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次世代につなぐ岩手の3世界遺産 有する市町の児童ら釜石・橋野鉄鉱山で交流「みんなの誇りに」

岩手の3つの世界遺産 児童交流会=8月29日、橋野鉄鉱山

岩手の3つの世界遺産 児童交流会=8月29日、橋野鉄鉱山

 
 鹿児島、奈良両県と並び、国内最多3つの世界遺産を有する岩手県。その地元小学生が互いの遺産への理解を深め、保護意識を育む児童交流会が8月29日、釜石市で開かれた。栗林小(八木澤江利子校長、児童30人)の5、6年生11人が同市の世界遺産「橋野鉄鉱山」を案内。一戸、平泉両町から訪れた3校の6年生19人に、洋式高炉での鉄づくりについて教えた。学校では鋳造体験も行われ、児童らが協力し合って作業。「世界遺産のまち」の絆を結んだ。
 
 同交流会は県文化スポーツ部文化振興課が主催し、世界遺産のある県内3市町で2022年から開始。3回目の本年度は釜石市が会場となった。同市を訪れたのは「御所野遺跡」がある一戸町から一戸南小(若松優子校長、児童70人)の6年生12人と、「平泉(の文化遺産)」の地元、平泉、長島両小の希望者7人(6年生)。橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで開会行事を行い、高炉場跡の見学に出発した。
 
栗林小児童の案内で高炉場跡に向かう一戸南小の児童(青帽子)

栗林小児童の案内で高炉場跡に向かう一戸南小の児童(青帽子)

 
 見学は3班に分かれて実施。ガイド役を務める栗林小の児童が先導し、国内に現存する最古の洋式高炉跡3基を見て回った。栗小児童は、稼働時の高炉の高さや組まれた花こう岩の重さ、石組みが崩れない工夫などを説明。水車でフイゴを動かして風を送り、高炉を稼働させていたこと、採掘場から運ばれた鉄鉱石は加熱し、砕いて高炉に投入していたことなども教えた。高炉の中央に残る炉底塊は出銑時に流れきれなかった鉄がたまってできたもので、栗小児童に促された一戸と平泉の児童らが磁石を近づけてみるとくっついた。
 
二番高炉の石組み。近くの山から切り出した花こう岩が使われている

二番高炉の石組み。近くの山から切り出した花こう岩が使われている

 
各ポイントで高炉稼働時の様子を伝える栗林小の5、6年生

各ポイントで高炉稼働時の様子を伝える栗林小の5、6年生

 
高炉の中央に残る「炉底塊」に磁石をくっつけてみる一戸南小の6年生

高炉の中央に残る「炉底塊」に磁石をくっつけてみる一戸南小の6年生

 
 栗小児童は花こう岩の重さを「メジャーリーガー大谷翔平選手何人分」など、分かりやすいたとえで示したり、4択のクイズを出したりして、遺産を楽しく学べるようにした。一戸南小の小谷地龍之介さんは、御所野遺跡のガイドや清掃活動に取り組む「御所野愛護少年団」の団長。栗小児童のガイドについて「すごく明るくて、クイズも楽しい。僕たちも見習いたいところ」と刺激を受けた様子。橋野鉄鉱山を訪れるのは初めてで、「明治の時代のものがあんなに残っているのはすごいと思う」と話した。
 
作業員に賃金を払う「御日払所」は礎石だけが残る(写真下)。説明に聞き入る一戸と平泉の小学生(同上)

作業員に賃金を払う「御日払所」は礎石だけが残る(写真下)。説明に聞き入る一戸と平泉の小学生(同上)

 
三番高炉の石組みに残るガスを逃がすための穴について説明。周辺では現在、発掘調査を実施中

三番高炉の石組みに残るガスを逃がすための穴について説明。周辺では現在、発掘調査を実施中

 
 栗林小に移動後、昼食をはさんで行われたのが鋳造体験。油砂を木枠に詰め、好きなデザインの鋳型を取り、熱して溶かしたスズを流し込む、金属鋳造の一端に触れられる体験だ。4校の児童はそれぞれ他校の児童とペアを組み作業に挑戦。一部は固まったものをその場で見せた。完成品は後日、児童らに届けられる。
 
栗林小の教室で行われた鋳造体験。2人1組で鋳型を作る

栗林小の教室で行われた鋳造体験。2人1組で鋳型を作る

 
高温で溶かしたスズを型に流し込む作業に興味津々。希望者は液体状のスズをおたまですくってその重さも実感(写真左下)

高温で溶かしたスズを型に流し込む作業に興味津々。希望者は液体状のスズをおたまですくってその重さも実感(写真左下)

