防ごう!特殊詐欺被害 郵便局・釜石SW・警察が“スクラム” 広報チラシ配布で市民に意識啓発

郵便局社員と詐欺被害防止チラシを手渡す日本製鉄釜石SWの石垣航平選手=15日
県内で増え続ける特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害を食い止めようと15日、釜石市内の郵便局で注意喚起のチラシを配る啓発活動が行われた。只越町の釜石郵便局(小野寺幸徳局長)では、地元ラグビーチーム、日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の石垣航平選手(32)が活動に協力。郵便局社員らと被害防止を呼びかけた。
全国地域安全運動(10月11日~20日)の一環として、年金支給日の15日に合わせて活動。詐欺の手口などが書かれたチラシを訪れた人たちに配り、被害に遭わないよう注意を促した。

詐欺被害防止のための啓発活動は釜石郵便局の入り口で行われた
岩手県警によると、県内の今年9月末時点での特殊詐欺認知件数は102件(前年同期比67件増)で、被害額は5億283万円(同2億673万円増)。SNS型投資・ロマンス詐欺は73件(同33件増)で、被害額は4億8969万円(同1億7668万円増)。いずれも前年に比べ大幅に増えており、被害の深刻さがうかがえる。
釜石署管内では同時点で各1件の被害だが、詐欺が疑われる不審な電話などの相談は昨年より増えているという。「(警察などの)なりすまし」「架空料金請求」「投資・ロマンス」「還付金」…。手口の巧妙化、複雑化で、年代を問わず被害に遭う可能性がある詐欺事案。釜石署生活安全課の高橋友一課長は「お金の話が出たり、逮捕されたくなかったら…といった不安をあおるような話があった時は、一度電話を切って必ず警察に相談してほしい。絶対にその場で判断しないこと。一人で考えてしまってはだめ」と冷静な対処を呼びかける。

年金支給日のこの日は高齢者らが次々に来店。「特殊詐欺などに気を付けて!」と注意を促した
釜石郵便局では今年、詐欺被害が疑われるような利用事案は見られないというが、窓口営業部の佐藤忍部長は「高額の振り込み、預金引き出しの時点で、必ず理由を聞いて確認するようにしている。県内でこれだけ被害が増えているのは危機的状況。今回のような広報活動を通じて、皆さんに被害防止への意識を高めてもらえたら」と話す。また、日本郵便や郵便局を装った不審な電話、メール、SMSが送られてくる事案も発生しており、「着信しても個人情報を教えない、URLをクリックしない」ようにとのこと。

石垣選手は日頃の応援への感謝の思いも胸に地域の安全安心を守る活動に取り組んだ

活動に協力した石垣選手は「思っていた以上に被害が多いことを知った。自分は大丈夫と思っている方も多いと思うが、今一度(対策を見直し)、被害に遭わないよう十分に気を付けてもらえれば」と話した。この日は小佐野、釜石中妻の両郵便局でも釜石署署員がチラシを配布した。

釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム











