ニュージーランドに伝わる「ハカ」を披露する甲子中の生徒有志
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕から1年となった2日、釜石市大町の市民ホールTETTOで記念イベントが開かれた。市内の小中学生が感想文を発表、高校生はボランティア活動の成果を報告するなど、W杯との関わりを通じた成長を披露。釜石開催の成功で手にしたレガシー(遺産)を地域の活性化や発展につなげようと、思いを新たにした。
W杯釜石開催の成果を報告した小中学生や高校生
記念イベントは官民でつくる釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が企画し、約200人が席を埋めた。昨年9月25日に釜石鵜住居復興スタジアムで行われたフィジー対ウルグアイ戦の模様を上映し、それぞれの大使館関係者からのビデオメッセージも流された。
2015年W杯英国大会で活躍した元日本代表の山田章仁選手(NTTコミュニケーションズ)がオンライントークショーで市民と交流。釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャーと対談し、「釜石のみなさんの情熱は世界に届いた。いろんな個性の人が集まってできるのがラグビーの魅力。それぞれが得意なことを見つけてやってほしい」とエールを送った。
甲子中の生徒有志はニュージーランドに伝わる伝統の踊り「ハカ」を披露してイベントを盛り上げた。W杯で釜石の小中学生が復興支援への感謝を込めて歌った「ありがとうの手紙」を釜石鵜住居復興スタジアムのアンセム(聖歌)にすることも提案された。
釜石ラグビー応援団の中田団長は「W杯は想定以上の盛り上がりで、ラグビーを生かしたまちづくりのヒントを得た。W杯を通じて子どもたちが輝いていることも知った。それぞれの長所を生かしながら、次代を担う世代が活躍できる場をつくりたい」と今後を見据えた。