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子どもも大人も!みんなの「うのたみ食堂」でワイワイ交流 釜石・鵜住居地区で初開設

初開催の「うのたみ食堂」で食事を楽しむ参加者

初開催の「うのたみ食堂」で食事を楽しむ参加者

 
 釜石市の鵜住居地区民生委員児童委員協議会(小澤修会長)は24日、同市鵜住居町の鵜住居公民館で子ども食堂を開いた。食事はもちろん、遊びや防災グッズの工作を楽しんだ参加者。学校が長期休みに入ったこともあり、「夏を目いっぱい楽しむぞー」と元気だ。子ども食堂は市内の他地区で取り組みが先行しているが、同地区では初開催。運営方法や行事内容、食事の献立、食材の調達など手探りながらの“お試しプレ企画”だったが、地元企業が食材を提供したり地域連携の機会として可能性を広げた。
 
 鵜住居小の夏休み合わせて企画し、児童約40人が公民館に集まった。お楽しみ会として用意された遊びはパラスポーツのボッチャ。協力団体として参加する地域会議や公民館職員、市社会福祉協議会の関係者らも加わり、学年や世代を超え、歓声を上げながら競技に熱中した。
 
ボッチャに挑戦する子どもたち。「あれれー」

ボッチャに挑戦する子どもたち。「あれれー」

 
明暗分かれる…真剣勝負には子どもも大人もなし

明暗分かれる…真剣勝負には子どもも大人もなし

 
 東日本大震災や防災を学ぶ時間も。同地区の主任児童委員市川淳子さん(60)が、地域のお盆恒例行事の復活を描いた絵本「ぼんやきゅう」(ポプラ社、文/指田和、絵/長谷川義史)を読み聞かせした。箱崎白浜地区に住み、被災や避難所生活の経験を伝え、紙皿を使った、こまづくりも紹介。ペットボトルのキャップとストローを使った遊び、新聞紙でつくる即席スリッパを見せながら、「大変な時でも楽しいことを見つけられるんだよ」と子どもたちに語りかけた。
 
市川淳子さん(右)による絵本の読み聞かせを楽しむ児童

市川淳子さん(右)による絵本の読み聞かせを楽しむ児童

 
 昼食は、協議会の会員や公民館で活動する男の手料理教室のメンバーらが手作りした冷やしうどん、サケフレークなどを混ぜ込んだおにぎりを無料で提供した。麺のトッピングとして用意されたワカメは地産地消の箱崎白浜産。米は協議会員の知人から寄せられた熊本県産を使った。
 
おいしいものを味わってもらおうと住民が協力して調理

おいしいものを味わってもらおうと住民が協力して調理

 
「はい、どうぞ」。高学年の児童が料理運びをお手伝い

「はい、どうぞ」。高学年の児童が料理運びをお手伝い

 
 添えられた唐揚げは子どもたちに大人気。1人2個としていたが、澤本大吾さん(1年)は追加を希望して「おいしい」とうれしそうに頬張った。佐々木萌彩(めいあ)さん(6年)は「みんなとワイワイご飯を食べたりできてうれしい。ボッチャでボロ負けしたからリベンジしたい。夏休みの行事はまだあるし、目いっぱい楽しみたい」と笑顔を見せた。
 
口を大きく開けてパクリ。唐揚げを頬張る子ども

口を大きく開けてパクリ。唐揚げを頬張る子ども

 
ずらりと並んだ唐揚げ。おいしさに子どもたちの箸も出る

ずらりと並んだ唐揚げ。おいしさに子どもたちの箸も出る

 
 唐揚げを提供したのは、栗林町に養鶏農場がある鶏肉生産加工販売業オヤマ(本社・一関市)。「からあげグランプリ」で最高賞を複数回獲得する自慢の味わいを知ってもらおうと、「室根からあげ」を200個(100人分)用意した。
 
 この日は、同社の小山達也常務取締役(48)が足を運んで、児童らと交流。岩手県内の自社農場で鶏を育て生産者の顔が見えること、食材のおいしさを上乗せする味付けの秘密などを教えたりした。たくさんの喜ぶ顔に感激した様子で、「釜石には水産だけでなく、畜産もあると知ってもらえたら。次回は、地元の食材とコラボした釜石産ブランド『釜から』を持ってくるよ」と約束。養鶏を通した町おこし、食育への意欲も口にした。後日、平田地区と小佐野地区で開かれた子ども食堂でも唐揚げを振る舞った。
 
