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釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

県立釜石病院建て替え・分娩確保など 釜石市 県に15項目要望

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

 

 釜石市は8月27日、県沿岸広域振興局に対し、▽県立釜石病院の感染症病棟を含めた建て替え整備▽釜石保健医療圏における普通分娩の確保▽土砂災害などの対策事業促進による安全・安心なまちづくりの推進▽釜石港の国際貿易拠点化に向けた着実な整備促進・機能強化▽市内高校ラグビー部強化に向けた取り組み―など15項目を要望した。

 

 県の来年度予算編成に向けた市町要望は新町の釜石地区合同庁舎で行われ、市側は野田武則市長、木村琳蔵市議会議長、担当部長らが出席。沿岸振興局側は森達也局長、葛尾淳哉副局長らが応じた。

 

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

 

 野田市長は「要望項目は重要な案件ばかり。特にも釜石病院の分娩休止は妊婦の思いに寄り添って対応していく必要があり、建て替えについては具体的なところに入っていきたい。必要な医療資源を取りまとめていくので、思いをくみ取ってほしい」などと支援を求めた。

 

 木村議長は「医療はまちづくりの核。大事な基幹病院である県立釜石病院の機能確保を」と重ねて要請。高橋勝市教育長は「新型コロナウイルス感染症がもたらす社会的影響により、子どもたちの不安感も多くなると予想される」とし、児童・生徒の心のケア対策としての臨床心理士、スクールソーシャルワーカーの継続的な派遣を求めた。

 

 市の要望に対し、森局長は「釜石地域の振興に不可欠、基礎的な項目で、実現に向け努めていきたい。本庁に投げかける時に具体的な内容を教えていただければ後押ししやすい。一日でも早く前に進めていけるようにしたい」と理解を示した。

 

 担当部長らが各項目に対する具体策を回答。県立釜石病院の整備計画について、「建て替えと既存施設を改修した場合の投資規模や効果、県立病院全体の経営に及ぼす影響などを考慮し、検討を進めていく」と述べるにとどめた。分娩の確保については「大船渡病院と役割分担しながら産前産後ケアの充実や相談体制を構築し、妊産婦検診や婦人科外来を行う。市町村と連携し周産期医療の充実に努め、釜石地域の妊産婦を支えていきたい」とした。

広報かまいし2021年9月1日号(No.1767)

広報かまいし2021年9月1日号(No.1767)

広報かまいし2021年9月1日号(No.1767)

 

広報かまいし2021年9月1日号(No.1767)

広報かまいし2021年9月1日号(No.1767)

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【P1】
避難訓練週間
り災証明書、被災届出証明書

【P2-3】
新型コロナワクチン接種情報

【P4-5】
県新型コロナワクチン集団接種
まちのお知らせ

【P6】
[中止]第47回釜石健康マラソン
劇団四季新作ファミリーミュージカル

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釜石市

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コロナ禍で1年延期した「いわての森林の感謝祭」の開催を決めた実行委の会合

いわての森林の感謝祭 10月2日開催に~限りなく規模を縮小、簡素化

コロナ禍で1年延期した「いわての森林の感謝祭」の開催を決めた実行委の会合

コロナ禍で1年延期した「いわての森林の感謝祭」の開催を決めた実行委の会合

 

 第13回いわての森林(もり)の感謝祭実行委員会(会長・野田武則釜石市長)は25日、同市役所で会合を開き、8月中に最終判断するとしていた開催の可否について、当初の予定通り10月2日に開くことを決めた。参加者は市内の関係者を中心とした数十人程度に縮小。限りなく簡素化した形で植樹、式典を実施するとした。

 

 委員6人が出席し、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえて協議した。植樹は鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムを会場に、作業時間を短縮して実施。スタッフを含めた約300人の参加予定者は大幅に縮小し、市内の児童の参加も見合わせる。参加予定だった関係者にはパンフレットや記念品(林野火災の被災木を活用した皿、地元産乾燥シイタケ)などを発送する。

 

