釜石シーウェイブス、来季新リーグ参入へ挑戦権獲得〜ヤクルト破り3位以内確定


2016/11/28
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

後半6分、釜石のフッカー中村彰が右隅にトライ(ゴール)し21ー12とする

後半6分、釜石のフッカー中村彰が右隅にトライ(ゴール)し21ー12とする=東京・秩父宮ラグビー場

 

 ラグビートップイーストリーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは19日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたリーグ最終戦でヤクルトを28―24(前半14―12)で振り切り、辛くも競り勝った。釜石は7勝2敗(勝ち点32)とし、来年度から新設されるトップチャレンジ(TC)リーグ進出につながる3位以内を確定。暫定2位で並ぶ日野自動車が残す最終戦の結果次第では今季のトップリーグ(TL)昇格につながる可能性もあるが、3位となるのが濃厚だ。「まずは勝てて良かった。次のステージへ進める」と三浦健博ヘッドコーチ(HC)。新リーグ参入を懸け、トップイースト、トップウエスト、トップキュウシュウ3地域リーグの3位同士で争う来月の参入マッチへ向けて気持ちを切り替えた。

 

ラグビートップイースト最終戦

 

 最終戦にふさわしい、逆転また逆転の激しい攻防となった。

 

 釜石は前半13分、WTB小野航大のトライ(ゴール)で先制。その後、2トライを許して逆転されるが、40分、相手ゴール前のモールを押し込みナンバー8須田康夫主将がトライ(ゴール)を決め14―12で折り返した。

 

 後半は1トライずつ取り合ったあと、26分、ゴール前のスクラムからバックスがつなぎ、最後はFB村井佑太朗が右隅にトライ(ゴール)を決め28―17とリードを広げる。その後1トライ(ゴール)を返され、1トライで逆転される4点差に迫られたが、辛くも逃げ切った。

 

 「相手のヤクルトも最終戦。難しい試合だった」と三浦HC。4点差に迫られた最後の10分間は、猛攻を粘りの守りでしのぎ切った。

 

 前半、モールから会心のトライを決めた須田主将は「ラインアウトが安定していたし、コンタクトエリアでも勝っていた」と勝因を挙げる。”大一番”の三菱重工相模原戦に敗れはしたものの、守りの面で自信をつかみ最終戦に臨めたという。

 

 4連戦となったリーグ終盤の最後の試合。けが人が相次ぐなど苦しい状況の中、3試合ぶりに復帰したSOジョー・ピーターセンが4本のゴールキックすべてを決め、チームを救った。

 

 この試合に負けるとトップチャレンジ参入マッチへの進出も危うくなる、がけっぷちに立たされていた。三浦HCは「これで前を向ける」と胸をなで下ろした。

 

TCリーグへ参入マッチ

 

 来季からトップリーグの下部リーグとして新設されるトップチャレンジリーグに入るのは、トップイースト1部、トップウエストA、トップキュウシュウAの2位までと、3位同士による総当たり戦の上位2位までを加えた8チーム。3位同士で争う参入マッチに進むのが濃厚の釜石は、12月3日にキュウシュウ3位と埼玉県熊谷ラグビー場で、同11日にはウエスト3位と大阪・鶴見緑地で対戦すると見込まれる。

 

村井、次へ進む決勝トライ

 

後半26分、釜石FB村井佑太朗が右隅にトライ(ゴール)を決め28ー17と引き離す

後半26分、釜石FB村井佑太朗が右隅にトライ(ゴール)を決め28ー17と引き離す

 

 「取れて良かった」。結果的に決勝点となるトライを決めたFB村井祐太朗(24)はホッとした表情。その後の10分間は「ハラハラ、ドキドキ」しながらも、細身の体を張って猛攻をしのぎ切った。

 

 入団3年目の今季リーグ戦では全試合に先発出場。外国人選手との兼ね合いで、本来のFBではなくWTBに回るケースも多かった。

 

 クールに見られがちだが、胸の中には熱いものを秘め、精神的にも大きく成長。バックスリーダーとしてチームをけん引する。

 

(復興釜石新聞 2016年11月23日発行 第540号より)

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