通学路の安全、がっちり!「横断中」の旗を手に児童の登校を見守るモーガン・ミッチェル選手
釜石市を本拠地にするラグビーチーム「釜石シーウェイブス(SW)RFC」が、甲子町松倉地区の小学生たちの通学路に立ち、交通事故などに巻き込まれないよう見守る活動を始めた。来年1月に開幕する新リーグ「リーグワン」への参戦に向けた「地域密着」型の新たな取り組みで、チームをより身近に感じてもらう初の試みだという。
チームは学校でのタグラグビー教室や運動会など行事参加で児童らと交流し、地域に愛されるチームづくりを進めてきた。地域貢献・連携活動の一環として、チームの練習グラウンド(市球技場)があり、選手やスタッフが多く暮らす甲子地区の甲子小児童が安心、安全に登校できるよう見守り活動を行うことにした。
横断歩道を渡る児童を見守る釜石SWの選手ら
活動は基本的に週4日、朝の登校時間に合わせて30分間、市球技場付近の通学路で実施する。初回の1日朝は、7時から自動車販売店そばの2カ所の横断歩道に山田龍之介選手(30)とモーガン・ミッチェル選手(28)、牛窪心希(しんき)選手(25)らが立ち、児童らに「おはよう」などと呼びかけながら登校を見守った。
見慣れない体の大きな選手らに「ちょっと怖い」と思った子もいたようだが、「横断中」と書かれた旗を掲げながら体を張って車を止める姿に、和泉心寧(ここね)さん(甲子小4年)は「守ってくれそう。うれしい」と頼もしさを感じていた。普段から選手らが練習する様子を見ていた子もいて、「また会いたい」と楽しみも増やした。
朝のあいさつで交流を深める甲子小児童と釜石SW選手
牛窪選手は「地域の子どもたちに、こういう形で少しでもチームを知ってもらえたら。出勤時間と重なり、思ったより車が走っていた。運転手には通学路だということを認識してもらい、気を付けて走ってほしい」と求めた。
桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「おはよう―という言葉のキャッチボールが子どもと選手の双方にいい効果をもたらすはず。エネルギーを交換し、1日頑張るぞと思ってもらえたら」と期待。誇りを持ってもらえるチームづくりは地域にとって身近な存在になることが大事だと強調し、「ラグビーのまち釜石」の実現に向け地域と結束した取り組みを続ける構えだ。