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鮮やか秋の味!釜石特産・甲子柿 生産組合が目揃会「豊作だけど、お早めに」

出荷シーズンを迎え、きれいに箱詰めされた甲子柿

出荷シーズンを迎え、きれいに箱詰めされた甲子柿

 
 釜石市特産の「甲子(かっし)柿」が出荷シーズンを迎えた。真っ赤に色づいた秋の味覚が道の駅や産直などを彩り、市民らが味わいを楽しんでいる。甲子柿の里生産組合(佐々木裕一組合長、24人・5団体)は28日、同市甲子町の林業センターで品質を確認する「目揃(めぞろえ)会」を開催。今年は豊作の見込みで、生産者は甘くとろける自慢の味を全国に届けようと意気込む。
 
 目揃会には生産者や市の担当者ら約20人が集まり、持ち寄った品の大きさや色つやなどを確かめた。佐々木組合長(74)によると、今季は高温、少雨と作物にとっても過酷な気候状況だったが、ふたを開けてみると実の出来は上々。何と言っても「味がいい」と太鼓判を押す。病害虫の被害も少なく、収量は「例年以上になる」と確信。糖度の高い仕上がりに自信ものぞかせた。
 
目揃会で出来を確かめ笑顔を見せる生産者ら

目揃会で出来を確かめ笑顔を見せる生産者ら

 
 今年仲間入りした甲子町(中小川)の自営業(製材)、外川直樹さん(52)が持ち込んだ品は試食用として振る舞われた。実は小ぶりながら色つやはよく、味についても先輩たちから「おいしい」との評価を得、ほっとひと息。パック詰めの仕方などまだ手探り状態なことも多く、組合員らの助言をしっかり聞いた。現在は庭木として育てる2本から約1000個を収穫し、知り合いの組合員のもとで渋抜きをしてもらっている。数年前に苗木10本を植えて増産へ準備中。「地域の一員として甲子柿を守りたい」と意欲を見せた。
 
鮮やかな紅色とぷるんとした食感が特徴の甲子柿

鮮やかな紅色とぷるんとした食感が特徴の甲子柿

 
一口大に切った柿を試食し甘さや食感を確かめた

一口大に切った柿を試食し甘さや食感を確かめた

 
 甲子柿は、渋柿の一種の小枝柿を「柿室(かきむろ)」と呼ばれる暗室で1週間ほどいぶして作る。渋抜きされた実はトマトのように赤く熟し、ゼリーのような柔らかい食感になる。地域の農林水産物や食品のブランドを守る地理的表示(GI)保護制度への登録や、機能性表示食品の認定も受け、全国からの引き合いが一層高まっている。
 
 そうした背景もあり、組合員の内舘靖さん(56)は新しい包装や発送の方法、高級感を持たせた仕様について、さまざまなアイデアを出す。個包装にして配達時に実が割れるのを防いだり、地元の銘酒浜千鳥と組み合わせた贈答パックを企画したり。市のふるさと納税返礼品としての取り扱いを視野に木箱に詰めたものも検討中だ。探究の原動力は「いいものを届けたい」との思い。「地域の魅力」「伝統の味力」として甲子柿を守り盛り上げるため、組合の仲間と試行を続ける構えだ。
 
木箱入りや特産品を組み合わせた贈答用パックの見本

木箱入りや特産品を組み合わせた贈答用パックの見本

 
 出荷作業は11月20日ごろまで続く見込み。市内では産直や一部スーパーで販売中だ。道の駅釜石仙人峠(甲子町)でも店頭を彩り、買い物客らが手に取っている。「話のタネに」と購入したのは、埼玉県さいたま市の平塚信也さん(63)。岩手県内陸部での用を済ませ、沿岸部を車で周遊する途中で立ち寄った。「駅にポスターがあって、気になっていた」と話し、「ゼリーみたいな感じなのかな…食べるのが楽しみ」と想像を膨らませた。
 
真っ赤な特産が所狭しと並んだ道の駅釜石仙人峠の店内

真っ赤な特産が所狭しと並んだ道の駅釜石仙人峠の店内

 
 目揃会に顔を出した道の駅の佐々木雅浩駅長は、豊作との見立てに期待をのぞかせ「自慢の味を少しでも多く販売したい」と張り切る。11月2日には甲子柿祭りを開催。食のほか、甲子郷小川しし踊り(市指定無形民俗文化財)の演舞(午前11時~)も楽しめる。
 
 同組合では市外への認知度アップも進める。10月31日、11月1日に藤崎百貨店前(宮城県仙台市)で開かれる「GI産品とうまいものフェア」に参加。販売会は11月5日・カワトク(岩手県盛岡市)、14日・さくら野百貨店八戸店(青森県八戸市)で予定する。

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釜石SW プレシーズンマッチ2戦目(IBC杯招待試合)で狭山RGに勝利42-40

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された第60回IBC杯ラグビー招待試合 釜石SW(グレージャージー)対狭山RG=25日

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された第60回IBC杯ラグビー招待試合 釜石SW(グレージャージー)対狭山RG=25日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は25日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた第60回IBC杯ラグビー招待試合で、3部の狭山セコムラガッツ(RG)と対戦。42-40(前半35-12)で勝った。プレシーズンマッチ2戦目、今年初めて導入されたリーグワンライジングを含めると4戦目で、今季初めての勝利を挙げた。プレマッチは残り2試合。課題を修正し、12月13日のリーグ開幕戦に挑む。
 
 同試合は選手交代自由などの特別ルールで行われた。釜石は前半、昨季の主力選手を投入。敵陣内でのプレーが続き、優位に試合を進めた。3分にWTB小野航大が先制トライ。13分にはモールから右に展開したボールを粘り強くつなぎ、最後はCTBヘルダス・ファンデルヴォルトがゴールポスト足元に決めた。21分、狭山に1トライを返されるも、釜石は波に乗る。24分、敵陣22メートルライン付近でパスを受けたナンバー8サム・ヘンウッドが相手ディフェンスを次々と振り切り、圧巻のトライ。21-7とした。
 
前半24分、ナンバー8サム・ヘンウッドが力強い突進でトライ。釜石3本目のトライで21-7とリード

前半24分、ナンバー8サム・ヘンウッドが力強い突進でトライ。釜石3本目のトライで21-7とリード

 
 観戦客を沸かせたのは31分。左サイドを前進しながらパスのフォローがうまくつながり、ロック、ベンジャミン・ニーニーが回り込んで中央にトライ。37分には自陣10メートルライン中央付近で、相手パスのこぼれ球を前方に低く蹴り出したWTB阿部竜二が自ら追い付き、そのまま中央にトライ。前半終了間際、狭山に2本目のトライを許したが、35-12とリードして折り返した。
 
前半31分、釜石はオフロードパスなどでつなぎ、ロック、ベンジャミン・ニーニーがサイドから回り込んで中央にトライ

前半31分、釜石はオフロードパスなどでつなぎ、ロック、ベンジャミン・ニーニーがサイドから回り込んで中央にトライ

 
SOミッチェル・ハントは前半5トライのゴールキックを全て決めた

SOミッチェル・ハントは前半5トライのゴールキックを全て決めた

 
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前半37分、WTB阿部竜二は相手がこぼしたボールを的確な判断で前方にキック。自ら追い付いてトライに持ち込んだ

 
 後半、釜石は15人全員を入れ替えた。狭山も6人が入れ替わると、試合の流れが一転。釜石は自陣でのプレーを強いられ、反則も増加。30分までに4連続トライを決められ逆転された。ディフェンスが後手に回り、ラインアウトのミスでボールを奪われる場面も目立った。32分にロック畠澤諭が意地のトライで再逆転し42-40。かろうじて逃げ切ったものの、前後半の差が際立つ結果となった。
 
釜石は後半開始時に、選手15人全員を入れ替えた

釜石は後半開始時に、選手15人全員を入れ替えた

 
課題が残ったラインアウト。釜石のミスからターンオーバーされた

課題が残ったラインアウト。釜石のミスからターンオーバーされた

 
 試合後、トウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)は場内インタビューで、「スクラムは良かったが、相手にターンオーバーを与えてしまった場面が多すぎた。残りのプレシーズンマッチでさらに勝利を重ねて、リーグ戦開幕を迎えたい」と話した。
 
