釜石 望みつなぐ6勝目、横河に61-18〜重圧はねのけ 9トライ猛攻、ラグビートップイーストリーグ
前半22分、CTBトロケがトライ(ゴール)を決め21ー10と引き離す
ラグビートップイーストリーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは5日、福島県いわき市のいわきグリーンフィールドで横河武蔵野と対戦し、61―18(前半21―10)で大勝。6勝1敗(勝ち点28)とし、トップリーグ昇格につながるトップチャレンジ進出へ望みをつないだ。釜石が残す試合はあと2つ。次戦は13日、全勝で首位を走る強敵、三菱重工相模原と北上市の北上総合運動公園で対戦する。
前節で日野自動車に敗れ、1試合も落とせない厳しい状況に追い込まれた釜石。チャレンジ進出へ、ボーナス点を含む「勝ち点5」がノルマとされる重圧のためか、序盤は動きが硬かった。
0―10とリードを許した29分、FBジェームス・カマナのトライで反撃開始。その直後、「バチーン」と大きな音がする、フッカー中村彰の強烈なタックルが釜石フィフティーンの目を覚ました。
36分、FWが押し込んで認定トライを奪い14―10と逆転。その後、中央のラックから展開したCTBマイケル・バー・トロケが右中間にトライを決め、21―10とリードを広げる。
勢いづいた後半はFW、バックスが一体となり6トライを奪う猛攻。横河を1トライに抑えて圧勝した。
前節の試合で負傷した須田康夫主将と司令塔ジョー・ピーターセンが戦列から離れるなど苦境が続く中で飛び出した、中村の火の出るようなタックル。「これで流れに乗れるかな」と手ごたえを感じたと言うが、「(スタンドの大歓声は)夢中で聞こえなかった」と照れた。
「どうしても勝ち点5を取らなければいけない試合。取れて良かった」と三浦健博ヘッドコーチ(HC)は胸をなで下した。次の相手はトップを走る三菱重工相模原。三浦HCは「決して勝てない相手ではない。しっかり守り、リアクションを速くすればチャンスはある」と策を練る。中村も「これまでやってきたことをすべて出したい」と静かに闘志を燃やす。
小野航大、古里いわきで躍動
須田主将に代わってゲームキャプテンを務めたWTB小野航大(26)が鮮やかに2トライを決め勝利に貢献、古里いわき市のファンを沸かせた。競技場にほど近い同市勿来町の出身。スタンドには両親や磐城高時代の友人らも詰め掛け、縦横自在に駆け回る小野に盛んな声援を送った。「(福島も)震災があったので、自分のプレーで少しでも元気になってもらえれば」と小野。難敵の三菱重工相模原と当たる次の”大一番”へ向け、「相手が嫌がるよう、しっかりと守備でプレッシャーをかけていきたい」と準備する。
古里いわき市のファンの前で躍動した小野
(復興釜石新聞 2016年11月9日発行 第536号より)
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