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来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

水泳ニッポン、元五輪選手がトークショー〜萩原智子さん、田中雅美さん、森田智己さんら釜石PITで

来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

来場者の質問にも答え、市民らと交流を深めた元日本代表のトークショー

 

 国体OWS競技の前日5日には、公益財団法人日本水泳連盟による復興支援イベント「”水泳ニッポン”トークショー」が大町の釜石情報交流センター釜石PITで開かれた。五輪競泳元日本代表の3人が出演。レースの秘話や競技人生から得たことなど貴重な経験を話し、約120人の観客に生きる力と希望を与えた。

 

 2000年シドニー五輪に出場し、現在、同連盟アスリート委員長の萩原智子さん(36)が進行役を務め、五輪銅メダリストの田中雅美さん(37)、森田智己さん(32)に話を聞いた。

 

 田中さんは北海道出身。7歳で本格的に水泳を始め、平泳ぎで頭角を現した。17歳で1996年アトランタ五輪に出場。2000年のシドニー、04年のアテネと3大会連続出場を果たし、シドニー大会400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。現役引退後はスポーツコメンテーターとして活躍。今年のリオデジャネイロ五輪のテレビ番組にも多数出演した。

 

 五輪の緊張、プレッシャーなど自身の体験をリアルに語った田中さん。最後のアテネ大会200メートル平泳ぎでは僅差で4位と非常に悔しい思いをしたが、後悔はなかったという。それには、五輪を目指す中で精神的にきつかった時期に言われた言葉が影響している。「自分にだけはあきらめないで」と言う母、悪い結果に落ち込み不安になりがちな自分に「大事なのは、今日を100%にできたかどうかだ」と諭したコーチ。2人の言葉で「練習に向かう姿勢、大会への気持ちの持っていき方がクリアになった。その日一日の100%を積み重ねることが試合の結果につながる」と実感を込めた。

 

 森田さんは宮城県出身。2歳からスイミングクラブに通い、日本の背泳ぎの第一人者として国際大会で活躍するようになった。アテネ五輪100メートル背泳ぎ、400メートルメドレーリレーで共に銅メダルを獲得。08年の北京五輪にも出場した。現役引退後、柔道整復師の国家資格を取得している。

 

 森田さんは、他選手が緊張をにじませる中1人冷静でいたアテネ大会決勝を、「人生の全てをかけ命がけで臨んだ。逆に落ち着いていた」と分析。競技人生でつらかったことを聞かれると、「今となってはあまり覚えていない。苦しかったことも全部含めて楽しかったことになっている」と振り返り、「水泳って面白いんですよ。何とも実態のない水の感覚。日々発見がある」と魅力を伝えた。また、整復師の立場から体のケアにも触れ、「水泳に限らず仕事でも何でも故障しないことが一番。自分の体に耳を傾け、不調の時はセーブする。心と体のバランスが大事」とアドバイスした。

 

 リオ五輪で7個のメダルを獲得した競泳日本。後輩たちの活躍に胸を躍らせ、その頑張りをたたえた3人は、20年の東京五輪について「大きな期待と緊張感の中で行われることになる。選手の挑戦を応援してほしい。リレーでは、日本のチーム力でメダル増を」と望みを託した。

 

(復興釜石新聞 2016年9月10日発行 第519号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

“復興”いわて国体 釜石開催競技開幕〜リオ五輪出場選手も参加 2020年東京五輪へも弾み、国体初のオープンウォータースイミングに78人

根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

根浜海岸で行われた国体ウォータースイミング競技。気温31度、水温22度の好条件に恵まれ一斉にスタートする男子選手=6日午前10時05分

 

 希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)の釜石市開催競技のトップを飾るオープンウォータースイミング(OWS)が6日、鵜住居町の根浜海岸特設会場で行われた。OWSは本国体で初めて正式競技として採用され、男子38人、女子40人が出場。2011年の東日本大震災による津波被害を乗り越え環境整備された同海岸で、各都道府県の精鋭が熱いレースを展開し、”復興国体”を強く印象づけた。

 

 OWSは海など自然の水域で長距離を泳ぐ競技で、五輪(10キロ)では08年の北京大会から正式種目となっている。「泳ぐマラソン」とも言われ、スピードや持久力、風や波、潮の流れを考慮したレース展開、駆け引きが求められる。国体では5キロ競技が行われた。

 

