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覚えて!命守る応急手当 釜石で「救急の日」イベント 一日隊長の小学生が伝えるAED蘇生法

心肺蘇生法やAEDの使い方を学んで体験できる「救急ひろば」

心肺蘇生法やAEDの使い方を学んで体験できる「救急ひろば」

 
 9月9日の「救急の日」と「救急医療週間」(2024年度は9月8~14日)にちなみ釜石消防署は8日、釜石市港町のイオンタウン釜石で救命法の体験イベント「救急ひろば」を開いた。「一日救急隊長」に任命された佐々木智桜さん(鵜住居小5年)が救急時の対処法を実演。「大切な人を守るために覚えてほしい」と、家族連れなどに自動体外式除細動器(AED)の使い方も伝えた。
 
 イベントは市民に救急業務に対する理解を深めてもらうとともに、応急手当てなどの必要性を認識してもらうのが目的。救命率向上には素早い処置が欠かせず、一般の人がAEDを使用できることから、同署では「子どものうちからスキルとして身に付けてほしい」と考え、「共感してもらえる」と佐々木さんに白羽の矢を立てた。
 
 佐々木さんは市内最年少の「大震災かまいしの伝承者」として防災に関する活動に取り組む。資格取得を目指す防災士に必要なことから、昨年12月に同署で普通救命講座(3時間)を受講。心肺蘇生やAEDの扱い方を学び、救命技能認定証を有する。
 
「一日救急隊長」としてイベントに参加した佐々木智桜さん

「一日救急隊長」としてイベントに参加した佐々木智桜さん

 
 この日、佐々木さんは救急活動をモチーフにした寸劇を披露した。下校し自宅に帰ると、父親が倒れており、駆け寄った家族らに「119番に電話して」「AEDを持ってきて」と依頼。周囲の安全を確認した後、胸骨圧迫を行ったり、AEDを使って助けた。
 
 消防署員の質問に答える形で、佐々木さんが胸骨圧迫のポイントを紹介した。胸のほぼ真ん中にある心臓を重ねた両手で繰り返し押すが、「リズムは1秒間に2回で、深さ(強さ)は5センチ。心臓が止まってから、3~4分間のうちに行うこと」と素早い処置の必要性を強調。「大切な人を助けたり、守るためにやり方を覚えてください」と、見守った買い物客らに呼びかけた。
 
AEDを使った救急活動を寸劇で披露する佐々木さんと消防署員

AEDを使った救急活動を寸劇で披露する佐々木さんと消防署員

 
 会場では人形を使った胸骨圧迫やAED操作体験、救急時に傷病者を運ぶ「ストレッチャー」の乗降体験、クイズなどが用意され、参加者は見聞きしながら救急に対する意識を高めていた。佐々木さんに教わりながら、救命活動に挑戦した小学生、澤本芽依さんは「心臓を押すのは大変だったけど、やり方が分かった。いざという時に助けられる人になりたいから、もっと勉強したい」と刺激を受けた様子。母さやかさんは「触れてみる、いい機会になった。万一ということがあるということを考える機会にもなったのでは」と見守った。
 
消防署員のアドバイスを受けながら胸骨圧迫する参加者

消防署員のアドバイスを受けながら胸骨圧迫する参加者

 
覚えた救命法を参加者に伝える佐々木さんと消防署員

覚えた救命法を参加者に伝える佐々木さんと消防署員

 
 同署によると、管内の救急に関する出動要請件数は年間約1600件で、そのうち救急搬送人員は約1500人となっている。応急手当などが必要なケースもあるが、助けるという行為は消防や救急隊、医師がやるというイメージを持つ人が多いのが現状。AEDは身近な存在になったが、いざ使用するとなると勇気がいる。
 
「みんなで救命活動を」と願いが込もった「救急の日」イベント

「みんなで救命活動を」と願いが込もった「救急の日」イベント

 
 救急係の木村一生係長は「3~4分、早いうちの対処があれば助かる命がある。それができるのは居合わせた人、家族」と話し、救命率を向上させるためにも「心肺蘇生やAEDの扱いを子どものうちから大切なスキルとして持ってほしい。智桜さんを通して『誰でもできる』ことを伝えられたら」と期待を込める。

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今年もうのスタで 「釜石よいさ」15日開催 TETTOで前夜祭も まちの活力復活へ2年目の挑戦

釜石よいさ本番に向け練習に励むよいさ小町(写真上)とお囃子隊(同下)

釜石よいさ本番に向け練習に励むよいさ小町(写真上)とお囃子隊(同下)

 
 釜石市の夏祭り、第33回釜石よいさ(実行委主催)は15日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアム(うのスタ)で行われる。コロナ禍による休止後、課題となっていた経費、運営体制を見直し、持続可能な形を模索する同実行委。復活開催2年目の今年も、うのスタを会場に日中に行うことで、交通規制や夜間照明にかかる経費削減、運営人員規模の縮小を図る。以前、会場だった市中心部、大町周辺のにぎわい創出策として、14日夕方には市民ホールTETTO前広場で前夜祭も開催。市内外からの誘客につなげる。
 
 踊りには17団体約600~700人が参加予定。幼児対象のこどもよいさには市内の4こども園が参加。初参加の「井戸商店・近藤商店 技能実習生チーム」は水産加工業に従事する外国人のほか、市内の他工場で働く外国人の参加も受け入れ、祭り文化の体験、国際交流の機会とする。団体に所属しない子どもたちが参加しやすいように、今年も「かまっこよいさ!」チームが受け皿となり、当日の飛び入り参加を促す。コロナ禍前からの復活は「釜石小学校PTA」チーム。親子で久しぶりのよいさを楽しむ。ラグビーの「日本製鉄釜石シーウェイブス」はホームグラウンドでの祭りを踊りで盛り上げる。
 
釜石鵜住居復興スタジアムで行われた第32回釜石よいさ=昨年9月23日

釜石鵜住居復興スタジアムで行われた第32回釜石よいさ=昨年9月23日

 
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観客を笑顔にする“こどもよいさ”。うのスタから元気を発信(昨年)

 
 祭りを先導する、よいさ小町、お囃子(はやし)隊の練習も大詰めを迎える。今年の「よいさ小町」は高校生4人を含む女性13人で結成。8人が初めての“小町”での参加だ。4回目の練習日となった6日は、学業や仕事を終えて集まった11人が前囃子と本囃子の踊りの練習に励んだ。
 
前囃子の踊りを練習する「よいさ小町」=6日、釜石PIT

前囃子の踊りを練習する「よいさ小町」=6日、釜石PIT

 
 高校1年の小笠原皐さん(16)は幼稚園から小学校まで踊りで参加していた地元出身者。高校生以上が対象の「よいさ小町」に初めて応募し、これまでとは違う立場での参加を楽しみにする。女性ならではのしなやかな動きの前囃子の踊りに「ヒップホップダンスを習っていたので、その癖が抜けない」と笑いつつ、「先輩方に教わりながら形になってきた。浴衣で踊るので、足さばきの所作も勉強しないと」と本番への意欲を高める。「未来の釜石がもっと明るくなるように…」と願い、祭りを華やかに彩る。
 
 神奈川県出身の平澤果鈴さん(24)は今年4月、市内の企業にIターン就職。「釜石に溶け込みたい」と、よいさ小町への挑戦を決めた。「踊りは難しいけど、振り付けに釜石の虎舞の動きとかが入っていて面白い」と楽しむ余裕も。観光関連の仕事で地域創生に携わっており、「地域理解も深めたい」と意気込む。同祭り自体を見るのも初めての経験。「雰囲気を存分に味わいたい。笑顔で楽しく踊れれば」と当日を心待ちにする。
 
虎舞がモチーフの躍動感あふれる本囃子の踊り

虎舞がモチーフの躍動感あふれる本囃子の踊り

 
当日は飛び入り参加OK。よいさ小町をお手本にどんどん踊ろう!

