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復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

復興後押しトライアスロン、根浜に195人集う〜昨年の岩手国体を弾みに

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

 

 第23回釜石はまゆりトライアスロン国際大会(同実行委主催)は3日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場を発着点に開かれた。同大会は東日本大震災で中断を余儀なくされたが、関係者の熱意でいち早く復活への取り組みに着手。震災から3年後の2014年には競技全3種目の復活大会にこぎつけ、昨年の希望郷いわて国体同競技の釜石開催を成功に導いた。2年ぶりの今大会は、震災前と同じ総距離51・5キロで実施。全国から集まったアスリートに復興の進展を印象づけた。

 

 北海道から佐賀県まで195人がエントリー。51・5キロ(スイム1・5キロ、バイク40キロ、ラン10キロ)を個人で競うスタンダードに151人、2~3人で3種目を分担するリレーに8チーム23人、各種目半分の距離で競うスプリント(総距離25・75キロ)に21人が出場した。スプリントは同大会初の試み。

 

 午前8時、スイム(水泳)からスタート。三陸沖を通過した台風15号の影響で高波が押し寄せ、水温も17度(午前6時現在)と低めだったため、不安な人は事前にバイク(自転車)からのスタートに切り換える措置も講じられた。バイクは根浜から箱崎町を折り返し、橋野町を経由して根浜に戻るコース。橋野町を折り返すコースは震災後初めてで、沿道の地域住民らが熱い声援を送り大会を盛り上げた。ラン(長距離走)は根浜―箱崎間を周回した。

 

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

 

 注目を集めたのは、08年の北京五輪で5位入賞を果たした井出樹里さん(34)=神奈川県=。男子選手とスタンダード上位争いを繰り広げ、女子トップでゴール(2時間11分14秒)後は、ゴール地点で後続の選手を出迎えた。井出さんは「トライアスロンが大好きな人たちと一緒に、この地で大会ができたことは自分にとってもプラスで、ありがたい経験。大会の雰囲気も温かい。ぜひ、また来たい」と声を弾ませた。

 

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

 

 男子スタンダード1位(2時間02分12秒)に輝いたのは、大船渡市出身で昨年の国体に本県代表として出場した寺澤光介さん(23)=東京都=。高校1年の時に初めて挑んだのが同大会で、震災後も出場を続ける。「国体では思うような結果が出せなかった。今年はそのリベンジも込め全力で臨んだ。今後は東京とその次の五輪を見据え、海外レースでも経験を積みたい」とさらなる飛躍を誓った。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

 

 リレーの部には、国際大会の冠が付いた第3回大会から出場し、同大会の発展に大きく貢献してきたトリーズ・マイケルさん(55)=東京都=が、妻りえ子さん(40)、競技仲間の丹内心悟さん(39)=愛知県=とチームを組んで出場。トリーズさんらは震災後、「Tri4Japan」の名で、被災地支援活動を展開し、毎年釜石を訪れている。

 

 05年以来の出場となったトリーズさんは「天気も良くて楽しかった。痛めている腰が治ったら、3種目フルで出たい」、2年ぶりの出場となったりえ子さんは「ビーチや緑地広場が戻って本当に良かった。沿道の皆さんの笑顔も温かくて、やっぱり釜石っていいな」と大会復活を喜び、「震災前のような完全な形になるまで、応援を続けたい」と夫婦で〝釜石愛〟をにじませた。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

手を取り合ってゴールしたトリーズさん夫妻と丹内心悟さん(右)

 

 大会総括責任者の釜石トライアスロン協会、小林格也会長は「台風の影響も最小限で、無事終えられた。今年は初心者が参加しやすいようスプリントも設けたが、今後は子どもたちにもトライアスロンの面白さを知ってもらい、底辺拡大につなげたい。今年から始まったオープンウォータースイミングとともに根浜を拠点としたスポーツ振興にもつなげられれば」と意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月6日発行 第619号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM【9/10 釜石SW開幕戦@松倉】

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

今季から新設された社会人ラグビーリーグ 3地域(関東・関西・九州)合同リーグ『ジャパンラグビートップチャレンジリーグ』に参戦する釜石シーウェイブスRFC。(以下釜石SW)

 

新リーグは、8チーム総当たりの1stステージの後、上位・下位4チームずつに分かれての2ndステージで最終順位が決定する。

 

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

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リーグ設立にあたり、昨年の順位を単純に反映させた場合の釜石SWの順位は7位。ここからトップリーグ昇格を目指し新たなスタートを切ります。

 

縁とらんすでは、開幕を間近に控えたチームから、ゼネラルマネージャー(GM)の桜庭吉彦さんにお話を伺って来ました。

 

まずは、今季コーチングスタッフ体制が大きく変わって迎えた、ここまでのチーム作りについて

 

コーチングの面で言うと、まったく新しい事をするというよりは、今まで築いてきたものを活かしながら、改めて“勝つ”チームづくりを進めてきてもらっています。

 

ここまで、順調な点もそうではない点も色々ありましたが、開幕が迫った今、シーズンが楽しみだなと感じる段階までになってきています。

 

新リーグへの参戦が決まり、もしかしたら地元で試合が無いのでは・・・と心配していたのですが、釜石で試合(1stステージ内2試合)があり、ファンの一人としてホッとしています。

 

我々としても開幕を釜石で迎える事が出来て非常に嬉しく感じています。また、シーズン序盤に地元で比較的強いチームと対戦することをプラスにとらえています。地の利を活かし、地元の声援を力に変えて臨みたいです。

 

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

また、市内の色々な場所でたくさんの告知ポスターを目にしますね。

 

今年も、目を引く良いデザインのものを作っていただきました。まずは興味を持って頂き、試合があるという事を知って頂く事が第一歩だと思っています。

 

そして、そこから実際に会場に足を運んでいただけるよう市民の皆さんの近くに出向き、さらにPR活動していこうと考えています。

 

釜石シーウェイブス2017

 

最後に、これを読んで下さっている方々へメッセージをお願いします。

 

ラグビーに親しんで頂くこともそうですが、地元のチームが、関東や九州の大都市の強豪チームに立ち向かって行く姿を観て、何かを感じて頂ければと思っています。

 

「地元のチームが頑張っている」、そんな胸に響くような時間を共有して頂き、それが故郷に誇りを持ってもらえることに少しでも繋がってくれたら、これほど嬉しいことはありません。

 

皆さんの声援が選手の背中、スクラムを押す力になります。ぜひ会場で応援をよろしくお願いします。

 

釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

釜石市球技場でのホームゲームは9月に2試合行われます。
第1節 9月10日(日)15時キックオフ vs三菱重工相模原ダイナボアーズ 
第3節 9月24日(日)12時キックオフ vs九州電力キューデンヴォルテクス

また試合当日は、会場周辺で「にぎわいイベント」が行われます。こちらもぜひみんなで楽しみましょう!

 

釜石SW にぎわいイベント

 
 

チームの先頭に立ち、積極的に色々な場所へ顔を出している桜庭GM。地元のチームとして、市民の皆さんに親しみを持ってもらう為にどのような活動をして行くかを日々考えていらっしゃるそうです。

 

特に子供たちにラグビーの魅力を伝えることはもちろん、ラグビーを通じて地元愛を育んでもらえるような活動にさらに力を入れていきたいと話されていました。

 

また、桜庭さんおすすめの試合観戦のポイントを教えて下さいとお聞きした所、即答で「スクラムですね!スクラムを押しているかどうかを観て下さい」という答えが。ぜひスクラムに注目して試合観戦しましょう。

 

桜庭吉彦(さくらば・よしひこ) 
1966年、秋田県生まれ。身長192cm。 秋田工業高2年の時にラグビーを始める。3年時に全国高校ラグビー大会優勝。高校卒業後 新日本製鉄釜石製鐵所に入社、同ラグビー部入部。2006年現役引退。ポジションはロック。日本代表キャップ数43。ワールドカップに3回出場。そして、2019年ラグビーワールドカップアンバサダーも務めるラグビー界のレジェンド。

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

7年ぶりに元気な顔をそろえたお盆野球大会の参加者ら

復活「お盆野球」に完成沸く〜鵜住居、箱崎、両石

7年ぶりに元気な顔をそろえたお盆野球大会の参加者ら

7年ぶりに元気な顔をそろえたお盆野球大会の参加者ら

 

 東日本大震災で被災した釜石市鵜住居町に野球仲間の歓声が7年ぶりに響き渡った。震災以降、中断されていた地域のお盆恒例行事「水野旗争奪お盆野球大会」が復活し、15日、釜石東中グラウンドで行われた。大会を待ち望んでいた地域住民らは、顔なじみの仲間と野球ができる喜びをかみしめ、復興への歩みをまた一歩推し進めた。

 

 鵜住居、箱崎、両石の3町から6チーム、約100人が参加。開会式で大里芳章実行委員長は「野球を普通にできることに感謝し、一日楽しんでほしい」とあいさつ。釜石東中3年の植田基希君が選手宣誓し、大会が幕を開けた。

 

 中学生以上を選手とし、地区ごとに結成した5チームと釜石東中チームが、トーナメント戦で優勝を競い合った=写真。この日は弱い雨が断続的に降るあいにくの天候となったが、復活大会にふさわしい熱戦が続き、選手も観客も明るい笑顔が光った。

 

 同大会は戦後の青少年健全育成を目的に始まった。お盆中に行われることで帰省者らも多く参加し、旧交を温め合う場になっていたが、2011年の震災で会場としていた東中が被災。大会休止を余儀なくされた。今年4月、高台に新校舎が完成し、グラウンド環境も整ったことから、大会復活への声が高まり、震災後初の大会が実現した。

 

 今大会では被災の大きかった鵜住居町中心部の地区(上、仲、川原、新川原)が「全川原」として合同チームを結成。各地に散らばる約20人が顔をそろえた。町内の仮設住宅に暮らす佐々木実さん(53)は震災前、新川原チームで参加。「和気あいあいの大会は見るのもやるのもよし。復活が待ち遠しかった。本当にうれしい」と感慨深げ。仲地区に実家があった佐藤圭さん(37)は千葉県から帰省し、「震災以降、会っていない人も多い。みんなに声を掛けられ、懐かしくて。母校の校舎も立派に再建され驚いた」と、古里が復興に向かう姿を目に焼き付けた。

 

 「伝統ある大会を無くしてはならない」「地域コミュニティー再生にも大会は必要」―。地元への愛着と復興への思いから、再スタートを切った同大会。大里実行委員長(48)は「人が集まるのはいいこと。毎年継続し、少しでも地域を盛り上げていきたい」と意を強くした。

 

復活「お盆野球」に完成沸く〜鵜住居、箱崎、両石

 

 結果は次の通り。
▽1回戦
日  向3―2中学生
箱  崎5―2両 石
▽2回戦
全川原5―1日 向
白  浜6―3箱 崎
▽決勝
全川原6―0白 浜
▽最優秀選手=佐々木重聡(全川原)
▽優秀選手=佐々木航太(白浜)

 

 【水野旗争奪お盆野球大会】
1947(昭和22)年、鵜住居村(当時)に水野医院を開業した水野勇医師が、戦後の荒廃した青少年の生活態度に心を痛め、地区対抗の野球大会を提案したのが始まり。48年に第1回大会が開かれ、55年に水野医師が寄贈した優勝旗が今に受け継がれる。

 

 最盛期の昭和40年代には根浜、川目、外山、片岸、室浜、水海のチームも名を連ね、14チームが3日間の熱戦を繰り広げた年も。震災による中断を経て復活した2017年大会は64回目となった。

 

 95年に水野医師が逝去(享年82)後は、妻の綾子さん、娘の幸子さん(仙台市在住)が遺志を継ぎ、大会支援を継続。復活大会にも協賛金が寄せられた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月19日発行 第614号より)

 

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力強い土俵入りで観客を沸かせた稀勢の里関。右隣は露払いを務めた岩手出身の錦木関

復興願う横綱土俵入り、堂々の四股 被災地に力〜鵜住居で披露、市内から1千人「よいしょ」と掛け声

力強い土俵入りで観客を沸かせた稀勢の里関。右隣は露払いを務めた岩手出身の錦木関

力強い土俵入りで観客を沸かせた稀勢の里関。右隣は露払いを務めた岩手出身の錦木関

 