 開始式で野田武則市長は「復興は道半ばだが、関係者の尽力で立派な会場設営ができた。存分に力を発揮してほしい」と選手らを激励。本県代表の盛岡南高3年、桑添陸(17)=花巻市出身=、至学館大4年、石川舞花(21)=釜石市同=の両選手が選手宣誓し、大会が幕を開けた。

 

 この日は平田、唐丹小、大平中の全校児童・生徒300人余りが応援に駆け付け、選手に大声援を送った。選手らを間近で捉えた映像を映し出す大型ビジョンが会場内に設置され、臨場感を一層高めた。

 

応援に訪れた大平中生は学校伝統のソーランで選手らを歓迎

応援に訪れた大平中生は学校伝統のソーランで選手らを歓迎

 

 大会では、リオデジャネイロ五輪に出場した平井康翔(26)=千葉県=、貴田裕美(31)=群馬県=の両選手が男女それぞれのレースをリード。男子は、五輪選考レースで競った平井選手と宮本陽輔選手(埼玉県)が最後まで競り合い、会場を沸かせた。

 

 熱戦の結果、男子は平井選手(56分10秒8)、女子は貴田選手(1時間00分27秒5)が優勝し、オリンピアンの底力を見せつけた。本県代表の桑添選手は10位(56分54秒6)、石川選手は15位(1時間03分03秒1)だった。

 

大会を視察に訪れた鈴木大地スポーツ庁長官(中)とハイタッチし、競技に向かう桑添陸選手

大会を視察に訪れた鈴木大地スポーツ庁長官(中)とハイタッチし、競技に向かう桑添陸選手

 

 リオ五輪で日本人初の8位入賞の快挙を成し遂げた平井選手は「OWSのパイオニアとして絶対優勝しなければと思っていた。根浜の海は水温も良く、水もきれい。機会があれば合宿にも利用したい」と好感触。4年後の東京五輪について、「1年1年着実にレベルアップし出場権を獲得したい。目標は金メダルしかない」と言い切った。

 

 今大会では、釜石高の水泳部員約30人がボランティアとして大会運営を支えた。1年の田中凛さんは「同じ水の競技なので、見ていてすごく面白かった。地元開催で国体が身近に感じられた」と喜んだ。釜石市が募集した一般ボランティア約30人も協力。来月行われるトライアスロン、ラグビー成年を含め、137人がボランティア登録しているという。

 

 市国体推進課の菊池拓也課長は「前例が無い中での大会だったが、水泳連盟、選手にも好評価をいただいた。残り2競技に向けギアを入れ替え、最後まで無事に成功させたい。震災復興支援への感謝を表す大会でもあるので、そこも発信できれば」と意欲を新たにした。

 

 3位までの入賞者は次の通り。
【男子】
①平井康翔(千葉県)56分10秒8
②宮本陽輔(埼玉県)56分13秒4
③中島拓海(岐阜県)56分20秒7
【女子】
①貴田裕美(群馬県)1時間00分27秒5
②森山幸美(愛知県)1時間00分30秒9
③新倉みなみ(東京都)1時間00分37秒9

 

優勝した平井康翔選手(左から3人目)、貴田裕美選手(同4人目)ら男女の上位3選手

優勝した平井康翔選手(左から3人目)、貴田裕美選手(同4人目)ら男女の上位3選手

 

本県代表 桑添・石川選手(釜石出身)、国体を機にさらなる意欲

 

 本県代表として地元国体に挑んだ桑添陸選手と石川舞花選手。8位以上の入賞を目指していたが、目標まであと一歩及ばなかった。

 

 「地元開催、初の国体OWSということで、何とか点数を取りたかったが、入賞できず悔しい」と桑添選手。先頭集団についていき、持ち前の体力で最後にスパートをかける戦術だったが、3周目で離されてしまった。あきらめずについていくも、1周ごとにスピードを上げていく上位選手との差は縮まらず、入賞ラインには到達できなかった。

 

 「スピードと力で負けているのが原因。そこを鍛えて上を目指したい。東京五輪の2020年は大学4年。出たいですね」と桑添選手。国体種目にもなり、OWSの競技人口は増えているといい、「さらに難しくなっていくだろうが、同年代には絶対負けたくない」と闘志を燃やした。

 

 「釜石開催なので気合の入り方も違った。レース中はたくさんの応援が聞こえてきて、すごく力をもらった」と感謝するのは石川選手。小学2年から水泳を始め、高校3年ごろから長距離にも挑戦。地元釜石での国体OWS開催が決まり、「自分が出るしかない」と未知の世界に飛び込んだ。