 今季、主将を務めるフランカー河野良太選手は「後半、反則が増え、自分たちのペースでできなかった。80分を通して、自分たちのやりたいラグビーができるように修正していく必要がある」と課題を見据えた。自身にとっては主将就任後、今季初めての試合出場。「久しぶりで、試合感というところで難しい部分はあったが、そこはプレーを続けていけば問題ないと思う」。リーグ戦開幕へ「一つ一つ目の前の試合を勝つことが大事。最終目標の2部4位以内を達成できるよう、しっかりやっていきたい」と気持ちを引き締めた。
 
プレイヤー・オブ・ザ・マッチは釜石SWのサム・ヘンウッド選手が受賞(左)。この日が今季初の試合となった釜石SW河野良太主将(右)

プレイヤー・オブ・ザ・マッチは釜石SWのサム・ヘンウッド選手が受賞(左)。この日が今季初の試合となった釜石SW河野良太主将(右)

 
 釜石SWのプレシーズンマッチ第3戦は11月22日。リーグ開幕戦で戦う清水建設江東ブルーシャークスと江東区夢の島競技場(東京都)で対戦する。

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“栗橋愛なら、だれにも負けない” 栗林小児童 郷土の偉人の劇や合唱で学習成果発表

栗林小学習発表会「栗っ子祭り」=25日、同校体育館

栗林小学習発表会「栗っ子祭り」=25日、同校体育館

 
 釜石市の栗林小(高橋昭英校長、児童25人)は25日、本年度の学習発表会「栗っ子祭り」を同校の体育館で開いた。児童自らが考え、掲げたスローガンは「みせよう25人の成長~栗橋愛なら、だれにも負けない~」。全校児童が力を合わせ、創り上げた劇や合唱を集まった保護者や地域住民に披露し、“栗っ子魂”を存分に発揮した。
 
 1、2年生が開会のあいさつ。全校児童が11月の小中学校連合音楽会に向け取り組んでいる合唱「大切なもの」「さんぽ」の2曲を歌った。1~4年生15人による劇は、宮沢賢治の童話をモチーフにした「どんぐりと山ねこ」。セリフに地元の名所“橋野鉄鉱山”や“義人桜”などを取り入れ、地域色豊かに物語を展開した。おなじみの「誰が一番偉いか」で争うどんぐりたちの裁判では、児童一人一人が、これまでにできるようになったことをアピール。「漢字を書けるようになった」「リコーダーをうまく吹けるようになった」「かけ算ができるようになった」など成長ぶりを示した。
 
「最後まで心を込めて発表します。ごゆっくりご覧ください!」開会のあいさつをする1、2年生(上)。児童たちが考えたスローガンも掲示(下)

「最後まで心を込めて発表します。ごゆっくりご覧ください!」開会のあいさつをする1、2年生(上)。児童たちが考えたスローガンも掲示(下)

 
全校合唱では心を一つに歌声を重ねた(上)。発表会には保護者のほか多くの地域住民が来場(下)

全校合唱では心を一つに歌声を重ねた(上)。発表会には保護者のほか多くの地域住民が来場(下)

 
1~4年生が演じた劇「どんぐりと山ねこ」。宮沢賢治の名作を“栗小バージョン”で

1~4年生が演じた劇「どんぐりと山ねこ」。宮沢賢治の名作を“栗小バージョン”で

 
どんぐり裁判の場面では児童たちが頑張ったことをアピール。保護者はわが子の成長をうれしそうに見つめた

どんぐり裁判の場面では児童たちが頑張ったことをアピール。保護者はわが子の成長をうれしそうに見つめた

 
 2年児童の母葛西祐香さん(31)は「1年生の時に比べ、すごく成長しているのを感じられた」と喜びの笑顔。「3年生になっても楽しみながら学びを深め、さらに成長していってくれたら」と期待を込めた。
 
 5、6年生10人は、江戸時代末期、嘉永の三閉伊一揆(1853年)の指導者の一人として村人を救った地元の「三浦命助」を題材に劇を発表した。「ふるさと学習」で、郷土の偉人である命助について学んできた児童ら。「石碑があるのは知っていたけど…」「偉人なのに、なぜ牢に入れられた?」など、さまざまな疑問を出発点に調べ学習を進めてきた。その集大成がこの劇。講談師役の2人が命助の生涯を紹介しながら物語を展開。命助家族が盛岡藩の厳しい課税に頭を悩ます場面、命助ら沿岸各地の農民が仙台藩への越訴を目指す場面、要求はかなったものの脱藩の罪で牢に入れられた命助が、面会に来た地元民に思いを託す場面を全員で演じ切った。
 
5、6年生は江戸時代に地域住民を救った三浦命助の劇を発表。これまでの学びの成果を物語に織り込んだ

5、6年生は江戸時代に地域住民を救った三浦命助の劇を発表。これまでの学びの成果を物語に織り込んだ

 
「小○」の旗を掲げ、仙台藩への越訴を決意。長い道のりでけが人も出るが、要求を認めてもらうため、必死に歩き続ける

「小○」の旗を掲げ、仙台藩への越訴を決意。長い道のりでけが人も出るが、要求を認めてもらうため、必死に歩き続ける

 
 劇中では、今年4月に県指定文化財となった命助関係資料(35点)の一つ「獄中記」を、命助が家族に届けてほしいと託す場面も。有名な一節「人間は三千年に一度咲く優曇華(うどんげ)なり」という言葉とともに、命の尊さ、人としてのまっとうな生き方を伝えようとした姿をしっかり表現した。児童らは、命をかけて戦った命助の「最後まであきらめない心、相手を思いやる心は今、私たちにも受け継がれ宿っています」と栗橋住民の誇りを表した。
 
盛岡の牢に入れられた命助は、自らの思いを記した「獄中記」を見舞いにきた松之助に託す

盛岡の牢に入れられた命助は、自らの思いを記した「獄中記」を見舞いにきた松之助に託す

 
劇の最後には命助から学んだことを発表。「誰かを思う温かい心をこれからも大切にしていく」と決意を述べた

劇の最後には命助から学んだことを発表。「誰かを思う温かい心をこれからも大切にしていく」と決意を述べた

 
 命助役の遠野姫瑠さん(6年)は「気持ちを込め、命助さんになりきって一生懸命演じました」。みんなで心を一つにした舞台は「100点満点!」と自信をのぞかせた。劇のタイトル“やり遂げる覚悟”を自らの人生に重ね、「私も自分の決めた目標や将来の夢を達成できるように頑張りたい」と意識を高めた。「まちの人のために良いことをやった命助さんがなんで捕まったのだろう」と興味を持った八木澤敬斗さん(5年)は、「調べ学習はワクワクして楽しかった」と振り返る。劇では一揆に参加した農民の一人を演じた。一揆に向かうところは「自分たちが何かをやる時にみんなで力を合わせるのと似ていた」と話す。命助は「憧れの人。自分もそういう人になりたい」と理想の人間像を描いた。
 
 高橋校長は「一人一人が自ら進んで、いきいきと活動していた。学年の垣根を超えて、助け合いながら準備や練習に取り組む姿を心からうれしく思った」と感激し、教職員、家族、地域住民の支えに深く感謝した。同校は9月末に策定された同市学校規模適正化・適正配置推進計画で、2027年度を目標とする鵜住居小との統合が計画される。今後、統合準備委員会が設置され、具体的検討が始まる見込み。「子どもたちの不安を少しでも解消し、一緒になった時により良い学校生活が送れるよう全力を尽くしたい」と高橋校長。
 

心温まる発表会 栗林小に思いを寄せる人たち多数来場 伝統のPTA合唱でサプライズも

 
栗林小の伝統、PTAによる「コールマロン」の合唱

栗林小の伝統、PTAによる「コールマロン」の合唱

 
 地域とともに歴史を重ねてきた栗林小。栗っ子祭りには30年以上前から続く伝統のプログラムがある。PTAでつくる「コールマロン」の合唱。今年は「もみじ」「365日の紙飛行機」の2曲を歌った。
 
 同活動を始めた当時のPTAは今、現児童の祖父母世代に…。子ども3人が同校に通い、現在は孫が在籍する藤原マチ子さん(73)も“初代”コールマロンの一人。この日は同世代の洞口政伸・栗林共栄会長の“鶴の一声”で同合唱に飛び入り参加。「伝えるべきものが今に受け継がれているのはうれしい限り」と声を合わせた。児童数が減少する中でも「先生方は時代に合った教育を一生懸命やってくれている。地域とのつながりを大事にしてくださっていることにも感謝」と話した。
 
