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小学校5・6年以上の各年代男女が入り乱れて3・2キロのスタート

健康謳歌、釜石マラソン〜ゴール目指し 全力で、幼児から70代まで 461人 駆け抜ける

小学校5・6年以上の各年代男女が入り乱れて3・2キロのスタート

小学校5・6年以上の各年代男女が入り乱れて3・2キロのスタート

 

 「明るく、たくましく、健康に」をスローガンに、第42回釜石健康マラソン大会(市教育員会、市体育協会、市陸上競技協会主催)は「体育の日」の10日、甲子町松倉の市球技場で開かれた。幼児から70代までの市民ら461人が参加。男女の年代別、3種の距離別19部門で、グラウンドや周辺の道路を駆け抜けた。家族や仲間が盛んな声援を送り、心身の健康と、子どもの成長を喜び合った。

 

 あいにくの曇り空。最高気温は16度にとどまったものの、参加者は半袖、短パン姿で元気に準備体操。人工芝のグラウンドを駆け回った。

 

 午前9時からの開会式で、大会名誉会長の野田武則市長は「釜石では、いわて国体の3競技が行われ、好天の中で全国の選手がすばらしいパフォーマンスを見せた。スポーツは躍動する力、生きる喜びそのもの。健康で、明日へチャレンジする力を養ってほしい」と参加者にエールを送った。

 

 市体育協会の菊池達男理事長が祝辞、達増拓也知事のメッセージが紹介され、菊池信男・審判長(市陸協理事長)が競技上の注意を述べた。栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団の橋場夕奈さん(栗林小6年)と佐々木美砂さん(同)が「家族や指導する先生に感謝し、ゴールまで全力で走ります」と、さわやかに宣誓した。

 

レースヘ意欲をみなぎらせ、全員でラジオ体操

レースヘ意欲をみなぎらせ、全員でラジオ体操

 

 甲子川沿いを走る3・2キロの部の大集団から競技がスタート。グラウンド内を走るコースでは、幼児の部の子どもたちが懸命に懸け回った。さまざまに仮装した年少児をサポートする家族の真剣な表情が、会場のほほ笑みを誘った。

 

 競技は2・3キロ、1・5キロの部と続き、スポーツ少年団対抗リレーも行われた。

 

 かまいしこども園の白石恋菜ちゃん(6)は2回目の健康マラソン参加で、姉の愛莉さん(甲子小4年)と仲良く駆け回った。女子・幼児の部で3位に入った恋菜ちゃんは、応援する家族の笑顔に囲まれ、「運動するのは好き。でも、少し疲れた」。父伸明さん(35)は「力強い走りで、がんばった」と愛娘に優しいまなざしを向けた。

 

 藤原拓君(小佐野小6年)は小佐野クラウン野球スポーツ少年団の仲間と3回目の出場。「校内マラソンは2・5キロ。3・2キロは(自分の経験の中で)一番長い距離だった。いつもの調子が出なくて、うまく走れなかった。野球では県大会で準優勝。中学校でも野球を続けたい」と語った。

 

 北上市から参加した藤原健祐(けんすけ)君(上野中2年)は小学校3年生まで釜石市大只越町に暮らし、健康マラソンは6年ぶり。中学校では陸上部に所属、800メートル走を専門とする。3・2キロの中学男子での部で、11分30秒で駆け抜け見事優勝。「うれしい1位。来年の中学総体で入賞し、東北大会に出場したい」と目標を語った。

 

 矢巾町の植田茂實さん(65)は3・2キロ男子60歳以上の部で2位入賞。5人の孫のうち4人も一緒に参加した。釜石市箱崎町の自宅を東日本大震災で失った植田さんは甲子町洞泉のみなし仮設で暮らし、昨年、矢巾町の新居に移った。

 

植田茂實さんは、元気な孫5人に囲まれて、ふるさとのマラソンを楽しんだ

植田茂實さんは、元気な孫5人に囲まれて、ふるさとのマラソンを楽しんだ

 

 「箱崎での自宅再建を待てなかった。内陸部は(社会生活、医療などの)環境が充実している」と植田さん。若い時は空手と柔道をしていたが、血糖値が高く腰痛もあるので、ランニングマシーンを使い1日2回、10キロ走っているという。1年で10キロもダイエット。去年の記録より2分以上タイムを縮めた。「トレーニングの成果と健康を実感している。孫たちと走るのは楽しい」とマラソン大会を満喫した。

 

(復興釜石新聞 2016年10月12日発行 第528号より)

 