 

ゴール後、関係者と談笑する石川舞花選手

ゴール後、関係者と談笑する石川舞花選手

 

 リハ大会で経験している根浜の海だが、「途中から波も出てきて、気付かないうちに流されて泳いでいたようだ」と競技の難しさを実感した。

 

 今月25日の日本選手権(10キロ)にも出場予定で、「不安もあるが、今回の反省を生かし悔いのないレースをしたい」と誓う。大会経験を積み、さらなる実力向上を目指す。

 

(復興釜石新聞 2016年9月10日発行 第519号より)

 

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第7回かまいし仙人峠マラソン大会

第7回かまいし仙人峠マラソン大会

第7回かまいし仙人峠マラソン大会

 

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/09/01/sennin2016.pdf

第7回かまいし仙人峠マラソン大会 開催要項

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期日

平成28年10月30日(日) 受付8時 開会式9時

スタート

峠コース…10時00分 10kmコース…10時10分

会場

旧釜石鉱山事務所周辺コース(大橋)

種目

峠コース(17.2km・標高差約400m) 10kmコース(標高差約160m)

参加資格

平成28年10月30日現在で満16歳以上の男女

参加料

一般:3,500円 高校生:2,000円

申し込み

9月26日(月)までに、所定の申込用紙に記入し、参加料を添えて郵便局へ、またはインターネット・携帯サイト(https://runnet.jp)からお申し込みください。
 
※申込用紙は釜石市体育協会、釜石市役所第1庁舎1階受付、釜石市教育センター(4階スポーツ推進課)、各地区生活応援センターにて配布しております。

お問い合わせ

かまいし仙人峠マラソン大会実行委員会事務局(釜石市体育協会内)
TEL: 0193-23-1061

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 教育委員会 スポーツ推進課
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8836 / 0193-22-3633 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/1203797_2411.html
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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
第42回釜石健康マラソン大会

第42回釜石健康マラソン大会

第42回釜石健康マラソン大会

 

今年も10月の「体育の日」を記念して、釜石健康マラソン大会が開催されます!「明るく たくましく 健康に」をテーマに、皆さんでスポーツの秋を盛り上げましょう!

 

開催日

平成28年10月10日(月・祝) ※小雨決行

会場

釜石市球技場

申込方法

所定の申込用紙にご記入の上、参加料を添えて9月15日(木)までにお近くの郵便局にお申し込みください。
※申込用紙は市内郵便局、各地区生活応援センター、市内スポーツ用品店にて配布しております。

参加料

一般の部 1,500円
小・中・高校生 1,000円
幼児の部 800円
ふれあい・親子の部 600円(お一人様の参加料)

 

詳しくはこちらをご覧ください↓

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/09/01/kenkoum2016.pdf

第42回釜石健康マラソン大会 開催要項

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かまいし健康チャレンジポイント
この大会はかまいし健康チャレンジポイント対象イベントです。
かまいし健康チャレンジポイントについてはこちらをご覧ください。

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〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8836 / 0193-22-3633 / メール
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市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

「岩手国体」資料や音で公開、46年前の盛り上がりを再現〜釜石市郷土資料館、10月末まで

市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

市郷土資料館体験学習室に設けられた「国体展」のコーナー

 

 釜石市鈴子町の市郷土資料館(菊池清太館長)で1日から「国体展」が始まった。正式競技として釜石で実施されるオープン・ウオーター・スイミング(9月6日/根浜海岸)、トライアスロン(10月2日/根浜海岸)、ラグビーフットボール・成年男女(10月4~7日/市球技場)に関する資料をはじめ、前回の岩手国体で釜石が会場になった競技に関する資料も併せて公開。本県では46年ぶりの開催となる国体を盛り上げる。

 

 国体展は10月末まで、関係資料約140点を展示する。今回、釜石で実施される3競技を解説パネルで紹介しているほか、記念の缶バッジ、タオル、うちわなども公開している。

 

 水泳やバドミントンなどが釜石で行われた前回の岩手国体関係では、天皇皇后両陛下が会場を視察する模様を撮影した写真や実施競技の解説パネル、役員記章、記念章、記念皿などを展示。実際に使用された炬火(きょか)トーチや選手の参加章、軟式野球競技のパンフレットなども並ぶ。ボランティア活動に取り組む婦人会の表情なども写真で紹介し、46年前の盛り上がりを再現。昭和40年代の釜石の出来事も写真で振り返る。