 同感謝祭は県や各市町村、県緑化推進委員会が主催。県民参加の植樹や育樹活動を通じ、森林の恵みに感謝する行事として2007年度に始まり、各市町村を巡って開いている。第13回は20年秋の開催予定だったが、コロナの影響で1年延期していた。

 

 県緑化推進委の赤澤由明常務理事は「木を植え、緑化思想の啓発につなげることが感謝祭の意義。経験したことのない状況下、スタイルを変えざるを得ない」と指摘。野田市長は「限りなく縮小した形で、開催に理解を得られるよう準備を進めていく」とした。

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市唐丹町で7日、犠牲者を追悼し、地域の安寧を祈る花火が打ち上げられた。震災以降、毎年夏に継続するイベント「唐丹ゆめあかり」(同実行委主催)の一環。約600発の花火が上がり、住民らは震災から10年となる特別な年にさまざまな思いを重ねながら、夜空を焦がす大輪の花を見つめた。

 

 花火は仙台市の芳賀火工(芳賀克司社長)によって、同町小白浜漁港で午後7時半から約15分間打ち上げられた。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、岸壁に集まる人は少なめだったが、漁港に面する高台の民家などから多くの住民が夏の風物詩に見入った。

 

小白浜漁港で打ち上げられた唐丹ゆめあかりの花火

小白浜漁港で打ち上げられた唐丹ゆめあかりの花火

 

唐丹の夜空を彩る花火に地元住民らが見入った

唐丹の夜空を彩る花火に地元住民らが見入った

 

 唐丹ゆめあかりは震災があった2011年にスタート。ペットボトルキャンドルを防潮堤など海岸エリアにともし、犠牲者の鎮魂と復興への祈りを込める場としてきた。13年には、東北の被災各地で花火を打ち上げるプロジェクト「LIGHT UP NIPPON」とのコラボも実現。市内外の支援者らの協力で、郷土芸能披露や縁日なども加えた復興イベントに発展してきたが、昨年、今年は新型コロナ感染防止のため、打ち上げ花火のみの実施となった。

 

 夏休み中の一関航帆君(唐丹中3年)は友人4人で岸壁から花火見物。「今までのように盛大にはできないけど、ほとんどのイベントが中止される中、こうやってきれいな花火が見られるのはうれしい」と笑顔。「震災10年という節目の年なので、これまで受けた支援を、今、災害とかで大変な地域に返していくことが大事」と思いを込めた。

 

震災犠牲者の鎮魂とともに、コロナの早期終息への願いが込められた花火

震災犠牲者の鎮魂とともに、コロナの早期終息への願いが込められた花火

 

 同花火の打ち上げは、16年から地域住民や地元企業、団体からの協賛金で支えられる。昨年はコロナ禍で実行委はイベント中止を決めていたが、例年打ち上げに協力している芳賀火工が支援を申し入れ、地域限定の〝サプライズ花火〟として実施された。

 

 唐丹地域会議の佐々木啓二議長(77)は「継続してこられたのは住民の力によるところが大きい。震災を風化させず、次の世代に伝えていこうとする気持ちの表れ」と実感。コロナ禍2年目の夏に、地元を離れる唐丹出身者にも思いを寄せ、「帰ってきたいだろうが、盆にも帰れない状況。震災10年だから地元の様子を見に行こうという人もいたと思う。非常に残念」と心を痛めた。

釜石市長からのお願い(市長メッセージ)

新型コロナウイルス感染症に関する情報 釜石市長からのお願い(市長メッセージ)

市民の皆さまへ ~ 釜石保健所管内におけるクラスターの発生について ~

 

 8月12日に、人口10万人当たりの直近1週間の新規患者数が15人を超える16.5人となり、「岩手緊急事態宣言」が発出されました。

 

 その後も県内においては、一日平均40人を超える新規感染者が確認されており、8月19日現在では、人口10万人当たり25.2人まで増加しております。

 

 釜石保健所管内でも、8月15日から連日、新規感染者の確認が続いており、これら一連の感染はスポーツ関連によるクラスター(感染者集団)の発生によるものと公表されております。

 

 現在のところ釜石保健所により感染者の範囲が特定され、感染が拡大することのないようクラスターを封じ込める対応が取られておりますので、いたずらに不安を感じる必要はありません。