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3試合に先発出場し、奮闘した釜石商工高の柏木那月(左から2人目)

ラグビー女子、悔し涙の予選敗退〜柏木那月(釜石商工)再起誓いスタート

3試合に先発出場し、奮闘した釜石商工高の柏木那月(左から2人目)

3試合に先発出場し、奮闘した釜石商工高の柏木那月(左から2人目)

 

 今国体から正式種目となったラグビー女子(7人制)は6日、釜石市球技場で行われ、地元釜石商工高3年の柏木那月(18)らで編成する岩手選抜は予選プールで大阪と三重、順位決定戦では愛媛に敗れ、予選通過はならなかった。果敢な突破で勝利を目指した柏木は「チームを引っ張るべき自分が逆に足を引っ張る面もあって…」と涙が止まらない。「力は出し切った。悔いはない」と最後は前を向いた。

 

 岩手は、日本代表経験のある平野恵理子(釜石高―日体大―YOKOHAMA TKM)をけがで欠き、苦しい戦いを強いられた。防戦一方の中で、柏木は相手を引きずるような猛突進でチームをけん引。芝生席で応援するクラスメートの「なつきコール」が背中を押したが、自身は結局ノートライに終わった。

 

 兄の影響で小学校3年からラグビーを始めた。女子ラグビーはまだ発展途上の種目で、もちろん高校には女子ラグビー部はなく、男子の中に交じって練習を重ねた。地元国体でラグビー女子が初めて正式種目となり、多くの釜石市民の声援を背に晴れの舞台に立った。支えてくれた家族や友達への感謝の思いを全力プレーに込めた。

 

 競技生活はこれで終わりではなく、ここから新たなスタートを切る。「大学に進み、もっと力を伸ばして日本代表に入りたい」と誓う。

 

◇ラグビー女子(7人制)
▽予選プールⅡ
大阪 48―0 岩手
三重 39―0 岩手
▽Ⅱプール順位決定戦
愛媛 27―10 岩手

 

(復興釜石新聞 2016年10月8日発行 第527号より)

 

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敗者戦の秋田戦で快足を飛ばしトライを決める関東申峻

ラグビー成年男子、釜石SW主体 岩手6位入賞〜7人制では本県最高成績

敗者戦の秋田戦で快足を飛ばしトライを決める関東申峻

釜石市民の熱烈な声援を背に、敗者戦の秋田戦で快足を飛ばしトライを決める関東申峻(新日鉄住金釜石)=5日、釜石市球技場

 

 いわて国体ラグビー成年男子は4、5の両日、釜石市甲子町の市球技場で行われ、釜石シーウェイブス(SW)を主体に臨み地元優勝を目指した岩手は予選プールを全勝で決勝トーナメントに進んだものの、1回戦で鹿児島に惜しくも19―21で敗退。5、6位決定戦でも広島に7―22で敗れ、6位入賞に終わった。とはいえ、2013年の東京国体での7人制導入後では本県の最高成績。桜庭吉彦監督(新日鉄住金釜石、釜石SWゼネラルマネジャー)は3年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を見据え、「多くの方にラグビーの魅力を伝えられたのではないか」と収穫を強調した。

 

“強み”封じられ 決勝トーナメント1回戦 敗退

 

 鹿児島が相手となった決勝トーナメント1回戦。地元ファンの大きな声援を背にしながら、よもやの敗退に小野航大主将(釜石SW)は「上手にボールを動かされ、フィジカルで勝る自分たちの強みを出し切れなかった」と悔しさをにじませた。

 

 前半3分、中野裕太(釜石SW)のトライで先制したが、前半終了間際にトライを返され逆転される。後半開始早々、さらにトライを浴び、5―14。その後1トライずつを奪い合い、終了間際に小野主将のトライ(ゴール)で2点差まで迫ったものの、終了のホーンが鳴り万事休した。

 

 5、6位決定戦の相手は、予選プールで下した広島。この試合も中野のトライで先制するも、その後は一方的に4トライを浴びノーサイド。優勝が期待された地元開催は6位入賞にとどまった。

 

 主力の釜石SWが公式戦(トップイーストリーグ)を戦うシーズン中に迎えた国体。15人制と7人制の違いもあり、小野主将は「フィジカル的にもメンタル的にも難しさはあった」と調整の難しさを口にしつつも、「練習時間が少なかったことは言い訳にならない。地元の応援も受けながら、結果で恩返しできなかった」と頭を下げた。

 

秋田との敗者戦で後半2分にトライを決める菅野朋幸(新日鉄住金釜石)

