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野田市長が持つ座席にはリッチ—・マコウさんのサインが

旧国立競技場の座席をリレー、五輪遺産をラグビーW杯に〜北上市が釜石にエール、両市民ら17人 90キロをつなぐ

旧国立競技場の座席を背負ってゴールした北上市の高橋市長を釜石市の野田市長が迎える=5月31日午後5時53分、鈴子町のシープラザ釜石前

旧国立競技場の座席を背負ってゴールした北上市の高橋市長を釜石市の野田市長が迎える=5月31日午後5時53分、鈴子町のシープラザ釜石前

 

 2019年にラグビーワールドカップ(W杯)が開催される釜石市に5月31日、旧国立競技場(東京都新宿区)の座席が北上市からリレーマラソンで届けられた。この座席は建設中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)の客席最前列に設置される予定で、国立競技場、岩手国体のレガシー(遺産)を受け継ぎ、ラグビーW杯の成功に向けて機運を高める。

 

 北上市は、3年前に解体された旧国立競技場の座席6500席を譲り受け、このうち6千席を昨年の岩手国体の主会場となった北上陸上競技場に設置。予備として保管していた座席のうち300席を釜石市が譲り受け、鵜住居スタジアムで活用することになった。

 

 リレーマラソンはチャレンジデー北上イベントの一つとして企画された。午前8時、第一走者のマラソン五輪メダリスト有森裕子さんが座席を背負い、「皆さんの思いを背負って走ります」と宣言して出発。釜石まで約90キロの道のりを北上、釜石両市民ら17人がリレーでつないだ。

 

 午後6時前、最終ランナーとなった高橋敏彦市長が、釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャーや新日鉄釜石ラグビー部日本一V7メンバーの千田美智仁さん(北上市ラグビー協会会長)と共にシープラザ釜石にゴール。野田武則釜石市長に手渡された。

 

野田市長が持つ座席にはリッチ—・マコウさんのサインが

野田市長が持つ座席にはリッチ—・マコウさんのサインが

 

 この座席には、先月27日に釜石を訪れたラグビー元ニュージーランド代表主将リッチー・マコウさん(36)のサインが入っている。高橋市長は「多くのスポーツマンの熱い思いが込もっている。ラグビーW杯の盛り上げにつながるのではないか。共に頑張ろう」とエール。野田市長は「国立競技場、岩手国体のレガシーが加わった。北上市民の熱い思いに応えたい」と感謝した。

 

 V7時代の赤いジャージーを着て臨んだ千田さんは「釜石のV7を見届けた、あの座席と思うと感慨深い」、桜庭さんは「これからの釜石のレガシーに生かしたい」と決意を込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月3日発行 第593号より)

 

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建設中の復興スタジアムへ大漁旗を掲げて行進するマコウさんら

史上最高のラガーマン、リッチー・マコウさん復興W杯へエール〜釜石訪問、子どもらと交流「強くあれ」

子どもらの力強いスクラムに笑顔で応戦するマコウさん(左)、マコーミックさん

子どもらの力強いスクラムに笑顔で応戦するマコウさん(左)、マコーミックさん

 

 「ラグビー史上最高の選手」と言われるニュージーランド(NZ)代表の元主将リッチー・マコウさん(36)が27日、2年後にラグビーワールドカップ(W杯)の試合が行われる釜石市を訪れ、ラグビースクールで活動する子どもや市民と交流。海辺に建設が進む釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)まで子どもらと一緒に大漁旗を掲げて行進し、東日本大震災から本格的な復興へと向かう地域に「強くあれ」とエールを送った。

 

 マコウさんは2011、15年のラグビーW杯でNZ代表を大会史上初の連覇に導いた名選手。被災児童を支援するサポート・アワ・キッズ実行委員会(東京都)の招きで来日。15年W杯日本代表の小野晃征さん(30)、釜石シーウェイブス(SW)RFCでも活躍したアンドリュー・マコーミックさん(50)、大槌町出身で女子日本代表経験もある平野恵理子さん(25)とともに鵜住居小・釜石東中を訪れ、歓迎イベントに臨んだ。

 

勇壮な「釜石虎舞」に驚くマコウさん

勇壮な「釜石虎舞」に驚くマコウさん

 

 地元住民など約200人が歓迎。野田武則市長は「スタジアムも少しずつ形が見えてきた。これからが新たなスタート」と決意を伝えた。釜石東中の生徒は歌と吹奏楽の演奏で歓迎。勇壮な「釜石虎舞」も披露された。

 

 マコウさんは子どもらとパスを回し、数人掛かりのスクラムにも応戦。頼もしい子どもらに「被災した釜石でW杯が行われることはすばらしい。ラグビーを楽しむことを忘れず、世界に夢や希望を広げてほしい」と呼び掛けた。

 