 

 しかしながら、県内の感染例は変異株であるデルタ株にほぼ置き換わっており、感染力が高いデルタ株は、これまでとは違うレベルのウイルスであるということに危機感を持つ必要があります。

 

 市民の皆様におかれましては、新規感染をこれ以上増やさないよう、基本的な感染対策を徹底するとともに、人と人との接触を避けるため、不要不急の外出は自粛するようお願いします。

 

 なお、市では、この度の岩手緊急事態宣言を受け、感染拡大防止のため各施設の利用制限を実施しています。

 

 市民の皆様には当分の間、ご不便をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。

 

令和3年8月19日
釜石市新型コロナウイルス感染症対策本部
本部長 釜石市長 野田武則

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優良表彰を受けた会社の代表者、南三陸沿岸国道事務所の関係者ら

優良業務・工事6社表彰 南三陸沿岸国道事務所~地域の安全安心守る 意欲新たに

優良表彰を受けた会社の代表者、南三陸沿岸国道事務所の関係者ら

優良表彰を受けた会社の代表者、南三陸沿岸国道事務所の関係者ら

 

 国土交通省東北地方整備局が本年度、釜石市鵜住居町に新設した「南三陸沿岸国道事務所」(五十嵐俊一所長)で3日、優良業務・優良工事等表彰式が行われた。昨年度まで三陸沿岸道路などの整備や管理業務を担った南三陸国道事務所が発注し、同年度内に完了した業務や工事が対象。技術力が優秀で創意工夫があった優良業務施工会社2社、工事成績が優秀で卓越した技術や創意工夫があった優良工事施工会社3社、品質確保・向上に貢献した下請け会社1社の功績をたたえた。事故防止対策協議会の設立総会も開催。関係者が労働災害などの事故発生の未然防止につなげる取り組みを確認した。

 

 表彰式で五十嵐所長は「災害対策を含めた地域の安全安心の提供、アフターコロナの地域振興の推進には建設業界の生産性向上、働き方改革、担い手育成・確保が必要。改革プロジェクトへの取り組みに理解と支援を」とあいさつ。各社の代表に表彰状を手渡した。

 

 優良工事事務所長表彰を受けた小澤組(釜石市)の本間康幸さんが、受賞者を代表し謝辞。「地域の安全に寄与し社会資本の整備に貢献することが使命。技術力を高め、一層精進していく」と誓った。

 

 事故防止対策協の設立総会には同事務所の職員、発注工事や業務関係者ら約40人が出席。規約、事業計画、事故防止対策方針を決めた。「死亡災害ゼロ、公衆災害ゼロ」を重点目標とし、▽物損公衆災害の事故防止対策▽安全規制訓練▽新型コロナウイルス感染症拡大防止対策―を徹底する。

 

労働災害・事故防止に向けた対策を確認する協議会の設立総会

労働災害・事故防止に向けた対策を確認する協議会の設立総会

 

 具体的な活動としては、無事故達成日数の表示や安全旗の掲揚など事故防止意識の高揚のほか、安全管理講習会の開催など啓発活動、安全パトロールの実施、安全管理に優れた工事や円滑な工事などを実施した企業や個人の表彰も行う。

 

南三陸地域の道路管理新拠点で業務推進

 

道路管理拠点として釜石市鵜住居町に開設された南三陸沿岸国道事務所

道路管理拠点として釜石市鵜住居町に開設された南三陸沿岸国道事務所

 

 三陸沿岸国道事務所は、東日本大震災からの早期復興リーディングプロジェクトとして整備を進めてきた三陸沿岸道路の管理をより集中して適切に行える体制の構築を目指し新設された。管理区間は三陸沿岸道の山田南IC-鳴瀬奥松島IC間(延長約175キロ)、国道45号の大槌町―陸前高田市間(同約81キロ)、東北横断自動車道釜石秋田線の釜石JCT-東和IC間(同67キロ)の総延長約323キロ。同事務所の開設に合わせ、花巻市に花巻維持出張所、大船渡市に大船渡維持出張所、宮城県石巻市に三陸道維持出張所も設け、管理業務に当たる。

