新たな夢へエール、大嶋さん センバツ出場の釜高ナインと再開〜エース岩間君、教師目指して大学へ


2017/01/12
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

釜石高を訪れた大嶋啓介さん

釜石高を訪れた大嶋啓介さん(前列中央)と菊池智哉君(左)、岩間大君(右)

 

 「本気の朝礼」で知られる居酒屋「てっぺん」(東京)創業者の大嶋啓介さん(42)が29日、釜石市甲子町の釜石高(佐藤一也校長、生徒530人)で講演した。3年生177人を対象に「世界で一番ワクワクする夢のかなえ方」を紹介。前向きな言葉、動作、表情によって心の状態が変わると指摘し、「毎日喜んで勉強するだけ。心をうまくコントロールできれば良い結果を出せる」と激励した。

 

 「夢にワクワクすることがかなえる究極の方法」と大嶋さん。目標を達成し喜ぶ姿を想像することや原動力となる人の重要性を説明し、「みんなには今持っている力の3万倍以上の可能性という未来の力が眠っている。受験は手段の一つで、頑張ったことやその過程は今後のみんなの人生に生きてくることばかり。諦めるのはいつでもできるので、今は自分の力を信じて」と呼び掛けた。

 

 同校では3年生の100人余りが受験本番を迎える。教師となる夢をかなえようと県内の大学への進学を目指す佐々木希さんは「だれのため、何のために頑張るか再認識できた。受験は通過点で、その後の生き方に生かせる笑顔の大切さや、明るい空気がチーム作りに必要なことも学んだ。試験本番に向け”予祝”をしっかりやっていきたい」と意欲を高めた。

 

 居酒屋てっぺんでは、開店前にスタッフ一人一人が夢や目標を叫び、テンションを高めて組織の一体感も強める「本気の朝礼」が名物。大嶋さんは昨年9月にも同校で講演している。それを転機にしたのが野球部。秋の地区予選初戦負けでチームが沈んでいた時に聞いた大嶋さんの熱弁が選手たちの心に響いたという。

 

 「本気の朝礼」を参考に、声出しなどで気持ちを高める方法を練習に取り入れ、常に本番を意識して取り組んだ。すると黒星発進後は、地区予選の敗者復活戦から勝ち上がって県大会で準優勝。20年ぶりに東北大会に出場し、21世紀枠でセンバツ出場につなげた。

 

 出場決定を機に、大嶋さんは直接ナインに会って激励したいと、野球部が東海市で行っていた合宿先を訪問。センバツ甲子園にも足を運んだという。今回、「2016年は釜石高のセンバツ出場に勇気や希望、感動をもらい、最高の経験ができたので感謝を伝えたい」と講演を希望し、再訪した。

 

 菊池智哉前主将は「講演を聞いて意識が変わり、センバツに出場、勝つこともできた。本当に大きな力をもらった」と感謝した。県内の大学への進学が決まり、「これからも不安な気持ちや心が折れそうになることがあると思うが、いただいた言葉を大切に頑張っていきたい」。野球で得た気持ちのつくり方を生かし、釜石のものづくりを支えたいとの思いを胸に新たな道を歩む。

 

 エースとして活躍した岩間大君は、教師という夢を抱いて東京の大学に進学する。センバツを振り返り、「あこがれていた舞台なので楽しむ気持ちで臨んだ。仲間と躍動し、家族や応援してくれる人たちに少し恩返しできたと思う。これまでたくさん支えられ、教えられてきたが、これからは子どもに夢を与え、かなえる手助けができる人になりたい」と決意を新たにした。

 

 この日は、野球部の1、2年生らも聴講。夢を実現するチームづくりなどをアドバイスし、選手らと交流する時間もあった。大嶋さんは「センバツ出場は釜石の歴史に残るもの。それを胸にそれぞれの人生で力を発揮してほしい。みんなの力があれば、釜石は元気になる」と話していた。

 

(復興釜石新聞 2017年1月7日発行 第552号より)

 

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