 釜石シーウェイブスジュニアの土橋一陽(かずはる)君(釜石小6年)は「体が大きくて力強さを感じた。マコウさんのようになりたい」と、あこがれの選手に目を輝かせた。

 

建設中の復興スタジアムへ大漁旗を掲げて行進するマコウさんら

建設中の復興スタジアムへ大漁旗を掲げて行進するマコウさんら

 

 大漁旗を掲げて復興スタジアムまで行進したマコウさんらは、NZの原住民マオリ族の言葉で「強くあれ」を意味する「キアカハ」の掛け声に合わせ、色とりどりの風船を空に放った。「2年後、W杯がもたらす瞬間を共に楽しめることを願う」とマコウさん。W杯に向けて英会話を学び始めた釜石中3年の会田茉白(ましろ)さんは「通訳やおもてなしで大会を支えたい」と思いを膨らませた。

 

(復興釜石新聞 2017年5月31日発行 第592号より)

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釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

釜石シーウェイブス 帝京(大学王者)に完敗、IBC杯ラグビー〜小村HC、多難な船出

釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

 

 県ラグビー90周年記念、第52回IBC杯招待試合は14日、盛岡市のいわぎんスタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCは帝京大に0―52と大敗した。大学選手権8連覇中の”絶対王者”を前半は1トライに抑えたものの、後半はディフェンスが崩れ一方的に7トライを浴びた。新しいシーズンに向けた調整ぶりを占うIBC杯ラグビーで釜石が完封を喫したのは新日鉄釜石時代を含めて初めて。

 

 「タックルミスが多く、これではトップチャレンジ(TC)リーグで通用しない。基本的な部分をもう少ししっかりやらないと…」

 

 新設のTCリーグを勝ち抜きトップリーグ昇格を目指す小村淳・新ヘッドコーチ(HC)にとっては多難の船出となった。

 

 風上に立った前半はキックで敵陣に攻め込みゴールまで迫る場面があったものの、後半はスピード感あふれる帝京大アタックの防戦に追われた。複数の主力がけがや体調不良で欠場するなどの準備不足も大敗に影響した。

 

 「相手キックのチェイス(追跡)を怠り、点差を広げられた。もっとハードワークしないと」と小村HCは厳しく指摘。一方で、「限られたメンバーの中でスクラムは健闘したのではないか」と収穫も挙げた。

 

 チーム最年長、46歳になっても現役を続行する伊藤剛臣は「7年ぶり」というナンバー8のポジションで奮闘。FW最後列から「最後まであきらめるなよ」とメンバーに声を掛け、先頭に立ってボールを追い続けた。

 

 神戸製鋼で伊藤とチームメートだった小村HCは「若い連中は、もっと見習わないと」と苦言。「歴史あるチームにやって来て、ファンの声援の熱気を感じた。大味なゲームになってしまい申し訳ない」とチームの改革へ向け意を新たにした。

 

■釜石SW出場メンバー
①高橋拓也②吉田竜二③水本裕也④畠山克己⑤佐々木陽丞⑥佐々木拓磨⑦木村優太⑧伊藤剛臣⑨南篤志⑩中村良真⑪菅原祐輝⑫森山裕樹⑬村田オスカロイド⑭関東申峻⑮村井佑太朗【交代】權正赫(森山)ロコツイ・シュウペリ(関東)マヘ・トゥビ(吉田)伊藤大輝(佐々木拓)井上益基也(村井)小野航大(村田)佐々木和樹(水本)井越慎介(佐々木陽)前川紘(南)

 

(復興釜石新聞 2017年5月17日発行 第588号より)

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第1回釜石オープンウォータースイミング2017根浜

第1回釜石オープンウォータースイミング2017根浜

第1回釜石オープンウォータースイミング2017根浜

 

平成28年に開催された希望郷いわて国体で初めて正式種目として採用され、釜石市根浜海岸で実施されたオープンウォータースイミング競技。

 

この競技の大会を実施することで、地域の復興に繋げるため、平成29年8月6日(日)に第1回釜石オープンウォータースイミング2017根浜が開催されます。

 

※この大会は、えひめ国体水泳競技OWS岩手県選手選考会を兼ねて実施されます。

 

大会概要

期日・会場

代表者会議 兼 競技説明会
<期日>平成29年8月5日(土)16時00分~
<会場>青葉ビル (住所 〒026-0024 釜石市大町3-8-3)
<注意事項>
○大会参加にあたっては、この会議に必ず出席して下さい。
※やむを得ず欠席する場合は事前に連絡の上代理人が出席して下さい。
○選手の健康管理上、8月5日(土)に前泊することを参加条件とします。(宿泊先は各自でご手配ください)
※近隣市町村で試合前日に十分睡眠が確保される場合は除外します。

 