発表会には栗林小前校長の八木澤江利子さん(手前)も招かれた1

発表会には栗林小前校長の八木澤江利子さん(手前)も招かれた

 
 この日は、昨年度まで3年間、同校校長を務めた八木澤江利子さん(現宮古市立田老第一小校長)も駆け付けた。同合唱では、高橋校長のサプライズ指名で「もみじ」を指揮。児童らの発表で一段と成長した姿を目にし、うれしそうな表情を浮かべた。「栗林小の子どもたちはすごく真っすぐで、何事にも全力。地域の偉人の劇では、脈々とこの地に受け継がれている信念や人々の思いをしっかり受け止め、表現している。子どもたちの頑張りにはいつも元気をもらう」と八木澤さん。同祭りは「この地域にとってかけがえのないもの」と実感する。
 
八木澤さんの指揮で「もみじ」を合唱。会場はふるさとを思う温かい空気に包まれた

八木澤さんの指揮で「もみじ」を合唱。会場はふるさとを思う温かい空気に包まれた

 
 八木澤さんと栗橋地域にはもう一つ、深い縁がある。八木澤さんの誕生時、教師だった両親が橋野小和山分校に赴任していたこと。自身は生まれたばかりで記憶はないが、事あるごとに両親から和山での生活について聞いていたという。「生まれた時、そしてまた半世紀の時を経て、この地域の皆さまには大変お世話になり支えられた」と感謝の思いを口にした。

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伝統、世代、思いつなぐ「釜石まつり」 神輿・曳き船 勇壮、華やかに練る

2基の神輿が市街地を練り歩く釜石まつり=19日

2基の神輿が市街地を練り歩く釜石まつり=19日

 
 釜石市の尾崎神社(浜町)と日本製鉄北日本製鉄所釜石地区山神社(桜木町)合同の「釜石まつり」(同実行委主催)は17日から3日間にわたって行われ、秋の気配を感じるまちに華やかな色彩を加えた。18日は呼び物の「曳(ひ)き船まつり」が釜石湾内で繰り広げられ、最終19日は神輿(みこし)が市中心部を練り歩いた。沿道は多くの見物人でにぎわい、主催者によると、18、19の2日間で約1万3000人の人出があった。
 
多くの見物人でにぎわう曳き船まつり=18日

多くの見物人でにぎわう曳き船まつり=18日

 
 曳き船まつりは、尾崎神社の神輿が海上を渡御する伝統神事。尾崎半島青出浜の同神社奥宮で神輿にご神体を迎えた16隻の船団が港に戻ると、神楽や虎舞などの郷土芸能団体が威勢のいいかけ声、太鼓や笛の音を響かせ歓迎した。色鮮やかな大漁旗を掲げた船団は湾内を3周。海上安全や豊漁などを祈願した。
 
神輿をのせたお召し船を中心に十数隻が大漁旗をなびかせた

神輿をのせたお召し船を中心に十数隻が大漁旗をなびかせた

 
 釜石市出身でまつり見物のため里帰りした静岡県在住の德原まりのさん(31)は「おはやしを聞けば胸が高鳴る」と楽しむ。子どもの頃、南部藩壽松院年行司支配太神楽のメンバーとしてまつりに参加していたといい、「海から見ていた景色を初めて浜から見た。新鮮だった」とにっこり。夫正伸さん(34)や2人の子どもたちは初見で、「船が(海上を)練り歩くのに感動した」と、目を大きくした。
 
 昨年は悪天候で中止になったため2年ぶりの開催だった。今年は乗船する人数が限られ、芸能団体の演舞はおはやしが中心となり、「寂しいな」との声も。それでも、まつりは人が集まるきっかけにもなり、市内の野澤晴美さん(58)は「子や孫と3世代で楽しめた。また来年も」と願った。
 
秋めく街中を練り歩く尾崎神社の六角大神輿=19日

秋めく街中を練り歩く尾崎神社の六角大神輿=19日

 
 合同神輿渡御には郷土芸能15団体を含む約1500人が参加。鈴子町のシープラザ釜石西側駐車場で合同祭の神事を行った後、魚河岸までの目抜き通りを2基の神輿が練り歩いた。先導した各団体が、途中の「御旅所」や大町のお祭り広場で神楽や虎舞、鹿踊りなどを披露。沿道の見物客から盛んな拍手を受けた。
 
尾崎神社と日本製鉄山神社の神輿が並んで街を練る

尾崎神社と日本製鉄山神社の神輿が並んで街を練る

 
お祭り広場で鹿踊りなどの芸能が披露された

お祭り広場で鹿踊りなどの芸能が披露された

 
 大町から只越町の目抜き通りで、2基の神輿は並んでゆっくりと進んだ。出迎えた市民らはさい銭をあげて神輿に手を合わせ、地域の守り神に感謝。80代の女性はこれまで子どもの成長や地域の安寧などを願ってきたというが、今年は自身の思いを祈りに込めた。「来年も(守り神に)会えるよう、元気でいるから」。神輿を見送り、「歳をとると一年は貴重なの」と柔らかな笑顔を見せた。
 
さい銭で気持ちのやりとりをする親子と行列参加者

さい銭で気持ちのやりとりをする親子と行列参加者

 
通りを練り歩く神輿に手を合わせる釜石市民ら

通りを練り歩く神輿に手を合わせる釜石市民ら

 
 尾崎神社の神輿担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」は、近隣の大槌町などからの助っ人と声を合わせ六角大神輿を担ぎ上げた。メンバーで岩手県職員の伊藤満さん(49)=大船渡市在住=は「重みが肩にずっしり。大変だけど、みんなで力を合わせられるのがいい」と笑みをこぼす。東日本大震災前に当時の会長から誘われ参加し、「何となく担いでいた」。その人は震災の津波で帰らぬ人に。まつり継続への思いを引き継ぎ、「地域振興につながるよう、できることを続ける」と熱を込めた。
 
目抜き通りを練り歩く日本製鉄山神社の神輿

目抜き通りを練り歩く日本製鉄山神社の神輿

 
小さな神輿は製鉄所に勤める社員らの子どもが担ぎ手に

小さな神輿は製鉄所に勤める社員らの子どもが担ぎ手に

 
 釜石製鉄所に勤務する村上陽平さん(27)は「歴史あるまつりを継承する一役を担う」と気持ちを込め、山神社の神輿を肩にのせた。釜石シーウェイブス(SW)RFCに所属するラグビー選手でもあり、チームメート7人とともに参加。3カ月前に合流したオーストラリア出身のルル・パエアさん(22)ら海外出身選手が「新鮮で、めっちゃおもしろい」と楽しむ様子を見つめ、「日本の伝統文化に触れ、地域になじんでもらえたら」と期待する。声を出しチームを盛り上げるスクラムハーフ(SH)の村上さん。「勝利へエナジー、パッションを与えていく」と顔を上げた。
 
 さい銭を首から下げ、まつり行列に参加した二村沙羅さん(22)は、神奈川県在住の大学生。「ありがとうございます」と言葉を交わし、見物人と交流した。釜石市のお試し移住制度を活用し滞在中で、地元とは違った文化に触れる機会を満喫。「若い人たちが声を出して盛り上げているのがいい。朝から活動ができ、健康的な生活ができる」と、街の印象を話した。
 
神楽や虎舞など各団体が伝統の舞いで魅せる

神楽や虎舞など各団体が伝統の舞いで魅せる

 
 行列が魚市場御旅所に到着すると、神楽、虎舞の6団体が最後の踊りを奉納。尾崎神社の神輿はご神体を奥宮にかえすため船にのせられ、各団体がはやし立てる中、岸壁を離れた。見送りは船が見えなくなるまで続いた。

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狙い定めて放水「しっかり」 釜石・幼年消防クラブ ふれあいフェスで防災意識向上

消防ふれあいフェスティバルで放水体験をする園児

消防ふれあいフェスティバルで放水体験をする園児

 
 釜石市幼年消防クラブ消防ふれあいフェスティバルが15日、同市鈴子町の釜石消防署で開かれた。市内3保育施設の園児や保育士ら約40人が、消防車両の乗車や放水などの体験を通じて防火の意識を高めた。
 
 平田こども園、ピッコロ子ども倶楽部桜木園、上中島こども園の年長児らが参加した。署員のサポートを受けながら火に見立てた的をホースで狙う放水体験に挑戦。放水ノズルを操って勢いよく水が飛び出すと、笑ったり驚いたり、いろいろな表情を浮かばせた。
 