当日は飛び入り参加OK。よいさ小町をお手本にどんどん踊ろう!

 
 大小の太鼓、笛などで編成するお囃子隊は、小学生から50代までの男女35人。初参加、経験者、復活組とさまざまな面々が集う。TETTOホールAを練習会場に、夕方から約1時間半の練習を重ねてきた。当日は25分ずつ3回の踊りの時間を、太鼓や笛の音、掛け声で支える。
 
幅広い年代が集まるお囃子隊。本番に向け練習にも一層力が入る=8日、TETTO

幅広い年代が集まるお囃子隊。本番に向け練習にも一層力が入る=8日、TETTO

 
ベテランから大太鼓のばちさばきを習う参加者

ベテランから大太鼓のばちさばきを習う参加者

 
 千代川瑛大さん(中3)は父智紀さん(47)と小太鼓で親子参加。幼稚園以来の参加という瑛大さんは「周りとリズムを合わせられるようになると達成感と喜びがある」と、お囃子の醍醐味(だいごみ)を実感する。コロナ禍でかなわなかった「人と会って楽しむ時間」を復活させてほしいと願い、「みんなが楽しめるように頑張りたい」と話す。震災後、長女と参加していた智紀さんは「昨年から会場が変わったが、また違った雰囲気でにぎやかさもあった。涼しいのもいい。今年はお囃子初参加の息子と盛り上げに貢献できれば」と思いを込める。
 
 お囃子での参加は25年ぶりという男性(51)は久しぶりの大太鼓に「意外と覚えているものですね。年齢を重ねた分、体力は使いますけど」と苦笑い。“引退”後は職場で踊りでの参加を続けてきたが、会場変更に伴う移動の困難さなどで職場の参加は取りやめに。今回は初の兄弟参加で、「できる限り力を尽くしたい」と誓った。
 
心地良いリズムの笛の音も釜石よいさのお囃子には欠かせない

心地良いリズムの笛の音も釜石よいさのお囃子には欠かせない

 
小太鼓を締める作業も自分たちで。良い音を響かせるために…

小太鼓を締める作業も自分たちで。良い音を響かせるために…

 
 運営に関わる諸課題解決のため、試行的に実施された昨年の“うのスタ”よいさ。実行委員長の一人、佐久間定樹さん(42)は「観客数は予想以上で、市外から訪れる人も多かった印象。初めてスタジアムに足を運んだという市民もいた。開催時期を8月から9月にしたことで、猛暑による熱中症回避にもつながったものとみられる」と一定の成果を実感。一方で、交通アクセスや周辺への経済波及効果の面で市街地開催を望む声もあり、双方のメリット、デメリットを勘案した未来につなぐための取り組みは続く。
 
 コロナ禍前に比べ、半減する参加団体数については「3年間の休止で、転勤のある企業などはよいさを知らない人たちだけになり、長年参加してきた企業も不参加のケースが増えている」と佐久間さん。企業参加を増やすための方策も今後の課題に据えた。
 
 第33回釜石よいさは15日午後1時から釜石鵜住居復興スタジアムで、前夜祭は14日午後5時半から市民ホールTETTO前広場で行われる。詳しいタイムテーブルは釜石よいさ公式サイト、8月15日号の広報かまいしなどで見ることができる。

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災害時の海上輸送 円滑に 釜石、久慈、大船渡の沿岸3市 港湾事務所と協定「備えに」

海上輸送による災害支援協定を結んだ小野共釜石市長(右から2人目)ら

海上輸送による災害支援協定を結んだ小野共釜石市長(右から2人目)ら

 
 釜石、久慈、大船渡の沿岸3市は4日、国土交通省東北整備局釜石港湾事務所(小岩利弘所長)と海上輸送による災害支援協定をそれぞれ締結した。岩手県内では宮古市が先行。地震などの災害で陸路が寸断されて孤立した際に、同事務所の港湾業務艇を使って物資や人員を輸送するもので、円滑な協力態勢づくりにつなげる。
 
 釜石市港町の同事務所で締結式があり、小岩所長、釜石市の小野共市長、久慈市の遠藤譲一市長、大船渡市の渕上清市長がそれぞれ協定書に署名し、取り交わした。
 
協定締結式であいさつする小岩利弘所長(左)

協定締結式であいさつする小岩利弘所長(左)

 
 協定締結により、災害時に孤立地域が発生した場合、自治体の要請に応じて船舶で支援物資を届けたり、被災者を孤立地域から避難させたりする。自治体が実施する防災訓練に海上輸送訓練も組み入れるなど、平時から連携態勢の確認を進めていく。
 
 締結式の後、釜石港で海上輸送のデモンストレーションを行った。同事務所や3市の防災、港湾担当の職員らが参加。同事務所の港湾業務艇「こはく」(29トン)から食料や水が入った段ボール12箱を運び出し、被災地域に向かうトラックに積み込むまでの流れを確認した。
 
港湾業務艇「こはく」から物資をトラックに運び込む関係者

港湾業務艇「こはく」から物資をトラックに運び込む関係者

 
 見守った3市の市長らは、万一の時に頼れる心強さを感じた様子。小野市長は、東日本大震災時や、ここ数年でも台風災害などで市内半島部の道路が寸断され物資輸送が課題になった事例があることから、「海から輸送、搬送ができるのは沿岸部にとって大きなメリットになる。港を最大限活用した災害対応に期待する」と述べた。
 
 近年は気候変動の影響で豪雨による洪水や土砂災害などの気象災害が全国的に多発。陸路が寸断して孤立化した被災地域で緊急物資の輸送や救援部隊の派遣、被災者の生活支援、通院の足として海上ルートの活用事例が増えている。そうした状況を踏まえ、国交省では災害時の陸路分断などを想定し、“みなと”の機能を活用した海上輸送による救助・救援、物資輸送といった災害対応支援を強化するため、「命のみなとネットワーク」の形成に向けた取り組みを全国的に進めている。
 