「からあげー、イエーイ!」と喜ぶ児童と小山達也常務

 「からあげー、イエーイ!」と喜ぶ児童と小山達也常務

 
 鵜住居地区は震災後、新たに建った学校を中心に地域交流を進めてきたが、新型コロナウイルス禍で行事参加が見送られたことで、「顔つなぎ」の機会が減っていた。昨年から他地区で子ども食堂が開かれ、鵜住居でも同協議会の会員間で機運が高まり事業を計画。今回は低予算で継続できる形をつかむための試行だったが、小澤会長(74)は「うまく手分けしてできたと思う。子どもたちに大人たちの顔を覚えてもらう機会にし、声をかけ合える地域づくりにつながればいい」と会場を見回した。
 
子どもたちの笑顔に小澤修会長も頬を緩ませる

子どもたちの笑顔に小澤修会長も頬を緩ませる

 
 鵜住居地区の子ども食堂は「うのたみ食堂」と銘打つ。集う“鵜住居の民”と主催する“鵜住居の民生委員”から文字をとった。来年度は、子どもだけでなく地域住民を対象にして世代間交流の場として実施する予定だ。

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「第2回 かまいし五百円市」の出店者を募集します

「第2回 かまいし五百円市」の出店者を募集します

 

釜石まちづくり(株)では、2024年9月7日(土)「第2回かまいし五百円市」 (以下、五百円市) を開催します。販売商品を全て500円とするフリーマーケットやバザーのような形態で、 “500円均一フリマ”と言ったイメージです。

 

例えばこのような商品の出品を想定しています・・・
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイド商品、お菓子などの食品・・・・などなど、価格を500円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 

均一価格のため販売益は限定されるかもしれませんが、以下のような点に意義を見出して下さる皆様のご出店を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり
・ハンドメイド作品などの販売機会 
など

 

各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしています(個人での出店も可能です)。

 

開催概要

日時:2024年9月7日(日)10:00~14:00
(出店者エリアは屋根下の広場以外に拡張する可能性がございます)
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場ほか
主催:釜石まちづくり(株)
キャッチコピー: 「500円玉でお宝発掘!」

 
◇同日、同会場では下記のイベントも開催予定です。
・第31回釜石ふれあい福祉まつり (釜石市民ホールTETTOほか)
※ふれあい福祉まつりの物販会は五百円市と異なりますのでご注意ください
※詳細については釜石情報ポータルサイト「縁とらんす」イベントページ等での情報更新をお待ちください

 

出店の基本情報

◎全ての商品を以下の価格で販売すること
・500円(税込)
◎下記の品数をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
 ・30個以上
◎「出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい。

 

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は以下となります
・1,000円
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の気候対策等をお願いします
◆出店者には、釜石大町駐車場の24時間駐車券(通常800円)を500円にて斡旋いたします(団体の場合は駐車台数分の購入OK)
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

 

取扱い禁止商品

以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします
 
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品(キッチンカーを除く)、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引
 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

 

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
●釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内による場合は直接担当社員まで
●それ以外の場合は、下記のいずれかの方法でご送付ください
・釜石まちづくり(株)FAX: <0193-27-8331>
・担当者メールアドレス: s-sugawara@kamaishi.co.jp (菅原)
※FAXやメールでのお申込みが難しい場合は「釜石情報交流センター(釜石市大町1丁目1−10)」の受付にお越しいただき、出店申込希望の旨をお伝えください。

 

《申込み締切》 2024年8月18日(日)
 

問合せ等については、同様に担当社員にご連絡いただくか、釜石まちづくり(株)TEL <0193-22-3607> までお願いします。

出店概要&申込書

「第2回 かまいし五百円市」の出店概要&申込書
PDF版(1.1MB) / Word版(287KB)

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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令和6年度釜石市戦没者追悼・平和祈念式

令和6年度釜石市戦没者追悼・平和祈念式
 
太平洋戦争をはじめ過去の戦争において犠牲となられた戦没者及び戦災殉難者の御霊をお慰めし、再び惨禍を繰り返すことのないよう、恒久平和の確立を祈念するため、戦没者追悼・平和祈念式を執り行います。
 

式典概要

開催日時

令和6年8月9日(金) 午前11時から
(受付開始午前10時から)

場所

釜石市民ホールTETTO (釜石市大町1-1-9)

対象

どなたでも参列できます。

主な内容

黙とう、式辞、追悼のことば、朗読、献唱、献花など
※今年度初めての取組として、読書サポーター「颯(かぜ)・2000」のメンバーによる紙芝居『釜石の艦砲射撃』の朗読があります。

 

ご参列される方へ

 

