協働によるまちづくり推進へ かまいし未来づくりプロジェクト始動
部会ごとに自己紹介し、今後の活動へ意欲を高めるプロジェクトメンバー
釜石市は第6次市総合計画の重点施策の推進や地域課題の解決に官民協働で取り組むため、市民による「かまいし未来づくりプロジェクトチーム」を発足させた。メンバー48人は6部会で実施計画に関する意見交換を行うほか、小中高生と連携し地域の未来を見据えた活動を展開する。
2021年度から10年間のまちづくりの方向性を示す同計画は、10年後のあるべき将来像を「一人ひとりが学びあい世界とつながり未来を創るまちかまいし」とし、多様な価値観を認め合いながら挑戦し続けることを基本姿勢に掲げる。同プロジェクトは具体的施策にさまざまな立場の市民の意見を反映させようと設置。メンバーは公募し、市長が委嘱した(任期3年)。
本年度は、市が策定する22~24年度までの実施計画について意見交換や提案を行う。総合計画の重点施策推進のための6重点プロジェクトについて、メンバーが部会ごとに協議。市民目線の事業構築につなげる。部会は▽人口減対策▽健康寿命日本一に向けて▽持続可能な交通体系の構築▽人材育成と産業の振興▽学びの多様性の実現に向けて▽防災まちづくりの推進―。市役所内に設けられた部局横断的なワーキンググループと情報共有しながら活動を進め、8月上旬の意見集約を目指す。
この他、市内の小・中学生でつくる「かまいし絆会議」、スーパーサイエンスハイスクール(SSH、文科省指定)として地域課題に向き合った研究を行う釜石高と連携し、釜石の未来を考える取り組みにも着手する。
2日、大町の釜石PITで開かれたプロジェクトの初会合で、野田武則市長は「第6次総合計画では全市民参加のまちづくりを目指す。次の10年、20年先を見据え、釜石がさらに発展するよう意見をいただきたい」とあいさつ。メンバーに委嘱状を交付した。プロジェクトリーダーに佐々木駿さん(36、会社員)、副リーダーに柏﨑未来さん(35、一般社団法人理事)を選出。佐々木さんは「明るく豊かで持続可能な釜石の未来をつくる一助になれれば」と意欲を示した。
オブザーバーを務める県立大総合政策学部の吉野英岐教授は講演の中で、20年の国勢調査で釜石市の人口減少率が県内で最大の12・8%(15年~20年で4706人減)だったことを紹介。「復興のステージが終わったこれからが正念場。市民の突破力と行政の組織力で釜石の未来をつくっていってほしい」と期待した。
釜石新聞NewS
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