しっかり消火!消防士になり切って放水

しっかり消火!消防士になり切って放水

 
釜石消防署員に支えられ放水体験「楽しいな」

釜石消防署員に支えられ放水体験「楽しいな」

 
 消防ポンプ車の試乗では、サイレンを鳴らして「火の用心」などと呼びかけてみた。同署の救助隊員によるはしご車を使った救助訓練、ロープを使って高所から降下する訓練を見学。子どもたちは、隊員のきびきびした動きを真剣な表情で見つめた。
 
消防ポンプ車に乗って笑顔を見せる子どもたち

消防ポンプ車に乗って笑顔を見せる子どもたち

 
はしご車を使って高所から人命を救助する訓練を見学

はしご車を使って高所から人命を救助する訓練を見学

 
高所からロープを使って降下する隊員を園児たちが応援

高所からロープを使って降下する隊員を園児たちが応援

 
 市婦人消防連絡協議会(久保久美子会長)による紙芝居や絵本の読み聞かせでは、地震や火事が起きた時にどうしたらいいか、楽しみながら理解を深めた。読み終えたメンバーは「『おはしも』は分かるかな?」と質問。子どもたちは自信たっぷりに「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」と、避難時の合言葉に声を合わせた。
 
 「命は何個ある?」「いっこー!」。そうやりとりをした後、メンバーが「ひとつしかない命を守れるようになってほしい」と思いを伝えると、園児たちは「はい」とうなずいた。「守れるようになりたい」と話していたピッコロ子ども倶楽部桜木園の丑渕夕暖ちゃん(6)が印象に残ったのは乗車体験。「消防士さん、かっこよかった」とはにかんだ。
 
「命を守れるように」と願いを込め読み聞かせ

「命を守れるように」と願いを込め読み聞かせ

 
 上中島こども園の堀川陽雅ちゃん(5)は「火、消すとこが楽しかった。火は怖いから、気をつけるね」とにっこり。いま憧れているのは「自衛隊」で、「みんなを守れるから」と胸を張った。
 
はしご車やパネルの前で記念撮影を楽しむ子どもたち

はしご車やパネルの前で記念撮影を楽しむ子どもたち

 
 この催しは、幼年期の子どもらが楽しく遊び、触れ合いながら防火や防災に関心を持ってもらうのを狙いにする。東日本大震災を機に、防災意識をより高めてもらおうと体験型に転換。消防士と接する機会にもなればと、消防署の施設を利用する形にした。
 
消防署員との触れ合いに笑顔を見せる園児

消防署員との触れ合いに笑顔を見せる園児

 
子どもたちとの交流に頬を緩める消防署員

子どもたちとの交流に頬を緩める消防署員

 
 新型コロナウイルス禍による中断を経て、今回で4回目の開催となった。市内の11クラブ(保育施設)を対象に4回に分けて行っており、この日が最終回。園児や保育士ら計約150人が参加した。
 
 現在、11クラブの子ども計543人(4月1日現在)が所属。さまざまな災害を想定した避難訓練の実施や防火DVDの視聴、同署による防災教室の開催など各クラブで取り組んでいる。同フェスティバルへの参加は全クラブが継続。いくつかのクラブは秋季全国火災予防運動週間に合わせ防火パレードを行う。

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岩手3世界遺産(平泉・橋野鉄鉱山・御所野遺跡)を同時発信 登録10周年の釜石でまつり

3世界遺産応援団キャラクターと記念撮影!(左から)かまリン、ケロ平、ごしょどん

3世界遺産応援団キャラクターと記念撮影!(左から)かまリン、ケロ平、ごしょどん

 
 国内最多、鹿児島、奈良両県と並んで3つの世界遺産を有する岩手県。その価値を一堂に発信し、理解や誘客につなげようと、県主催の「いわて世界遺産まつり」が今年も開かれた。会場となったのは、登録から10周年を迎えた「橋野鉄鉱山」がある釜石市。11、12の両日、同市大町の市民ホールTETTOで開催され、来場者が講話やディスカッション、展示で遺産への理解を深めるとともに、民俗芸能や音楽ライブを楽しんだ。
 
 本県の世界遺産は2011年登録の「平泉(の文化遺産)」、15年登録の「橋野鉄鉱山」、21年登録の「御所野遺跡(一戸町)」の3つ。橋野鉄鉱山は「明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)」、御所野遺跡は「北海道・北東北の縄文遺跡群(4道県13市町17資産)」の構成資産として登録された。同まつりは22年から始まり4回目の開催。釜石が会場となるのは23年以来2回目となる。
 
本県の3世界遺産を紹介するパネル展示。子どもたちはブロックに目がくぎ付け

本県の3世界遺産を紹介するパネル展示。子どもたちはブロックに目がくぎ付け

 
 12日のイベントではオープンスクールとして、平泉と橋野鉄鉱山の概要などを学べる講話があった。平泉町世界遺産推進室長補佐の島原弘征さんは、奥州藤原氏が目指した仏国土(仏の教えによる平和な理想社会)について「(世界遺産になった)中尊寺金色堂や毛越寺の浄土庭園は平和の理念を当時の人々に分かりやすく伝えるためのもの。最先端の技術を使い、文化レベルの高さを示すことで、朝廷(京都)と対等な関係を築こうとした」と解説。池の形や道路の位置など当時の地形、風景が状態よく残っていたことも評価のポイントに挙げた。
 
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平泉の文化遺産について説明する島原弘征さん(右下)

 
 釜石市教委文化財課世界遺産室長の森一欽さんは、明治日本の産業革命遺産について「イギリス、フランスでは約200年かかった産業革命を、日本では60年ぐらいで成し遂げている」と、その価値を示した。同遺産は「製鉄・製鋼」「造船」「石炭」の3分野を基盤に急速な発展を遂げていく過程を3段階で示す。①試行錯誤の挑戦…萩や韮山の反射炉建設、大島高任が蘭学書を頼りに釜石で高炉を建設し、鉄鉱石からの鉄づくりに成功した時期。②西洋の科学技術の導入…外国人技術者の招へいによって西洋の科学技術導入が進み、長崎の造船、石炭産業が発展していく時期。③産業基盤の確立…釜石のコークス炉の技術を導入した官営八幡製鉄所が成功。長崎(端島)、三池の石炭産業が近代化され、日本が国際水準に達していく時期。森さんは釜石と他の遺産エリアとのつながりも紹介。製鉄では「近代製鉄発祥は釜石。達成は八幡」と覚えやすいフレーズを残した。
 
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釜石市の森一欽さんは明治日本の産業革命遺産について分かりやすく解説した

 
 会場では岩手の世界遺産に関係したものづくりのワークショップを開催。御所野は組紐、橋野は鋳造、平泉は絵付け体験などを実施。県内高校生による民俗芸能公演もあった。音楽ライブには奥州市出身の鶴田流薩摩琵琶演奏家千山ユキさん、大槌町出身の大久保正人さんを中心に結成する音楽集団「和美東(わびとう)」が出演した。千山さんは源氏物語をテーマにした「春の宴」、奥州藤原氏初代清衡の平和への願いを込めたオリジナル曲「修羅と浄土」を披露。和美東は、自然や神への思いを込めた「光る海」「涙の糸」など4曲を演奏。両者のコラボで「祇園精舎」、宮沢賢治作品「ポラーノ広場」の中の歌曲も披露した。
 
高校生の民俗芸能披露の場を提供するのも目的の一つ。写真は花巻農業高の鹿踊(ししおどり)

高校生の民俗芸能披露の場を提供するのも目的の一つ。写真は花巻農業高の鹿踊(ししおどり)

 
鶴田流薩摩琵琶演奏家の千山ユキさん。なかなか触れる機会のない弾き語りに来場者はじっくりと聞き入った

鶴田流薩摩琵琶演奏家の千山ユキさん。なかなか触れる機会のない弾き語りに来場者はじっくりと聞き入った

 
「和美東」は和と洋を融合させた独自の音楽で観客を魅了。千山さんの琵琶ともコラボした

「和美東」は和と洋を融合させた独自の音楽で観客を魅了。千山さんの琵琶ともコラボした

 
被災家屋のタイルや屋根瓦も楽器に…深みのある音色を作り出す

被災家屋のタイルや屋根瓦も楽器に…深みのある音色を作り出す

 
 母親と訪れた市内の小学生菊池芽生さん(10)は来場とともに体験コーナーへ。スズを溶かして鋳造するキーホルダーづくりを楽しんだ。干支の“羊”をかたどり、「(出来栄えは)まあ、いいほうかな」とにっこり。県内の世界遺産は「橋野と平泉は知っていた。3つもあるのはすごいと思う」。歴史が好きで大河ドラマも視聴。行ってみたい世界遺産を聞いてみると「清水寺(古都京都の文化財、1994年登録)」との答えが返ってきた。
 