 

 新事務所の業務は道路の維持・防災工事、舗装修繕、安全対策工事など路上作業が多く、利用者や周辺の配慮が求められる。災害対応や除雪など一般交通の安全確保に向けた適切な稼働体制の整備も必要で、重点目標における取り組み方針の徹底に努める。

 

 表彰を受けた会社は次の通り。

 

【優良業務事務所長表彰】
▽大槌山田地区道路台帳整備業務国際航業・北栄調査設計設計共同体(盛岡市)=大槌山田地区道路台帳整備業務(主任技術者・花田睦実)▽日本工営北東北事務所(同)=南三陸水文調査(同・高橋昌弘)
  
【優良工事事務所長表彰】
▽テラ(遠野市)=南三陸国道災害復旧工事(監理技術者兼現場代理人・昆雅也)▽小田島組(北上市)=同国道管内防災施設他工事(同・及川裕明)▽小澤組(釜石市)=同国道維持補修工事(同・本間康幸)
  
【下請企業事務所長表彰】
▽長屋産業(仙台市)=同国道災害復旧工事(主任技術者・進藤繁勝)

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広報かまいし2021年8月15日号(No.1766)

広報かまいし2021年8月15日号(No.1766)

 

広報かまいし2021年8月15日号(No.1766)

広報かまいし2021年8月15日号(No.1766)

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【P1】
根浜海岸海開きイベント

【P2-3】
新型コロナワクチン接種情報

【P4-5】
分娩に関する方針
地震津波訓練週間

【P6-7】
新市庁舎建設への取り組み

【P8-9】
地域活性化起業人の紹介 ほか

【P10-11】
三陸ジオパークシンポジウム&フェスタ
まなびい釜石 ほか

【P12-13】
こどもはぐくみ通信~釜石の公園・遊び場~
市民のひろば

【P14】
まちの話題

【P15-17】
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板

【P20】
歴史よもやま話

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釜石市

釜石市

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「岩手緊急事態宣言」の発令に伴う釜石情報交流センターの対応について

 

8月12日に発令された「岩手緊急事態宣言」に伴う釜石市の指針により、釜石情報交流センターの利用を以下の通り制限させて頂きます。皆様のご理解をよろしくお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症「岩手緊急事態宣言」 – 岩手県

情報交流センターへのご入館について

「岩手緊急事態宣言」の発令期間中、一般の方のご入館は釜石市民(市内に通勤・通学等されている方を含む) に限定させて頂きます。ただし、以下の場合を除きます。
・ミッフィーカフェにご来店のお客様
・グッズのご購入のみのお客様
・災害等の緊急事態時
・安全確保上必要な時
・多目的トイレ及び授乳室に限ったご利用
・施設の管理運営業務での立入り
・その他、管理者が許可した場合

施設(会議室等)の貸館について

施設の貸館利用についても、釜石市民(市内に通勤・通学等されている方を含む)に限定させて頂きます。 利用申請者・代表者だけでなく、利用者全員が対象となります。
(会議等のスタッフ及び参加者全員が市民に準ずる方で構成される必要があります)

ミッフィーカフェかまいし』 にお越しのお客様について

入館規制はございませんが、カフェの営業スペース内に限っての滞在をお願いします。お手洗い・グッズ売り場のご利用は可能です。

対象期間

2021年8月13日~当面の間
(岩手県緊急事態宣言が解除され感染拡大の状況が改善されるまで)

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

コロナ対策で規模を縮小して行われた戦没者追悼式

戦後76年 出征兵士、釜石艦砲犠牲者らの御霊慰める~市戦没者追悼式~

コロナ対策で規模を縮小して行われた戦没者追悼式

コロナ対策で規模を縮小して行われた戦没者追悼式

 

 太平洋戦争末期、釜石市が米英海軍による2回目の艦砲射撃を受けた日から76年となる9日、市主催の戦没者追悼式が大町の市民ホールTETTOで行われた。参列者を市内の遺族に限定するなど新型コロナウイルス感染防止策を講じ、2年ぶりの開催。56人が参列し、戦争で犠牲になった全ての人々を悼み、非戦の誓いを新たにした。