 協定はその一環だが、締結の有無にかかわらず以前から取り組みが始まっていて、2021年8月に青森県での豪雨や大雨を受けて物資輸送や孤立地域での住民輸送が行われた。22年3月には地震発生時に断水した福島県の相馬港で給水支援を行った事例もある。
 
釜石港で行われた災害時海上輸送のデモンストレーション

釜石港で行われた災害時海上輸送のデモンストレーション

 
 同事務所ではすでに宮古市と同様の協定を結んでおり、この日の締結で、県内の重要港湾がある4市すべてとの提携が完了したことになる。小岩所長は「備えの一助になれば。災害に強い港湾整備に努めるとともに、住民支援の態勢をとっていることを知ってもらい、いざという時に頼られる存在としての役割を担っていく」と力を込めた。

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TETTOロビーコンサートvol.4 オーボエとピアノの調べ

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だれでも・気軽に楽しめる音楽会「TETTOロビーコンサート」
vol.4となる今回のロビーコンサートは釜石市出身で元東京交響楽団首席オーボエ奏者で、釜石応援ふるさと大使でもある池田肇さんと釜石市・大槌町でピアノの指導・伴奏者として数多くのコンサートで活躍されている佐々木洋子さんによる演奏会です。
 
TETTOロビーコンサートvol.4 オーボエとピアノの調べ|釜石市民ホールTETTO 公式サイト
 
入場無料です!!
どうぞお立ち寄りください!
 
ご来場される皆様へ【ご協力お願い】
会場入口での手指の消毒、咳エチケットの励行など、基本的な感染症対策にご協力お願いいたします。

日時

2024年9月11日(水)18:00〜18:45予定

会場

釜石市民ホールTETTO 共通ロビー

プログラム

ルイエ/オーボエ・ソナタ ハ長調第1楽章
谷村新司/いい日旅立ち
鈴木康博/昨日への手紙
小田和正/秋の気配
…ほか

出演

オーボエ/池田 肇
ピアノ/佐々木 洋子

料金

全席自由 無料

お問い合わせ

【釜石市民ホールTETTO】
TEL:0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。

主催等

【主催】釜石市民ホール
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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岩手と秋田つなぐ盤上の熱戦 釜石で腕競う「国道107号沿線支部交流将棋大会」

釜石を舞台に熱戦を繰り広げた岩手と秋田の将棋愛好家ら

釜石を舞台に熱戦を繰り広げた岩手と秋田の将棋愛好家ら

 
 岩手県と秋田県の将棋愛好者が集う「国道107号沿線支部交流将棋大会」は1日、釜石市鵜住居町の鵜住居公民館で開かれ、参加者が盤上で熱戦を繰り広げた。1994年に始まった大会は26回目。日本将棋連盟釜石支部が主催。東日本大震災やコロナ禍などの影響で中止もあったが、顔を合わせる機会を楽しみに続けており、関係者は「それぞれの県でやり方が違う。学び、競い、腕を磨き合いたい」と語り口も熱い。
 
 国道107号は、岩手・大船渡市を起点とし、秋田・由利本荘市までを結ぶ。「横のつながり」を深めようと、両県で交互に、参加支部の持ち回りで継続。この国道に接続する釜石も仲間に加わり、2003年には戦いの場にもなった。開催地として順番が回ってきても震災の影響で受け入れが難しかったが、21年ぶりに集いの場に手を挙げた。
 
「国道107号沿線支部交流将棋大会」が釜石で開かれるのは21年ぶり

「国道107号沿線支部交流将棋大会」が釜石で開かれるのは21年ぶり

 
 5人1組の団体戦に、両県から11支部14チームが出場。2ブロックに分かれて1人5局ずつ対戦し、点数制で順位を競った。将棋盤を挟んで向かい合うのは、小学3年生~80代までと幅広い年代。対局が終わると、駒を動かしながら感想を伝え合ったり、白熱する戦いを囲んで見守る光景があちらこちらで見られた。
 
優勝旗を狙って集う愛好者。静かなる戦いが展開した

優勝旗を狙って集う愛好者。静かなる戦いが展開した

 
幅広い年代が盤面に向かい合う。注目の対局を見つめる姿も

幅広い年代が盤面に向かい合う。注目の対局を見つめる姿も

 
対局後に振り返りながら親睦を深める光景もあった

対局後に振り返りながら親睦を深める光景もあった

 
 一関ごきげん支部(岩手)の大将として臨んだ高橋桜子さんは、宮城県登米市の中学1年生。家に将棋盤があったことから始め、「いろんな手を探すのが面白い」とハマって4年ほどになる。同支部に所属し、大人に混じって大会に出場しながら鍛錬中。この日の対局も「序盤からリード。優勢に進められている」と手応えを口にした。結果、同支部は3位に入賞。冷静さをのぞかせつつも「勝つと景品がもらえるのがうれしい」と中学生らしい一面も見せた。
 
3位に入賞した一関ごきげん支部。高橋桜子さんも活躍

3位に入賞した一関ごきげん支部。高橋桜子さんも活躍

 
 大会長を務めた北上支部(岩手)の軽石初彦支部長(82)は「対局を通じ、学びを深める機会。将棋の楽しみを感じてほしい」と意義を強調する。昨年、岩手初のプロ棋士が誕生したことに触れ、「小山怜央四段の活躍は岩手の誇り。将棋熱が高まる釜石は将棋のまちだ」と力説。意欲あふれる同支部から3チームが出場し、Aチームが5戦全勝で優勝旗を手にした。
 
熱い戦いを制し優勝旗を手にした北上Aチーム(左側)

熱い戦いを制し優勝旗を手にした北上Aチーム(左側)

 
終局すると感想戦がスタート。遠野支部(右)は準優勝

終局すると感想戦がスタート。遠野支部(右)は準優勝

 
 小山四段は7月にフリークラスからC級2組への昇級を決め、来年度から順位戦に臨む。それを祝って釜石支部がつくった巾着袋が参加賞として贈られた。震災後の支えや今大会の協力に加え、「過去に出場経験がある小山四段を育ててもらった」と感謝を込めたもので、土橋吉孝支部長(68)は「前回、釜石大会の景品は秋の旬サンマだったが、今の旬は小山怜央」とニヤリと笑った。同支部は4勝1敗の成績だったものの、個人勝ち数の差などで5位だった。
 
地元釜石チームも対局に集中。右上写真は参加賞の「小山怜央四段巾着袋」

地元釜石チームも対局に集中。右上写真は参加賞の「小山怜央四段巾着袋」

 
 「強い若手の勝負は面白い」。本庄支部(秋田)の真坂政悦支部長(71)は仲間の戦いぶりをじっと見つめた。“西の端”から釜石に乗り込んできたが、台風の影響が残った道中は2カ所の通行止めがあって一苦労。それでも「地震、コロナ、雨にも風にも負けず続けてくれたことに感謝」と県をまたいだ交流を楽しみにする。
 