 東日本大震災の被災地復興を願う「横綱土俵入り」(日本相撲協会主催)が14日、釜石市の鵜住居小・釜石東中で行われた。現在4人いる横綱のうち稀勢の里(第72代)、日馬富士(第70代)の両横綱が来釜。復興途上の鵜住居の地に希望を与える力強い土俵入りを見せ、市内外から集まった約1千人の胸を躍らせた。

 

 会場は当初、同小・中のグラウンドを予定していたが、雨の影響で体育館に移して開催。横綱を含む幕内力士6人のほか、行司や呼び出しなど総勢約50人が訪れ、観客から熱烈な歓迎を受けた。全員で震災犠牲者に黙とうした後、両横綱が献花。巡業副部長の玉ノ井親方から野田武則釜石市長に記念品が贈られた。

 

 やぐら太鼓の3種の打ち分け、相撲甚句が披露され、いよいよ横綱の土俵入り。露払い、太刀持ちの力士らとステージに上がり、日馬富士は「不知火(しらぬい)型」、稀勢の里は「雲龍(うんりゅう)型」の土俵入りを見せた。かしわ手を打ち、四股を踏む横綱に観客から「よいしょ」の掛け声が飛び、その雄姿にたくさんのカメラが向けられた。

 

大勢の観客に迎えられ花道を進む日馬富士関ら

大勢の観客に迎えられ花道を進む日馬富士関ら

 

 鵜住居町の藤原正敏さん(72)は初めて生で見る土俵入りに「最高。やっぱり元気が出るね。相撲はテレビでよく見ていて稀勢の里のファン。けがを心配していたが元気そう。これからも応援したい」と大感激。同町の実家に仙台市から帰省中の手塚温美さん(29)は幼い子ども2人と来場。「(横綱は)すごく大きくて、かっこいいですね。被災地のために来てくれるのはありがたい。みんなうれしいと思う」と古里にもらった力に感謝した。

 

被災地に力を与えた両横綱ら日本相撲協会の一行

被災地に力を与えた両横綱ら日本相撲協会の一行

 

 被災地での復興横綱土俵入りは7年連続で行われ、本県では2011年6月(山田町、大槌町、大船渡市、陸前高田市)、12年8月(宮古市)以来。今年1月、日本人としては19年ぶりの横綱となった稀勢の里関は、昇進後初めての被災地での土俵入りに「温かい声援をいただき、もっと頑張らねばという気持ちになった。見えないところで苦しんでいる人もまだまだいると思う。少しでも力になりたい」とさらなる精進を誓った。日馬富士関は「相撲を通じて皆さんに喜びと力を与えられたらと思い、心を込めて土俵入りをさせていただいた。少しずつ復活しているまちがこれから発展していくことを願う」と思いを込めた。

 

 盛岡市出身の前頭、錦木関は稀勢の里関の露払いを務め、観客から大きな声援を受けた。「すごく光栄なこと。いろいろな人に自分を知っていただき、ありがたい」と、地元県民の期待をしっかりと受け止めた。

 

 一行は土俵入り披露に先立ち、釜石駅前の復興の鐘と鵜住居町の鵜住神社を訪れ、鎮魂と復興への祈りをささげた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月19日発行 第614号より)

 

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水しぶきをあげ元気にスタートを切る5キロの出場選手

根浜に熱気、声援再び〜オープンウォータースイミング、国体の遺産継承

水しぶきをあげ元気にスタートを切る5キロの出場選手

水しぶきをあげ元気にスタートを切る5キロの出場選手

 

 「第1回釜石オープンウォータースイミング(OWS)2017根浜」(同実行委主催)は6日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場で開かれた。自然水域での長距離泳でタイムを競うOWSは、昨年のいわて国体で初めて正式競技として採用され、会場となった根浜に震災復興への大きな力をもたらした。国体のレガシー(遺産)を継承し、地元主導で立ち上げた今年の大会には、全国から175人が集結。同競技の普及・発展と地域振興へ新たな歴史が刻まれた。

 

 競技は小学4年生以上を対象に、500メートル、1キロ、3キロ、5キロの種目で実施。海上に設置したブイを周回するコースで行われた。この日は、あいにくの曇り空で気温26度、水温22度。低い水温と次第に出てきた風や波で、大会経験者でも厳しいレースとなったが、各選手はベストを尽くし、完泳後は充実の表情を見せた。

 

 500メートルに出場した菊池一朗君(甲子小5年)、藤原悠希君(釜石小同)は、市営プールで練習するチャレンジSTに所属。初めてのOWSに「海底が見えなくて怖かった。疲れた」と口をそろえたが、菊池君は「満足いく結果だった」、藤原君は「これからも参加したい」と競技への興味をのぞかせた。

 

関係者に見送られ競技に向かう500メートル出場の小学生

関係者に見送られ競技に向かう500メートル出場の小学生

 

 釜石高水泳部からは1キロに8選手が出場。部員らは大会運営の補助員としても活躍した。

 

 男子の高校生~29歳で2位に入った小笠原悠記君(2年)は「1位との差が1分半ぐらいあり、もう少し頑張りたいところ。機会があればまた挑戦したい。海での大会は復興の進展を感じさせる」と大会を歓迎。田中凛さん(2年)は「ブイに向かって真っすぐ泳ぐのが難しい」とプールとの大きな違いを実感。「地元の大会は地域の人たちが見に来るし、他県からも多くの人が集まる。続ければ復興の後押しにもなると思う」と話した。

 

競技と運営に活躍した釜石高水泳部

競技と運営に活躍した釜石高水泳部

 

 大会は、今年のえひめ国体に出場する岩手県選手の選考会も兼ねた。2年連続の代表を目指す男子の桑添陸さん(18)=新潟医療福祉大=は、5キロ総合で愛媛県代表選手に次ぐ2位に入り、予想通りの実力を見せた。代表選手(男女各1)は県水泳連盟により後日、正式決定する。

 

 愛媛代表の松村脩平さん(22)=松山市文化・スポーツ振興財団=は、いわて国体にも出場。「昨年、お世話になったこの地に恩返ししたい気持ちと国体前の最終調整として参加した。愛媛も国体に向け盛り上がっている。県民の期待に応えられるよう頑張りたい」と気を引き締めた。

 