 

 資料を公開している体験学習室には、前回の岩手国体に合わせて制作された「岩手国体音頭」のメロディーも流れ、当時を知る年配の見学者は懐かしそうに耳を傾けていた。

 

 前回の岩手国体で、釜石で行われた水泳競技では延べ2万2千人余りの市民がプールサイドから声援を送るなど大変な盛り上がりとなった。遠野市出身で、当時は北海道で大学生活を送っていた菊池館長は「当時の釜石市民の盛り上がりようを写真で見て、あらためて驚いた。今回も多くの市民が会場に足を運び、国体を盛り上げてほしい」と願う。

 

 菊池館長は釜石で行われる3競技の会場に足を運んで写真撮影。リアルタイムの選手の表情を「国体展」に追加展示し盛り上げる。

 

 

(復興釜石新聞 2016年9月7日発行 第518号より)

 

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走って応援、間寛平さんら芸人 みにのくマラソン〜大助・花子さん、釜石でたすきリレー

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

 

 タレントの間寛平さん(67)ら吉本興業の芸人が東日本大震災の被災3県の沿岸部を駅伝形式で縦断する「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」が22日、釜石市に入り、仮設住宅の住民らとスイカ割りなどで触れ合った。

 

 同マラソンは、2012年から毎年行い、今年で5回目。今回は、前回までと走路を逆にした「北上コース」で、10日に福島県楢葉町を出発して約690キロでたすきをつなぎ、24日に宮古市の鍬ケ崎小仮設住宅でゴールする。

 

 スタートから12日目のこの日は、宮川大助・花子さんが第1走者として大船渡市を出発。釜石市役所で第7走者の大助・花子さんに再びたすきリレー、天神町仮設団地でゴールテープを切った。

 

 談話室前の広場で大助・花子さん、若手芸人がネタを披露。スイカ割りもあり、同団地はたくさんの笑顔と笑い声であふれていた。

 

 同団地で暮らす岡崎圭一さん(62)は「東前町に住宅を再建することにしているが、いつになるか分からない。団地の住民も減り、気持ちが沈みそうになる時に来てくれてうれしい。元気になる」と笑顔。近くの復興住宅に移った佐野みつ子さん(83)は「仮設生活でできた友達と楽しい時間を過ごせた。ありがたいです」とうれしそうだった。

 

 大助・花子さんは「おおふなと復興応援特別大使」を務めており、同マラソンにも毎年参加。「まちも人も明るくなっているのを感じられるのがうれしい。新しい生活に移っていく人たちの背中をそっと押せる活動を続けたい。がんばっぺし」とエールを送った。

 

 この日、間さんは仕事の都合で参加できなかったが、「東北の大地を走り、人と人とのつながりを届けたい。震災の記憶を風化させないよう、チームよしもと一丸で笑顔、勇気、元気を届けたい」との思いを込め、宮古市のゴールを目指して走り続ける。

 

(復興釜石新聞 2016年8月24日発行 第514号より)

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未来につながるスポーツの力、いわて国体盛り上げへパネル討論〜甲子中創立70周年記念事業

甲子中で開かれたスポーツパネルディスカッション。右端が三ケ田礼一さん

甲子中で開かれたスポーツパネルディスカッション。右端が三ケ田礼一さん

 

 甲子中(菅原雅之校長、生徒180人)で4日、10月に迫った希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)にちなんだ「スポーツパネルディスカッション」が開かれた。アルベールビル冬季五輪のノルディック複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん(49)=県教委スポーツ健康課=らがスポーツの持つ力などを紹介。国体に向けて中学生ができることへの助言もあり、生徒らは機運盛り上げに協力する意識を高めた。

 

 同校の創立70周年記念事業の一つとして実施。菅原校長をコーディネーターに、パネリストの三ケ田さん、昨年10月に開かれた第15回全国障害者スポーツ大会の水泳肢体不自由女子1部25メートル自由形、50メートル自由形で優勝した村田奈々さん(32)=市教委・市立図書館勤務=、ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向けた準備に携わる増田久士さん(53)=市ラグビーワールドカップ推進室長補佐=が意見を交わした。

 

 2部構成で行われ、1部のテーマは「未来につながるスポーツの力」。3人はそれぞれの競技との出会いや中学時代の部活、スポーツと職業との関わりなどを話した。

 