釜石・鉄の歴史館でおなじみの鋳造体験。高温で溶かしたスズを流し入れてキーホルダーを作る

釜石・鉄の歴史館でおなじみの鋳造体験。高温で溶かしたスズを流し入れてキーホルダーを作る

 
 県文化スポーツ部文化振興課の和田英子総括課長は「世界遺産は価値の普及が大事。保存の必要性を知り、世界の宝としてみんなで守り、引き継いでいく姿勢が必要」と話す。3遺産は地理的距離があり、「県外の方は1回で回るのは難しいと思うので、先々でのさまざまな観光も楽しみに何回も足を運んでもらえれば」と期待する。

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4世代が元気に参加 51回目の釜石健康マラソン 秋深まるうのスタ周辺で完走目指す

幼児400メートルの部スタートで勢いよく駆け出す子ども=釜石健康マラソン大会

幼児400メートルの部スタートで勢いよく駆け出す子ども=釜石健康マラソン大会

 
 釜石市の“スポーツの秋”を象徴する「釜石健康マラソン大会」は11日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムを発着点に開かれた。市、市陸上競技協会、市体育協会が主催する大会は今年で51回目。半世紀の歴史を超え、市民に愛され続ける。大会には幼児から高齢者まで幅広い世代が参加し、家族や仲間の応援を受けながら各コースを走り切った。
 
 市内外から236人が参加。1~81歳の男女がゼッケンを付け、メイングラウンドに設けられたスタートラインに立った。昨年新設された「5キロアップダウンの部」からスタート。スタジアムから根浜海岸方面に向かい、海抜20メートルの市道箱崎半島線を回って戻る坂道コースに20~60代の男性14人が挑んだ。
 
5キロアップダウンの部に挑む男性参加者。ハイペースのスタートダッシュ

5キロアップダウンの部に挑む男性参加者。ハイペースのスタートダッシュ

 
 続いて5キロ、3キロ、2キロの各部が時間を空けてスタート。一部、海沿いを走る区間があり、参加者は心地良い潮風を受けながら前へ進んだ。スタジアム周辺では沿道の応援が力に。体力と気力を振り絞ってゴールを目指すランナーの背中を押した。ゴール地点では家族や仲間が出迎え、完走の喜びを分かち合った。
 
通常の5キロの部には小学校高学年以上が参加。スタート後、スタジアム後方の坂道を駆け上がる。まだ余裕の小・中女子ランナー

通常の5キロの部には小学校高学年以上が参加。スタート後、スタジアム後方の坂道を駆け上がる。まだ余裕の小・中女子ランナー

 
3キロの部は小学校中・高学年と60歳以上が対象。ミッキーマウスは??昨年に続き参加者最年長81歳のあのレジェンド(答えは昨年大会の記事で…)

3キロの部は小学校中・高学年と60歳以上が対象。ミッキーマウスは??昨年に続き参加者最年長81歳のあのレジェンド(答えは昨年大会の記事で…)

 
根浜で折り返し、スタジアム方面に戻る5キロ(左)と3キロ(右)の参加者

根浜で折り返し、スタジアム方面に戻る5キロ(左)と3キロ(右)の参加者

 
ゴール後はこの笑顔!走り切った爽快感でいっぱい

ゴール後はこの笑顔!走り切った爽快感でいっぱい

 
 釜石高時代の同級生5人で、5キロアップダウンの部に挑んだ佐久間洸土さん(23)。高校時代はバスケットボール部で鍛えたが、卒業以来、運動はご無沙汰気味。「脚は何とかなったが背筋がこたえた。体幹が弱っていたのかな」。遠くは東京、仙台から集まった仲間。「2、3年前からマラソンで集まろうと言っていたが、やっと今年かなえられた。みんな元気そうで良かった」と久しぶりの再会も大きな喜びに。絆もさらに深まった様子で、「これを機にまた運動を始めたい」とも話した。
 
釜石高時代の仲間で“マラソン同窓会”。5キロアップダウン、完走しました!

釜石高時代の仲間で“マラソン同窓会”。5キロアップダウン、完走しました!

 
 子どもからひときわ大きな声援を受けたのは、人気ゲームキャラクター“(スーパー)マリオ”の仮装をした畑山拓也さん(48)。5キロ一般男子の部に出場した。釜石では「仙人峠マラソン」に数回参加しているが、健康マラソンは初めて。「海沿いを走ってみたくて…」と海岸コースを満喫した。JR釜石線を走る観光列車「ひなび」の出迎え・見送りを沿線でしている「チーム柏木平」のメンバーで、キャラクター仮装はその際の“衣装”にも。「普段は“キン肉マン”で走っているが、今日は暑いと思って“マリオ”にしました。なりきって楽しく走れた」と笑顔を輝かせた。
 
“マリオon恐竜”の仮装で楽しませた畑山拓也さん。この格好で見事5キロを完走!

“マリオon恐竜”の仮装で楽しませた畑山拓也さん。この格好で見事5キロを完走!

 
バスケ、ラグビー、サッカーなどスポ少のユニフォーム姿が目立つ小学校低・中学年対象の2キロの部

バスケ、ラグビー、サッカーなどスポ少のユニフォーム姿が目立つ小学校低・中学年対象の2キロの部

 
グラウンド内のゴールを前に順位争いのデッドヒートを繰り広げる小学生

グラウンド内のゴールを前に順位争いのデッドヒートを繰り広げる小学生

 
 スタジアム外周を1周する1.15キロの部、グラウンド内を2周する幼児400メートルの部では、親子で走るほほ笑ましい姿が見られた。平田こども園の川向晴翔ちゃん(6)は園のお友達と400メートルの部に参加。「2周走るのはちょっとしんどかった。けど、8位になってうれしい」とにっこり。「親も一緒にどうぞ」との会場アナウンスで共に走った父幸太郎さん(28)は「昨年より自分で走る力がついていて成長を感じられた」と感動。普段から活発に外で遊ぶという晴翔ちゃんは「野球をやりたい」と言っていて、幸太郎さんは「好きなことをしてのびのびと育ってくれれば」と温かく見守る。
 
小学校低学年はスタジアム外周1.15キロを走ってゴールする

小学校低学年はスタジアム外周1.15キロを走ってゴールする

 
1.15キロの部には「ふれあい親子の部」があり、仲良く並んで走る姿は同大会おなじみの光景

1.15キロの部には「ふれあい親子の部」があり、仲良く並んで走る姿は同大会おなじみの光景

 
「走るって楽しいね!」完走証を手にする平田こども園の園児ら

「走るって楽しいね!」完走証を手にする平田こども園の園児ら

 
 同大会は1975年にスタート。2019年まで甲子町松倉の市球技場周辺で開かれていたが、20年から同スタジアム周辺に開催地を移した。年代や体力に応じてさまざまなコース選択が可能で、参加しやすい環境も魅力の一つ。今年度から市陸上競技協会の会長を務める樋岡繁典さん(58)は「少子化や人口減で参加者数は減っているが、市民の運動機会の一つでもあるので、絶やすことなく回を重ねていければ。ぜひ、多くの皆さんの積極的な参加を」と呼びかける。

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「お互いさま」で助け合うまちに 釜石・大平中3年生 学びの集大成、福祉劇披露

福祉学習の集大成として認知症劇を披露した大平中3年生=2025年10月11日

福祉学習の集大成として認知症劇を披露した大平中3年生=2025年10月11日

 
 釜石市大平町の大平中(高橋信昌校長、生徒75人)の文化祭が11日にあり、3年生18人が認知症をテーマにした劇を披露した。力を入れてきた福祉学習の集大成。高齢化が進む地域の一員として「みんなが笑顔で暮らせるまちを」とメッセージを送り、「小さくてもいい、できることをする。あなたは?」と実現に向けた投げかけもした。
 
 文化祭が開かれた同校の体育館。「福祉について学習した3年間の集大成ともいえる『野菊ばあちゃん物語』を上演します」とアナウンスが流れ、舞台が暗転。約40分の劇が始まった。
 
3年間の学びを盛り込んだ「野菊ばあちゃん物語」を上演

3年間の学びを盛り込んだ「野菊ばあちゃん物語」を上演

 
 同校では7年前から、特別養護老人ホーム「あいぜんの里」(同市平田)を運営する社会福祉法人清風会の協力を得て福祉の学習を続けている。現3年生は総合的な学習の時間を活用し、防災、職業といった分野を学ぶほか、福祉についても1年生の時から座学や交流活動を通じて理解を深めてきた。
 