 ただ、団体戦のため人数の確保が難しくなっていたり、移動距離にためらう支部があってか、参加数が「以前より少ない」と残念がる。「参加数が増えたら」と望む声は他にも聞こえてきて、主催者側は今回107号につながる岩手県内の沿岸支部にも声がけしていて、宮古市からの参加もあった。
 
秋田vs秋田、強い若手の対局は注目を集めた。左手が本庄支部

秋田vs秋田、強い若手の対局は注目を集めた。左手が本庄支部

 
 若手もベテランも互いに高め合う大会―。来年は由利本荘市で開催する予定。真坂支部長は今回の運営の様子にも目を光らせていて、「参考にしつつ、準備を進めたい」と前を向いていた。
 
 結果は次の通り。
◇団体戦順位①北上支部A(畠山和人さん、高橋英聖さん、菅原大典さん、盾石拓さん、藤原隆幸さん)②遠野支部(中村道典さん、昆隆志さん、米澤祐太さん、小島常明さん、新沼光幸さん)③一関ごきげん支部(高橋桜子さん、千葉大胤さん、小林秀雄さん、横田努さん、吉田拓生さん)
◇個人全勝者/岩泉毅さん(宮古)、畠山和人さん(北上A)、昆隆志さん、米澤祐太さん(遠野)、梅村琴和さん(東和まほろば)、土橋吉孝さん(釜石)、藤原隆幸(北上A)

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姉妹都市ディーニュ市訪問団を「すずこまジェラート」で迎えよう! 栽培の栗林小が活動報告

小野市長(左から2人目)にジェラート用すずこま(トマト)栽培について報告した栗林小児童ら

小野市長(左から2人目)にジェラート用すずこま(トマト)栽培について報告した栗林小児童ら

 
 姉妹都市提携30周年を記念し、21日から釜石市を訪れるフランス、ディーニュ・レ・バン市代表団。初日の歓迎レセプションでは、釜石市民らがさまざまな形で歓迎の気持ちを表す。その一つが地元特産のクッキングトマト「すずこま」を使ったウェルカムジェラートの提供。原料となる同トマトは栗林小(八木澤江利子校長、児童30人)の3、4年児童9人が栽培した。4日、代表児童らが市役所を訪れ、これまでの取り組みを小野共市長に報告した。
 
 市長室で行われた報告会には関係者13人が出席。同校から八木澤校長、佐々木貫汰さん(4年)、藤原柚夏さん(同)、三浦莉南さん(3年)が訪れ、栽培を指導した同市地域おこし協力隊の三科宏輔さん、ジェラート製造を担当するかまいしDMC経営企画管理部の臼沢恵美さんが同席した。八木澤校長が写真を見せながら、児童らの取り組みを説明した。
 
報告会では八木澤校長(写真上段左)がこれまでの活動経過を説明した

報告会では八木澤校長(写真上段左)がこれまでの活動経過を説明した

 
すずこまの苗を植えた栗林小の3、4年生(写真提供:栗林小)

すずこまの苗を植えた栗林小の3、4年生(写真提供:栗林小)

 
 5月末、市水産農林課職員から今回のプロジェクトについて説明を受けた児童らは、橋野町ですずこまを栽培する三科さんから教わりながら、すずこまの苗を植え付けた。その後、水やりや支柱立てなど世話を続けると、1カ月ほどで青い実がつき始めた。7月に入ると大きくなった実が赤く色づき、収穫の時を迎えた。7月下旬には自分たちでトマトジェラートづくりに挑戦。収穫したすずこまと一般的なトマトの2種で作り、食べ比べをして味の違いを確かめた。8月末にはすずこまジェラートを製造販売するかまいしDMCから提供されたジェラートを全校児童で試食。プロの味も堪能した。
 
市職員から姉妹都市ディーニュ市のことを聞き、菜園ポットに苗を植えた(写真提供:栗林小)

市職員から姉妹都市ディーニュ市のことを聞き、菜園ポットに苗を植えた(写真提供:栗林小)

 
約1カ月後には実がつき始めた。虫眼鏡も使って熱心に観察(同)

約1カ月後には実がつき始めた。虫眼鏡も使って熱心に観察(同)

 
真っ赤に実ったトマトに感激。自分たちでジェラート作りにも挑戦した(同)

真っ赤に実ったトマトに感激。自分たちでジェラート作りにも挑戦した(同)

 
 水を与えすぎると良くないということで、雨の日には苗を校舎内に移動させるなど気を使って育ててきた児童ら。佐々木さんは「始めはちゃんと育つかなと思ったけど、いっぱい収穫できた」、三浦さんは「見るたびに背が伸びたり実が赤くなったり、大きく成長していてうれしかった。実は甘くて、ジェラートにすると、とてもトマトの味がしておいしかった」、藤原さんは「(今回の取り組みを通して)いろいろな人にすずこまのことを知ってもらいたいと思った。ディーニュ市の人たちにもその味を感じながらジェラートを楽しんでほしい」と望んだ。
 
児童がそれぞれ感想を発表。かけがえのない経験になったよう

児童がそれぞれ感想を発表。かけがえのない経験になったよう

 
 「子どもたちは作物を育てる大変さや楽しさ、自分たちが手をかけたからこそおいしさが倍増する喜びを味わうことができた。保護者や地域の方からは苗の入手先の問い合わせもあり、すずこまへの関心が高まっているよう」と八木澤校長。同校の“すずこまチャレンジ”の様子は、栗橋地区生活応援センター の広報紙「みどり通信」でシリーズ紹介されている。
 
 プロジェクトに協力した三科さんは単に農作物を育てるだけではなく、「みんなで作ってみんなで食べる」過程で得られる、さまざまな学びを大事にする。「他の学校のトマト栽培にもすずこまを採用してもらい、地域の魅力向上、自然教育の機会増につなげていけたら」と今後に期待を寄せる。
 
児童らのチャレンジについて語る地域おこし協力隊の三科宏輔さん(中央)

児童らのチャレンジについて語る地域おこし協力隊の三科宏輔さん(中央)

 
 市が新たな特産品として生産拡大を進める“すずこま”は抗酸化作用のあるリコピンが多く含まれ、加熱調理でうまみが引き出される。かまいしDMCは同市甲子、橋野地区の生産者から提供されるすずこまを使ったジェラートを昨年から販売(夏季限定)。酸味と甘味が絶妙なさわやかな味わいが人気を博している。臼沢さんによると「皮や芯を手作業で取り除き、電子レンジで加熱することで、トマトの青くささを取ることができ、凝縮されたすずこまのうまみがでる」という。栗林小栽培のすずこまは約1キロの収穫があり、これを使ってウェルカムジェラートを作る。
 
 児童らの報告を聞いた小野市長は「ディーニュ市から来るお客様は、(栗林小の)皆さんがトマトを育ててくれたことをとても喜ぶと思う。今回の体験は皆さんにとっても大きな財産になる。古里の良さを感じたり、将来何かを目指すきっかけになるかもしれない」と話し、協力への感謝の気持ちを伝えた。
 