大会
<期日>平成29年8月6日(日)
・競技受付 7時45分~8時30分
・開会式 8時50分~
・競技開始 9時20分~
<会場>釜石市根浜海岸OWS特設会場

種目

種目詳細

※競技方法はオープンウォータースイミング競技規則に準じ、一部ローカルルールを適用します。

参加資格

○この競技は危険で過酷なレースであることを事前に了解してエントリーして下さい
○参加種目の距離を制限時間内で完泳出来る泳力のある方で、定期的に水泳練習を行っている心身共に健康な人
○既往症(内臓疾患・心臓疾患・呼吸器疾患等)のある人は出場不可
○その他大会実行委員会が不適当と認める人の出場は不可
※その他、条件、注意事項等の詳細は、 大会要項(448 KB pdfファイル) をご確認ください。

申込み

方法
申込書(52 KB xlsファイル)に記入し、申込金の振込証明書(コピー可)を添えて郵送またはFAX
※詳しくは 大会要項(448 KB pdfファイル)をご確認ください
○インターネットで申込み(申し込みはこちらから)

 

期日
7月5日(水) ※定員になり次第締め切り

主催・主管・後援・協力

○主催 釜石オープンウォータースイミング2017根浜実行委員会
○主管 岩手県水泳連盟、釜石水泳協会
○後援 釜石市、釜石市体育協会
○協力 釜石ライフセービングクラブ、釜石トライアスロン協会

お問い合わせ

釜石水泳協会事務局 (TEL:0193-28-1717)

 

大会情報サイト
詳しくはこちら

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 スポーツ推進係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8835 / Fax 0193-22-3633 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/gakushu_sports/detail/1209841_2411.html
釜石市

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Richie McCaw Charity for All

Richie McCaw Charity for All ~2019年に向けて鵜住居小学校・釜石東中学校から復興スタジアムへのテイクオフセッション~

リッチー・マコウ氏をお迎えして、地域の住民とラグビーキッズたちとの交流イベントを5/27に開催いたします。皆様お誘いあわせのうえご来場願います。

 

Richie McCaw

 

概要

東日本大震災被災児童自立支援プロジェクト「Support Our Kids」の一環として、リッチー・マコウ氏をエグゼクティブコーチに迎え、岩手、東京、横浜の3地区でチャリティプログラムを実施する中、釜石市において、2017年春に新設された鵜住居小学校・釜石東中学校と2019年に向けて整備中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)を結び、地域の住民とラグビーキッズたちとの交流イベントを開催いたします。

趣旨

母国ニュージーランドに2回のラグビーワールドカップ優勝をもたらす快挙を成し遂げたニュージーランド代表チーム元主将のリッチー・マコウ氏を迎え、ラグビー史上最高の選手、最高のキャプテンから、類いまれなリーダーシップを発揮してチームを世界一へと導いた自身の体験を聞き、音楽や郷土芸能を披露し、ラグビーで交流する機会を通してラグビーワールドカップ2019開催に向けた地元の気運醸成をはかるものです。

リッチー・マコウ氏プロフィール

Richie McCaw

 

1980年、ニュージーランド、ノースオタゴ州オアマル生まれ。
カンタベリー州代表、スーパーラグビークルセイダーズに所属し
20歳からニュージーランド代表オールブラックスでプレー。
代表キャップ148はラグビー史上最多。
主将としてRWC2011ニュージーランド大会、RWC2015イングランド
大会で優勝し歴代初の連覇を遂げた。
2015年に引退。同年ニュージーランド最高位勲章を史上最年少で受賞。

 

主催

釜石市、Support Our Kids実行委員会

共催

ラグビーワールドカップ2019釜石開催支援連絡会、鵜住居地域会議、鵜住居まちづくり協議会、釜石市ラグビーフットボール協会

日時

平成29年5月27日(土) 9:30~11:00

会場

鵜住居小学校・釜石東中学校~釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)建設現場

プログラム: 5月27日(土) ※予定

9:00 鵜住居小・東中学校駐車場開放、体育館入場開始
9:30 リッチー・マコウ氏、他ゲストのお迎え
9:35 歓迎挨拶
9:40 歓迎セレモニーⅠ 釜石東中学校「合唱&吹奏楽」
9:55 リッチー・マコウ氏、他ゲストによる「トークセッション」
10:05 リッチー・マコウ氏と地域住民、小中学生、ラグビーキッズによる「テイクオフマーチ」
~釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)建設現場へ移動~
10:20 歓迎セレモニーⅡ
10:30 リッチー・マコウ氏、他ゲストとラグビーキッズとの「ラグビーセッション」
10:50 リッチー・マコウ氏、他ゲストのお見送り
11:00 終了

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話:0193-27-8420 / Fax 0193-22-6040 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/rugby_city/detail/1209441_3208.html
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鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図

ラグビーW杯へ鵜住居スタジアム着工、来年7月の完成目指す〜復興支援、世界へ感謝の場に

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図(釜石市提供)

 

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催に向けて釜石市が整備する「鵜住居復興スタジアム」(仮称)建設工事の安全祈願祭が27日、鵜住居町の現地で行われた。釜石がW杯開催候補地に名乗りを上げて3年。東日本大震災後、国内外から受けたさまざまな支援への感謝の場とする「夢舞台」が、いよいよ形になる。スタジアムは来年7月末の完成を目指す。

 

 安全祈願祭には関係者や地元住民ら約100人が出席。野田市長や鵜住居小児童会長の大丸碧仁(あおと)君、釜石東中生徒会長の沼﨑壱(はじめ)君らがくわ入れし、工事の安全を祈った。

 

復興スタジアムの無事完成を願い、くわ入れする野田武則市長ら関係者

復興スタジアムの無事完成を願い、くわ入れする野田武則市長ら関係者

 

 続いて行われた着工式で、野田武則市長は「スタジアムは震災当時の小中学生が高台を目指し、津波から逃れた場所に造られる。ここから子どもたちが未来にはばたき、船出する場にしたい」と式辞。市と共催する県の達増拓也知事は「W杯の成功へオール岩手でがんばりたい」とメッセージを寄せた。

 

 市民運動の原動力となるW杯釜石開催支援連絡会の小泉嘉明会長は「復興を、夢をつかみたい思いでW杯に声を上げ、進んできた。スタジアムの着工は心躍り、至上の喜び」と思いを込めた。

 
鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図(釜石市提供)

 

 ラグビーW杯2019組織委員会の嶋津昭事務総長は、一昨年のW杯英国大会で日本代表が南アフリカに歴史的な勝利を挙げたことに触れ、「試合が行われたブライトンは釜石と同じ港町。このスタジアムで記憶に残る歴史を刻んでほしい」と期待を寄せた。

 

 新日鉄釜石ラグビー部の日本一7連覇にFWとして活躍し、釜石市がW杯候補地に名乗りを上げるきっかけをつくったNPO法人スクラム釜石の石山次郎代表(59)は「W杯招致に反対の声もあったが、やっていけばきっと一つになれるはず。寄付金を募るなどW杯の成功に向け今後も力になりたい」と前を向いた。

 

 着工式に続き、鵜住居幼稚園の園児が虎舞を披露。釜石シーウェイブス(SW)RFCの須田康夫主将ら8人の選手はパスプレーを披露。最年長の伊藤剛臣選手(46)がトライの場面を演じて見せ、2年半後に迫ったW杯に向けて機運を高めた。

 

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「復興を世界へアピールする大会に」とボールを掲げる釜石SWの伊藤選手

 

 伊藤選手は「震災の翌年に初めてここに来て一緒にがれき拾いをした時は、W杯ができるなんて信じられなかった。復興を世界にアピールする大会になってほしい」との思いをトライに込めた。

 

 市によると、震災の津波で全壊した鵜住居小・釜石東中の跡地約9ヘクタールを約5メートルかさ上げし、約1・1ヘクタールのグラウンドを備えた鉄骨造り約1万6千席のスタジアムを造る。スタンドは常設約6千席、仮設約1万席。総事業費約39億円のうち県と市の負担は約8億円に上る見込み。

 

 常設工事は大成建設・新光建設共同企業体が施工。19億9800万円を投入し、地元負担の約1億2千万円に過疎債を充てる。残りは復興交付金や日本スポーツ振興センター助成金などを見込む。

 

 市が全国に呼び掛けているラグビーこども未来基金の寄付総額はこれまで約2億500万円に上る。

 

(復興釜石新聞 2017年4月29日発行 第584号より)

 

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TL昇格へ貢献を誓う釜石SWの新加入選手ら

釜石シーウェイブス新戦力9人〜トップリーグ昇格へ、トップチャレンジリーグV目指す

 TL昇格へ貢献を誓う釜石SWの新加入選手ら

TL昇格へ貢献を誓う釜石SWの新加入選手ら

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCは15日、新設のトップチャレンジリーグに挑む今季の新陣容を発表した。南半球の強豪が争うスーパーラグビーでプレーしたSHスコット・ゲイル(22)ら新戦力9人が加わり、ナンバー8須田康夫主将(33)は続投。WTB小野航大(25)、LO菅原貴広(28)両選手が副主将として支える。釜石市甲子町のクラブハウスで記者会見に応じた小村淳ヘッドコーチ(HC)は「TCリーグで優勝し、トップリーグ(TL)昇格を目指す」と決意を示した。

 

 新戦力を加えたSWの選手は43人で、さらに外国人2人を含む5選手を獲得する見込み。ゲイルは豪州の大学を卒業後、6月以降にチームに合流する予定だ。

 

