。

 

 ベンチでは「一丸」を心がけ、親指と小指を突き上げる共通ポーズで盛り上げた。「どんな状況の時でも気持ちを落とさず、『いいね』。これが勝利のルーティーン」と佐々木監督は笑った。

 

 震災後、21世紀枠での東北勢の勝利は初めて。大会前に目標に掲げていた「ベスト4」へ一歩近づいた。次戦の相手は滋賀学園(滋賀県)。岩間投手は「次もガンガン強気で攻めたい」と力を込める。粘りに粘ってセンバツ出場につなげた、昨秋のムードに似てきた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月23日発行 第472号より)

 

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組み合わせ抽選会

センバツ初戦は小豆島と〜釜石高 菊池主将「被災地の声援に応えたい」

 20日に開幕する第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の組み合わせ抽選会は11日、大阪市の毎日新聞大阪本社で行われ、20年ぶりに甲子園の土を踏む釜石(岩手)の初戦の相手は、同じ21世紀枠で出場する小豆島(香川)に決まった。大会2日目の第1試合(21日午前9時開始予定)で対戦する。この日は東日本大震災から丸5年。抽選会場では、被災地から出場する釜石に関心が集まった。しかも、史上2度目という”21世紀枠対決”が実現。注目度はさらに高まったが、菊池智哉主将(3年)は「いつもの自分たちの野球をやるだけ。最後まで粘り強く」と落ち着いて言った。

 

健闘を誓い合う釜石の菊池智哉主将(左)と小豆島の樋本尚也主将

史上2度目の「21世紀枠対決」が実現。健闘を誓い合う釜石の菊池智哉主将(左)と小豆島の樋本尚也主将=11日、毎日新聞大阪本社

 

 組み合わせはまず、同地区対戦を避けるための振り分けを行い、抽選の順番が最後になった東北地区の釜石に残されたのは開幕試合の「1番」か「7番」。菊池主将は後者を引き当て、小豆島との対戦が決まった。

 

 小豆島は、少子化、野球人口減の困難を克服し、来春の統合を前に甲子園初出場を決めた注目校。話題の2校の対戦が決まると、会場からどよめきが湧いた。菊池主将は「甲子園の雰囲気をつかんでから試合をしたかったので、開幕日だけは避けたかった」と胸をなでおろした。

 

 「うちのチームは強い相手ほど燃える」と大阪桐蔭など強豪校との対戦を望んでいたが、小豆島との対戦もどこかで予感していた。ビデオ映像でプレースタイルを確認したこともあるという。ステージに上がり、小豆島の樋本尚也主将と握手を交わした菊池主将は「野球を考え、楽しむスタイルのチームと聞いている。自分たちも見習う部分はある」と謙虚に話した。

 

 小豆島は17人の部員全員が島出身。21世紀枠とはいえ、昨秋の神宮大会を制した高松商を香川県大会で破っている実力校だ。しかし、気持ちでは釜石も負けてはいない。菊池主将は「最後まで粘り抜く自分たちのスタイルを貫き、勝って釜石高の歴史をつくりたい」と力を込めた。

 

 抽選前には会場の全員で黙とうもささげられた。松原町で被災し甲子町の仮設住宅で暮らす菊池主将は、多くの記者に囲まれ、「この日に抽選会場にいることがありがたい。被災地の声援に応えたい」と、あらためて誓った。

 

 鵜住居町の実家が津波で全壊した佐々木偉彦監督(32)も「大切な日に、この場にいられることがうれしい」と組み合わせ抽選会に臨んだ高揚感をかみしめた。

 

釜石の佐々木偉彦監督(右)と小豆島の杉吉勇輝監督も握手

釜石の佐々木偉彦監督(右)と小豆島の杉吉勇輝監督も握手

 

 小豆島の杉吉勇輝監督は同じ32歳で、青年監督対決としても注目を集める。握手を交わした佐々木監督は「(小豆島は)対戦したい学校だった。投手が良く、守備が堅い印象が強い。ミスを減らし、最少得点に抑えて粘り強く戦いたい」とゲームプランを描く。試合巧者との評判も高い杉吉監督は「投手を中心に守り勝つ野球をしたい」と笑顔で応えた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月16日発行 第470号より)