 三ケ田さんは3歳からスキー、小学4年生からスキージャンプを始めた。5年生の時にあこがれの金メダリストとの出会いで、夢は「オリンピック選手」になったというが、中学時代はいい結果が残せなかったという。約30人の五輪選手を輩出しているスキー部のある高校に進学し、高校2年のインターハイで優勝。「すごく厳しい練習だったが、あきらめず続けたことが精神的な強さにつながった。そして世界との距離が縮まった」と振り返った。

 

 アルベール五輪で金メダルを取った時の感想は「ほっとした」。気持ちを入れて参加したものの個人では34位と失敗し、切羽詰まった中でのメダル獲得だったからだという。競技する上では練習、試合に関係なく普段通りに、やるべきことを確実にやることが大切で、「結果にこだわらず、やることをやる。今の時間は戻ってこない。できることを積極的にやることが夢に近づくチャンス」と生徒らを激励した。

 

 2部は、国体に向けたおもてなしについて。同校では各都道府県への応援旗の製作、花いっぱい運動、炬火(きょか)リレー参加などを行ってきた。村田さんは現役アスリートとして試合会場の様子を紹介。「のぼりを見つけるとうれしい。『おはよう』『頑張って』との声掛けもうれしい。車いすで生活する人にとって、ごみがないことはとても重要」と指摘した。

 

 増田さんはラグビーW杯釜石開催に向けた取り組みなどを話し、「国体はいい機会だと思うので、そこで出た課題をラグビーW杯につなげてもらえれば」と期待。三ケ田さんは「やる人(選手)、見る人、支える人、スポーツは全ての人が参加できるもの。来た人にいい思い出を作ってもらい、自分たちもいい思い出となるよう国体を成功させよう」と呼びかけた。

 

 パネリストへ積極的に質問した小宮佳恵さん(3年)は「スポーツ選手、メダルを取った人の話を聞くのは初めてで、貴重な時間になった。村田さんの『支えてくれる人のことを忘れずに』との言葉が印象に残った。今できることを頑張りたい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2016年8月6日発行 第510号より)

 

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震災を乗り越えた浜辺で、県内の雪合戦強豪チームが熱い戦いを繰り広げた交流戦

真夏のビーチ雪合戦、復興の願い込め砂上でバトル〜県内初の試み、片岸海岸で県内7チーム交流戦

岩崎実行委員長(右)と「タイガーセブン」メンバーによる始球式で交流戦が幕開け

岩崎実行委員長(右)と「タイガーセブン」メンバーによる始球式で交流戦が幕開け

 

 浜辺を活用した”スポーツ雪合戦”で復興途中の沿岸に元気と活気を―と、岩手県内の競技チームによる「真夏のビーチ雪合戦交流戦」が7月30日、釜石市片岸町の片岸海岸で開かれた。ビーチ雪合戦は県内でも初の試み。主催した同実行委は「根浜海岸の復興工事が完了したら、根浜でも開催したい」と意欲を燃やす。

 

 交流戦には7チーム、約70人が参加。北海道で開催されている国際雪合戦大会で世界一に輝いた西和賀町のチームや各種大会で上位入賞を果たしている遠野、花巻市などのチームが招待された。開会式で岩崎昭子実行委員長(宝来館おかみ)は各地からの参加に感謝し、「スポーツのまち釜石、鵜住居地区の実現に向け、ぜひ盛り上げてほしい」とあいさつした。

 

 同競技は1チーム7人で対戦。冬季は雪玉を使うが、オフシーズンは、お手玉のような”室内専用球”で試合を行う。今年の岩手国体では、デモンストレーションスポーツとして「室内雪合戦」が西和賀町で行われることになっており、交流戦には国体出場メンバーも参加した。3分3セットマッチでリーグ戦を実施。雪上の戦いの舞台を浜辺に変え、競技を楽しんだ。

 

震災を乗り越えた浜辺で、県内の雪合戦強豪チームが熱い戦いを繰り広げた交流戦

震災を乗り越えた浜辺で、県内の雪合戦強豪チームが熱い戦いを繰り広げた交流戦

 

 地元釜石市からは、2016遠野早池峰雪合戦大会MIX3位入賞を機に、今年5月から本格的に練習を始めた「タイガーセブン」が出場。メンバーは市内と大槌町居住者で構成する。親子で競技に親しむ長洞奈央さん(大槌学園8年=中2)は、野球スポ少で鍛えた肩を生かし、チームの主力として活躍。初めてのビーチ雪合戦に「雪とは違う楽しさがある。地元のビーチでできるのもいい」と競技を満喫。父親の幸樹さん(42)は県内でも有数の強豪チームとの対戦に「レベルの差を感じるが、戦略やチームプレーなど見習う部分が多い。今回は、内陸の皆さんに被災地の現状を見てもらう機会にもなった」と地元開催を歓迎した。