 女子5キロには、昨年のリオデジャネイロ五輪日本代表で、いわて国体優勝者の貴田裕美さん(32)=コナミスポーツクラブ=が出場。五輪選手の本領を発揮し優勝した。プレ国体から3回目の釜石大会となった貴田さんは「地元の皆さんが一生懸命運営してくれて、すごく温かい大会」と評価。「OWSは東京五輪の種目にもなり、日本の若い選手も世界で活躍できるようになってきた。競技をもっと身近に感じ、たくさんの人に見てもらえるようになれば」と期待を寄せた。

 

 同実行委は、この大会を日本水泳連盟の認定大会にすることを目標に掲げる。日水連OWS副委員長の大貫映子さん(56)は「ライフセービングクラブなどの協力で安全面もしっかりしており、大会運営もスムーズにできていた」と講評。実行委事務局の西原義勝・県水連OWS委員長(釜石水泳協会会長)は「認定大会になれば、有名選手も来てくれる。市民レベルの大会要素と両立させ、さらなる競技の周知を図りたい。OWSの大規模な大会は東北では釜石だけなので、北の大会として発信力を高めていければ」と意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月12日発行 第613号より)

 

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風を受けて進むヨットの面白さを体験した教室

風切るヨット 子どもら笑顔、被災の根浜に歓声響く〜震災後初の体験教室

風を受けて進むヨットの面白さを体験した教室

風を受けて進むヨットの面白さを体験した教室

 

 釜石市鵜住居町根浜を拠点に活動する釜石ヨットクラブ(三浦勝会長)は7月30日、子どもから大人まで一般の人たちを対象としたヨット教室を開いた。同教室は2008年から始めたが、11年に発生した震災の影響で、休止が続いていた。7年ぶりの復活に関係者の喜びもひとしお。甚大な津波被害から昨年、復旧にこぎつけたフィッシャリーナ周辺に子どもたちの明るい笑顔が戻ってきた。

 

 教室には市内の小・中学生と県内外の大学生ら12人が参加した。風で動くヨットの原理など基礎知識を学んだ後、4艇で大槌湾内に出艇。参加者はクラブメンバーと2人1組になり、大海原でのヨット操縦を体験した。

 

 この日は午前9時から10時台は風が弱く、ヨットを走らせるのに苦労したが、11時を過ぎてから良好な風が吹き始めた。午後には青空ものぞき、夏らしいマリンスポーツ日和に。参加者は復興が進む根浜、片岸地区の海からの景色を目に焼き付けながら、ヨットの醍醐味(だいごみ)を味わった。

 

 山﨑成美さん(鵜住居小6年)は「ヨットは意外とスピードが出た。風向きによって(帆がうまく風を捉えられるよう)方向転換するのが大変だったけど、楽しかった。また乗ってみたい」と目を輝かせた。

 

 長野大の4年生で、箱崎町の実家に帰省中の小林啓太さん(21)は「海の素晴らしさを肌で感じ、自然と一体になる感覚が最高」と初めてのヨット走行を満喫。震災時は釜石東中の3年生で、根浜の惨状も目の当たりにした。「完全復興にはまだまだ時間がかかるだろうが、防潮堤が整い、海のレジャー客もちらほらと見え始めている。前のようなにぎわいが復活してほしい」と思いを込めた。

 

 同教室は昨年の岩手国体を見据え、選手候補となるジュニアを育成しようと始められたが、3年続けたところで震災が発生。所有するヨットが流され、クラブの活動自体も存続が危ぶまれたが、各地の仲間の支援で活動を再開し、今年は念願だった本格的な体験教室を実現させた。

 

 「当初、子どもたちが集まるか心配もあったが、予想以上に反響があった」と手応えを実感する三浦会長。「クラブのメンバーが年を重ねていく中で、釜石のヨット活動継続には小・中学生など若い世代に『ヨットをやりたい』と思ってもらえるような取り組みが必要。県民大会などに出場できる選手も育てたい。教室も年に2、3回開催できれば」と、若手への競技普及に意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月2日発行 第610号より)

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前半、強烈なモールから2つのトライを奪った釜石SWのFW陣。東海大を逆転で下した

釜石シーウェイブス 東海大を突き放す、ラグビッグドリーム〜小村HC「必死さ まだまだ」奮起促す

前半、強烈なモールから2つのトライを奪った釜石SWのFW陣。東海大を逆転で下した

前半、強烈なモールから2つのトライを奪った釜石SWのFW陣。東海大を逆転で下した

 

 釜石ラグビッグドリーム2017(同実行委主催)は7月30日、釜石市球技場で行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCが昨年度ラグビー全国大学選手権準優勝の東海大を34―24(前半14―10)で下した。9月に開幕するトップチャレンジリーグへ向け、8月は東京に遠征して強化試合に臨む釜石。東海大戦は、遠征へ向けたメンバーのセレクションマッチと位置付けたが、小村淳ヘッドコーチ(HC)は「まだまだ必死さが足りない」と、さらなる奮起を選手に求めた。

 

 開始直後にPGで先制された釜石は前半8分、相手ゴールラインを目の前にしたモールを押し込み、FW中村彰がトライ。13分にも同じような形から中村がインゴールでボールを押さえた。

 

 その後1トライを奪われ、14―10で折り返した釜石。後半7分には逆に自陣ゴール前からモールを押し込まれてトライを許し、14―17と逆転される。

 

 しかし24分、FW中野裕太が密集から豪快に走り抜け、左隅にトライ。35分には、後半から入ったFW佐々木拓磨がゴールポストまで回り込んでトライ。終了間際にも1PGを加え、最後は10点差で突き放した。

 

 「学生相手とあって、無理なパスからトライを取り急ぐケースが多々あった」。地元ファンの大きな声援を受け、何とか逆転勝利にこぎ着けたものの、小村HCの口から出るのは反省点ばかり。

 

 春から取り組んで来た、セットピース(スクラム)からの得点。前半は、この得意の形から2つのトライを奪ったが、メンバーを大幅に入れ替えた後半は逆にモールで押し込まれ、失点する場面もあった。

 

 「後半は、ラインスピードを上げ切れず、しんどい選手との差が出た」と小村HC。苦しい展開の中、何度も体を張ったプレーで突破口を開いたナンバーエイト中野裕太、フランカー木村優太の運動量は高く評価した。