  • 一般参列者の方は事前申し込みは不要です。
  • 献花用の花は会場に用意します。
  • 服装は、礼服・平服どちらでも構いません。
  • 会場には駐車場がありませんので、公共交通機関でお越しいただくか、近隣の有料駐車場をご利用ください。

※臨時バスによる送迎は行いません。

式典終了後の献花

 
式典時間までに参列できないご遺族及び一般の方が献花できるよう、式典会場内の献花台は午後1時まで設置しています。

展示

 
戦争の悲惨さを継承し、記憶を伝える取り組みとして、太平洋戦争及び釜石艦砲射撃の関連資料を会場に展示します。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 保健福祉部 地域福祉課
〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
電話 0193-22-0177 / FAX 0193-22-6375 / メールでの問い合わせ
元記事:
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024071800015/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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迅速な人命救助(救急、水難)で釜石市民5人を表彰 釜石大槌地区消防本部から感謝状

人命の救急救助の功績で消防協力者感謝状を受けた(前列右から)佐藤眞紀子さん、山崎庄太郎さん、前川清史さん、臺吉克さん

人命の救急救助の功績で消防協力者感謝状を受けた(前列右から)佐藤眞紀子さん、山崎庄太郎さん、前川清史さん、臺吉克さん

 
 釜石大槌地区行政事務組合消防本部(駒林博之消防長)は24日、郷土芸能の練習中に倒れた男性と、釣り中に海に転落した男性を救助したとして、釜石市の男女5人に感謝状を贈った。いずれも迅速な対応で、救助された2人は一命をとりとめた。
 
 感謝状贈呈式は同市鈴子町の釜石消防庁舎で行われ、対象者4人が出席した。駒林消防長が感謝状を手渡し、人命救助への協力に謝意を示した。
 
贈呈式で感謝状を受け取る表彰対象者ら

贈呈式で感謝状を受け取る表彰対象者ら

 
 平田神楽保存会の佐藤眞紀子さん(54)、松澤恵里子さん(53)、山崎庄太郎さん(60)、前川清史さん(61)は、4月27日午後7時から平田集会所で神楽の練習をしていたところ、踊っていた60代男性が突然倒れ、意識と呼吸がない状態に。顔色も変わってきて緊急を要する事態に、4人が声を掛け合って救助にあたった。佐藤さんが119番通報、山崎さんは集会所に備え付けてあったAED(自動体外式除細動器)を取りに行き、前川さんは男性に呼び掛けたり顔をたたいたりして意識の回復を試みた。心臓マッサージ(胸骨圧迫)も行い、到着したAED を松澤さんが操作。1回目の除細動の直後、男性は目を開け声も発した。4人の連携で、救急隊員が到着する前に意識を取り戻した。
 
 対応した4人は職場などで心肺蘇生法の講習を受けていて、消防団員の松澤さんは教習のための講習も受けていたという。前川さんは「仲間が助かって本当に安心した。近くにAEDがあったこと、4人とも心肺蘇生の講習を受けていたことも大きい」と話した。
 
 水難事案で表彰された箱崎町の臺吉克さん(69)は6月24日午後8時50分ごろ、仮宿漁港の防波堤で釣りをしていた男性が誤って海に転落した際に自らの船を出し、男性の発見と救助に貢献した。男性は1人でいて、転落時、自分の携帯電話で警察に通報したが、途中で通話が切れた。警察からの情報で、消防指令センターから仮宿在住の非番の消防職員に状況確認を要請。臺さんは職員と一緒に捜索、救助を行った。
 
駒林博之消防長(左上)が人命救助への協力に感謝の気持ちを伝えた

駒林博之消防長(左上)が人命救助への協力に感謝の気持ちを伝えた

 
 駒林消防長は「いずれも救急隊、救助隊が到着する前に迅速に対応していただき、大事に至ることがなかった」と深く感謝。「今後も消防活動への理解と協力を」と願った。

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開設10年 かまいしこども園が感謝の夏まつり 震災後の支援者らもお祝い 再会の笑顔花開く

かまいしこども園開設10年記念夏まつり=20日、市民ホールTETTO

かまいしこども園開設10年記念夏まつり=20日、市民ホールTETTO

 
 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児80人)は本年度、開設から10年目を迎える。前身の釜石保育園(大渡町)が2011年の東日本大震災津波で全壊。甲子町松倉の旧釜石南幼稚園園舎を借り保育を続けた同園は15年、幼保連携型認定こども園として、現在地で新たなスタートを切った。これまで同園を支えてきた人たちに感謝の気持ちを伝えようと、園は19、20の両日、記念イベントを開いた。
 