 

 式辞に立った野田武則市長は「2度にわたる艦砲射撃で多くの尊い命が奪われた。その中に外国人もいたことを決して忘れてはならない。恒久平和の確立へ努力することが国内で唯一の歴史(2度の砲撃被害)を持つ当市に課せられた使命」と述べた。

 

 満州に出征した父(当時27)を亡くした浜町の西村征勝さん(77)=市遺族連合会会長=が、遺族を代表し追悼のことば。「数万人とも言われる日本兵士の亡きがらが異国の地で眠っている現状に胸が締め付けられる思い。一日も早く帰国を果たし、古里で安らかに眠る日が来ることを願う。遺族の高齢化が進み、戦争の悲惨さやつらい教訓が風化しつつある。二度と悲劇を繰り返さないという決意を確実に次の世代に伝えねば」と誓った。参列者は祭壇に花を手向け、犠牲者の冥福を祈った。

 

遺族を代表し、追悼のことばを述べる西村征勝さん

遺族を代表し、追悼のことばを述べる西村征勝さん

 

白菊を手向け、戦災犠牲者の御霊を慰める参列者

白菊を手向け、戦災犠牲者の御霊を慰める参列者

 

 満州に赴いた父(当時33)を亡くした尾崎白浜の佐々木郁子さん(78)は、当時1歳。生前の父の姿は、母や代用教員をしていたころの教え子らから伝え聞くことでしか知るすべはなく、「父親という存在自体がよく分からなかった。若いころは、父が生きていれば自分の生き方もまた違ったのかなと思ったりした」という。「世界では内乱や紛争が絶えない。罪もない一般市民が犠牲になるのは心が痛む。〝平和〟というものほど難しいことはない。人類の永遠の課題」と話した。

 

 同追悼式は新型コロナ感染拡大の影響で昨年度は中止。本年度は、例年行ってきた平和への思い作文コンクール入賞者の朗読、「翳った太陽」を歌う会の献唱、遺族ら一般参列者の送迎バス運行を中止するなど、感染防止策を徹底して開催した。式典時間に参列できない市民らに配慮し、式終了後、午後3時まで献花できるようにした。

 

釜石が受けた艦砲射撃に関する資料展示

釜石が受けた艦砲射撃に関する資料展示

 

 ロビーでは、市郷土資料館所蔵の釜石艦砲に関する資料を展示した。1945年7月14日、8月9日に受けた砲撃状況を示すパネル、焼け野原となった市街地の写真などに加え、戦災犠牲者に関する情報提供を求めるコーナーも。市が確定した艦砲射撃の犠牲者780人以外で、可能性のある191人について特定のための情報提供を呼び掛けたほか、遺族を探して市に寄せられた出征兵士の写真も公開された。

 

写真の男性の情報をお寄せ下さい。お心当たりの方は 釜石市郷土資料館までご連絡を

写真の男性の情報をお寄せ下さい。お心当たりの方は釜石市郷土資料館までご連絡を

 

 写真の裏には、「岩手県釜石市尾崎町 髙橋政男」と記されており、写真を所持していた人が遺族に返したいとの意向で市に提供したという。写真提供者の家は、かつて出征兵士の宿泊所だったため、戦地に赴く途中で宿泊した人だと思われる。心当たりのある人は市郷土資料館(電話0193・22・2046)まで連絡してほしいとのこと。

稲木誠さんの手記「降伏の時」の複製などが並ぶ

釜石艦砲射撃76年 記録と記憶をつなぐ郷土資料館企画展~市民団体は戦災資料館の再建要望

 76年前の8月9日、釜石市は米英連合軍による2度目の艦砲射撃を受け、市街地は壊滅した。本州で初めて艦砲射撃に襲われた7月14日と合わせて、少なくとも781人もの命が奪われた。時は流れ、当時のことを知る人は少なくなる中、「戦禍の記録と記憶を後世に」つなぐため、鈴子町の市郷土資料館で毎年恒例の戦災資料を集めた企画展が開かれている。反戦平和などを訴える16の市民団体は、今年も震災資料館の再建などを市に要望。「続けることで、過去の事実を知り受け止め、考えてくれる人がいれば。未来に伝えていくために」。そんな思いをくみ取り、地域の歴史を振り返る日に―。