 最終学年となった今年の学習スタートは、あいぜんの里の訪問活動。ソーランなどを披露し、入居者らと触れ合った。市や同法人などが地域づくりのプラットフォーム(土台)として月1回実施する「平田つながるカフェ」の運営にも挑戦。1年次には“お客さま”として参加したが、地域社会の一員としての積極的な関わり合いを目標に企画段階から加わった。
 
助言を受けつつカフェの準備をする中学生=2025年6月30日

助言を受けつつカフェの準備をする中学生=2025年6月30日

 
3年生が企画運営した世代間交流カフェ=2025年6月30日

3年生が企画運営した世代間交流カフェ=2025年6月30日

 
1年生の時は招待者としてカフェに参加=2024年1月22日

1年生の時は招待者としてカフェに参加=2024年1月22日

 
 高齢の地域住民と未就学児との交流を促す催しは大好評。中学生にとっても「『ありがとうね』と言われたのが印象的。すごくうれしかった」「感動がいっぱいの生活をしてもらいたい」と、学習への意欲を高める機会となった。その後、認知症サポーター養成講座とステップアップ講座を受講。認知症の人とその家族の気持ちを共感的に理解し、どうサポートできるかを考え、話し合ったりした。
 
地域住民との交流を深めた3年間。笑顔は変わらない

地域住民との交流を深めた3年間。笑顔は変わらない

 
認知症サポーターステップアップ講座の様子=2025年8月27日

認知症サポーターステップアップ講座の様子=2025年8月27日

 
講義を受け自分たちにできることを話し合った

講義を受け自分たちにできることを話し合った

 
 3年間の学びのまとめが認知症をテーマにした劇の披露。文化祭のほか、市内の認知症サポーターらの研修会で発表することになり、練習に取り組んできた。
 
 迎えた本番。認知症の症状が出始めた高齢女性の振る舞いに戸惑う家族の様子、医療機関の受診を渋った時や食事した後に「ごはんまだ?」と催促された場合の対応など、4つの場面を中心に劇が展開された。悪い対応事例を演じた後に、時間を巻き戻す演出で、関係にしこりを残さずに済む接し方を紹介した。
 
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劇では演出を工夫したりスライドを使って学びを伝えた

 
 声かけする際は「驚かせない」「急がせない」「気持ちを傷つけない」という3つの“ない”が大事だと、せりふを通して発信。認知症の人を地域全体で見守る大切さも訴えた。「みんな違っていい。困った時はお互いさま。できることをして支え合おう」という気持ちが地域に広がることを期待し、幕を下ろした。
 
 主人公「野菊ばあちゃん」役の中嶋真帆さんは「いい劇にできた」と晴れやかな表情で話した。印象深い学びは、認知症になった本人や家族のつらさを知ったこと。少し前まで認知症の家族と暮らした経験も生かし、「大事にしているもの、価値観は人によって違う。だけど、助ける側も助けてほしい側も『お互いさま』を大事にしてほしい。私も対応の仕方を考え、優しく接することができるようにしたい」と気持ちを込め、役を全うした。
 
学びをせりふに込めた「野菊ばあちゃん」役の中嶋真帆さん

学びをせりふに込めた「野菊ばあちゃん」役の中嶋真帆さん

 
 同校の特徴の一つとなっているのが、この福祉学習。劇の構成や演出を担当する森潮子教諭(3学年主任)は高齢化の進行を背景にこれからの時代を考えると、世代や障害の有無を超えた福祉の視点は大事だと指摘する。「知っていると、知らないでは大きな差が出てくる。身近に学習できる環境があれば生かすべきで、つながりを理解してもらえたら」と、生徒たちを見守る。
 
 学びを支えるあいぜんの里の久保修一副施設長や同在宅介護支援センターの高野加奈子所長らも鑑賞し「中学生がここまで熱心に取り組んでくれたのがうれしい」と感心。久保副施設長は「将来、福祉の仕事に就いてほしいとの気持ちはあるが、福祉の視点はどんな仕事にも役に立つ。早いうちからの下積みが脈々と続けば、優しいまちづくりにつながるのではないか」と意義を強調した。
 
 大人たちの思いを生徒たちはしっかりと受け止めている。劇中で町内会長役を演じた生徒会長の三浦孝太郎さんは以前から、高齢者との接し方や世代間の関係などに課題、問題があると感じていて、「中学生のうちから触れ合う知識を身につけられるのはいい」とうなずく。「何事も備えておくことが大事だと思う。何が起きても大丈夫なように学びをしっかり身につけ、対応できるようにしたい」。自身の意識を深めつつ、下級生にも「学習を充実させてほしい」と望んだ。
 
全員が主役。気持ちを一つに合唱を披露した3年生

全員が主役。気持ちを一つに合唱を披露した3年生

 
 3年生による認知症をテーマにした福祉劇は、28日に釜石PIT(同市大町)で開かれる「チームオレンジ交流会」で再上演される。「ベテランの(認知症サポーターの)皆さんに、地域の将来を担っていく私たちが福祉について理解していることを見せられたら」と三浦さん。頼もしさをにじませる。

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虎舞を国際交流のツールに 郷土芸能伝承を考える釜石高生ら 魅力再認識し担い手増加策に意欲

釜石高生が披露する虎舞を楽しむハワイからの観光客=10日、箱崎集会所

釜石高生が披露する虎舞を楽しむハワイからの観光客=10日、箱崎集会所

 
 郷土芸能「虎舞」を通じた地元高校生と外国人観光客の交流会が10日、釜石市箱崎町の箱崎集会所で開かれた。虎舞を披露したのは、郷土芸能の担い手不足解消をテーマに研究する釜石高2年のゼミグループメンバーを中心とした有志11人。同市の観光地域づくり法人かまいしDMCの企画に協力した。「みちのく潮風トレイル」を目的にハワイから来日した3人に演舞を披露。お囃子(はやし)や虎の頭(かしら)を操る体験もしてもらい、郷土色豊かな国際交流が繰り広げられた。
 
 この日集まった1、2年生11人は居住する釜石、大槌、山田3市町で、虎舞や神楽、鹿踊(ししおどり)の団体に所属。夏に米国や中国からの訪日学生に虎舞を披露した経験もあり、同社から声がかかった。生徒らは自己紹介や踊りの演目説明を英語で行い、虎舞の代表的演目「矢車」「跳ね虎」「笹ばみ」を披露した。
 
自己紹介や虎舞の解説は日本語の後に英語で。女子生徒2人が担当

自己紹介や虎舞の解説は日本語の後に英語で。女子生徒2人が担当

 
春のうららかな日差しを浴びて虎が遊び戯れる様子を表現した「矢車」

春のうららかな日差しを浴びて虎が遊び戯れる様子を表現した「矢車」

 
威勢のいいお囃子とかけ声で演舞を盛り上げるメンバー(左)。外国人客は初めて見る虎舞にこの笑顔(右)

威勢のいいお囃子とかけ声で演舞を盛り上げるメンバー(左)。外国人客は初めて見る虎舞にこの笑顔(右)

 
 演舞の後は体験コーナー。外国人客は囃子の一節を太鼓で叩いたり、虎頭を動かしてみたりと初めての体験を楽しんだ。生徒らは覚えている英単語と身ぶり手ぶりで、道具の使い方を教え、地域の芸能の魅力を発信した。
 
 同社によると、みちのく潮風トレイルを訪れる訪日客は増加傾向にあり、市内では箱崎白浜の「御箱崎の宿」や根浜の「宝来館」、キャンプ場に宿を取るハイカーが目立つという。こうした訪日客は地元住民との交流も大切にしており、今回は同社が管理する御箱崎の宿の宿泊者向けに同交流会を企画した。リー・ベリンダさん(45)は「とても感動的。踊ってみると簡単じゃないことが分かって、パフォーマンスの素晴らしさを実感した」、チョー・ダンさん(48)は「若い高校生世代が地域に伝承しようと活動する姿に感銘を受けた。踊りや音楽の歴史的、文化的背景について知っているのも素晴らしい」と、貴重な体験を喜んだ。
 