この日はかまいしDMCのすずこまジェラートの試食も。「トマトの味、食感がいいですね」と小野市長

この日はかまいしDMCのすずこまジェラートの試食も。「トマトの味、食感がいいですね」と小野市長

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きっとてっと KITTO TETTO

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「きっと出会う素敵な人 TETTOで繋がる大切なもの」
 
生きているすべての人・もの・自然を大切におもう人が集まり
胸がキュンとするものや、共感できる人や活動に出会えるイベントです。
「きっとてっと」で繋がるいろんなカタチの出会いをどうぞお楽しみください。
 
きっとてっと KITTO TETTO|釜石市民ホールTETTO 公式サイト
 
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プログラム

【1F・2F・広場】ハンドメイド マーケット
県内外の作家さん、ワークショップ、占い、飲食ブース、キッチンカーなど82店舗が集まります!
きっとてっとインスタで出店者様のご紹介をしておりますのでぜひご覧ください!
@kitto_tetto
 
【ギャラリー】 Bambiテラス(キッズスペース)
◆かまいしこども園 子育て支援センターバンビルーム
@kamaishikodomoen.bambiroom
 
【スタジオA】NEW!
\レッツ エンジョイ エクササイズ♪/
自然な動きを呼び覚まそう!未来につながる運動処方!
【講師】フーテンノヨガ フーテンノヨガ
【時間】①10:30-11:30 ②13:30-14:30
【料金】1,000円 各回定員15名 ※イスに座っての参加も可能です!
【持ち物】ヨガマットまたはバスタオル、水分、タオル
【お申込み】釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266
 
【ホールA】 インクルーシブ・シネマ上映会
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 2023年/ カラ―/ 本編116分 (吹き替え)
若きウィリー・ウォンカはいかにしてあのチョコレート工場をつくったのか―。世界的名作
『チャーリーとチョコレート工場』の“夢のはじまり”が今、明かされる。「ハリー・ポッター」シリーズのプロデューサーが超豪華キャスト&スタッフを迎えて贈る、歌と魔法と感動が詰まった心躍るファンタジー超大作!
 
◆ 入場無料(事前申込優先)
◆ 上映時間12:30~14:26 開場12:00 
◆ 全席自由席 1F平土間:限定100席 2F:限定200席
・1Fは車イス・バギーのままでもご入場できるバリアフリーです。
・照明は明るめに設定に、音響も通常の映画館より控えめとなります。
・インクルーシブ社会にご理解いただける方なら、どなたでもご鑑賞できます。
※インクルーシブ社会
障がいの有無や国籍、年齢、性別などに関係なく、互いを認め、共生する社会です。
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インクルーシブシネマ上映会 2024 – Google フォーム
 

開催日

2024年9月8日(日)

開催時間

10:00 〜 15:00

会場

釜石市民ホールTETTO 全館

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催等

【主催】釜石市民ホール、Shifa
【共催】一般社団法人釜石青年会議所、釜石商工会議所青年部、釜石まちづくり株式会社
【協力】社会福祉法人愛泉会かまいしこども園、みやこ映画生活協同組合

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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海から町を見てみよう!釜石中1年生、巡視船で体験航海 海保の仕事 触れて実感

巡視船から港内を見つめる釜石中の生徒。海上保安業務を体験した

巡視船から港内を見つめる釜石中の生徒。海上保安業務を体験した

 
 釜石中(佐々木一成校長、生徒294人)の1年生88人は8月29日、地域を知る総合的な学習の一環として釜石海上保安部(佐々木篤部長)で業務体験学習を行った。業務内容の説明を受け、救助方法・搬送法に挑戦したほか、実際に巡視船にも搭乗し見学。身近にある海に親しみながら、その安全を守る仕事について理解を深めた。
 
 同校では1年生が釜石について学習中。これまでに製鉄体験、ラグビー、漁業・農業などをテーマに学びを深めてきた。今回は「海のまち」に親しんでもらうのを狙いに、釜石市生涯学習まちづくり出前講座に登録されている同保安部が提供するプログラムを活用。2班に分かれ、さまざまな体験に取り組んだ。
 
釜石海上保安部で業務内容について説明を受けた

釜石海上保安部で業務内容について説明を受けた

 
 市魚河岸の釜石港湾合同庁舎では、同保安部総務係の半澤朋幸さん(36)が船舶の安全な航行や治安の確保、海の環境保全、災害への備えなど多岐にわたる業務の概要を説明した。船舶だけでなく、情報通信や設計など陸上で行う仕事、航空に携わる仕事も。「海上保安部は警察、消防、パイロット、一般事務、潜水士などさまざまな職種があり、将来の仕事を決める参考にしてほしい」と強調した。
 
 海上保安官の業務もいくつか体験。火災時や有害気体物質が発生している時に呼吸を確保するために使用する「ライフゼム」と呼ばれる空気呼吸器を装着する体験では空気ボンベやハーネス、マスクなどを背負い、身に付けると総重量15キロほどになり、「重たい」「これで作業するのはきつい」などと声を上げた。毛布を使った傷病者の搬送方法、船をつなぎ留めるときに使う「もやい結び」などロープワークも実践。釣り中に海中転落した際のペットボトルやクーラーボックスを利用した救助方法も学んだ。
 
空気呼吸器の取り扱いについて説明を聞く中学生

空気呼吸器の取り扱いについて説明を聞く中学生

 
海上保安官に教わりながら空気ボンベの装着や搬送方法を実践

海上保安官に教わりながら空気ボンベの装着や搬送方法を実践

 
海中転落時の救助方法やロープワークにも挑戦した

海中転落時の救助方法やロープワークにも挑戦した

 
 すぐ目の前にある釜石港に移動。同保安部所属の巡視船きたかみ(650トン)に乗船し航海に繰り出した。船では出入港の作業を見学。主任機関士の大越和弥さん(30)らの案内でガントリークレーンや湾口防波堤など港湾施設を海上から見つめた。船を進める際に灯台や釜石大観音が目印になっていること、コンテナ船や漁船など大小さまざまな船舶が利用していることも実感。令和元年に発生した台風災害の際、断水で孤立した市内半島部に給水支援を行ったことも聞き、保安官の仕事へ関心を高めた。巡視艇きじかぜの放水も見学。生徒は手を振って感謝を伝えていた。
 
釜石港に停泊する巡視船きたかみで生徒らは航海を体験

釜石港に停泊する巡視船きたかみで生徒らは航海を体験

 
「出港用意」と号令をかける体験も(左上写真)。出港の様子も見守った

「出港用意」と号令をかける体験も(左上写真)。出港の様子も見守った

 
釜石海保職員の説明を聞きながら湾内を巡った

釜石海保職員の説明を聞きながら湾内を巡った

 
 下村篤弘さんは「船にはいろんな機器があって驚いた。知らなかったことを知る貴重な機会になった」と感想。消防士の父親に憧れを持ち、「将来は人の役に立つ仕事を」と考えていて、海保のことも調べてみるという。嶋田芽衣奈さんが印象に残ったのは空気呼吸器の装着体験で、重さや息苦しさを感じたうえ、船上、海上での活動の大変さを想像。安全、命、自然を守る業務にも触れ、「何かあったら、体験した簡単な救助法を生かしたい」とうなずいた。
 