 

 同交流戦は、釜石市の唐丹すぽこんクラブと遠野市の綾織スポーツクラブが中心となり実行委を立ち上げ企画。唐丹すぽこんのメンバーで事務局を担当する佐久間定樹さん(34)は「冬の雪合戦競技を浜辺でやることで、夏にも競技仲間の交流が図られる。今回はレクリエーション的な感じだが、いずれは大会という形で開催していければ」と期待を込めた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月3日発行 第509号より)

 

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ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けたPRキャッチコピーの募集

ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けたPRキャッチコピーの募集

募集の目的

ラグビーワールドカップ2019釜石開催の成功に向け、気運醸成と国内・外への当市PR、及び、開催の取り組みについて市民の興味・関心・参画意識の高揚を図るため、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に関するキャッチコピー・標語を募集します。

募集内容

ラグビーワールドカップ2019釜石開催、または、ラグビーのまち・釜石を国内外にPRするキャッチコピー・標語を募集(1人1点)します。採用作品は5点程度とし、来年度以降も追加で募集する場合があります。

 

補足
採用キャッチコピーの他、「ラグビーワールドカップ2019いわて釜石開催(を成功させよう)」等の副題を添える場合もあります。(下記例)

 

ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けたPRキャッチコピーの募集

 

キャッチコピーの使途

市において、今後各種PRツール、グッズ、印刷物で活用の他、イベント、会合時等での表示等を通じ、ラグビーワールドカップ2019釜石開催の普及啓発を図ります。
手始めに、平成28年度は市内に掲出する横断幕に使用予定(国体終了後から)です。

応募資格

どなたでも

募集期間

平成28年8月5日(金)~ 8月31日(水) 必着

応募方法

所定の様式に次の必要事項を記入し、郵送、メール、FAX、または直接持参により応募してください。
(1)キャッチコピー
(2)作品の趣旨・意図
(3)郵便番号
(4)住所
(5)氏名(ふりがな)
(6)年齢
(7)性別
(8)職業または学校名・学年
(9)電話番号

 

応募要領・応募用紙
こちらからダウンロードできます。
応募要領(190 KB pdfファイル)
応募用紙(WORD版)(16 KB docxファイル) 
応募用紙(PDF版)(157 KB pdfファイル)

 

下記取扱い施設でも取り扱っています。
・釜石市役所 第1庁舎1階案内・ラグビーワールドカップ2019推進室(第4庁舎3階)
・各地区(釜石・平田・唐丹・中妻・小佐野・甲子・鵜住居・栗橋)生活応援センター
・教育センター(鈴子町)
・情報交流センター(大町)

応募先

釜石市役所ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-8686 釜石市只越町三丁目9-13
E-mail:rwc2019@city.kamaishi.iwate.jp  / FAX:0193-22-3606
※直接持参される場合は、前記の各取扱い施設でも受け付けます。

選考方法

ラグビーワールドカップ2019釜石開催支援連絡会において選考(第1次・第2次)の上、釜石市で決定します。

 

第1次選考における候補作品(10点程度)について人気投票(9月10日、18日、25日の釜石シーウェイブス戦会場)を行い、第2次(最終)により、5点程度を選考・採用作品とします。なお、選考結果については、採用作品応募者への発送をもってお知らせします。

入賞

採用作品を入賞とし、入賞者には賞状とささやかな副賞を進呈します。

公表

平成28年10月下旬(予定)

留意事項

  • 応募は1人1点とします。
  • 電話での応募はできません。
  • 応募作品は自作・未発表のもので、第三者が有する著作権等の権利を侵害しないものに限ります。また、応募作品の著作権、版権等に係る問題が発生した場合、応募者の責任となります。
  • 応募に係る一切の費用は、応募者の負担となります。
  • 採用作品に関するすべての権利は釜石市に帰属します。
  • 採用作品の使用に際し、一部補正及び修正等をする場合があります。
  • 郵送中の作品の紛失について責任を負いかねます。
  • 採用された方の氏名は公表します。
  • 応募者の個人情報は、採用作品の選考、応募者への連絡のためのみに使用します。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111(105) / 0193-22-6040 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/rugby_city/detail/1202692_3208.html
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ミニゲームで交流する東大阪ラグビースクール(青)と釜石シーウェイブスジュニア(緑)の子どもたち