 

捕虜収容所長の手記など集め企画展 郷土資料館「戦争捕虜の記憶、後世に」

 

釜石市郷土資料館で開催中の企画展「釜石の捕虜収容所」

釜石市郷土資料館で開催中の企画展「釜石の捕虜収容所」

 

企画展は「釜石の捕虜収容所」がテーマ。当時、市内2カ所に収容所があり、写真やパネルなど約60点の資料で解説する。初展示となったのは、終戦時に収容所長を務めた故稲木誠さん(1988年死去)が書き残した手記「降伏の時」(複製)。敗戦の日から捕虜を連合軍に引き渡すまでの1カ月をつづっている。戦後、稲木さんが元捕虜のオランダ人と手紙をやり取りして交流し、戦時中の立場を超えて築いた新しい関係を紹介する資料も並んでいる。

 

稲木誠さんの手記「降伏の時」の複製などが並ぶ

稲木誠さんの手記「降伏の時」の複製などが並ぶ

 

 手記に見入っていた盛岡市の藤村幸雄さん(72)は「記憶は消えるが、記録はいつまでも残り説得力がある。当時を知る人が少なくなる今、長い歴史の中にある出来事を、これからを生きる人たちは知るべき。この先のヒントになるものがあるはず」とうなずいた。

 

 釜石は太平洋戦争末期の1945年に2度、連合国艦船による集中砲撃を受け、焦土と化した。戦争捕虜や戦犯裁判の調査を行うPOW研究会などによると、終戦時、市内にいた捕虜は746人。収容中に死亡した65人のうち、32人が艦砲射撃で犠牲になった。

 

戦時中、釜石市内2カ所にあった捕虜収容所を解説する

戦時中、釜石市内2カ所にあった捕虜収容所を解説する

 

 企画展は8月30日まで。午前9時半~午後4時半(最終入館同4時)。入館料は大人200円、小中高校生と障害者手帳を持つ人は無料。同館では「手記により詳細を知る機会が少なかった地域の歴史を掘り下げることができた。戦争という日常とはかけ離れた現実を出発点としながらも、新しい道を作る行動を起こすことの大切さを学ぶ機会に」と来場を呼び掛けている。

 

戦災資料館の再建要請 釜石市平和委員会「平和をつなぐ行動を」

 

戦災資料館の再建などを市に要請する市民団体代表ら=8月4日、釜石市役所

戦災資料館の再建などを市に要請する市民団体代表ら=8月4日、釜石市役所

 

 8月4日には釜石市平和委員会(岩鼻美奈子会長)など15団体が、東日本大震災の津波で全壊した戦災資料館の再建や戦災遺構の保存、戦災教育の充実などを市に要請した。岩手・戦争を記録する会(斉藤三郎代表)も同席し、同様の要請を行った。

 

 市役所を訪れたのは団体関係者ら7人。戦中、釜石艦砲で捕虜など外国人も犠牲になっていることを踏まえた慰霊の場となる追悼碑の建立も要望した。戦災遺構の保存に向け積極的な取り組みの必要性を訴える人も。「あるものすべてが生かされているとは思えない。残されたものを生かしつつ、郷土資料館の展示を充実させてほしい」と求めた。

 

野田市長に要請書を手渡す岩鼻会長(中)、斉藤代表(右)=8月4日、釜石市役所

野田市長に要請書を手渡す岩鼻会長(中)、斉藤代表(右)=8月4日、釜石市役所

 

 要請書を受け取った野田武則市長は戦災資料館の再建について、「単独の施設は計画していない。郷土資料館の中で充実させたい」と回答するにとどめた。犠牲者の慰霊と歴史をつなぐ思いは変わらないことを強調し、「釜石艦砲戦災誌を全面的に見直し、改訂版を出したいと考えている」とした。

 