秋田との敗者戦で後半2分にトライを決める菅野朋幸(新日鉄住金釜石)

 

 桜庭監督も「身体の強さやプレーの精度といった強みを発揮できなかった。ベストは尽くしたが、期待に応えられず申し訳ない」。一方で、スピード感あふれるプレーで奮闘した村井佑太朗(新日鉄住金釜石)ら若手選手の活躍を明るい材料に挙げ、「気持ちを切り替えイーストリーグに持っていきたい」と、さらなる成長に期待した。

 

地元応援団の熱い声援に手を挙げて感謝する岩手の選手ら

地元応援団の熱い声援に手を挙げて感謝する岩手の選手ら

 

◇ラグビー成年男子(7人制)
▽予選プールⅢ 
岩手 40―17 広島
岩手 33―12 福井
岩手 26―11 和歌山
▽決勝トーナメント1回戦
鹿児島 21―19 岩手
▽敗者戦
岩手 29―15 秋田
▽5、6位決定戦
広島 22―7 岩手

 

(復興釜石新聞 2016年10月8日発行 第527号より)

 

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スイムを終え、バイクレースに向かう男子の選手

釜石トライアスロン25年を結実、いわて国体本大会〜男子94人、女子88人 全力レース

スイムを終え、バイクレースに向かう男子の選手

スイムを終え、バイクレースに向かう男子の選手。気温20度、秋晴れの天候の下、力強くペダルをこぎ出した。釜石東中生ら沿道の観客の熱い声援が選手の背中を押す=根浜の漁港付近

 

 1日に開幕した希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)本大会のトライアスロン競技が2日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場を発着点に行われた。本国体から正式競技となったトライアスロン。震災による津波被害を乗り越え、根浜でのトライアスロン復活へ歩みを重ねてきた地元の競技関係者は、万感の思いでレースを見つめ、日本のトライアスロン史に名を刻む新たな一歩に誇りをにじませた。

 

本国体から正式競技に 地元関係者 万感の思い

 

 47都道府県の代表、男子94人、女子88人が出場。男女別にスイム(遠泳)1・5キロ、バイク(自転車)40キロ、ラン(長距離走)10キロの総距離51・5キロの3種連続競技を栗林町と箱崎町にまたがるコースで繰り広げた。沿道では地域住民のほか、栗林小、鵜住居小、釜石東中の全校児童・生徒約330人が応援。唐丹中の2、3年生18人は給水ボランティアなどで活躍した。選手らは各所で熱い声援を受けながら全力でレースに挑み、震災から6年目の被災地に大きな力を与えた。

 

 競技は、男子が東京都、女子は千葉県の2選手がワンツーフィニッシュを飾り、正式競技初の大会を制した。千葉の女子はリオデジャネイロ五輪に出場した上田藍、加藤友里恵の両選手がオリンピアンの実力を発揮し、”トライアスロン王国千葉”の名を知らしめた。優勝した上田選手(32)は「競技を続けてきて良かったと思える瞬間だった。これを励みに2020年の東京五輪に向け、目標を一つ一つ達成していきたい」と、リオのリベンジを誓った。

 

記念すべき正式競技第1回大会で見事、入賞を果たした男女の選手ら

記念すべき正式競技第1回大会で見事、入賞を果たした男女の選手ら

 

 本県代表(男女各2人)の最高成績は男子、寺澤光介選手(22)の21位(1時間55分33秒)。「入賞に届かず、ふがいない結果」と悔しさを口にしたが、「地元の声援が心に響き、何とかゴールまでたどり着けた。恩返しは遠くなるが五輪出場で果たしたい」と強い決意を示した。女子24位(2時間11分29秒)の細川久実子選手(36)は自己ベストを約8分縮めた。「震災前の根浜を知る者として、ここで再び3種目できたことがうれしい。今国体を機にトライアスロンの楽しさを感じてもらえれば」と競技の認知、普及に期待を込めた。

 

 釜石トライアスロン協会が中心となり、1990年から”はまゆりトライアスロン大会”を継続してきた同市。2011年の震災で会場の根浜地区は甚大な被害を受けたが、関係者の競技復活への熱意で12年にオープンウォータースイミング(遠泳)、13年にアクアスロン(スイム、ラン)、14年にはトライアスロンの大会を成し遂げ、昨年の国体リハーサル大会を経て今国体を迎えた。

 

 全国から集結した選手らは、震災や台風の影響がある中での大会開催に深く感謝し、「トライアスロンをメジャーに」と競技の振興を誓い合った。

 

 男女上位3人の記録は次の通り。

 