巡視艇の放水を見学し、感謝を込めて手を振る場面もあった

巡視艇の放水を見学し、感謝を込めて手を振る場面もあった

 
海上保安官に質問したり海を守る仕事に関心を示す生徒

海上保安官に質問したり海を守る仕事に関心を示す生徒

 
 同保安部ではこの出前講座のほか、職業体験も受け入れる。「将来なりたい職業」に海上保安官を選択肢の一つとして考えてもらうことが目的。佐々木賢一次長は「少しでも海上保安庁の業務を知ってほしい。海に面した釜石で生活していても海上から港の施設を見る機会はなかなかないと思うので、巡視船に乗って違った視点、立場でまちを観察する面白さも感じてもらえたら」と期待を込めた。

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歌い紡いで10回目 女声合唱「アンサンブル・ル・シエル」コンサート 家族の支えにも感謝

10回目を迎えた「アンサンブル・ル・シエル」のコンサート=1日、TETTO

10回目を迎えた「アンサンブル・ル・シエル」のコンサート=1日、TETTO

 
 釜石市の女声合唱団、アンサンブル・ル・シエル(中村玲代表、12人)の10回目のコンサートが1日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。2013年1月に結成した同団は、働く女性たちが中心メンバー。結婚、出産、子育てとライフスタイルの変化にも柔軟に対応しながら、大好きな合唱を続けている。今回はこれまで歌ってきた思い出の曲を中心にプログラムを組んだ。メンバーらは仲間と歌声を重ねる喜び、支えてくれる家族への感謝の気持ちをかみしめながら、美しいハーモニーを響かせた。
 
 コンサートはゲスト出演のバイオリン演奏を含む4部構成。指導にあたる木下佳子さんの指揮で歌声を届けた。1部はメンバーの思い入れのある5曲を披露。14年3月の初めてのコンサートで歌った「ぜんぶ」、東日本大震災後、歌で日本をつなげようと企画された「歌おうNIPPON」プロジェクトのために書き下ろされた「ほらね、」など心に残る曲を歌った。
 
会場はホールBをロビーとつなげ、誰でも立ち寄れる空間にした

会場はホールBをロビーとつなげ、誰でも立ち寄れる空間にした

 
1部では歌う前にメンバーが曲紹介(写真左)。木下佳子さん(同右)の指揮で息の合ったハーモニーを響かせた

1部では歌う前にメンバーが曲紹介(写真左)。木下佳子さん(同右)の指揮で息の合ったハーモニーを響かせた

 
10年の思い出を胸に心を込めて歌うメンバーら

10年の思い出を胸に心を込めて歌うメンバーら

 
 2部は「NHK連続テレビ小説主題歌 この10年」と題し、“朝ドラ”でなじみの楽曲を聞かせた。「にじいろ」=花子とアン(2014年)から、現在放送中の「虎に翼」の主題歌「さよーならまたいつか!」まで、有名アーティストが歌う5曲を選曲。独唱を交えたステージで楽しませた。最後は、活動開始後に生まれたメンバーの子どもたちがダンスで共演。それぞれの10年が曲とともによみがえった。
 
独唱も交えた2部のステージ。耳なじみの曲で楽しませた

独唱も交えた2部のステージ。耳なじみの曲で楽しませた

 
メンバーの子どもらが出演。元気いっぱいのダンスで花を添えた

メンバーの子どもらが出演。元気いっぱいのダンスで花を添えた

 
 休憩をはさんだ3部は、遠野市でバイオリン教室を主宰し、演奏家としても活躍する伊禮しおりさんのステージ。「タイスの瞑想曲」「情熱大陸」など4曲をプロならではの高度な技術と表現力で聞かせ、観客を魅了した。伊禮さんは震災後、被災した釜石・大槌地区の子どもたちにもバイオリンを教え、犠牲者の慰霊の場でも演奏が披露されている。4部は覚和歌子さん(詩)、横山潤子さん(曲)のコンビによる混声合唱曲集から3曲を披露。「その木々は緑」は伊禮さんがバイオリンでコラボした。
 
ゲストの伊禮しおりさんはバイオリンの独奏のほか合唱曲でも共演(写真上)。ピアノ伴奏は佐々木洋子さん、パーカッションは村井大司さん(同左下)。佐藤裕さんは詩を朗読(同右下)

ゲストの伊禮しおりさんはバイオリンの独奏のほか合唱曲でも共演(写真上)。ピアノ伴奏は佐々木洋子さん、パーカッションは村井大司さん(同左下)。佐藤裕さんは詩を朗読(同右下)

 
4部はメンバー手作りのコサージュを身に着けた

4部はメンバー手作りのコサージュを身に着けた

 
 会場では約80人の観客が聞き入った。2回目の鑑賞という唐丹町の武藤秀郷さん(49)は「すごく溶け合った美しいハーモニーに癒やされた。心が軽くなったよう。子どもたちのダンスもあり、すてきな演奏会だった」と感激。10回目という一つの節目に「大変なこともいっぱいあったと思うが、ここまで続けてこられたのは本当に素晴らしい。ぜひ、これからも回を重ねていってほしい」と願った。
 
 今回のコンサートには、新メンバー3人も出演した。アルトの平松和佳奈さん(21)は釜石高音楽部出身で昨夏入会。「高校の時よりも難しい曲が多くて不安もあったが、先輩方に導かれ、自分も頑張って歌えた。メンバーの皆さんの音楽や歌うことが大好きという気持ちがすごく伝わってきて、それがハーモニーにも表れている」と話す。「これからも地域に根付いた活動で、音楽を通して何か伝えられるような合唱をしていけたら」と平松さん。
 
 現メンバーは半数が市外在住者。結婚や転勤などで釜石を離れても同団で歌いたいと、遠くは花巻市や八幡平市から駆け付ける。練習に参加しやすいように、月に月曜2回、日曜2回と曜日をずらした練習日を設けている。子育てや仕事の関係で、全員そろっての練習はなかなかできないというが、「今回は特にも10回目ということで、本番に向かう集中力が遺憾なく発揮された」と中村代表(41)。
 
素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

 
今回のコンサートの出演者。子どもたちも頑張りました!

今回のコンサートの出演者。子どもたちも頑張りました!