 戦争を知る人が減り続ける中、「戦争の惨禍を二度と残したくない」と思いを強める団体関係者ら。岩鼻会長は「資料館が果たす役割は大きい。再建して歴史をしっかり伝える必要がある」と指摘する。釜石艦砲の体験者らの証言をまとめた記録映画製作の動きがあるといい、「今やらないと、不可能になる時がくる。子どもたちには平和な世界を手渡したい。平和を望む思いをつなぐため、行動し続けなければいけない」と力を込めた。

恋の峠に掲げた新看板について説明する山崎会長ら

道路整備を訴えてきた鵜栗地区同盟会 市に新看板を寄贈 会は解散へ

恋の峠に掲げた新看板について説明する山崎会長ら

恋の峠に掲げた新看板について説明する山崎会長ら

 

 地域の渋滞解消や防災対策のため、迂回(うかい)機能を持つ道路整備の必要性を訴え続けてきた釜石市の住民団体「鵜栗地区道路整備促進期成同盟会」(山崎長也会長)は、三陸沿岸道路の開通で目的をほぼ達成したとして解散を決めた。これに伴い、同道路の意義を後世に伝え、愛着を醸成する看板を制作。7月21日、市に寄贈した。

 

 鵜住居町と周辺5町の住民らで1996年に結成した同会は、国や県への陳情、住民大会、署名活動などを行い、地域を取り巻く道路環境改善を目指してきた。会の解散にあたり、鵜住居町の国道45号恋の峠に設置していた三陸縦貫自動車道釜石大槌間の早期実現を願う看板(2000年制作)を衣替え。「三陸道は地域住民悲願の道路 末永く大切に使いましょう」と文言を替え、会の思いを未来につないでいくこととした。

 

赤地から青地に替え、三陸道への愛着を表す文言を連ねた新看板=国道45号恋の峠

赤地から青地に替え、三陸道への愛着を表す文言を連ねた新看板=国道45号恋の峠

 

 21日は山崎会長ら役員4人が市役所を訪問。これまでの活動経緯や新看板寄贈について野田武則市長に説明し、看板の維持管理を市に託した。野田市長は25年間にわたる会の労をねぎらい、「看板は悲願達成の証しでもある。会の思いは歴史に刻まれ、必ずや次世代に伝えられると思う。市としても大切に受け継ぎ、活用していく」と述べた。

 

 同会は発足時からの活動をまとめた資料集(全91ページ)も作成した。「命の道の生いたち」と題し、陳情や運動資金調達、住民決議の詳細を示す資料、過去に発行されていた会報などを掲載。先行区間として整備された釜石山田道路両石―片岸間(4・6キロ)が、開通から6日後に発生した東日本大震災で避難者の命をつなぎ、その後の復旧・復興活動で大きな役割を果たしたことも、関係機関の多くの資料で紹介している。

 

鵜栗地区道路整備促進期成同盟会の歩みや三陸道が震災で果たした役割などをまとめた資料集

鵜栗地区道路整備促進期成同盟会の歩みや三陸道が震災で果たした役割などをまとめた資料集

 

 編集委員の1人、浦山文男副会長(81)は「災害が多発する時代だからこそ、地域の歴史、文化も含め土着の生きざまを知り、事前の備えをしておくことが大事。同じ悲劇を繰り返さないために役立ててもらえれば」と願う。資料集は270部作り、関係者や希望者に配布した。

 

 山崎会長(85)は活動初期を振り返り、「毎晩のように集まって話し合いを重ねた。(国の機関のある)宮古、仙台、東京へ何度も足を運び、早期整備を要望した」と説明。当初、インターチェンジ設置は不可能と言われたが、住民の熱意が伝わり、同区間の優先着工が実現した。「鵜栗地区住民1万人の悲願を達成すべく活動したことが実を結び、今につながっている事実を子や孫世代に伝えたい」と山崎会長。

 

 同会は国道45号の渋滞解消のためのバイパス的道路の整備、県道釜石遠野線笛吹峠のトンネル化による難所解消などを目的に「鵜栗地区国・県道整備促進期成同盟会」(初代会長=倉田昭二氏)として発足。2002年に現名称に変更した。活動資金は住民からの寄付で賄われた。

広報かまいし2021年8月1日号(No.1765)

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【P4-5】
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【P6-7】
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【P8】
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