 

 「プレッシャーがかかる中で、いかにプレーの精度を上げていくか」と小村HC。今月4日から12日まで茨城県鹿島市でキャンプ。この間にNEC、日本IBM、日野自動車と強化試合を重ねる。

 

 【釜石SWメンバー】

①高橋拓也②中村彰③佐々木和樹④菅原貴広⑤佐々木陽丞⑥伊藤剛臣⑦木村優太⑧中野裕太⑨南篤志⑩中村良真⑪小野航大⑫ロコツイ・シュウペリ⑬佐々木裕次郎⑭菅原祐輝⑮ジョー・ピーターセン
▽リザーブ=マヘ・トゥビ、原遼太郎、水本裕也、畠山克己、高橋聡太郎、須田康夫、佐々木拓磨、スコット・ゲイル、村田賢史、氏家柊太、関東申峻、權正赫、村田オスカロイド

 

後半、"先生選手"の佐々木拓磨が会心のトライを決める

後半、”先生選手”の佐々木拓磨が会心のトライを決める

 

 小佐野小で教壇に立ちながらプレーする佐々木拓磨(31)が会心のトライ。スタンドから必死に声援を送る教え子らは「ナイストライ!」と歓声を上げた。

 

 秋田ノーザンブレッツとの練習試合でもトライを挙げているが、その時はスタンドに教え子がいなかった。「きょうはバテバテでしたが、ほんとにうれしかった」。噴き出る汗を気持ち良さそうに拭いた。

 

 平日は授業をこなしながら、夕方から、週4回のチーム練習に駆けつける。この日も午前中、子どもらのタグラグビーのコーチをしてから試合に臨んだ。小村HCも「しんどい中で、よくやってる」とエールを送る。

 

(復興釜石新聞 2017年8月2日発行 第610号より)

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特別仕様のナンバープレートを取り付けた公用車を前に野田市長(右)と佐々木議長

『20-19』特別ナンバーお披露目〜市長・市議会議長公用車、ラグビーW杯盛り上げ

 特別仕様のナンバープレートを取り付けた公用車を前に野田市長(右)と佐々木議長

特別仕様のナンバープレートを取り付けた公用車を前に野田市長(右)と佐々木議長

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催の成功に向けた機運醸成の取り組みとして、釜石市は公用車15台を大会のロゴマークが入った特別仕様のナンバープレートに交換する。特別仕様に変更された市長車、議長車のお披露目会が27日、市役所で行われ、野田武則市長が市職員らに装着をPR。「開催地としてW杯を盛り上げていこう」と呼び掛けた。

 

 特別仕様のナンバープレートは、国土交通省が4月から交付。デザインはロゴが右上についたタイプのほか、千円以上の寄付をすれば左側にもラグビーボールと富士山、日の丸をイメージした図柄が大きくあしらわれたものを選べる。寄付金は試合会場までの輸送力増強などに充てられる。

 

 料金は地域で異なり、県内は8800円(取り付け費は別)。購入は専用ウェブサイトなどで受け付けている。東北運輸局によると5月末現在、全国で7万25件、12開催都市が含まれる都道府県で1万5214件、県内では792件の申し込みがあった。

 

 大会まで2年余りとなったが、試合会場の一つとなる釜石での盛り上がりはいま一つ。野田市長も市民、県民への浸透具合は課題とした上で、「W杯は復興へ前向きに進む姿勢や支援への感謝を伝える絶好の機会になる。公用車に取り付けられたプレートを見て、市民一人一人が参画意識、おもてなしの気持ちを持っていただければ。成功に向け、機運をもっと醸成していきたい」と話した。

 

 市では残りの13台への取り付けを9月まで随時実施する。また、市役所本庁舎内の入り口にラグビーの試合で使用される公式球を置いており、「自由に触れてみてください」と呼び掛けている。

 

(復興釜石新聞 2017年7月29日発行 第609号より)

 

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釜石シーウェイブス

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

釜石シーウェイブス2017

 

今年から新設される『ジャパンラグビートップチャレンジリーグ』に挑む釜石シーウェイブスRFC。開幕戦となる9月10日(日)の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦と、9月24日(日)の九州電力キューデンヴォルテクス戦は、釜石市球技場でのホームゲームです。地元の熱い声援を届けましょう!

 

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釜石シーウェイブス 2017〜鉄人伝承 魂をつなぐ男たちの戦い Facebook用カバー写真

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ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017 2ndステージ

【第1節】 vs 中部電力
日時: 12月9日(土) 14:00 K.O
会場: 江戸川区陸上競技場

 

【第2節】 vs 中国電力レッドレグリオンズ T
日時: 12月16日(土) 14:00 K.O
会場: コカ・コーラウエストラグビー場

 

【第3節】 vs マツダブルーズーマーズ
日時: 12月23日(土) 15:00 K.O
会場: パロマ瑞穂ラグビー場

 

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017 1stステージ

【開幕戦】 vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ
日時: 9月10日(日) 15:00 K.O
会場: 釜石市球技場

 

【第2節】 vs Honda HEAT
日時: 9月17日(日) 12:30 K.O
会場: 秩父宮ラグビー場

 

【第3節】 vs 九州電力キューデンヴォルテクス
日時: 9月24日(日) 12:00 K.O
会場: 釜石市球技場

 

【第4節】 vs 日野自動車レッドドルフィンズ
日時: 10月7日(土) 11:30 K.O
会場: いわぎんスタジアム

 

【第5節】 vs 中国電力レッドレグリオンズ
日時: 10月21日(土) 13:00 K.O
会場: 北上総合運動公園

 

【第6節】 vs マツダブルーズーマーズ
日時: 11月18日(土) 13:00 K.O
会場: コカ・コーラウエストラグビー場

 

【第7節】 vs 中部電力
日時: 11月25日(土) 11:30 K.O
会場: パロマ瑞穂ラグビー場

 

釜石ラグビッグドリーム2017

対戦相手: 東海大学
日時: 7月30日(日) 13:00 K.O
会場: 釜石市球技場
釜石ラグビッグドリーム2017 | 縁とらんす

 

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釜石シーウェイブス 2017〜鉄人伝承 魂をつなぐ男たちの戦い BLUE Ver.