 
 同団メンバーにはこの10年で計9人の子どもが生まれた。活動開始後に結婚、男児の母になった中村代表は「好きな合唱を続けられるのは家族の支えがあってこそ。ありがたみを感じている」と感謝の思いを口にする。最近、同団のインスタグラムも開設した。「若い世代にもぜひ聞きにきてほしい。コンサート情報の発信と合わせ、子どもがいても活動できるということをアピールしていきたい」と話した。
 
 同団は21日、姉妹都市提携30周年を記念して訪問するフランス、ディーニュ・レ・バン市代表団の歓迎レセプションでフランス国歌を歌う予定。

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釜石まんぷくフェス2024

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今年も釜石まんぷくフェス2024を釜石鵜住居復興スタジアムに行われるラグビー釜石絆の日と同時に開催いたします。
 

開催日程

令和6年9月22日(日)、23日(月・祝)9:30~15:00

場所

釜石市鵜住居町釜石鵜住居復興スタジアム

■無料シャトルバス運行します
無料巡回シャトルバスが、釡石駅~釡石中央~魚河岸テラス~鵜住居駅~スタジアムで運行します。

■三陸鉄道に乗ってイベントに行こう!
イベントチラシに付いている三陸鉄道運賃補助券を使えば、会場最寄駅の鵜住居駅までお得に乗車出来ます。

内容

9月22日(日)10時15分~:オープニングセレモニー、餅まき
 

  • 出店エリア
    まんぷくフェス最多の50店舗を超すキッチンカーやテント出店で「まんぷく」間違いなし! 友好交流都市の愛知県東海市、富山県朝日町、東京都荒川区、秋田県横手市などの特産品販売もあります
     
  • 水産まつり
    釡石はまゆりサクラマスの幽庵焼きお振舞い
    各日300食 11:00〜(予定)
     
  • わくわくBBQコーナー
    魚介や肉、野菜がセットになった「釜石味わいセット」の他、会場内で購入した食材でBBQが楽しめます!<45分 3,000円(「釜石味わいセット」込み)>
    ■申込方法
    ①氏名②住所③連絡先④人数を9月13日㈮までに釜石観光物産協会(☎0193-27-8172)までお申し込みください。※当日申し込みも可能ですが、事前予約優先です
     
  • 親子木工教室コーナー
    県産材を使用した大人気の木工教室!
     
  • 働く自動車展
    22日は自衛隊、警察、消防、海上保安部、林業の車両など、23日は建設業や林業の車両を展示します。
     
  • かまいし軽トラ市
    市内の農産物や加工品などを直売!
     
  • 姉妹都市提携30周年記念パネル展
    釡石市とディーニュ・レ・バン市(フランス共和国)の姉妹都市提携30周年を記念して、姉妹都市提携の経緯や、今までの両市の交流についてのパネルなどを展示
     
  • 2024 釜石絆の日
    絆マッチ交流試合のほか、中学生ラグビー交流試合の開催、ラグビー体験コーナーなど楽しいイベント盛り沢山。
     
    ■絆マッチ:22日(日)開場9:30〜 入場無料
    ・11時キックオフ
    いわて釜石ラグビーフットボールクラブ vs 流通経済大学ラグビー部
    ・13時30分キックオフ
    釜石シーウェイブスアカデミー・弘前サクラオーバルズ合同チーム vs 静岡ブルーレヴズ
    ラグビースクール
     
    ■うのスタ運動会:23日(月・祝)10時〜12時
    岩手のプロスポーツチーム、釡石シーウェイブス、いわてグルージャ盛岡、岩手ビックブルズの選手やチア、マスコットと天然芝のグランドでぐるぐるバットやパン喰い競走などさまざまな種目で楽しみましょう!

 
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・共催

主催:(一社)釜石観光物産協会
共催:釜石市、釜石ラグビー応援団、釜石水産まつり実行委員会

お問合せ

(一社)釜石観光物産協会 TEL:0193-27-8172
本部携帯:080-4516-0333(当日のみ)

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(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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次世代につなぐ岩手の3世界遺産 有する市町の児童ら釜石・橋野鉄鉱山で交流「みんなの誇りに」

岩手の3つの世界遺産 児童交流会=8月29日、橋野鉄鉱山

岩手の3つの世界遺産 児童交流会=8月29日、橋野鉄鉱山

 
 鹿児島、奈良両県と並び、国内最多3つの世界遺産を有する岩手県。その地元小学生が互いの遺産への理解を深め、保護意識を育む児童交流会が8月29日、釜石市で開かれた。栗林小(八木澤江利子校長、児童30人)の5、6年生11人が同市の世界遺産「橋野鉄鉱山」を案内。一戸、平泉両町から訪れた3校の6年生19人に、洋式高炉での鉄づくりについて教えた。学校では鋳造体験も行われ、児童らが協力し合って作業。「世界遺産のまち」の絆を結んだ。
 
 同交流会は県文化スポーツ部文化振興課が主催し、世界遺産のある県内3市町で2022年から開始。3回目の本年度は釜石市が会場となった。同市を訪れたのは「御所野遺跡」がある一戸町から一戸南小(若松優子校長、児童70人)の6年生12人と、「平泉(の文化遺産)」の地元、平泉、長島両小の希望者7人(6年生)。橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで開会行事を行い、高炉場跡の見学に出発した。
 
栗林小児童の案内で高炉場跡に向かう一戸南小の児童(青帽子)

栗林小児童の案内で高炉場跡に向かう一戸南小の児童(青帽子)

 
 見学は3班に分かれて実施。ガイド役を務める栗林小の児童が先導し、国内に現存する最古の洋式高炉跡3基を見て回った。栗小児童は、稼働時の高炉の高さや組まれた花こう岩の重さ、石組みが崩れない工夫などを説明。水車でフイゴを動かして風を送り、高炉を稼働させていたこと、採掘場から運ばれた鉄鉱石は加熱し、砕いて高炉に投入していたことなども教えた。高炉の中央に残る炉底塊は出銑時に流れきれなかった鉄がたまってできたもので、栗小児童に促された一戸と平泉の児童らが磁石を近づけてみるとくっついた。
 
二番高炉の石組み。近くの山から切り出した花こう岩が使われている

二番高炉の石組み。近くの山から切り出した花こう岩が使われている

 
各ポイントで高炉稼働時の様子を伝える栗林小の5、6年生

各ポイントで高炉稼働時の様子を伝える栗林小の5、6年生

 
高炉の中央に残る「炉底塊」に磁石をくっつけてみる一戸南小の6年生

高炉の中央に残る「炉底塊」に磁石をくっつけてみる一戸南小の6年生

 
 栗小児童は花こう岩の重さを「メジャーリーガー大谷翔平選手何人分」など、分かりやすいたとえで示したり、4択のクイズを出したりして、遺産を楽しく学べるようにした。一戸南小の小谷地龍之介さんは、御所野遺跡のガイドや清掃活動に取り組む「御所野愛護少年団」の団長。栗小児童のガイドについて「すごく明るくて、クイズも楽しい。僕たちも見習いたいところ」と刺激を受けた様子。橋野鉄鉱山を訪れるのは初めてで、「明治の時代のものがあんなに残っているのはすごいと思う」と話した。
 
作業員に賃金を払う「御日払所」は礎石だけが残る(写真下)。説明に聞き入る一戸と平泉の小学生(同上)