 
上段の木枠をはずし、スズが固まった状態を確認

上段の木枠をはずし、スズが固まった状態を確認

 
 長島小の吉家七音さんは他校の児童との交流に「知らない人と話し、友達になれて楽しかった」と、世界遺産がつなぐ縁を喜んだ。「自分たちが住むまちに世界遺産があるのはうれしい。岩手には3つも世界遺産があり驚いた。みんなで守っていかねば」と気持ちを新たにした。
 
 釜石市は日本で初めて洋式高炉による連続出銑に成功した近代製鉄発祥の地で、高炉跡などが残る橋野鉄鉱山は明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)の構成資産の一つとして、2015年に世界文化遺産に登録された。同鉄鉱山は栗林小の学区内にあり、同小児童にとってはより地元感の強い場所。今回の交流会開催にあたり5、6年生は、同年代に遺産価値を伝えるためのガイド活動に初めて挑戦した。1学期の終盤から調べ学習を開始。夏休み明けに市世界遺産室の森一欽室長から話を聞くなどしてガイド内容をまとめ、現地で森室長相手にリハーサルも行って本番を迎えた。
 
 手ぶりを交え、はきはきと説明した中平栞愛さん(5年)は「最初はちゃんとできるか不安もあったけど、いっぱい練習して、本番では自分が伝えたいことを伝えられた。楽しくできたので良かった」と満足そう。他校の児童とも会話を弾ませ、「また、こういう機会があるといい。一戸と平泉の世界遺産にも行ってみたい」と期待を膨らませた。
 
 児童らの“晴れ舞台”を見守った5、6年担任の伊藤知基教諭は「よく頑張った」と称賛。一生懸命ガイドをするだけではなく、「積極的に話しかけ、仲良く交流する姿が見られた」と収穫を口にした。11月に予定される学習発表会では郷土の偉人を絡めた鉄づくりの劇にも取り組むことにしていて、「今回の経験を次につなげてほしい」と願った。
 
プログラムの合間に他校の児童と会話を弾ませる(写真上)。楽しい交流の思い出を心に刻んだ

プログラムの合間に他校の児童と会話を弾ませる(写真上)。楽しい交流の思い出を心に刻んだ

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釜石産食材でフランス家庭料理を! そば粉ガレット…包む“おいしい交流” 姉妹都市30周年で企画

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釜石産のそば粉を使ったガレット作りに取り組む参加者

 
 釜石産食材を使ってフランスの家庭料理を作る体験教室が8月24日、釜石市大町の青葉ビルで開かれた。釜石と同国ディーニュ・レ・バン市の姉妹都市提携30周年を記念した2回シリーズの企画で、最終回となった今回のメニューはそば粉を使った「ガレット」。海外の文化や調理に関心のある市民8人が参加し、香ばしいガレットを味わいながら姉妹都市交流について理解を深めた。
 
 講師は同国・ナンジ出身の佐々木イザベルさん(大船渡市在住)。7月開催の1回目に作った「クレープ」に触れながらガレットを紹介。どちらも薄くのばした生地で具を包む料理だが、小麦粉を使うクレープは“おやつ”という感覚で家庭でもよく作られていて、「クレープの日(2月2日)」もあるとか。ガレットは生地にそば粉を使うが、手に入れるのは難しく、レストランなどで味わう外食メニューだという。甘い具材を包むこともなく「同じようでも、ガレットは食事」と伝えた。
 
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佐々木イザベルさん(左)の実演に見入る参加者

 
 調理は生地作りから開始。参加者は、溶き卵に釜石・橋野町和山高原産のそば粉、釜石鉱山が製造するナチュラルミネラルウォーター「仙人秘水」、塩を加えてペースト状になるまでかき混ぜた。佐々木さんは「少しずつ水を加えた方がやりやすい」「そば粉はかき混ぜると泡が出るが、少なめに」「本場では生地を1時間は寝かす。そうするとおいしくなる」などとポイントを説明した。
 
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そば粉に水を少しずつ加えながら生地作りに取り組む

 
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佐々木さんのアドバイスを受けながら調理に挑む

 
 いよいよ仕上げの“焼き”に挑戦。生地をフライパンに薄く延ばし、ベーコン、チーズ、目玉焼きをのせて包むとガレットが完成した。参加者から「(生地を)たたんで、こっちも(たたんで)…おー、いいじゃん」「おしゃれ~」とうれしそうな声が聞こえてきた。
 
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焼き色がついた生地で具材を包んでガレットを仕上げる

 
 佐々木さんはフランス語も紹介。「ボナペティ(召し上がれ)」と促し、参加者は「セボン(おいしい)」と言葉を返しながら味わった。試食の間には、主催する市国際交流課の東洋平主査が姉妹都市提携の経緯やこれまでの交流を説明。9月にディーニュ市から訪問団がやってくることも伝え、「見かけたら、ボンジュール(おはよう、こんにちは)と声をかけてほしい」と呼びかけた。
 