釜石 東大阪、友情育むラグビー交流〜W杯開催 共に盛り上げ

ミニゲームで交流する東大阪ラグビースクール(青)と釜石シーウェイブスジュニア(緑)の子どもたち

ミニゲームで交流する東大阪ラグビースクール(青)と釜石シーウェイブスジュニア(緑)の子どもたち

 

 釜石市と同じく2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催地に決まった大阪府東大阪市のラグビースクールの子どもたちが釜石を訪れ、ミニゲームなどで釜石の子どもたちと交流を深めた。共に「ラグビータウン」として全国に知られる地域で活動する子どもたち。3年後に迫ったW杯に期待を膨らませながら、だ円のボールを追いかけ友情を育んだ。

 

 花園ラグビー場がある東大阪市では、3つのラグビースクールで約260人が活動している。このうち釜石には、希望した小中学生16人が訪れた。

 

 交流会は23日、市球技場で行われ、釜石シーウェイブスジュニア28人のほか、秋田市、北上市からもそれぞれ20人が参加。パスやタックルなどの練習を繰り返した後、9人制のミニゲーム(12分)でリーグ戦を行った。

 

 東大阪と釜石の対戦では、体格で勝る東大阪が圧倒。釜石も必死のタックルで食らいついたものの、一方的に3トライを奪われ力負けした。

 

 先制トライを奪う活躍を見せた東大阪の菅原亮太主将(長堂小6年)は「連係はいま一つでしたが、ともかく前に出ようと意識した」と胸を張る。敗れはしたものの、釜石の米澤瑛斗主将(甲子小6年)は「強いチームを相手に意外とタックルに行けた。震災に負けず、ラグビーで盛り上げていきたい」と力を込めた。

 

 東大阪の子どもたちが13年、「被災地に学ぼう」と釜石を訪れたのがラグビー交流のきっかけ。14年には釜石の子どもたちが東大阪に招かれ、親善を深めた。昨年は実施を見合わせたため、W杯開催地に決まった後は今回が初めての交流となった。

 

 東大阪の子どもらはこの日朝、鵜住居町のW杯スタジアム建設予定地なども見学。事務局を担当する東大阪市ラグビー協会副理事長の山﨑裕二さん(57)は「被災地の現状を知り、ラグビー日本一7連覇を達成した釜石の歴史を知ることは必ず子どもたちの成長につながるはず」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2016年7月27日発行 第507号より)

 

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最後の単独チーム出場を準優勝で飾った小佐野クラウン

三陸学童野球大会、小佐野クラウン準優勝〜最後の単独出場飾る

最後の単独チーム出場を準優勝で飾った小佐野クラウン

最後の単独チーム出場を準優勝で飾った小佐野クラウン

 

 第34回岩手日報杯三陸海岸学童軟式野球大会兼第22回マクドナルドカップ県大会(県野球協会など主催)は16日から18日まで釜石市の平田公園野球場などで行われ、地元釜石市代表の小佐野クラウンスポーツ少年団が決勝まで進出。決勝では太陽の子スポ少(胆沢区)に4-11(六回コールド)で敗れたものの、見事準優勝に輝いた。もう一方の地元代表、かっしジャイアンツスポ少は2回戦で石鳥谷スポ少(花巻市)に敗れ、上位進出はならなかった。

 

▽決勝
太陽の子
260102 11
100030 4
小佐野クラウン
(六回コールド)

 

(太)遠藤、阿部琉―阿部琉、遠藤
(小)木下、岡島、坂本―川崎
▽本塁打 坂本(小)
▽三塁打 遠藤(太)
▽二塁打 小野寺、阿部琉、遠藤(太)

 

 小佐野は一回に2点を先制され、二回にも打者一巡で6点を奪われるなど苦しい試合展開となった。一回に1点、五回には坂本麗のランニング本塁打で一挙に3点を返したものの反撃もここまで。六回に追加点を許しコールド負けに終わった。

 

 優秀選手に坂本麗(山田南小5年)、打撃賞には準決勝、決勝で打率10割(7打数7安打)の猛打で大暴れした川崎秦(甲子小6年)が選ばれた。

 


■単独チームでの最後を飾る

 小佐野クラウンの藤原洋監督(47)は「もう少し食らいつきたかったが、最後に県内トップクラスの成績を残すことができて満足」と準優勝を素直に喜んだ。

 

