釜石シーウェイブス 東海大を突き放す、ラグビッグドリーム〜小村HC「必死さ まだまだ」奮起促す
前半、強烈なモールから2つのトライを奪った釜石SWのFW陣。東海大を逆転で下した
釜石ラグビッグドリーム2017(同実行委主催)は7月30日、釜石市球技場で行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCが昨年度ラグビー全国大学選手権準優勝の東海大を34―24(前半14―10)で下した。9月に開幕するトップチャレンジリーグへ向け、8月は東京に遠征して強化試合に臨む釜石。東海大戦は、遠征へ向けたメンバーのセレクションマッチと位置付けたが、小村淳ヘッドコーチ(HC)は「まだまだ必死さが足りない」と、さらなる奮起を選手に求めた。
開始直後にPGで先制された釜石は前半8分、相手ゴールラインを目の前にしたモールを押し込み、FW中村彰がトライ。13分にも同じような形から中村がインゴールでボールを押さえた。
その後1トライを奪われ、14―10で折り返した釜石。後半7分には逆に自陣ゴール前からモールを押し込まれてトライを許し、14―17と逆転される。
しかし24分、FW中野裕太が密集から豪快に走り抜け、左隅にトライ。35分には、後半から入ったFW佐々木拓磨がゴールポストまで回り込んでトライ。終了間際にも1PGを加え、最後は10点差で突き放した。
「学生相手とあって、無理なパスからトライを取り急ぐケースが多々あった」。地元ファンの大きな声援を受け、何とか逆転勝利にこぎ着けたものの、小村HCの口から出るのは反省点ばかり。
春から取り組んで来た、セットピース(スクラム)からの得点。前半は、この得意の形から2つのトライを奪ったが、メンバーを大幅に入れ替えた後半は逆にモールで押し込まれ、失点する場面もあった。
「後半は、ラインスピードを上げ切れず、しんどい選手との差が出た」と小村HC。苦しい展開の中、何度も体を張ったプレーで突破口を開いたナンバーエイト中野裕太、フランカー木村優太の運動量は高く評価した。
「プレッシャーがかかる中で、いかにプレーの精度を上げていくか」と小村HC。今月4日から12日まで茨城県鹿島市でキャンプ。この間にNEC、日本IBM、日野自動車と強化試合を重ねる。
【釜石SWメンバー】
①高橋拓也②中村彰③佐々木和樹④菅原貴広⑤佐々木陽丞⑥伊藤剛臣⑦木村優太⑧中野裕太⑨南篤志⑩中村良真⑪小野航大⑫ロコツイ・シュウペリ⑬佐々木裕次郎⑭菅原祐輝⑮ジョー・ピーターセン
▽リザーブ=マヘ・トゥビ、原遼太郎、水本裕也、畠山克己、高橋聡太郎、須田康夫、佐々木拓磨、スコット・ゲイル、村田賢史、氏家柊太、関東申峻、權正赫、村田オスカロイド
後半、”先生選手”の佐々木拓磨が会心のトライを決める
小佐野小で教壇に立ちながらプレーする佐々木拓磨(31)が会心のトライ。スタンドから必死に声援を送る教え子らは「ナイストライ!」と歓声を上げた。
秋田ノーザンブレッツとの練習試合でもトライを挙げているが、その時はスタンドに教え子がいなかった。「きょうはバテバテでしたが、ほんとにうれしかった」。噴き出る汗を気持ち良さそうに拭いた。
平日は授業をこなしながら、夕方から、週4回のチーム練習に駆けつける。この日も午前中、子どもらのタグラグビーのコーチをしてから試合に臨んだ。小村HCも「しんどい中で、よくやってる」とエールを送る。
(復興釜石新聞 2017年8月2日発行 第610号より)
釜石ラグビッグドリーム2017 – 縁とらんす
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
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