【男子】
①古谷純平(東京都)1時間50分25秒
②小田倉真(同)1時間50分53秒
③谷口白羽(愛知県)1時間51分11秒
【女子】
①上田藍(千葉県)2時間00分01秒
②加藤友里恵(同)2時間02分09秒
③福岡啓(神奈川県)2時間02分17秒

 

成年男子1位の古谷純平選手、2位の小田倉真選手、3位の谷口白羽選手

成年男子1位の古谷純平選手=東京都=(中央)、2位の小田倉真選手=同=(左)、3位の谷口白羽選手=愛知県=(右)

 

成年女子1位の上田藍選手、2位の加藤友里恵選手、3位の福岡啓選手

成年女子1位の上田藍選手=千葉県=(中央)、2位の加藤友里恵選手=同=(左)、3位の福岡啓選手=神奈川県=(右)

 

(復興釜石新聞 2016年10月5日発行 第526号より)

 

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釜石シーウェイブス、逆転で地元連勝〜次節以降の決戦に弾み

逆転のトライを決める村井佑

逆転のトライを決める村井佑

 

 ラグビーのトップイーストリーグ・ディビジョン1の第2節、釜石シーウェイブス(SW)RFCは18日午後2時から、ホームの釜石市球技場に栗田工業ウォーターガッシュを迎え撃った。前半から逆転、リードを許す展開も後半に逆転、粘り強い守備で40―35(前半19―28)で連勝した。ホームでの好発進をバネに、次節25日は東京・秩父宮ラグビー場で日本IBMビッグブルーと対戦する。

 

 前半2分、釜石はFBジェームス・カマナが鮮やかなステップとスピードで栗田守備陣を切り裂き右中間にトライ、コンバージョンゴールも成功して7点を先制した。しかし、その後は攻め込まれる展開が続き、11分、15分、16分、24分と立て続けに4トライ(ゴール)を許し7―28と点差を広げられた。ようやく終盤に態勢を立て直し、29分にはモールからFW中村彰が右中間にトライ。さらに41分には認定トライを奪い19―28と9点差で折り返した。

 

 後半4分、敵陣のラインアウトからモールで押しFW中村彰が左中間にトライ、2点差。しかし、18分、栗田の反撃を受けトライ(ゴール)を許し9点差に押し戻された。

 

 21分、敵陣でキックチャージしたボールをつなぎ、交代出場のFL佐藤雄太が左隅にトライ。SOジョー・ピーターセンが難しい角度からゴールを成功させ、再び2点差に迫った。27分、粘り強いサイド攻撃でTB村井佑太朗が左隅にトライ、逆転。ピーターセンが好キックでゴールを決め5点差とした。

 

 終盤の約10分は、自陣ゴールライン間近での守備に追われた。栗田の左右への展開、突進を何度もしのぎ、栗田がノット・リリース・ザ・ボールの反則。直後に清水塁レフェリーのノーサイドのホイッスルが響いた。

 

 大漁旗を振り続けた釜石応援席は、前回の快勝と打って変わったシーソーゲーム、終盤の防戦を息をのんで見守った。勝利の瞬間、喜びを爆発させる一方、安心の大きなため息がもれた。

 

 三浦健博ヘッドコーチは「地元での開幕2連戦は、絶対勝たなければならなかった。後半は目の前の相手をノミネートし、集中しよう。粘り強く―と指示した。気持ちを出したゲームだった。後は東京。自分たちの(目指す)ラグビーをしたい」と語った。
 須田康夫主将は「地元の応援は力になった。今後はトーナメントと思い、しっかり勝つ準備をする。国体(7人制ラグビー)にも備える」と先を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2016年9月21日発行 第522号より)

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前半37分、トロケ(左)が俊足を生かし、左中間にトライ。後半もスタンドの釜石ファンには胸がすく攻撃が続いた

トップイースト 初戦圧勝〜釜石SW 8トライの猛攻、好発進 秋田に52-3

前半37分、カマナ(左)が俊足を生かし、左中間にトライ。後半もスタンドの釜石ファンには胸がすく攻撃が続いた

前半37分、カマナ(左)が俊足を生かし、左中間にトライ。後半もスタンドの釜石ファンには胸がすく攻撃が続いた

 

 ラグビーのトップリーグ(TL)昇格を目指すトップイーストリーグ・ディビジョン1の釜石シーウェイブス(SW)RFCは10日、ホームの釜石市球技場で秋田ノーザンブレッツと初戦を迎え、8トライの猛攻で合計52―3(前半26―3)で圧勝した。秋田をノートライに抑える会心の勝利でのシーズンスタートに、会場を埋めたファンも歓喜し、昇格への期待を高めた。第2節もホームで18日午後2時、栗田工業ウォーターガッシュを迎え撃つ。