 

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野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を

「鋼鐡(はがね)の意志(こころ)」アルプススタンドへ〜選抜出場OB 横断幕贈呈

野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を

野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を手に決意を新たにする釜石高ナイン=6日

 

 20日開幕する第88回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する釜石高野球部に6日、20年前の釜石南高時代にセンバツに出場したOBらから横断幕が贈られた。横断幕には、校歌の一節にある「鋼鐵(はがね)の意志(こころ)」と大きく記された。甲子園のアルプススタンドに掲げられ、釜石から駆け付ける応援団と共に釜高ナインに熱いエールを送る。

 

 贈られた横断幕は縦1.2メートル、横12メートル。スクールカラーの紫紺の生地に「鋼鐵の意志」の文字が鮮やかな深紅で染め抜かれた。20年前の甲子園出場メンバーで釜石高野球部OB会長の小国晃也さん(37)=大槌町職員=らが、当時監督を務めた佐藤隆衛さん(74)=大船渡市在住=に依頼。これを快諾した佐藤さんは気合を込めて筆を走らせ、勢いのある文字に仕上げた。

 

 この日は小国さんのほか、20年前に投手の二本柱としてセンバツ出場に貢献した萬(よろず)大輔さん(37)=釜石市職員=、県立釜石病院の理学療法士として活躍する小国忍さん(37)らOB6人が母校のグラウンドに足を運び、センバツまで10日余りと迫った後輩に横断幕を手渡した。

 

 OB会長の小国さんは「OB一同の気持ちが入っている。甲子園は特別なところ。緊張したら、この横断幕を見て伸び伸びプレーしてほしい」とナインを激励。大槌町で塗装工芸店を営み、横断幕の製作を担当した倉本武樹さん(35)は「優勝を目指し、精いっぱいがんばってほしい」とエールを送った。

 

 菊池智哉主将は「『鋼鐵の意志』はみんなの生活にも生きている。目標は21世紀枠で最高のベスト4だが、決勝でも横断幕を掲げたい」と決意を新たに。佐々木偉彦監督(32)は「佐藤先生(隆衛さん)からは『思うようにやれ』とアドバイスもいただいた。横断幕は甲子園でアレだと思える目標になる」と喜んだ。

 

 釜石での最後の練習日となったこの日は、推薦で釜石高への入学を決めた三浦友聖君(大平中3年)、栗沢宏輔君(釜石東中3年)も見学に訪れ、熱い視線を送った。

 

 釜高ナインはOBらの熱い思いを胸に、11日に甲子園へ向けて出発する。これを前に、7日から9日にかけて茨城県へ遠征、土浦日大などと練習試合をする。奇しくも東日本大震災から5年となる11日には、大阪市の毎日新聞大阪本社で組み合わせ抽選会があり、初戦の相手が決定。翌12日には天理などと練習試合をする。その後、京都外語大西、東洋大姫路などの強豪校と練習試合を重ね、甲子園の大舞台に臨む。

 

(復興釜石新聞 2016年3月9日発行 第468号より)

 

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被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部

被災地代表 決意新たに、待ち遠しい入場行進〜釜石高に輝く選抜旗、初戦相手は11日に決定

被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部

選抜旗授与式で、被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部=2月29日、釜石高で

 

 今月20日に開幕する選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する釜石高(互野恭治校長、全日制530人)野球部に2月29日、選抜旗が贈られた。輝く校章が入った選抜旗は、開会式で菊池智哉主将が掲げ、堂々の入場行進をする。甲子園出場のシンボルを手にした部員らは「被災地の代表として恥じない試合を」と決意を新たにした。

 

 大会を主催する毎日新聞社から贈られた選抜旗は、スクールカラーの紫紺を地に、石楠花をデザインした校章がくっきりと浮かび上がる。授与式は同校体育館で行われ、全校生徒が見守る中、毎日新聞盛岡支局の柿沼秀行支局長から互野校長へ、さらに菊池主将へしっかりと手渡された。

 

 壇上に整列した24人の部員を前に、柿沼支局長は「岩手だけではなく被災地の代表としてがんばってきてほしい」、県高野連の真岩一夫会長は「甲子園で全国のみなさんに感動と感謝の気持ちを伝えてほしい」と激励した。