作業員に賃金を払う「御日払所」は礎石だけが残る(写真下)。説明に聞き入る一戸と平泉の小学生(同上)

 
三番高炉の石組みに残るガスを逃がすための穴について説明。周辺では現在、発掘調査を実施中

三番高炉の石組みに残るガスを逃がすための穴について説明。周辺では現在、発掘調査を実施中

 
 栗林小に移動後、昼食をはさんで行われたのが鋳造体験。油砂を木枠に詰め、好きなデザインの鋳型を取り、熱して溶かしたスズを流し込む、金属鋳造の一端に触れられる体験だ。4校の児童はそれぞれ他校の児童とペアを組み作業に挑戦。一部は固まったものをその場で見せた。完成品は後日、児童らに届けられる。
 
栗林小の教室で行われた鋳造体験。2人1組で鋳型を作る

栗林小の教室で行われた鋳造体験。2人1組で鋳型を作る

 
高温で溶かしたスズを型に流し込む作業に興味津々。希望者は液体状のスズをおたまですくってその重さも実感(写真左下)

高温で溶かしたスズを型に流し込む作業に興味津々。希望者は液体状のスズをおたまですくってその重さも実感(写真左下)

 
上段の木枠をはずし、スズが固まった状態を確認

上段の木枠をはずし、スズが固まった状態を確認

 
 長島小の吉家七音さんは他校の児童との交流に「知らない人と話し、友達になれて楽しかった」と、世界遺産がつなぐ縁を喜んだ。「自分たちが住むまちに世界遺産があるのはうれしい。岩手には3つも世界遺産があり驚いた。みんなで守っていかねば」と気持ちを新たにした。
 
 釜石市は日本で初めて洋式高炉による連続出銑に成功した近代製鉄発祥の地で、高炉跡などが残る橋野鉄鉱山は明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)の構成資産の一つとして、2015年に世界文化遺産に登録された。同鉄鉱山は栗林小の学区内にあり、同小児童にとってはより地元感の強い場所。今回の交流会開催にあたり5、6年生は、同年代に遺産価値を伝えるためのガイド活動に初めて挑戦した。1学期の終盤から調べ学習を開始。夏休み明けに市世界遺産室の森一欽室長から話を聞くなどしてガイド内容をまとめ、現地で森室長相手にリハーサルも行って本番を迎えた。
 
 手ぶりを交え、はきはきと説明した中平栞愛さん(5年)は「最初はちゃんとできるか不安もあったけど、いっぱい練習して、本番では自分が伝えたいことを伝えられた。楽しくできたので良かった」と満足そう。他校の児童とも会話を弾ませ、「また、こういう機会があるといい。一戸と平泉の世界遺産にも行ってみたい」と期待を膨らませた。
 
 児童らの“晴れ舞台”を見守った5、6年担任の伊藤知基教諭は「よく頑張った」と称賛。一生懸命ガイドをするだけではなく、「積極的に話しかけ、仲良く交流する姿が見られた」と収穫を口にした。11月に予定される学習発表会では郷土の偉人を絡めた鉄づくりの劇にも取り組むことにしていて、「今回の経験を次につなげてほしい」と願った。
 
プログラムの合間に他校の児童と会話を弾ませる(写真上)。楽しい交流の思い出を心に刻んだ

プログラムの合間に他校の児童と会話を弾ませる(写真上)。楽しい交流の思い出を心に刻んだ

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釜石産食材でフランス家庭料理を! そば粉ガレット…包む“おいしい交流” 姉妹都市30周年で企画

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釜石産のそば粉を使ったガレット作りに取り組む参加者

 
 釜石産食材を使ってフランスの家庭料理を作る体験教室が8月24日、釜石市大町の青葉ビルで開かれた。釜石と同国ディーニュ・レ・バン市の姉妹都市提携30周年を記念した2回シリーズの企画で、最終回となった今回のメニューはそば粉を使った「ガレット」。海外の文化や調理に関心のある市民8人が参加し、香ばしいガレットを味わいながら姉妹都市交流について理解を深めた。
 
 講師は同国・ナンジ出身の佐々木イザベルさん(大船渡市在住)。7月開催の1回目に作った「クレープ」に触れながらガレットを紹介。どちらも薄くのばした生地で具を包む料理だが、小麦粉を使うクレープは“おやつ”という感覚で家庭でもよく作られていて、「クレープの日(2月2日)」もあるとか。ガレットは生地にそば粉を使うが、手に入れるのは難しく、レストランなどで味わう外食メニューだという。甘い具材を包むこともなく「同じようでも、ガレットは食事」と伝えた。
 
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佐々木イザベルさん(左)の実演に見入る参加者

 
 調理は生地作りから開始。参加者は、溶き卵に釜石・橋野町和山高原産のそば粉、釜石鉱山が製造するナチュラルミネラルウォーター「仙人秘水」、塩を加えてペースト状になるまでかき混ぜた。佐々木さんは「少しずつ水を加えた方がやりやすい」「そば粉はかき混ぜると泡が出るが、少なめに」「本場では生地を1時間は寝かす。そうするとおいしくなる」などとポイントを説明した。
 
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そば粉に水を少しずつ加えながら生地作りに取り組む

 
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佐々木さんのアドバイスを受けながら調理に挑む

 
 いよいよ仕上げの“焼き”に挑戦。生地をフライパンに薄く延ばし、ベーコン、チーズ、目玉焼きをのせて包むとガレットが完成した。参加者から「(生地を)たたんで、こっちも(たたんで)…おー、いいじゃん」「おしゃれ~」とうれしそうな声が聞こえてきた。
 
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焼き色がついた生地で具材を包んでガレットを仕上げる

 
 佐々木さんはフランス語も紹介。「ボナペティ(召し上がれ)」と促し、参加者は「セボン(おいしい)」と言葉を返しながら味わった。試食の間には、主催する市国際交流課の東洋平主査が姉妹都市提携の経緯やこれまでの交流を説明。9月にディーニュ市から訪問団がやってくることも伝え、「見かけたら、ボンジュール(おはよう、こんにちは)と声をかけてほしい」と呼びかけた。
 
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ガレットを味わいながらディーニュ市の紹介に耳を傾けた

 
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食を通して交流を楽しんだ佐々木さん(前列中央)と釜石市民

 
 職場仲間だったという60代と70代の女性は「日本の料理はバタバタとやらなければならないことがあってお母さんたちは大変だけど、外国の料理はゆったりとした時間が流れている感じ。生地の焼き上がりを待つ間にお話しができて調理が楽しい」とにっこり。姉妹都市交流について初めて知った様子で、「食べ物を通した体験で興味が湧いた。外国を身近に感じられる」と新たな情報との出合いも楽しんだ。
 
 記念事業は、まだ続く。記念パネル展(9月15~18日・市民ホールTETTO)やディーニュ市訪問団の来釜(同21日~23日予定)に合わせた交流会、ハーバリウムづくり体験なども計画。他にも、市中心地で環境美化活動の実施も予定されており、迎える準備を進める。