外国人客は虎頭や幕の動かし方を教わって踊り体験

外国人客は虎頭や幕の動かし方を教わって踊り体験

 
お囃子の太鼓にも挑戦!見よう見まねでリズムを刻む

お囃子の太鼓にも挑戦!見よう見まねでリズムを刻む

 
 ゼミメンバーの一人で、幼い頃から只越虎舞で活動する菅田悠真さん(2年)は「郷土芸能の魅力を発信する上で、海外の人の印象を知ることも必要。英語をもっと頑張って発信力を高めたい」と意気込む。国際交流を機に有志で結成する“釜石高虎舞”は「今までの団体間の垣根を超えて、もっと広い視点で虎舞を広めていこう」と、生徒らが各団体の良さを融合させて演舞。男女や居住地関係なく門戸を開き、担い手育成につなげたいとの思いも込め、新たな活動を模索する。
 
最後は集まったみんなでお囃子体験。外国人客も声を出して一体感を味わう

最後は集まったみんなでお囃子体験。外国人客も声を出して一体感を味わう

 
 同企画を立案した、かまいしDMCで活動中の市地域おこし協力隊の木野遥香さん(24)は「箱崎半島を訪れる訪日客は漁村文化の体験にも関心が高い」との感触を得て、海岸部に古くから伝わる虎舞に着目。釜石高“郷土芸能ゼミ”の活動を知り、今回のオファーにつなげた。「高校生が国際交流できる機会を提供すると同時に、訪日客が釜石を訪れる際の付加価値のようなものを見い出せれば。交流会の継続開催を視野に、より良い形を考えていきたい」と木野さん。先輩社員らと今後の展開に夢を膨らませる。
 

現在進行中! 釜石高“郷土芸能ゼミ”とは? 三陸国際芸術祭で活動紹介

 
郷土芸能の担い手不足解消をテーマに探究活動を行う釜石高2年生のゼミメンバー

郷土芸能の担い手不足解消をテーマに探究活動を行う釜石高2年生のゼミメンバー

 
 釜石高の2年生が取り組むゼミ活動は、生徒たちの興味や疑問を出発点に自らテーマを決め、調査・研究などの探究活動を行うもの。数人がグループとなり1年を通して活動するが、今年度、地域課題に目を向けたグループの一つが「郷土芸能ゼミ」。担い手不足をどう解消するか―をテーマに活動している。5日は市民ホールTETTOで開かれた「三陸国際芸術祭」に参加。自分たちの活動についても紹介した。
 
 同ゼミメンバーは普段、各地の郷土芸能団体で活動する5人。釜石市の玉木里空さん(東前太神楽)、菅田悠真さん(只越虎舞)、三浦海斗さん(小川しし踊り)、大槌町の三浦神虎さん(陸中弁天虎舞)、山田町の山﨑柚希さん(八幡太神楽)だ。「年々、郷土芸能に参加する若者が少なくなっている」と感じていたことから、地域の祭りを途切れさせないためにも担い手を増やしたいと考えた。
 
5日に行われた三陸国際芸術祭で自分たちの活動を紹介=TETTO

5日に行われた三陸国際芸術祭で自分たちの活動を紹介=TETTO

 
 「郷土芸能について詳しく知らないため、参加しづらいのでは?」と仮説を立てた5人。検証のため、地域の小中高生にアンケートを行った。郷土芸能に対しての印象、芸能団体への所属状況、祭り参加者を増やすための方策など6項目について聞いた。浮かび上がったのは、参加への敷居の高さや送迎問題、少子化による影響。さまざまなデータを得て、担い手を増やすには▽地域を限定しない受け入れ態勢▽各団体が互いに尊重し合い、協力し合える関係の構築▽効果的な魅力発信―などの必要性を感じた。
 
観客にも問いかけながら活動発表。「郷土芸能は絶対に絶やしてはならない」との声があった

観客にも問いかけながら活動発表。「郷土芸能は絶対に絶やしてはならない」との声があった

 
ゼミメンバーらは会場で演舞を披露した鵜住居虎舞の演目「跳ね虎」も体験

ゼミメンバーらは会場で演舞を披露した鵜住居虎舞の演目「跳ね虎」も体験

 
 4、5の両日、開催された同芸術祭には約3千人が来場。同ゼミメンバーは若手芸能者が継承について語り合う公開ディスカッションにも参加し、多くの学びを得た。玉木さんは郷土芸能への興味、関心の高さを感じ、「担い手の一員としてうれしい。自分たちの芸能に誇りを持ってやっていける」と励みになった様子。ゼミでは今後、釜石、大槌の団体を招いて地元小中高生に伝統芸能の良さを体験してもらう会も開きたい考えで、「次世代を担う自分たちが積極的に動くことで担い手を増やし、地元郷土芸能を盛り上げていきたい」と意を強くする。

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世代つなぐ、笑顔広がる!遊べる農園ココイロこすもすファーム 釜石の新拠点へ

多世代が触れ合う憩いの場「ココイロこすもすファーム」=9月15日

多世代が触れ合う憩いの場「ココイロこすもすファーム」=9月15日

 
 東日本大震災後に子どもの遊び場として整備され多くの人に親しまれた釜石市甲子町の「こすもす公園」。3年前に惜しまれつつ閉園したが、その跡地を生かし新たな取り組みが始まった。“笑顔あふれる公園”というコンセプトを引き継ぎつつ、“多世代の笑顔をつなぐ遊べる農園”に深化させ、今夏に開園。季節の移ろいを感じながら楽しい時間を過ごせる空間に“にこにこ顔”が続々と集まっている。
 
 遊び場、農園、カフェを併設する「ココイロこすもすファーム」は8月5日にオープン。同市の任意団体「ココイロいわて」(石塚佳那子代表)が運営する。
 
 開園から約1カ月を経た9月15日、農園で収穫したズッキーニやブルーベリー、地場産のフレッシュバジルなどを使った手作りピザを味わうイベントがあった。市内外の親子や夫婦ら10人余りが参加。地元特産・甲子柿入りのトマトソースなどを使った“おかず系”、果物をのせた“スイーツ系”のピザを作り、敷地内の石窯で焼き上げた。
 
農園で育った野菜をゲット!笑顔がいっぱい=9月15日

農園で育った野菜をゲット!笑顔がいっぱい=9月15日

 
自然に触れながら思い思いにピザづくりを楽しむ参加者

自然に触れながら思い思いにピザづくりを楽しむ参加者

 
 地元の小学生佐々木優綺さん(8)はひと口頬張り、親指を立てるサインで「いいね」と、おいしさを表現した。農園での種まき・苗植えを体験したり遊び場を駆け回ったり、“自分の庭”のように利用していると話し「めちゃくちゃ楽しい」とにっこり。母親の琴実さん(33)は「自由に遊べて食育にもなる。お気に入りの場所」と目を細めた。
 
kみずみずしい食材たっぷりの手作りピザに大満足

みずみずしい食材たっぷりの手作りピザに大満足

 
 公園は震災前、コスモス畑だった。所有する藤井了さん(79)、サヱ子さん(80)夫妻が震災で遊び場をなくした子どもたちのために再整備。木製の大型滑り台などの遊具もあり親しまれたが、年齢を重ねる中で維持管理が難しくなり、遊具の老朽化などもあって2022年に閉園した。目の前にあったレストランは24年まで営業した。
 

地域の応援、仲間の力 重ね合わせ「持続可能な運営を」

 
 思いを引き継ぎたい―。石塚代表(37)は25年1月、気持ちを同じくする移住者や子育て中の母親らと団体を立ち上げた。農園や交流スペース施設の整備を目的にクラウドファンディング(CF)を実施。275人から目標の300万円を上回る約340万円が寄せられた。
 
ピザの作り方を伝える石塚佳那子代表(左)

ピザの作り方を伝える石塚佳那子代表(左)

 
 イベントに参加した人たちはCFの支援者。盛岡市の団体職員猪俣広志さん(58)、恵子さん(60)夫妻は以前、釜石で生活しており公園やレストランを利用していた。懐かしい思い出があったことから応援。新たな取り組みを歓迎し、「野菜をとっている子がかわいらしかった。自然の中で伸び伸びでき、新鮮な食材を味わえる場所が続いてほしい。孫を連れてきたいね」と笑顔を重ねた。
 
 違った形で応援する人もいる。同ファームが目指す子どもの遊び場、学びの場づくりに共感し、雫石町で小岩井農場を運営する小岩井農牧(本社東京)がオオヤマザクラの苗木2本を提供。10月1日、同社代表取締役社長の辰巳俊之さん(68)が運び込み植樹した。
 
苗木を届けた辰巳俊之さん(右)、石塚代表=10月1日

苗木を届けた辰巳俊之さん(右)、石塚代表=10月1日

 
首都圏の企業ボランティアらが植樹作業を手伝った

首都圏の企業ボランティアらが植樹作業を手伝った

 
 北方系の品種で丈夫、ソメイヨシノより濃いめのピンク色の花がつく。辰巳さんは「この地に根づき、開花したらうれしい。人と人の縁がつながり、笑顔の花がどんどん咲いて広がってほしい。願わくば、満開の木の下でピクニックしたい」と笑った。
 
 釜石と雫石の縁をつないだ奈良県天理市の種苗メーカー大和農園の金子久美さん(48)も一緒に作業した。食卓に彩りを添え、多くの“笑顔”を広げるため開発した、ルビーのような深い赤色に輝くトウモロコシ「大和ルージュ」を全国に紹介する活動を展開。石塚代表にも話を持ちかけ、今年同ファームで栽培した。サクラの植樹は、3者の願いと思いが重なり実現。金子さんは「同じ岩手、根っこでつながれ」と願った。
 
サクラの成長と開花を期待して作業に励んだ参加者

サクラの成長と開花を期待して作業に励んだ参加者

 
 「みんなが集う、その真ん中にサクラがあれば」。笑顔あふれる風景を想像する石塚代表は、大事に成長を見守る構え。植樹に加わったサヱ子さんは、思いを託した石塚代表に穏やかな視線を向け「続けるのには大変なこともあると思うが、できるだけ応援したい。行動力を生かし、もっと地域を元気にしてもらえたら」とほほ笑んだ。
 
新ファームを応援する藤井了さん(右写真・手前)とサヱ子さん(左写真・手前)

新ファームを応援する藤井了さん(右写真・手前)とサヱ子さん(左写真・手前)

 
 富山県出身の石塚代表は復興支援ボランティアをきっかけに、14年に東京から釜石に移住。会社員として働きながら、藤井夫妻のサポートもしてきた。多くの人が関わり生まれた場所を「失わせたくない」と発起。2児(3歳と1歳)の子育て中で、「自然の中で好きに遊び、自由に過ごせる空間は貴重。多世代が交流し、地域に見守られながら子どもが育つ場所を」と一歩を踏み出した。
 
 遊び場には竹で作ったジャングルジムなどの遊具を用意。農園では野菜を植え、収穫を楽しめる。カフェは、地元でとれた季節の野菜や県産食材を使った料理を盛り付けたランチプレート(1200円)やカレー(1000円)、アレルゲン7品目が不使用のキッズカレー(500円)を提供。米粉と豆乳を使ったチーズケーキ、農園ブルーベリーをたっぷり使ったスムージーなども味わえる。
 
開園した「ココイロこすもすファーム」=9月15日

開園した「ココイロこすもすファーム」=9月15日

 
カフェの運営は石塚代表(右)ら3人体制=10月8日

カフェの運営は石塚代表(右)ら3人体制=10月8日

 
 こすもす公園同様、たくさんの応援を力に新しい道をつくり始めたココイロこすもすファーム。石塚代表は「まだ学ぶことが多い。藤井さんたちが大事にしてきたことを大切にしながら、関わる人、来てくれる皆さんと一緒に遊べる農園をつくっていきたい。無理せず、持続可能な形で」と明るい表情を浮かべた。
 
多世代が遊べる農園!石塚代表が描く“青写真”

多世代が遊べる農園!石塚代表が描く“青写真”

 
 火、水、金、土曜に営業。遊び場は午前10時から、カフェは午前11時半から、午後4時まで利用できる。交流を促すイベントなども企画し、インスタグラムで発信している。

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防ごう!特殊詐欺被害 郵便局・釜石SW・警察が“スクラム” 広報チラシ配布で市民に意識啓発

郵便局社員と詐欺被害防止チラシを手渡す日本製鉄釜石SWの石垣航平選手=15日

郵便局社員と詐欺被害防止チラシを手渡す日本製鉄釜石SWの石垣航平選手=15日

 
 県内で増え続ける特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害を食い止めようと15日、釜石市内の郵便局で注意喚起のチラシを配る啓発活動が行われた。只越町の釜石郵便局(小野寺幸徳局長)では、地元ラグビーチーム、日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の石垣航平選手(32)が活動に協力。郵便局社員らと被害防止を呼びかけた。
 
 全国地域安全運動(10月11日~20日)の一環として、年金支給日の15日に合わせて活動。詐欺の手口などが書かれたチラシを訪れた人たちに配り、被害に遭わないよう注意を促した。
 
詐欺被害防止のための啓発活動は釜石郵便局の入り口で行われた

詐欺被害防止のための啓発活動は釜石郵便局の入り口で行われた

 
 岩手県警によると、県内の今年9月末時点での特殊詐欺認知件数は102件(前年同期比67件増)で、被害額は5億283万円(同2億673万円増)。SNS型投資・ロマンス詐欺は73件(同33件増)で、被害額は4億8969万円(同1億7668万円増)。いずれも前年に比べ大幅に増えており、被害の深刻さがうかがえる。
 
 釜石署管内では同時点で各1件の被害だが、詐欺が疑われる不審な電話などの相談は昨年より増えているという。「(警察などの)なりすまし」「架空料金請求」「投資・ロマンス」「還付金」…。手口の巧妙化、複雑化で、年代を問わず被害に遭う可能性がある詐欺事案。釜石署生活安全課の高橋友一課長は「お金の話が出たり、逮捕されたくなかったら…といった不安をあおるような話があった時は、一度電話を切って必ず警察に相談してほしい。絶対にその場で判断しないこと。一人で考えてしまってはだめ」と冷静な対処を呼びかける。
 
年金支給日のこの日は高齢者らが次々に来店。「特殊詐欺などに気を付けて!」と注意を促した

年金支給日のこの日は高齢者らが次々に来店。「特殊詐欺などに気を付けて!」と注意を促した

 
 釜石郵便局では今年、詐欺被害が疑われるような利用事案は見られないというが、窓口営業部の佐藤忍部長は「高額の振り込み、預金引き出しの時点で、必ず理由を聞いて確認するようにしている。県内でこれだけ被害が増えているのは危機的状況。今回のような広報活動を通じて、皆さんに被害防止への意識を高めてもらえたら」と話す。また、日本郵便や郵便局を装った不審な電話、メール、SMSが送られてくる事案も発生しており、「着信しても個人情報を教えない、URLをクリックしない」ようにとのこと。
 
石垣選手は日頃の応援への感謝の思いも胸に地域の安全安心を守る活動に取り組んだ

石垣選手は日頃の応援への感謝の思いも胸に地域の安全安心を守る活動に取り組んだ

 
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 活動に協力した石垣選手は「思っていた以上に被害が多いことを知った。自分は大丈夫と思っている方も多いと思うが、今一度(対策を見直し)、被害に遭わないよう十分に気を付けてもらえれば」と話した。この日は小佐野、釜石中妻の両郵便局でも釜石署署員がチラシを配布した。

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第19回水車まつり

第19回水車まつり

橋野どんぐり広場での餅まきの様子

 

橋野町振興協議会と栗橋地区まちづくり会議では、恵みの秋に感謝して第19回水車まつりを開催します。

 

また、市内でリアスファームを展開する㈱オヤマから、数々の唐揚げイベントで幾度も最高位を獲得している「室根からあげ」の出店もあります。

日時

2025年11月2日(日) 11時〜13時

場所

橋野どんぐり広場と親水公園

参加料

無料

内容

餅まきやトン汁のお振る舞い、各種出店(手打ちそば、きびの焼き団子、雑穀おにぎりなどの販売)を予定

 

きびの焼き団子

きびの焼き団子

無料バスの運行

会場までの無料バスを運行します。希望者は10月31日(金)までに(株)岩手旅行社(TEL:31-1300)までお申し込み下さい。
おおよその時刻は次のとおり。
 
●無料バス運行表(行き)
9:50 ビレッジハウス洞泉前
9:55 松倉駅前
10:00 小佐野駅前
10:05 昭和園前
10:10 釜石駅前
10:15 釜石中央
10:25 鵜住居
10:35 砂子畑
10:40 上栗林
 
※帰りは橋野どんぐり広場を13時頃に出発します。

問い合わせ

橋野町振興協議会事務局 TEL 090-4639-3225

 

<過去の開催レポート>
米、雑穀、野菜… 手作りメニューで収穫の喜び味わう 釜石・橋野で18回目の水車まつり

橋野町振興協議会

橋野町振興協議会

問い合わせ:TEL 090-4639-3225 / FAX 0193-57-2212 / 〒026-0041 岩手県釜石市橋野町34-13-12