 

 両チームは少年ラガーの間を入場。応援席から「がんばれ釜石」「がんばれノーザン」の声援が行き交った。晴天、気温30度近い中で午後3時に釜石のキックオフ。

 

 釜石は緊張からか、秋田に攻め込まれ、6分にペナルティーゴールを許して3点を先制された。しかし、直後から目が覚めるような攻撃を畳み掛け、守備も機能的に連動。10分にFBジェームス・カマナが右端にトライ、5点を入れて逆転した。20分にはTB村井佑太朗、34分の同マイケル・バー・トロケなど3トライ(ゴール)を加え、23点差とした。

 

 後半も猛攻を続け、最後まで圧倒し4トライ(3ゴール)。秋田の攻撃の芽を粘り強く摘んで26―0の完封をおさめた。

 

 須田主将(32)は試合直後、「勝ったことはいいし、いいプレーもあったが、課題はある」と語り、厳しい表情を崩さなかった。

 

 一方、客席の大半を埋めた釜石サポーターは、後半に入ると試合を楽しむ雰囲気に満ちた。釜石シーウェイブスRFCジュニアチームの釜石小5年・土橋一陽(かずはる)君は経験4年。期待を込めながら、冷静に試合を振り返った。「すごく攻防が激しく、いい試合だった。勝敗はともかく、どちらもキック、ステップ、タックルなどいいプレーが続いた。釜石はたぶんTLに行く」と語った。

 

 今季のトップイーストリーグは昨季と同じ顔ぶれの10チーム。順位を決める勝ち点は、ボーナス点なども加算する。昇格には2位以内が絶対条件だ。1位か、トップウエスト、トップキュウシュウの各2位3チームでの「トップチャレンジ2」を1位で通過すると、TLとの入れ替え戦に挑戦できる。釜石は昨季2位だったが、昇格は成らなかった。

 

(復興釜石新聞 2016年9月14日発行 第520号より)

 

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来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

水泳ニッポン、元五輪選手がトークショー〜萩原智子さん、田中雅美さん、森田智己さんら釜石PITで

来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

 

 国体OWS競技の前日5日には、公益財団法人日本水泳連盟による復興支援イベント「”水泳ニッポン”トークショー」が大町の釜石情報交流センター釜石PITで開かれた。五輪競泳元日本代表の3人が出演。レースの秘話や競技人生から得たことなど貴重な経験を話し、約120人の観客に生きる力と希望を与えた。

 

 2000年シドニー五輪に出場し、現在、同連盟アスリート委員長の萩原智子さん(36)が進行役を務め、五輪銅メダリストの田中雅美さん(37)、森田智己さん(32)に話を聞いた。

 

 田中さんは北海道出身。7歳で本格的に水泳を始め、平泳ぎで頭角を現した。17歳で1996年アトランタ五輪に出場。2000年のシドニー、04年のアテネと3大会連続出場を果たし、シドニー大会400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。現役引退後はスポーツコメンテーターとして活躍。今年のリオデジャネイロ五輪のテレビ番組にも多数出演した。

 

 五輪の緊張、プレッシャーなど自身の体験をリアルに語った田中さん。最後のアテネ大会200メートル平泳ぎでは僅差で4位と非常に悔しい思いをしたが、後悔はなかったという。それには、五輪を目指す中で精神的にきつかった時期に言われた言葉が影響している。「自分にだけはあきらめないで」と言う母、悪い結果に落ち込み不安になりがちな自分に「大事なのは、今日を100%にできたかどうかだ」と諭したコーチ。2人の言葉で「練習に向かう姿勢、大会への気持ちの持っていき方がクリアになった。その日一日の100%を積み重ねることが試合の結果につながる」と実感を込めた。

 

 森田さんは宮城県出身。2歳からスイミングクラブに通い、日本の背泳ぎの第一人者として国際大会で活躍するようになった。アテネ五輪100メートル背泳ぎ、400メートルメドレーリレーで共に銅メダルを獲得。08年の北京五輪にも出場した。現役引退後、柔道整復師の国家資格を取得している。

 