 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「これから育成する選手、即戦力として期待する選手をバランスよく補強でき、TCを戦う下地ができた」と評価。今季から指揮を執る小村HCは「ディフェンスとセットピースを強化し、最少失点に抑えるチームに」とプランを描く。

 

■新加入選手抱負

 
 ▽佐々木仁(釜石商工高)釜石出身。
「地元でやれる環境のSWに入って自分のレベルを高め、早く公式戦に出られるようがんばりたい」

 

 ▽原遼太郎(オークランド工科大)
「向こう(ニュージーランド)で就職する道もあったが、上のレベルにチャレンジできる釜石でがんばろうと思った」

 

 ▽中村良真(帝京大)八戸市出身。
「ラグビーで東北を盛り上げたい。キックには自信がある」

 

 ▽福士周太(立命館大)
「大学では満足できる成績を残せなかった。(採用してくれた)会社へ感謝の気持ちを込め、精いっぱいプレーしたい」

 

 ▽權正赫(帝京大)韓国代表。
SWに許雄選手(韓国出身)もいることから加入を決意。「一緒にTL昇格を目指したい。タックルには自信がある」

 

 ▽ロコツイ・シュウペリ(拓殖大)
昨季はトップイーストリーグ(三菱重工相模原)で全試合先発出場。「釜石のプレーは激しく、いいチーム。ファンも多く、このチームでプレーできるのがうれしい」

 

■”先生選手”の誓い

 
 釜石市内の小学校で教えながらプレーするフランカー佐々木拓磨選手(31)=小佐野小=、CTB伊藤優駿選手(23)=双葉小=はともに”先生選手”としてトップリーグ昇格への貢献を目指す。

 

 佐々木選手は遠野市出身。釜石南高では甲子園を目指す球児だったが、隣のグラウンドで練習する釜石SWに憧れ、山形大でラグビーに転じた。教員になった後も県内のクラブチームでプレーし、国体(和歌山)にも出場した。学校では5年生(13人)を担任。「願いがかなった。ここからが新たなスタート」と意気込む。

 

 伊藤選手は北海道小樽市出身。母校(札幌山の手高)の先輩選手がいることもあり、SWの門をたたいた。学校では2年生のクラスで学習支援を担当。「伝統のあるチームで、一日も早く戦力になりたい」と誓う。

 

2017 釜石シーウェイブスRFC

 

(復興釜石新聞 2017年4月22日発行 第582号より)

 

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9季ぶりに1部リーグで戦う新日鉄住金釜石サッカー部

東北社会人サッカーリーグ、9季ぶり1部へ復帰〜新日鉄住金釜石 バックアップ体制も強化、有望4選手加入「上位狙う」

9季ぶりに1部リーグで戦う新日鉄住金釜石サッカー部

9季ぶりに1部リーグで戦う新日鉄住金釜石サッカー部

 

 9季ぶりに東北社会人サッカーリーグ1部に復帰する新日鉄住金釜石(松岡新也監督)は5月の開幕へ向け、ホームグラウンドの釜石市球技場で調整に励んでいる。1部リーグ昇格を弾みに、今季は浅沼海斗(18)=遠野高=ら4人の有望選手が加入。会社(新日鉄住金釜石)側も遠征費を補助するなどバックアップ体制を強化する。松岡監督は「1部維持が最低の目標。少しでも上位を狙う」と意欲を見せる。

 

 浅沼は昨年度の全国高校サッカー選手権出場メンバー。東海林隼(18)=仙台育英高=は昨年のインターハイに出場した。このほか尾形祐貴(27)=仙台大=、滝田雄太(25)=日本大=が新たに加入する。

 

 「ホントに、いいメンバーが入ってくれた。これでチームも若返り、次につながる」と松岡監督は喜ぶ。中でも高校新卒の浅沼、東海林は貴重な左利き。「いずれもいいものを持っているし、対応力も十分。社会人の試合に慣れれば相当やってくれるはず」と期待も膨らむ。

 

 松岡監督は▽プレーの精度▽個々の強さ▽判断の速さ―を強化ポイントに挙げ、「1部に長く残れるベースをつくりたい」と今季のプランを描く。「1部では小さなミスが命取りになる。チャンスにしっかり得点することも大切だ」。8年間もいた2部リーグとは違う試合運びも課題となる。

 

 1部復帰の立役者で今季も主将を務める簗場海史(26)は「家族や会社の人たちの熱い声援が大きな力になった。これに応え、今季も勝ち続けたい」と、さらなる高みを目指す。

 

 ホームグラウンドでの練習にメンバーがなかなかそろわない、厳しい環境に変わりはないが、今季から会社側の厚いバックアップも加わる。遠征費の補助のほか、甲子町松倉の社員寮のそばにサッカー部の部室を新設する計画もあるという。

 

