ラグビーワールドカップ2019™ 釜石で2試合、フィジー(オセアニア)確定〜「最高のおもてなしを」と声弾む
釜石で開催される2試合が発表され、歓声を上げて喜ぶ市民ら=ラグビーカフェ釜石
9月25日(水) フィジー 対 アメリカ地区第2代表
10月13日(日) アフリカ地区代表 対 敗者予選勝者
2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の全48試合の対戦カードと試合会場が、決勝の2年前となる2日、同大会組織委員会から発表された。国内12会場でただ一つスタジアムが新設される釜石市では1次リーグ2試合の実施が決まった。9月25日(水)にD組のフィジー―アメリカ地区第2代表(午後2時15分開始)、10月13日(日)にはB組のアフリカ地区代表―最終予選勝者(午後0時15分開始)が対戦する。
東京都内のホテルで行われた日程発表会の模様は、釜石市鈴子町のラグビーカフェ釜石に設けられたパブリックビューイングで中継。ラグビーファンら約50人が息をのみ、テレビに見入った。
初戦でフィジーが釜石にやって来ることが発表されると「おーっ」と歓声が沸き、「どんな国? 勉強しないと」と早速スマホを操って情報を集める人も。
釜石での2試合目のカードは、大会アンバサダーで釜石シーウェイブス(SW)RFCゼネラルマネジャーの桜庭吉彦さん(51)が発表。「開催都市では一番小さな釜石だが、地域が一丸となって温かく歓迎し、成功に導きたい」と画面を通して決意を伝えると、集まった市民からは「きょうから新たなスタート。みんなで盛り上げよう」と声が上がった。
大会アンバサダーとして組み合わせを発表する桜庭さん=パブリックビューイングから
会場となる鵜住居復興スタジアム(仮称)に近く、W杯開催地招致運動から先頭に立って取り組んできた旅館「宝来館」おかみの岩崎昭子さん(61)は「天国に一番近い島といわれるフィジーは、穏やかで優しい人たちの国というイメージがある。言葉や文化、食べ物などを調べ、最高のおもてなしをしたい」と声を弾ませた。
釜石シーウェイブス応援団の三浦正文さん(68)は、釜石での対戦カードが発表されると思わずバンザイ。「どこの国が来ても大漁旗を振って懸命に応援したい」と2年後に思いをはせた。チケットが手に入るかどうか心配していたが、「1万6千と席は限られている。外からやってくる人に席を譲り、自分はボランティアとしておもてなしに徹したい」と気持ちを切り替えた。
12会場のうち2試合にとどまったのは釜石と熊本だけとなったが、発表会の冒頭で組織委員会の御手洗冨士夫会長はあえて釜石の名を挙げ、復興への貢献を強調した。市W杯推進室の山本洋樹室長は「桜庭さんが釜石のカードを発表したのも組織委の配慮。フィジー以外は決まっていないが、残り3カ国を想定しながら学校で各国の文化を学ぶなど取り組みを広げたい」と本格的な準備に腰を上げる。
■野田武則市長
2試合の開催が決定し、大変光栄に思う。参加選手がベストパフォーマンスを発揮できるよう環境整備に努めていく。東日本大震災で全国、世界中から釜石に寄せられた支援に対し感謝の気持ちを表す機会と心し、地域住民と一体になり、力を合わせて取り組んでいきたい。
(復興釜石新聞 2017年11月4日発行 第636号より)
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