 

 互野校長は「センバツ出場は文武両道で努力する全校生徒へのご褒美。甲子園では伸び伸びと試合をし、校歌を歌おう」とエール。菊池主将は「全国各地から応援されていると実感する。釜石高の歴史をつくる甲子園初勝利を挙げ、ベスト4を超えて21世紀枠の歴史を塗り替えたい」と決意を表明した。

 

 このあと壮行会が行われ、生徒会長の佐々木希さん(2年)が「堂々と、感謝の気持ちを忘れずプレーしてほしい」とエール。佐々木偉彦監督は「一緒に甲子園に行こう。応援をよろしくお願いします」と生徒に呼びかけた。

 

 選抜旗が授与される模様は、翌日に卒業式を控えた3年生も見守った。3年間サッカー部で活動し、野球部と同じグラウンドで汗を流した菊池要君は「震災で祖父を亡くした。センバツ出場が少しでも復興への希望の光になってくれれば」と期待を込めた。

 

 釜石高ナインは21日から1週間にわたる愛知県東海市での合宿を終え、28日にバスで13時間をかけ釜石に帰ってきたばかり。佐々木監督は「体、心、頭づくりと、すべての面で成果があったが、走攻守どれを取っても力不足。甲子園で勝てるようになるにはまだまだ、これから」と気を引き締める。

 

 組み合わせ抽選は東日本大震災からちょうど5年となる3月11日に行われるが、菊池主将は「東北大会がそうだったように、相手が強ければ強いほど燃えるのが、うちのチーム。大阪桐蔭とか、できれば強いところと当たり、夏の大会にもつなげたい」と意気込む。

 

 釜石高ナインは組み合わせ抽選が行われる11日に甲子園に向けて出発する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2016年3月2日発行 第466号より)

 

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東海市の鈴木淳雄市長(左)を表敬訪問した釜石高野球部の佐々木偉彦監督と菊池智哉主将

釜石高ナイン 東海市長を訪問〜センバツ勝利を誓う

東海市の鈴木淳雄市長(左)を表敬訪問した釜石高野球部の佐々木偉彦監督と菊池智哉主将

東海市の鈴木淳雄市長(左)を表敬訪問した釜石高野球部の佐々木偉彦監督と菊池智哉主将=東海市提供

 

 第88回選抜高校野球大会に向けて愛知県東海市で合宿している釜石高野球部の佐々木偉彦監督(32)と菊池智哉主将(2年)、釜石市教委の沖裕之スポーツ推進課長が23日、東海市役所に鈴木淳雄市長を訪ね、同市を挙げた支援に感謝するとともに、センバツでの勝利を誓った。

 

 佐々木監督は「合宿を受け入れていただき、ありがたい。とても暖かく、選手が生き生きとプレーできる環境を提供していただいた。ここで力を付け、センバツで躍動できるよう頑張りたい」と感謝。菊池主将は「まだ甲子園で勝てる力はない。釜石では1日2時間程度しか練習できなかったが、ここでもっと力を付けたい。メンタルや技術面を鍛え、甲子園では勝負強さを発揮して一つずつ勝ち上がっていきたい」と決意を語った。

 

 鈴木市長は「地元の高校が甲子園に出場したように、うれしく思う。この1週間で技術やチームワークを磨き、1勝と言わず優勝を目指してほしい」とエールを送った。

 

 東海市には、東海製鉄所(現新日鉄住金名古屋製鉄所)の立地に伴い多くの釜石市民が移住し、2007年に姉妹都市を締結。中学生の相互訪問などで交流を深めてきた。釜石市が開催地に決まった2019年ラグビーワールドカップ(W杯)に向けても、ラグビー基金にいち早く3千万円を寄付するなど絆を強めてきた。

 

 釜石高のセンバツ出場を受け、合宿受け入れを快諾。選手らは21日から28日まで、新日鉄住金東海REXグラウンドなどで打撃や守備練習に汗を流している。東海市は釜石高の試合に向け、市民応援バスも繰り出す予定だ。

 

(復興釜石新聞 2016年2月27日発行 第465号より)

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