 試合日程は次の通り(かっこ内は会場)。

 

①5月7日=コバルトーレ女川(宮城県女川町)
②5月14日=ブランデュー弘前(釜石)
③5月21日=仙台SASUKE(宮城県色麻町)
④5月28日=富士クラブ2003(花巻市)
⑤6月4日=メリー(釜石)
⑥6月11日=盛岡ゼブラ(盛岡市)
⑦6月18日=バンディッツいわき(釜石)
⑧6月25日=FCプリメーロ(釜石)
⑨7月2日=FCガンジュ(盛岡市)
⑩7月9日=コバルトーレ女川(釜石)
⑪7月16日=ブランデュー弘前(弘前市)
⑫8月20日=仙台SASUKE(釜石)
⑬8月27日=富士クラブ2003(釜石)
⑭9月3日=メリー(福島市)
⑮9月10日=盛岡ゼブラ(釜石)
⑯9月17日=バンディッツいわき(福島県いわき市)
⑰9月24日=FCプリメーロ(福島県鏡石町)
⑱10月1日=FCガンジュ(釜石)

 

(復興釜石新聞 2017年4月15日発行 第580号より)

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待望のシーズン到来に心躍らせながら練習に励むSWジュニアの団員ら

釜石SWジュニア、ラグビーW杯へ夢膨らませ〜新シーズンへキックオフ

待望のシーズン到来に心躍らせながら練習に励むSWジュニアの団員ら

待望のシーズン到来に心躍らせながら練習に励むSWジュニアの団員ら

 

 釜石シーウェイブスRFC(SW)ジュニアの2017年度ラグビースクール開校式は2日、釜石市甲子町のSWクラブハウス中庭で行われた。幼児と小学生の新入団員9人を迎え、総勢42人で新シーズンを始動。それぞれに掲げた目標の達成へ一歩を踏み出した。

 

 開校式には団員と保護者、運営スタッフらが顔をそろえ、スクールの大畑勇校長代行があいさつ。SWの選手が団員を激励し、新入団員、指導員の紹介などが行われた。本年度は幼児と小学生32人、中学生10人が団員登録。14人の指導員が活動をサポートする。

 

 大畑校長代行は「19年のラグビーW杯に向け、釜石が各方面から注目を浴びている。SWジュニアも釜石のラグビーを支えているという気概を持ち活動していきたい」とし、震災後の多くの支援、支えてくれる家族らへの感謝の気持ちを忘れず活動に励むことを団員に期待した。

 

 式の後は、市球技場で年代別に練習を開始。新シーズンのスタートに気を引き締めながら、さまざまな練習メニューをこなした。新入団員の桝澤大輝君(甲子小1年)は「かっこいいから(ラグビーを)やりたいと思った。タックルを頑張りたい」と仲間と元気にグラウンドを駆け回った。

 

ラグビースクール開校式に出席した釜石SWジュニアの団員とスタッフら

ラグビースクール開校式に出席した釜石SWジュニアの団員とスタッフら。新学年になり、団員のさらなる成長に期待!

 

 SWジュニアは本年度も定期練習、各種大会や強化合宿への参加でチーム力の向上、個々のスキルアップに努めるほか、SWの試合のエスコートキッズ、観戦などを通じ将来の夢を育む。毎週日曜日(午前9時~11時半)に全体練習、水曜日(午後6時半~8時)に小学校中・高学年と中学部の練習を行う。

 

 新キャプテンの及川勝太君(小佐野小6年)は「高学年は秋の県大会優勝、中学年はレベル向上、低学年は楽しくラグビーをやることを目標にしたい」とチームを率いる意気込みを示し、2年後に迫ったW杯について「すごい選手が釜石に来て試合を繰り広げてくれるのが楽しみ。期待は大きい」と目を輝かせた。

 

(復興釜石新聞 2017年4月5日発行 第577号より)

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(右から)松原コーチ、小村ヘッドコーチ、桜庭ゼネラルマネジャー、池田コーチ

釜石SW、新HCに小村淳氏〜「新リーグ王者」目標に掲げ

(右から)松原コーチ、小村ヘッドコーチ、桜庭ゼネラルマネジャー、池田コーチ

(右から)松原コーチ、小村ヘッドコーチ、桜庭ゼネラルマネジャー、池田コーチ

 

 今季から全国の8チームでスタートするラグビーの新リーグ、トップチャレンジ(TC)リーグに参入する釜石シーウェイブス(SW)RFCは14日、昨季で退任した三浦健博ヘッドコーチの後任に、元日本代表で昨季まで明大HCを務めた小村淳氏(46)が就任すると発表した。このほかFWコーチには、昨季までコーチ兼フッカーとして釜石SWをけん引した松原裕司氏(37)、バックスコーチには小村氏とともに明大のバックスコーチを務めた池田渉氏(41)が新たに就任する。桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「3人とも日本代表として国際試合の経験も豊富。釜石でもいい成果を」と期待する。