 森田さんは、他選手が緊張をにじませる中1人冷静でいたアテネ大会決勝を、「人生の全てをかけ命がけで臨んだ。逆に落ち着いていた」と分析。競技人生でつらかったことを聞かれると、「今となってはあまり覚えていない。苦しかったことも全部含めて楽しかったことになっている」と振り返り、「水泳って面白いんですよ。何とも実態のない水の感覚。日々発見がある」と魅力を伝えた。また、整復師の立場から体のケアにも触れ、「水泳に限らず仕事でも何でも故障しないことが一番。自分の体に耳を傾け、不調の時はセーブする。心と体のバランスが大事」とアドバイスした。

 

 リオ五輪で7個のメダルを獲得した競泳日本。後輩たちの活躍に胸を躍らせ、その頑張りをたたえた3人は、20年の東京五輪について「大きな期待と緊張感の中で行われることになる。選手の挑戦を応援してほしい。リレーでは、日本のチーム力でメダル増を」と望みを託した。

 

(復興釜石新聞 2016年9月10日発行 第519号より)

 

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根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

“復興”いわて国体 釜石開催競技開幕〜リオ五輪出場選手も参加 2020年東京五輪へも弾み、国体初のオープンウォータースイミングに78人

根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

 

 希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)の釜石市開催競技のトップを飾るオープンウォータースイミング(OWS)が6日、鵜住居町の根浜海岸特設会場で行われた。OWSは本国体で初めて正式競技として採用され、男子38人、女子40人が出場。2011年の東日本大震災による津波被害を乗り越え環境整備された同海岸で、各都道府県の精鋭が熱いレースを展開し、”復興国体”を強く印象づけた。

 

 OWSは海など自然の水域で長距離を泳ぐ競技で、五輪(10キロ)では08年の北京大会から正式種目となっている。「泳ぐマラソン」とも言われ、スピードや持久力、風や波、潮の流れを考慮したレース展開、駆け引きが求められる。国体では5キロ競技が行われた。

 

 開始式で野田武則市長は「復興は道半ばだが、関係者の尽力で立派な会場設営ができた。存分に力を発揮してほしい」と選手らを激励。本県代表の盛岡南高3年、桑添陸(17)=花巻市出身=、至学館大4年、石川舞花(21)=釜石市同=の両選手が選手宣誓し、大会が幕を開けた。

 

 この日は平田、唐丹小、大平中の全校児童・生徒300人余りが応援に駆け付け、選手に大声援を送った。選手らを間近で捉えた映像を映し出す大型ビジョンが会場内に設置され、臨場感を一層高めた。

 

応援に訪れた大平中生は学校伝統のソーランで選手らを歓迎

応援に訪れた大平中生は学校伝統のソーランで選手らを歓迎

 

 大会では、リオデジャネイロ五輪に出場した平井康翔(26)=千葉県=、貴田裕美(31)=群馬県=の両選手が男女それぞれのレースをリード。男子は、五輪選考レースで競った平井選手と宮本陽輔選手(埼玉県)が最後まで競り合い、会場を沸かせた。

 

 熱戦の結果、男子は平井選手(56分10秒8)、女子は貴田選手(1時間00分27秒5)が優勝し、オリンピアンの底力を見せつけた。本県代表の桑添選手は10位(56分54秒6)、石川選手は15位(1時間03分03秒1)だった。

 

大会を視察に訪れた鈴木大地スポーツ庁長官(中)とハイタッチし、競技に向かう桑添陸選手

大会を視察に訪れた鈴木大地スポーツ庁長官(中)とハイタッチし、競技に向かう桑添陸選手

 

 リオ五輪で日本人初の8位入賞の快挙を成し遂げた平井選手は「OWSのパイオニアとして絶対優勝しなければと思っていた。根浜の海は水温も良く、水もきれい。機会があれば合宿にも利用したい」と好感触。4年後の東京五輪について、「1年1年着実にレベルアップし出場権を獲得したい。目標は金メダルしかない」と言い切った。

 

 今大会では、釜石高の水泳部員約30人がボランティアとして大会運営を支えた。1年の田中凛さんは「同じ水の競技なので、見ていてすごく面白かった。地元開催で国体が身近に感じられた」と喜んだ。釜石市が募集した一般ボランティア約30人も協力。来月行われるトライアスロン、ラグビー成年を含め、137人がボランティア登録しているという。

 

 市国体推進課の菊池拓也課長は「前例が無い中での大会だったが、水泳連盟、選手にも好評価をいただいた。残り2競技に向けギアを入れ替え、最後まで無事に成功させたい。震災復興支援への感謝を表す大会でもあるので、そこも発信できれば」と意欲を新たにした。

 