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釜石シーウェイブス 2017〜鉄人伝承 魂をつなぐ男たちの戦い RED Ver.

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釜石シーウェイブスRFC 小村ヘッドコーチ インタビュー

釜石シーウェイブスRFC 小村ヘッドコーチ インタビュー【7/30 ラグビッグドリーム2017 東海大学戦に向けて】

釜石シーウェイブスRFC 小村ヘッドコーチ インタビュー

 

「ラグビーのまち釜石」。その名の由来になった「新日鉄ラグビー部」の、誇りと文化を継承する社会人ラグビークラブチーム「釜石シーウェイブスRFC」。

 

今季は、新しく編成された3地域(関東・関西・九州の各協会)合同リーグ「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ」に参戦し、ここから悲願のトップリーグ昇格を目指します。

 

釜石シーウェイブス公式戦試合日程

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017 1st
リンク


 

そして、秋のシーズンIN前のお楽しみ、釜石ラグビーの夏と言えば・・・毎年恒例の「ラグビッグドリーム」です。今年は例年より少し早めの7月30日(日)に、釜石市甲子町の釜石市球技場(松倉グランド)で開催されます。

 

釜石ラグビッグドリーム2017

日程:平成29年7月30日(日)
会場: 釜石市球技場(釜石市甲子町10-159-4)
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シーウェイブスの対戦相手は、大学ラグビーの強豪・東海大学。春に行われた IBC杯・帝京大学戦に並ぶ見逃せないカードとなりました。

 

そこで、今シーズンからチームを率いている、小村淳(こむらあつし)ヘッドコーチにインタビューを敢行。注目の試合についてはもちろん、現在のチームの状況など伺って来ました。
釜石SW、新HCに小村淳氏〜「新リーグ王者」目標に掲げ – 縁とらんす
 

インタビュー当日の写真 撮影場所:釜石SWクラブハウス

インタビュー当日の写真 撮影場所 釜石SWクラブハウス

 

まずはじめに、今年春に新HCとして就任され、ここまでを振り返ってのチーム状況などはどうですか?

 

4月から新体制で取り組み始めて、選手たちも少しずつですが、練習してきた事を試合で遂行出来る様になって来ました。
釜石シーウェイブス新戦力9人〜トップリーグ昇格へ、トップチャレンジリーグV目指す – 縁とらんす

 

5月のIBC杯の時はまだ、やろうとしていることが体に染みついていない所も多かったが、5、6月と重ねて、6月25日 北上で行われたNEC戦では、今年フォーカスしているディフェンスの部分で、選手の試合での遂行能力が出てきたように思います。
釜石シーウェイブス 帝京(大学王者)に完敗、IBC杯ラグビー〜小村HC、多難な船出 – 縁とらんす
釜石シーウェイブス、NECに敗れる〜トップリーグの壁、まだ厚く 北上ラグビーフェスティバル – 縁とらんす

 

頭の中ではわかっている事も試合でのプレッシャーの中や、疲れている場面で実際に出来る様になるまではある程度時間がかかってしまうのですが、ここに来て少しずつ意識と身体がリンクしてきています。

 

目指しているチームの形は?

 

前職では大学のチームを教えていて、毎年毎年メンバーが大きく入れ替わるため「今年が良くても、来年は・・・」ということがあったが、このチームではラグビートップリーグ昇格を目指してある程度先を見据え強化をして行ける環境なので、まずはディフェンスの面に特化して今年はやって行こうと。

 

昨年のデータを分析した所、失うトライ数が多かった。勝ったゲームでも、平均3.5~4トライくらい獲られている。なので、まずは基本的な「守る」所をしっかりやらなければなりません。そして、もちろん得点力も備えなければ勝つことは出来ないので、そこもしっかりやって行きます。

 

どんなチームなのか例えるなら、昨シーズントップリーグで優勝したサントリーは、どちらかというとアグレッシブな攻撃が特色のチームでありつつ、実は失点数もトップリーグの中で一番少ない。ディフェンスを強化しながらも、勝つ為には得点力も無ければいけないので、合わせて取り組んでいきます。

 

目指しているディフェンスで要になる選手は?

 

今のラグビーはセットプレー(スクラム、ラインアウト、キックオフ)の重要性が高く、ここが受けに回るといい攻撃もいいディフェンスも出来ない。そういう意味で言うと、特定の選手というよりはフォワード(FW)全体という事になるかもしれません。

 

特にスクラムは、昨年上位チームとの対戦でかなり苦労していたので、今年からFWコーチ専任になった、松原裕司コーチが、大切な事・重要を厳しく選手に伝えています。

 

4月と比較するとスクラムは大きく成長しており、指導の結果が少しずつ出てきている所です。

 

春シーズンは強豪チームとの対戦が続きましたね

 

5月14日のIBC杯・帝京大学戦は、ケガ人が多く、外国選手も合流前で、チームとしてはとても厳しい時期でした。ただ、主力選手が欠ける中で、出場した若手は同年代の日本一のチームと対戦して体感出来たことは良かったし、チームとしても秋ごろになって振り返った時、「あれがいい経験になっている」と思えるように糧にしていきたいです。

 

また、6月18日のヤマハ戦の時は、会場のエコパスタジアム(静岡)で前日に日本代表対アイルランド戦があり、選手はそんな会場の雰囲気にのまれてしまったような部分が見受けられた。

 

トップリーグのチームと対戦する機会が多くはない環境の中で、チームとしていい準備をし、自分たちがどれだけやれるのかを肌で感じたかったが、一方的な試合になってしまいやろうとしていた事が出来なかった。その中で課題として挙がってきたのは「メンタリティー」。技術うんぬんだけではない部分です。

 

我々はチャレンジャーだという気持ちをもっと前面に出して行こうと再確認して、次のNEC戦に臨みました。結果的に試合には負けましたが、ディフェンスに関してはやろうとしていることが出来、試合内容も向上しチームとして少し前向きになってきている所です。

 

今年3月14日 新コーチングスタッフ発表記者会見(写真向かって右から2番目が小村HC)

今年3月14日 新コーチングスタッフ発表記者会見(写真向かって右から2番目が小村HC)

 

そして、いよいよ今月30日、「ラグビッグドリーム2017」では、大学の強豪校・東海大学と対戦ですね

 

昨年はちょっとした運で帝京大学に届かなかった東海大学ですが、FW・バックス(BK)ともにバランスが取れていて、今年も前評判はいいと聞いています。

 

東海大学もうちのチームと同じように、セットピースにフォーカスしているチームです。しっかりベストのプレーを出して行かないと絶対にいいゲームは出来ないと思うので、相手を学生と思わずリスペクトし、チームとして目指すゲームの形にして行きたいです。

 

この試合が終わると関東でのサマーキャンプに入りますが、既にこの東海大学戦からサマーキャンプは始まっている、そんな位置付けの試合になります。

 

チームには、東海大学出身の選手も多くいます

 

ダラス・タタナは7人制日本代表候補のキャンプに召集中で出られないが、小野航大、村田オスカ・ロイド、佐々木裕次郎がいます。彼らは母校相手に成長した姿を見せる事が出来ると思います。

 

ケガをしていた選手の復帰状況についてはどうですか?