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ガレットを味わいながらディーニュ市の紹介に耳を傾けた

 
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食を通して交流を楽しんだ佐々木さん(前列中央)と釜石市民

 
 職場仲間だったという60代と70代の女性は「日本の料理はバタバタとやらなければならないことがあってお母さんたちは大変だけど、外国の料理はゆったりとした時間が流れている感じ。生地の焼き上がりを待つ間にお話しができて調理が楽しい」とにっこり。姉妹都市交流について初めて知った様子で、「食べ物を通した体験で興味が湧いた。外国を身近に感じられる」と新たな情報との出合いも楽しんだ。
 
 記念事業は、まだ続く。記念パネル展(9月15~18日・市民ホールTETTO)やディーニュ市訪問団の来釜(同21日~23日予定)に合わせた交流会、ハーバリウムづくり体験なども計画。他にも、市中心地で環境美化活動の実施も予定されており、迎える準備を進める。

第33回 釜石よいさ

第33回 釜石よいさ

第33回 釜石よいさ

 

 昨年、4年ぶりに開催された「第32回釜石よいさ」に際しましては、現在を取り巻く社会状況と、今後の継続を見据えた開催場所及び時期の変更という試みに、ご理解とご協力を賜りましてありがとうございました。
 
 これまでとは勝手が異なる状況の中、コロナ前と変わらずに弾けたたくさんの笑顔に、開催休止を乗り越えて繋いで来られたことの意義を実感し、ご参加くださった皆様から寄せられた様々な声により、新しいチャレンジへの手応えや課題を認識することが出来ました。
 
 今年の「第33回釜石よいさ」も、引き続き釜石鵜住居復興スタジアムにて開催いたします。
 併せて、昨年は「アフターよいさ」の形で実施したよいさと連携した賑わい展開を、今回は「よいさ前夜祭」として開催することとしました。鵜住居スタジアムにも市民ホールTETTOにもたくさんの笑顔の輪が広がり、活気があふれる2日間となることを楽しみにしています。
 
 この先をしっかり見据えながら今をめいっぱい楽しめる催しを作り上げていくことができるのは、参加して楽しんでくださる皆様や、多くの方々からのご協賛やご協力のおかげです。
 33回目の釜石よいさを盛大に迎えられますことに感謝いたします。

第33回釜石よいさ(鵜住居)

2024年9月15日(日) 13:00~16:00
会場:釜石鵜住居復興スタジアム
 
=11:30開場=
11:30 「フードコーナー」オープン
12:00 「おまつり広場」オープン
=第33回釜石よいさ=
13:00 オープニングアクト -桜舞太鼓-
13:20 実行委員長あいさつ~開会宣言
13:25 こどもよいさ
13:50 「ちあ釜」フラッグパフォーマンス
13:55 お囃子隊&よいさ小町お披露目~前囃子
14:00 釜石よいさ①
14:25 虎舞 -只越虎舞-
14:45 プロモーションタイム
14:50 釜石よいさ②
15:15 佐野よりこ民謡ライブ
15:25 スタコラ音頭withよいさ小町
15:35 釜石よいさ③
16:00 フィナーレ
16:45 フードコーナー/おまつり広場 営業終了
 
「フードコーナー」
キッチンカーや飲食店(テント出店)など、釜石市内外から約20店が集結!
ラグビーなどのイベントでおなじみの逸品ほか、多彩なメニューをお楽しみいただけます。
 
「おまつり広場」
どなたでもお楽しみ頂ける縁日コーナーはもちろん、昨年大好評だった“ふわふわクジラの水族館”(エアトランポリン)が今年も登場!オリジナルタオルの販売やスタンプラリーも実施予定です。
 
≪駐車場について≫
スタジアム東駐車場を一般駐車場として開放します(半分は参加団体専用エリアとなります)。
このほか、スタジアム周辺に臨時駐車場をご用意します。

釜石よいさ前夜祭(大町)

2024年9月14日(土) 17:30~19:30
会場:釜石市民ホールTETTO前広場
 
=17:15開場=
17:15 「前夜祭立ち飲みテラス」オープン(雨天時は営業しません)
=釜石よいさ前夜祭=
17:30 オープニング -釜石小唄-
17:40 実行委員長あいさつ
17:45 初よいさ!デビュー祝い <※1>
18:00 みんなdeよいさ(踊りのレクチャー)
18:10 よいさ輪踊り① <※2>
18:30 佐野よりこ民謡ライブ
18:40 餅まき「クイズde餅まき413」
19:00 参加団体PRコーナー
19:10 よいさ輪踊り② <※2>
19:30 終了
 