 3位までの入賞者は次の通り。
【男子】
①平井康翔(千葉県)56分10秒8
②宮本陽輔(埼玉県)56分13秒4
③中島拓海(岐阜県)56分20秒7
【女子】
①貴田裕美(群馬県)1時間00分27秒5
②森山幸美(愛知県)1時間00分30秒9
③新倉みなみ(東京都)1時間00分37秒9

 

優勝した平井康翔選手(左から3人目)、貴田裕美選手(同4人目)ら男女の上位3選手

優勝した平井康翔選手(左から3人目)、貴田裕美選手(同4人目)ら男女の上位3選手

 

本県代表 桑添・石川選手(釜石出身)、国体を機にさらなる意欲

 

 本県代表として地元国体に挑んだ桑添陸選手と石川舞花選手。8位以上の入賞を目指していたが、目標まであと一歩及ばなかった。

 

 「地元開催、初の国体OWSということで、何とか点数を取りたかったが、入賞できず悔しい」と桑添選手。先頭集団についていき、持ち前の体力で最後にスパートをかける戦術だったが、3周目で離されてしまった。あきらめずについていくも、1周ごとにスピードを上げていく上位選手との差は縮まらず、入賞ラインには到達できなかった。

 

 「スピードと力で負けているのが原因。そこを鍛えて上を目指したい。東京五輪の2020年は大学4年。出たいですね」と桑添選手。国体種目にもなり、OWSの競技人口は増えているといい、「さらに難しくなっていくだろうが、同年代には絶対負けたくない」と闘志を燃やした。

 

 「釜石開催なので気合の入り方も違った。レース中はたくさんの応援が聞こえてきて、すごく力をもらった」と感謝するのは石川選手。小学2年から水泳を始め、高校3年ごろから長距離にも挑戦。地元釜石での国体OWS開催が決まり、「自分が出るしかない」と未知の世界に飛び込んだ。

 

ゴール後、関係者と談笑する石川舞花選手

ゴール後、関係者と談笑する石川舞花選手

 

 リハ大会で経験している根浜の海だが、「途中から波も出てきて、気付かないうちに流されて泳いでいたようだ」と競技の難しさを実感した。

 

 今月25日の日本選手権(10キロ)にも出場予定で、「不安もあるが、今回の反省を生かし悔いのないレースをしたい」と誓う。大会経験を積み、さらなる実力向上を目指す。

 

(復興釜石新聞 2016年9月10日発行 第519号より)

 

復興釜石新聞

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

第7回かまいし仙人峠マラソン大会

第7回かまいし仙人峠マラソン大会

第7回かまいし仙人峠マラソン大会

 

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第7回かまいし仙人峠マラソン大会 開催要項

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期日

平成28年10月30日(日) 受付8時 開会式9時

スタート

峠コース…10時00分 10kmコース…10時10分

会場

旧釜石鉱山事務所周辺コース(大橋)

種目

峠コース(17.2km・標高差約400m) 10kmコース(標高差約160m)

参加資格

平成28年10月30日現在で満16歳以上の男女

参加料

一般:3,500円 高校生:2,000円

申し込み

9月26日(月)までに、所定の申込用紙に記入し、参加料を添えて郵便局へ、またはインターネット・携帯サイト(https://runnet.jp)からお申し込みください。
 
※申込用紙は釜石市体育協会、釜石市役所第1庁舎1階受付、釜石市教育センター(4階スポーツ推進課)、各地区生活応援センターにて配布しております。

お問い合わせ

かまいし仙人峠マラソン大会実行委員会事務局(釜石市体育協会内)
TEL: 0193-23-1061

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 教育委員会 スポーツ推進課
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8836 / 0193-22-3633 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/1203797_2411.html
釜石市

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第42回釜石健康マラソン大会

第42回釜石健康マラソン大会

第42回釜石健康マラソン大会

 

今年も10月の「体育の日」を記念して、釜石健康マラソン大会が開催されます!「明るく たくましく 健康に」をテーマに、皆さんでスポーツの秋を盛り上げましょう!