 1回戦で松尾スポ少(岩手北)を11-2、2回戦は矢巾アローズ(紫波町)を4-2、準決勝では普代オーシャンズ(下閉伊)を15-8で破り、決勝まで進んだ。

 

 しかし決勝では、それまで3試合を戦って疲れが見える投手陣が四球を連発。二回には打者一巡の猛攻を受け大量6点を奪われる。四回までに8点差となりコールド負けが迫ったが、五回に1番坂本麗のランニング本塁打で3点を奪い、意地を見せた。

 

 13人の団員のうち9人を6年生が占め、来年は単独チームでの出場が難しくなる。来季は双葉との統合チームで臨む予定という。

 

 岡島洸主将(小佐野小6年)は「相手は強かったが、最後まであきらめずにやれたのが良かった。この悔しさをばねに来年は優勝を目指して頑張ってほしい」と後輩にエールを送る。

 

 震災前からコーチとしてチームを指導してきた藤原監督は「バントや走塁など細かいこともきちんと今後につないでくれた」と、さらなる成長に期待する。

 

(復興釜石新聞 2016年7月20日発行 第505号より)

 

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「強くあれ」と子どもらにエールを送るカーターさん

世界のトップ ダン・カーター選手(NZ代表)が釜石へ〜子どもらと交流「強くあれ」、復興W杯 成功願いキックオフ

復興の願いを込め力強くキックオフを披露するダン・カーターさん

復興の願いを込め力強くキックオフを披露するダン・カーターさん

 

 「ラグビー界の至宝」と言われる世界的なスター選手、ダン・カーターさん(34)=ニュージーランド(NZ)=が17日、釜石市を訪問。2019ラグビーワールドカップ(W杯)成功を願い、鵜住居町に建設される復興スタジアム予定地で子どもたちと交流した。11年のNZ地震を経験したカーターさんはキックオフのボールに乗せ、「逆境を乗り越えて成功がある。強くあれ。3年後、オールブラックス(NZ代表)として、きっとここに戻って来る」と力強いメッセージを送った。

 

 カーターさんは04年からオールブラックスの不動のスタンドオフ。テストマッチ(国代表の国際試合)個人通算ポイント歴代最多記録を持ち、ワールドラグビー年間最優秀選手3回を誇る。昨年のラグビーW杯イングランド大会でもNZ連覇の原動力となるなど世界のトッププレーヤーとして君臨する。

 

 釜石には、トップリーグ・ヤマハ発動機監督の清宮克幸さん(49)、外国人として初めて日本代表の主将を務め釜石シーウェイブスでも2年間プレーしたアンドリュー・マコーミックさん(49)=摂南大コーチ=、昨年のW杯に日本代表として出場した小野晃征さん(29)=サントリー=らが同行。あいにくの小雨模様の中、ラグビー関係者や地元住民など約600人が大漁旗を打ち振って迎えた。

 

 全員で震災犠牲者に黙とうしたあと、野田武則市長が「5年前の3月11日、ここから小中学生が高台に向かって逃げ全員が助かった。3年後には、ここから全世界に向け感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつ。仮設校舎で学ぶ釜石東中の生徒らが合唱、鵜住居青年会は虎舞を披露した。

 

 これに応え、カーターさんが復興の願いを込めてボールをキックオフ。マコーミックさんらと共に走りながらパスを交わすなど子どもたちと交流した。

 

「強くあれ」と子どもらにエールを送るカーターさん

「強くあれ」と子どもらにエールを送るカーターさん

 

 5年前、故郷のクライストチャーチでNZ地震を経験したカーターさんは「皆さんは一人じゃない。いつでも支えている」と語り掛けた。人口わずか700人ほどの小さな町で育ったことにも触れ、「オールブラックスのメンバーになれると思わなかったが、努力すれば夢はかなう。釜石の未来を担うのは君たちだ」と子どもたちを励ました。

 

 毎年のように釜石に足を運んでいるマコーミックさんは「少しずつ笑顔が戻っているようでうれしい。今日より明日を考えよう」と前向きに呼び掛けた。

 

かつて釜石でプレーしたマコーミックさんも子どもたちと交流

かつて釜石でプレーしたマコーミックさんも子どもたちと交流

 

 カーターさんらに大漁旗を手渡した新田壮吾君(甲子中3年)は「3年後のW杯へ向け、英会話を磨き、しっかりおもてなしができるよう頑張りたい」と決意を新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年7月20日発行 第505号より)

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