 

主力選手にケガ人が多かった。FWでは北川勇次と許雄。彼らには夏合宿までには復帰してもらいたいので、トレーナー陣と一緒にそこに間に合うようにハードワークをしてもらっています。BKでは、村井佑太朗もIBC杯で大きなケガをしたが、やはり夏合宿までにはなんとか・・・という所です。

 

若手の選手についてはどうですか?

 

高校卒で入ってくる選手は、早い選手で3年、FWの選手だと体作りもあるので4年、5年とかかる。釜石では伝統的に、地元の高校からチームに入り、3~4年たった時に大学新卒の選手に負けないくらいの力を発揮する形が、一つの文化として根付いていると思う。私も小さい頃から、そういう所を見ていました。実際に、高卒で入ってきた選手には、普通の選手以上にハードワークしてもらっています。

 

そんな高卒選手の中では、4年目の菅原祐輝(仙台育英高卒 BK)が今シーズンここまでケガも無くフル出場しているが、主力選手が戻ってきた時にポジションを守り切る事が出来るか、競争に勝っていく事が出来るか、コーチ陣はそこに期待しています。また、フロントロー(FW前列)高橋拓也(黒沢尻工業高校卒 8年目)、佐々木和樹(盛岡工業高校卒 11年目)も高卒組。今はチームの主力メンバーだが、ここまでくるのにFWの選手は特に時間が掛かるのがわかると思います。

 

東海大学戦、どんなテーマを持って試合に臨みますか?

 

ずっと春からやってきたディフェンスはもちろん、ここ2~3週間取り組んできた攻撃の面を整理したい。選手としっかり共有して、グランドで同じ方向、同じ絵を見てそれを遂行できるかにフォーカスしています。

 

選手たちがどの程度理解して遂行できるか?がゲームのポイントになってくると思います。出場メンバーは、前後半入れ替えて出来るだけ経験のない選手も出場させるつもりです。

 

準備してきた事をどれだけチャレンジできるのか、そこを見ていきます。そして、夏キャンプのNEC、日本IBM、日野自動車戦へ向かうための試合にしていきたいです。

 

期待したい選手は?

 

やはり、特にこの選手というよりは、【スクラム】ですね。東海大学にどれだけ通用するのか、プレッシャーをかけることできるのか、安定したボールが出せるのかが、今後トップチャレンジリーグで戦うために、セットプレーをどう強化していくか?そのポイントに繋がっていきますので。

 

また、ディフェンス面は失点を少なくする、ラインスピードを上げて相手にいいアタックをさせない、脅威をいかに与えられるかがカギだし、ここもメンタリティーの強さが求められる所、強い気持ちを持って選手には臨んで欲しい。フィジカルの面でも、体がしんどい時でもきつい方のプレーを選ぶ事が出来るかが大事。そういった事が出来る選手をコーチ陣としても見極めていく試合になりますね。

 

最後に、釜石市民の皆さん、ファンの方へ向けてメッセージをお願いします

 

岩手県、そして釜石市はラグビーが好きな方が多く、釜石シーウェイブスRFCを応援して下さる方がたくさんいらっしゃいます。釜石からは少し離れてはいますが、ここ最近続く洪水や土砂災害の被害に遭われた地域の方、そして東日本大震災によってまだまだ辛い思いをされている方たちに、少しでも「シーウェイブス頑張ってるな」と感じて頂ける試合をお見せしたいです。

 

グランドに来られる方にはぜひ足を運んで頂きたいです。選手のぶつかる音など、生の迫力を体感する事で、ラグビーの魅力を感じてもらえると思います。会場で応援をどうぞよろしくお願いします!

 

【小村 淳(こむら あつし) ヘッドコーチ】
1970年3月17日(47歳)北海道函館市出身 
ラグビー歴:函館大学有斗高校 → 明治大学 → 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 
日本代表キャップ4
前職は明治大学ヘッドコーチ
現在は選手と共にラグビー漬けの毎日で、まだあまり釜石の中を巡る事は出来ていないが、お気に入りのラーメン屋を見つけて通っていらっしゃるそうですよ。また、なんといっても水が美味しいので、海産物はもちろんのこと、食べ物全般が美味しく、釜石は暮らしやすいとお話して下さいました。

 
 

選手、そしてラグビーを身近に感じる事が出来る「釜石ラグビックドリーム」は、ラグビー好きの方はもちろんの事、ラグビーにあまり詳しくない・・・という初心者の方も楽しめるイベントです!

 

皆さんお誘いあわせの上、会場で選手に熱い声援を送りましょう!