 

開催日

平成28年10月10日(月・祝) ※小雨決行

会場

釜石市球技場

申込方法

所定の申込用紙にご記入の上、参加料を添えて9月15日(木)までにお近くの郵便局にお申し込みください。
※申込用紙は市内郵便局、各地区生活応援センター、市内スポーツ用品店にて配布しております。

参加料

一般の部 1,500円
小・中・高校生 1,000円
幼児の部 800円
ふれあい・親子の部 600円(お一人様の参加料)

 

詳しくはこちらをご覧ください↓

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/09/01/kenkoum2016.pdf

第42回釜石健康マラソン大会 開催要項

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かまいし健康チャレンジポイント
この大会はかまいし健康チャレンジポイント対象イベントです。
かまいし健康チャレンジポイントについてはこちらをご覧ください。

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市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

「岩手国体」資料や音で公開、46年前の盛り上がりを再現〜釜石市郷土資料館、10月末まで

市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

 

 釜石市鈴子町の市郷土資料館(菊池清太館長)で1日から「国体展」が始まった。正式競技として釜石で実施されるオープン・ウオーター・スイミング(9月6日/根浜海岸)、トライアスロン(10月2日/根浜海岸)、ラグビーフットボール・成年男女(10月4~7日/市球技場)に関する資料をはじめ、前回の岩手国体で釜石が会場になった競技に関する資料も併せて公開。本県では46年ぶりの開催となる国体を盛り上げる。

 

 国体展は10月末まで、関係資料約140点を展示する。今回、釜石で実施される3競技を解説パネルで紹介しているほか、記念の缶バッジ、タオル、うちわなども公開している。

 

 水泳やバドミントンなどが釜石で行われた前回の岩手国体関係では、天皇皇后両陛下が会場を視察する模様を撮影した写真や実施競技の解説パネル、役員記章、記念章、記念皿などを展示。実際に使用された炬火(きょか)トーチや選手の参加章、軟式野球競技のパンフレットなども並ぶ。ボランティア活動に取り組む婦人会の表情なども写真で紹介し、46年前の盛り上がりを再現。昭和40年代の釜石の出来事も写真で振り返る。

 

 資料を公開している体験学習室には、前回の岩手国体に合わせて制作された「岩手国体音頭」のメロディーも流れ、当時を知る年配の見学者は懐かしそうに耳を傾けていた。

 

 前回の岩手国体で、釜石で行われた水泳競技では延べ2万2千人余りの市民がプールサイドから声援を送るなど大変な盛り上がりとなった。遠野市出身で、当時は北海道で大学生活を送っていた菊池館長は「当時の釜石市民の盛り上がりようを写真で見て、あらためて驚いた。今回も多くの市民が会場に足を運び、国体を盛り上げてほしい」と願う。

 

 菊池館長は釜石で行われる3競技の会場に足を運んで写真撮影。リアルタイムの選手の表情を「国体展」に追加展示し盛り上げる。

 

 

(復興釜石新聞 2016年9月7日発行 第518号より)

 

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走って応援、間寛平さんら芸人 みにのくマラソン〜大助・花子さん、釜石でたすきリレー

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

 

 タレントの間寛平さん(67)ら吉本興業の芸人が東日本大震災の被災3県の沿岸部を駅伝形式で縦断する「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」が22日、釜石市に入り、仮設住宅の住民らとスイカ割りなどで触れ合った。

 

 同マラソンは、2012年から毎年行い、今年で5回目。今回は、前回までと走路を逆にした「北上コース」で、10日に福島県楢葉町を出発して約690キロでたすきをつなぎ、24日に宮古市の鍬ケ崎小仮設住宅でゴールする。

 

 スタートから12日目のこの日は、宮川大助・花子さんが第1走者として大船渡市を出発。釜石市役所で第7走者の大助・花子さんに再びたすきリレー、天神町仮設団地でゴールテープを切った。

 

 談話室前の広場で大助・花子さん、若手芸人がネタを披露。スイカ割りもあり、同団地はたくさんの笑顔と笑い声であふれていた。

 

 同団地で暮らす岡崎圭一さん(62)は「東前町に住宅を再建することにしているが、いつになるか分からない。団地の住民も減り、気持ちが沈みそうになる時に来てくれてうれしい。元気になる」と笑顔。近くの復興住宅に移った佐野みつ子さん(83)は「仮設生活でできた友達と楽しい時間を過ごせた。ありがたいです」とうれしそうだった。

 

 大助・花子さんは「おおふなと復興応援特別大使」を務めており、同マラソンにも毎年参加。「まちも人も明るくなっているのを感じられるのがうれしい。新しい生活に移っていく人たちの背中をそっと押せる活動を続けたい。がんばっぺし」とエールを送った。

 

 この日、間さんは仕事の都合で参加できなかったが、「東北の大地を走り、人と人とのつながりを届けたい。震災の記憶を風化させないよう、チームよしもと一丸で笑顔、勇気、元気を届けたい」との思いを込め、宮古市のゴールを目指して走り続ける。

 

(復興釜石新聞 2016年8月24日発行 第514号より)

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