 19日は園舎で「にじいろわくわくこどもえんまつり」と銘打って、施設見学会を実施。震災後に支援してくれた市内外の人たちや交流のある地域住民らを招いて、園内の様子を公開した。園児らははんてん姿で来園者をおもてなし。手作りチケットを配り、ホールに設けた縁日広場で“お客様”に楽しんでもらった。綿あめ、ポップコーン、かき氷、ヨーヨー釣り…など各ブースで園児らが力を発揮。情操教育の一環で取り組む茶道のお点前も披露し、抹茶を振る舞った。
 
園舎で行われた「にじいろわくわくこどもえんまつり」。園児らが縁日広場で来園者をもてなした=19日

園舎で行われた「にじいろわくわくこどもえんまつり」。園児らが縁日広場で来園者をもてなした=19日

 
来園した高齢者施設の利用者、職員と交流する園児。笑顔の輪が広がる

来園した高齢者施設の利用者、職員と交流する園児。笑顔の輪が広がる

 
 この日は、ハロウィーンや花の日の訪問活動で交流のある大町の高齢者施設、やかた(看護小規模多機能ホーム、グループホーム、デイサービス)から利用者8人も来園。園児らと触れ合った。菅原満子さん(85)は「ほんとにかわいいねぇー。おいしい抹茶までいただいた。今は子どもが少ないからね。とっても楽しかった」と顔をほころばせた。
 
 神奈川県川崎市の自由業、島田弘一さん(57)は震災後の支援活動で同園とつながり、今も年に数回、足を運び続ける。「子どもたちは相変わらず元気で楽しそう。大人もそういう子どもたちに励まされて元気になっていくのかな」。震災後の11年7月に初めて釜石入り。津波の痕跡がまだ色濃く残る時期を目にしていて、姿を変えた今のまちにも目を見張る。「『いつでもおいで』と温かく迎えてくれる人たちがいるからこそ、不安なく来られる。今後もお手伝いできることがあれば…」と話す。
 
昼にはお祭りメニューの給食をバイキングで…。楽しい雰囲気に箸も進む

昼にはお祭りメニューの給食をバイキングで…。楽しい雰囲気に箸も進む

 
 20日は市民ホールTETTOと釜石PITで夏まつりを開催した。園児も虎舞を習う釜石虎舞保存連合会がオープニングを飾った。ホール前広場にはキッチンカーなどが並び、軽食や飲み物を販売。ホールBなどにさまざま遊び、工作、ゲームコーナーが用意され、子どもたちが楽しんだ。同園に併設される子育て支援センター「バンビルーム」の活動紹介コーナーも。PITではこれまでの歩みを記録した写真やポスター、新聞記事の展示、映像上映も行われた。
 
20日の夏まつりは威勢のいい釜石虎舞で幕を開けた

20日の夏まつりは威勢のいい釜石虎舞で幕を開けた

 
開始から多くの来場者でにぎわう会場=TETTO前広場

開始から多くの来場者でにぎわう会場=TETTO前広場

 
工作やゲームなど楽しい体験がいっぱい!子どもたちを喜ばせた

工作やゲームなど楽しい体験がいっぱい!子どもたちを喜ばせた

 
 会場には現園児と保護者、卒園児のほか、地域住民や震災後の同園を支え続けてきた多くの支援者らが足を運んだ。1歳半から同園に通った内山銀さん(双葉小6年)は「お祭り気分で楽しいし、園で一緒だった友達にも久しぶりに会えてうれしい」と笑顔。母早苗さん(33)は「松倉の仮園舎の時に入園し、今のこども園に移った。大変なこともあったが、園の行事も豊富で(子どもは)すごく楽しそうに通っていた。両方の思い出がたくさんある」と懐かしんだ。
 
松倉の仮園舎時の夕涼み会で歌を披露したボランティアも駆け付けた

松倉の仮園舎時の夕涼み会で歌を披露したボランティアも駆け付けた

 
親子で楽しい時間を満喫。夏の思い出の1ページに… 

親子で楽しい時間を満喫。夏の思い出の1ページに…

 
 岩手県私立保育連盟の髙橋学会長(盛岡市、下太田保育園園長)は、仮園舎や台風被害を受けた現園舎に見舞いに駆け付けた当時を振り返りながら、「藤原園長は子どもたちのためだけではなく、先生方、地域の人のためにと頑張ってこられた。特に沿岸は子どもの減少が進むが、地域に若い夫婦が居つくためには保育施設がないといけない。困難を乗り越え、存続してきた同園をこれからも応援していきたい」と話した。
 