※1 初めて釜石よいさに参加する団体のご紹介とプレゼント企画
※2 お囃子はCD音源での実施です
 
≪駐車場について≫
釜石大町駐車場をご利用ください <30分無料/以後1時間ごとに100円>
(イオンタウン釜石の駐車場はイオンのお客様専用です)

主催

釜石よいさ実行委員会

 

昨年の模様(釜石新聞NewS)
https://en-trance.jp/news/kamaishishinbun-news/37232.html

釜石よいさ公式サイト
https://www.yoisa.jp/

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさは釜石の夏の風物詩として市民から親しまれているお祭りです。

問い合わせ:080-1194-0413 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

pit

釜石PIT 2024年9月のスケジュール

 

釜石PITの9月のスケジュールです。
太字で表示されているイベントは一般の方も参加できます。イベントに関するお問い合わせは、各主催者までお願いいたします。
 
施設に関する詳細はこちらのページをご覧ください。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT FC琉球戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT FC琉球戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT  FC琉球戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第27節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs FC琉球

日時

2024年9月7日(土) 18:00 キックオフ
開場 17:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

koho1839thum

広報かまいし2024年9月1日号(No.1839)

koho1839
 

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広報かまいし2024年9月1日号(No.1839)

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【P1】
表紙

【P2-3】
イベント案内

【P4-5】
イベント案内

【P6-9】
『釜石市文化財保存活用地域計画』が文化庁長官の認定を受けました 他
まちのお知らせ

【P10】
釜石市国際外語大学校(愛称:かまこく)って?

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024083000052/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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釜石港にもサンマ!第1船、秋味運ぶ 出足「まずまず」 去年上回る量も…厳しさ続く

釜石港に今シーズン初水揚げされたサンマ

釜石港に今シーズン初水揚げされたサンマ

 
 釜石市の新浜町魚市場に8月29日朝、今シーズン初となるサンマ船1隻が入港し、約26トンを水揚げした。昨年の初船と比べると1カ月以上早い到着で、量も約4倍と上向きに。重さは100グラム程度が中心で、「まずまず」「サイズ感がまだ…」と市場の反応はさまざまだったが、季節感を運ぶ味覚の到来に浜は活気づいた。
 
新浜町魚市場に接岸する第68善龍丸を関係者が見守った

新浜町魚市場に接岸する第68善龍丸を関係者が見守った

 
 水揚げしたのは、富山県魚津市の大型サンマ船「第68善龍丸」(199トン、大高真澄漁労長、17人乗り組み)。北海道東方の公海上で操業し、2昼夜をかけて釜石まで運んできた。重さは小ぶりのものが多いが、140グラムのものも交じり、価格は1キロ当たり800~1200円で取引された。
 
 この日は小野共市長らも駆け付け、飲み物を差し入れて船を歓迎。大高漁労長(44)は「走りとしてはまずまず。大きさも去年に比べればいい」と話しつつ、今後の漁については「魚次第」ともどかしい気持ちもこぼす。漁期は12月まで。「できるだけ長く操業したい。魚がいてくれれば」と望みを持つ。
 
乗組員たちの連係プレー。船から網で水揚げ

乗組員たちの連係プレー。船から網で水揚げ

 
大高真澄漁労長(左)に飲料水を手渡す小野共市長

大高真澄漁労長(左)に飲料水を手渡す小野共市長

 
 大部分を買い取った新浜町の水産加工会社「平庄」の平野隆司社長(48)は「昨年に比べて量はいいが、サイズ感はまだ小さい。今後、多少大きくなるだろうが、これ(小ぶりな魚)が主流になるかもしれない」と独自の見解。「漁場が日本に近い」とも聞いていて、早い時期の水揚げに「期待感はある」とうなずいた。
 
 漢字では「秋刀魚」と表記されるサンマ。その字のごとく“秋の訪れ”を感じさせるかと思いきや、全国的な暑さは釜石でも残っていて、水揚げ作業を繰り返す乗組員、仕分け作業に精を出す市場や水産会社の関係者は汗だく。そんな“熱気”を加えた秋味は関東方面に鮮魚出荷された。一部は釜石市内のスーパーや魚屋の店頭にも。平野社長も「旬の魚をご賞味ください」と促す。
 
網で釣り上げ、魚市場に運ぶ作業を何度も繰り返す

網で釣り上げ、魚市場に運ぶ作業を何度も繰り返す

 
釜石に初物をお届け。網を持つ手にも力が入る

釜石に初物をお届け。網を持つ手にも力が入る

 
重さなどで分別する関係者のかけ声で浜が活気づく

重さなどで分別する関係者のかけ声で浜が活気づく

 
 釜石港の2023年のサンマ水揚げ量は339トン(取引額約1億3000万円)。22年と比べると量は67%増(同4%増)となったものの、不漁が顕著になる前の18年の13%程度にとどまり、厳しい状況は続く。