 

 

【釜石ラグビッグドリーム2017】 メイン試合 釜石シーウェイブスRFC 対 東海大学

日時: 7月30日(日)13:00 キックオフ 無料試合
会場: 釜石市球技場(松倉グランド) ※県立釜石高校隣
https://en-trance.jp/event/13204.html

 

この試合の前には、宮古高校 VS 釜石商工・釜石高校(連合チーム)が10:40~。
そして、釜石シーウェイブスRFCクラブハウス駐車場では、11時から「にぎわいイベント」として、ラグビー体験広場・キッチンカー出店・出張ラグカフェ・木工・缶バッチ・わたあめ・ポップコーン手作り体験・抹茶サービスが行われるなど、様々な企画が盛りだくさんです。

 

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後半36分、敵陣ゴールラインを前にモールで攻める釜石SW。このあとボールを右に回し、四ノ宮のトライにつなげる=北上総合運動公園陸上競技場

釜石シーウェイブス、NECに敗れる〜トップリーグの壁、まだ厚く 北上ラグビーフェスティバル

 後半36分、敵陣ゴールラインを前にモールで攻める釜石SW。このあとボールを右に回し、四ノ宮のトライにつなげる=北上総合運動公園陸上競技場

後半36分、敵陣ゴールラインを前にモールで攻める釜石SW。このあとボールを右に回し、四ノ宮のトライにつなげる=北上総合運動公園陸上競技場

 

 今季からトップチャレンジリーグに参戦する釜石シーウェイブス(SW)RFCは25日、北上市の北上総合運動公園陸上競技場で行われた第19回北上ラグビーフェスティバルでトップリーグ(TL)のNECと対戦し、10―33(前半3―7)で敗れた。18日に静岡県で行われた招待試合で、TLのヤマハに大敗して1週間。同じTLのNECに敗れはしたものの、小村淳ヘッドコーチ(HC)は「けが人も多い中、ここまでやれたことをプラスに考えたい」と前を向いた。

  

 釜石は前半2分、PGで先制。その後、逆転されたものの、1トライに抑えて折り返した。後半、さらに2トライを奪われたが、36分、敵陣ゴールライン前のモールからWTB四ノ宮マイケルがサイドを突いてトライ。しかし、この後あっさりと2トライを許し、突き放された。

 

 春シーズンを締めくくる一戦。ラインディフェンスのスピードが上がり、相手のミスを誘う場面もあった。

 

 小村HCは「やろうとすることはある程度できたが、コミュニケーションミスもあった。もっと精度を上げていかなければ」と受け止める。

 

 HC就任から3カ月。「これまで体重アップを重点に取り組んで来たが、運動量は大分減っている。きょうの試合も後半は足が止まっていた」と指摘。「ウエートを落とさず走れる身体に」と、これから夏の本格強化に向ける。

 

 副主将としてチームを引っ張る小野航大は「自分たちの形が出る場面が少なすぎる。相手のミスにも助けられた」と反省。「練習メニューは昨季までとガラリと変わっている。個々のスキルアップが求められている。遂行できる形にしないと」と気を引き締める。

 

 今後さらに外国人選手2人を補強。9月の開幕へ向け、8月には東京でTLチームなどを相手に〝出げいこ〟を重ねる。

 

 【釜石SW出場メンバー】
①高橋拓也 ②中村彰 ③水本裕也 ④菅原貴広 ⑤ダラス・タタナ ⑥中野裕太 ⑦木村優太 ⑧須田康夫 ⑨スコット・ゲイル ⑩中村良真 ⑪小野航大 ⑫ロコツイ・シュウペリ ⑬佐々木裕次郎

 

TCリーグ日程決まる 釜石の初戦は三菱と

 

 関東ラグビー協会は26日、今季から新設するトップチャレンジ(TC)リーグの日程を発表した。釜石シーウェイブス(SW)RFC(昨季トップイーストリーグ3位)の初戦は9月10日、釜石市球技場で三菱重工相模原(同1位)と対戦する。初戦を含め4試合が県内で行われる。

 

 TCリーグは、昨季TLのホンダと3地域リーグ上位の計8チームが第1、第2ステージ計10試合を実施。第1ステージは総当たりのリーグ戦を行い、第2ステージは第1ステージの1~4位、5~8位に分かれたリーグ戦で最終順位を決める。

 

 1位はTLに自動昇格、2~4位はTL下位との入れ替え戦に回る。5、6位は残留。7位は下位リーグとの入れ替え戦に回り、8位は自動降格する。

 

 釜石SWの対戦日程は次の通り。

 

①9月10日=三菱重工相模原(釜石市球技場/午後3時)
②同17日=ホンダ(東京・秩父宮ラグビー場/午後0時30分)
③同24日=九州電力(釜石市球技場/正午)
④10月7日=日野自動車(盛岡市・いわぎんスタジアム/午前11時30分)
⑤同21日=中国電力(北上市・北上総合運動公園/午後1時)
⑥11月18日=マツダ(福岡市・コカコーラウエストラグビー場/午後1時)
⑦同25日=中部電力(名古屋市・パロマ瑞穂ラグビー場/午前11時30分)

 

(復興釜石新聞 2017年6月28日発行 第600号より)

 

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リポビタンDチャレンジカップ2017 パブリックビューイング 開催のお知らせ

リポビタンDチャレンジカップ2017 パブリックビューイング 開催のお知らせ

 

 日本代表が世界の強豪と激突するリポビタンDチャレンジカップ2017が、6月に開催されます。

 

 ラグビーワールドカップ2019™出場に向け、現在ヨーロッパ予選で奮闘中のルーマニア代表、本大会で日本代表と同じプールになった、世界ランキング4位のアイルランド代表と戦います。

 

 日本代表の今後を占う、これら好カード3戦すべてを、釜石市内でパブリックビューイングします。

 

 入場は無料で、飲食の持ち込みは自由です。ご家族、ご友人の方とお誘いあわせの上、皆さんで盛り上がりましょう。

 

日時・会場

6月10日(土) 開場10:00 試合開始14:40
シープラザ釜石2階(釜石市鈴子町22-1)ラグビーカフェ
6月17日(土) 開場10:00 試合開始14:00
シープラザ釜石2階(釜石市鈴子町22-1)ラグビーカフェ
6月24日(土) 開場13:30 試合開始14:40
釜石PIT(釜石市大町1-1-10)

入場

6月10日・17日
全席30席入場無料、先着順(途中入退出可)
6月24日
全席84席入場無料、先着順(途中入退出可)

日時・会場

・中学生以下のお子さんは、保護者の方の同伴をお願いします。
・釜石PIT会場には来場者用の駐車場がありませんので、自家用車でお越しの方はお近くの駐車場をご利用
ください。
・会場への飲食物の持ち込みは自由ですが、各自の責任において管理し、ゴミは必ずお持ち帰りください。
・泥酔、大声等、他の来場者のご迷惑となる方につきましては、ご退出をお願いすることがあります。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話:0193-27-8420 / Fax 0193-22-6040 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/rugby_city/detail/1210493_3208.html
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