 

 小村HCは函館市出身で、函館大有斗高、明大から1992年に神戸製鋼入り。フランカーとして活躍し、日本代表キャップ4。02年に現役引退した後、日本代表AやキヤノンのFWコーチなどを経て、13年から4年にわたり母校明大のHCを務めた。

 

 小村氏のHC起用について、桜庭GMは「コーチング経歴が豊富で、個人に加えて組織的な強化も図ることができる。指導力、ポリシーもあり、選手を第一に考えるコーチとして明大FWを強化した実績もある」と説明した。

 

 釜石SWのクラブハウスで記者会見に応じた小村HCは「新リーグの初代王者を目標に掲げ、精進していきたい」とトップリーグ(TL)昇格を誓った。

 

 TCリーグではこれまで以上に厳しい試合が続くと予想されるが、「プロ選手から会社員もいる難しい環境の中で、チームが一つにまとまることが必要。クラブチームとして初めてTLに昇格し、日本のラグビー文化に新しい風を吹かせたい」と意気込みを示した。

 

 チームづくりについては「昨季は多く得点したが、失点も多かった。まずはしっかりとしたディフェンスを植え付けたい」とした上で、スクラムやラインアウトなどの改善もポイントに挙げた。

 

 2年後に開催されるラグビーワールドカップ(W杯)に向けては「釜石の選手が日本代表として一人でも出場することがSWの発展、未来につながる」とした。

 

 小村HCと同じく明大卒で日本代表キャップ23、昨季限りで現役を引退した松原FWコーチは「同じ明大出身者として気心はよく知っている。SWでこれまで2年間プレーしてきた経験をもとに全力でサポートしていきたい」と抱負を述べた。

 

 一方、池田バックスコーチは石巻市出身で、日本代表キャップ14。宮城水産高、流通経済大卒後、三洋電機(2000~07年)、リコー(08~14年)などでプレーした。

 

 強豪との対戦が続く新シーズンに向け、桜庭GMは「これまで以上にタフさが要求される」とし、新たに10人以上の選手を補強することも明らかにした。新加入選手は4月初めに発表される。

 

(復興釜石新聞 2017年3月18日発行 第572号より)

 

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鵜住居公民館を訪れた小池百合子東京都知事(右から3人目)。ラグビー関係者らの思いを聞いた

「復興五輪」の原点へ、小池都知事 旗を掲げ本県沿岸視察〜ラグビーW杯 釜石にもエール

 大槌学園で開かれたフラッグツアーイベント。小池知事(手前)が旗を掲げて東京五輪をアピールした

大槌学園で開かれたフラッグツアーイベント。小池知事(手前)が旗を掲げて東京五輪をアピールした

 

 小池百合子東京都知事は17日、本県を訪れ、釜石市など震災被災地の復興状況を視察した。大槌町では2020年東京五輪・パラリンピック旗を各地で披露する「フラッグツアー」のイベントを開催。「被災地の復興なくして東京五輪の成功なし。復興五輪の原点に戻り、復興もお手伝いする大会にしたい。復興に向け頑張っていきましょう」とエールを送った。

 

 都は震災後から職員を派遣するなど被災地の復興事業を後押ししている。視察は、被災地の実情を把握し復興をより効果的に後押ししようとするもの。本県最初の訪問地、陸前高田市では追悼施設で献花し、復興に向けたまちづくりの状況を確認した。

 

 釜石市の視察は、三陸鉄道(三鉄)釜石駅からスタート。震災で被災した三鉄は14年の全線運行再開に合わせ、中東・クウェートからの支援により新しい車両を導入しているが、震災発生直後に当時、衆議院議員だった小池知事とアブドルラフマーン・アルオタイビ駐日大使の会談がきっかけになったという。

 

 小池知事は、同行したアルオタイビ大使らと車内を見て回った。ホームではクウェートの国旗を手にした釜石小2年生18人がお出迎え。「クウェートのみなさん、ありがとうございます」と感謝を伝えた。

 

三陸鉄道釜石駅では子どもたちと触れ合った

三陸鉄道釜石駅では子どもたちと触れ合った

 

 続いて鵜住居町に移動。公民館で野田武則市長から19年ラグビーワールドカップ(W杯)の会場となるスタジアム建設など大会開催に向けた取り組み状況の説明を受けた。

 

 新日鉄釜石ラグビー部OBで「V7戦士」の石山次郎さん、千田美智仁さん=共に元ラグビー日本代表=らが同席した。45歳の最年長ラガーマンとして現役を続ける釜石シーウェイブスRFCの伊藤剛臣選手は「釜石はラグビー界伝説のまち。震災で大きな被害を受けたが、ラグビーで明るいニュースや元気を届け、盛り上げたい」と意欲満々。”ラグビー女子”として活躍が期待される釜石商工高3年の柏木那月さんは「夢である日本代表になれるよう頑張る」と力を込めた。

 

 鵜住居公民館を訪れた小池百合子東京都知事(右から3人目)。ラグビー関係者らの思いを聞いた

鵜住居公民館を訪れた小池百合子東京都知事(右から3人目)。ラグビー関係者らの思いを聞いた

 

 19年のラグビーW杯では都も開催地の一つになっており、小池知事は「ネットワークを結んで盛り上げたい」と連携に意欲を示した。

 

 フラッグツアーイベントは大槌学園(大森厚志学園長、児童生徒639人)で行われた。アテネ五輪柔道銀メダリストの泉浩さん、元体操選手の田中理恵さんらも参加。小池知事は児童生徒が見守る中で達増拓也知事に2本の旗を手渡し、「スポーツを通して元気になりましょう」と語った。

 

 パラリンピック金メダルを持参したマラソンの高橋勇市選手は「夢に向かって頑張れば必ずかなう」と激励。同じくパラリンピアンの欠端瑛子選手は、目隠しをしてボールに入った鈴の音を頼りに行う競技「ゴールボール」を紹介した。

 

 フラッグツアーは東京五輪・パラリンピックの機運を盛り上げようと行われていて、使われる旗は国際オリンピック委員会(IOC)などの承認を得て作製されたレプリカ。旗は20日から4月16日にかけて、遠野市や盛岡市など県内7市町で巡回展示される。

 

 イベント後に達増知事と会談した小池知事は「3月11日になれば被災地のことを思い出す人はいると思うが、いつも被災地がどうなっているか気に掛けてもらえるよう、私もさらに工夫していきたい」との考えを示した。これに対して達増知事は「長期化する復興の現状を発信する機会になった。復興五輪ということで、被災地の思いも大きな要素にした特別な大会だと改めて感じた。ラグビーW杯の開催とともにスポーツの力を復興の力、日本の力に」と期待を込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年2月22日発行 第565号より)

 

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ラグビーカフェからエールを交換する釜石市民

ラグビーW杯 東海市から盛り上げ、釜石市と結びタウンミーティング〜両市交流促進の弾みに

討論する松瀬さん(右)と桜庭さん(中)

討論する松瀬さん(右)と桜庭さん(中)

 

 「製鉄のまち」として釜石市と姉妹都市を結ぶ愛知県東海市で1月29日、2年余りに迫った2019ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催へ向けたタウンミーティング(東海市・市教委主催、釜石市共催)が開かれた。このイベントは釜石市鈴子町のシープラザ釜石内にあるラグビーカフェ釜石とインターネットで結ばれ、両市民が「W杯開催を成功させよう」とエールを交換した。

 

 会場となった東海市芸術劇場多目的ホールには100人余りの市民が集まり、鈴木淳雄市長は「ラグビーW杯開催へ向け釜石市と一緒に陳情活動もした。開催決定は本当にうれしい。釜石開催には、東海市を挙げて応援にいきたい」とあいさつした。

 

100人余りの東海市民が参加して開かれたラグビータウンミーティング

100人余りの東海市民が参加して開かれたラグビータウンミーティング

 

 続いて、W杯釜石開催を応援してきたノンフィクションライターの松瀬学さんが講演。「期待はしているが、ビジョンや戦略をよく考えないと成功しない。大いに盛り上げるストーリーが必要」と指摘した上で、「さまざまな絆ができるラグビー文化はすばらしい。W杯をきっかけにもっと浸透してらいたい」と期待を述べた。開催期間が長期にわたるW杯によるさまざまな経済効果も挙げ、「世界のラグビーファンが東海市にやって来る仕掛けをつくり、共に盛り上がろう」と呼び掛けた。

 

ラグビーカフェからエールを交換する釜石市民

ラグビーカフェからエールを交換する釜石市民

 

 このあと、元ラグビー日本代表の桜庭吉彦さん(釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャー)を交えてパネルディスカッション。松瀬さんが「釜石のラガーマンはやさしい。厳しい環境の中でラグビーに打ち込み、人間としても立派」と持ち上げると、3度のW杯に出場した桜庭さんは「W杯は自分自身を成長させてくれた。今度は釜石で開かれる。成功に向けたチャレンジが本当のレガシー(遺産)になる」と強調した。

 

 ラグビーカフェ釜石でイベントの中継に見入った緒形悠里子さん(35)=中妻町=は中学2年まで東海市で過ごした。両親とともに釜石に帰って20年。「東海市には一度も行っていない。W杯を機会に行ければいいですね」と〝ふるさと〟に思いをはせた。

 

(復興釜石新聞 2017年2月4日発行 第560号より)

 

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