園の歩みを紹介する展示コーナー。懐かしい写真、映像などが公開された=釜石PIT

園の歩みを紹介する展示コーナー。懐かしい写真、映像などが公開された=釜石PIT

 
天神町の「かまいしこども園」園舎。近くには市庁舎や復興住宅がある

天神町の「かまいしこども園」園舎。近くには市庁舎や復興住宅がある

 
 被災、仮園舎での保育、こども園としての園舎再建、コロナ禍…。震災後の13年を振り返る藤原園長は、これまでの数えきれない支援に「みんなにありがとうしかない」と深く感謝。会場に足を運んだ卒園児がすくすく育っている姿にも感激し、「園にいた時の保育、教育が少しでも今の成長に役立ってくれているならうれしい」と話した。今回のイベントは若い職員に園の歩みを理解してもらう機会にもなった。「いろいろな人が関わってくれて、助けられてここまできたことを知ってほしい。今回、みんなが頑張ってくれたことで新しいつながりが生まれ、また前に進んでいける。職員一同、力を合わせ、次の歴史を築いていければ」と未来を見つめた。

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ラジオって作れるの!? 子どもらの好奇心を刺激 釜石海保、無線の仕組みを知る工作教室

釜石海上保安部が開催した工作教室で、手製のラジオを手に笑顔を見せる子どもたち

釜石海上保安部が開催した工作教室で、手製のラジオを手に笑顔を見せる子どもたち

 
 釜石海上保安部(佐々木篤部長)は20、21日、釜石市魚河岸の同保安部でラジオ工作教室を開いた。海の安全を守る業務などに欠かせない無線の仕組みを学んでもらおうと初企画。小学校中・高学年対象だったが、科学やものづくりに関心がある低学年の児童や中学生も市内外から参加した。「あんな構造で音が聞こえるの?」という不思議に触れた子どもは、2日間で計21人。目には見えなくても身近なところにある電波とその利用についても興味を深めた。
 
 教室には、一般財団法人日本航路標識協会(東京都)、日本無線(同)、サンコーシヤ(同)が協力する。21日は釜石市内の児童を中心に10人とその保護者ら約20人が参加。初めに、釜石海保の担当者が▽船舶交通の安全を守る▽命を守る海難救助▽青い海を守る環境保全活動―など「海の警察官」としての業務を説明した。学校の夏休み期間になることから海水浴での事故を防ぐための注意点も強調。夏場の気象にひそむ危険の一つ、雷の発生や落雷から身を守るすべをサンコーシヤの関係者が解説した。
 
海の安全を守る仕事、雷や電波の話に耳を傾ける参加者

海の安全を守る仕事、雷や電波の話に耳を傾ける参加者

 
 落雷のエネルギーに触れて電気、電流とのキーワードを得て、いよいよ無線、電波の話。講師は日本無線の社員が務め、船舶に搭載されたレーダーや交通系IC乗車券などを紹介しながら「電気の信号、電波は身近なところで使われている」と伝えた。電波の利用を感じられるものとして挙げたのがラジオ。待ち構えた子どもたちが工作に挑んだ。
 
ハンダごてを使ってラジオ作りに挑戦する子どもたちを大人がサポート

ハンダごてを使ってラジオ作りに挑戦する子どもたちを大人がサポート

 
 つくるのは日本無線がこの工作教室のために用意する「AM/FM 2バンドラジオ」。子どもらはハンダごてを持ち、回路基板に放送局の切り替えを行うダイヤルなどの部品を付けていった。慣れない手つきだったが徐々にコツをつかんで、1時間ほどで完成。イヤホンを付け、ダイヤルを回して探っていると雑音の中からラジオ放送が聞こえてきて、子どもは笑顔を広げた。
 
基板に細かな部品を差し込んでハンダ付けする作業を繰り返す

基板に細かな部品を差し込んでハンダ付けする作業を繰り返す

 
電波を受け取る部品づくり。エナメル線を何重にも巻いた

電波を受け取る部品づくり。エナメル線を何重にも巻いた

 
 市内の阿部理央さん(10)は「はんだを溶かして付けるのが少し難しかった。ドキドキしながら作ったけど、音がちゃんと聞こえてうれしかった。ラジオってあんな構造なんだ」と学びを深めた。印象に残ったのは雷の話。目に見えていない電流についても興味を持った様子で、「夏休みの自由研究のテーマを決めていなかったから、ヒントになった」と思考を巡らせた。
 
ハンダ付けに挑む子どもの手元を見つめる保護者の視線も真剣

ハンダ付けに挑む子どもの手元を見つめる保護者の視線も真剣

 
完成したラジオから音が聞こえてくると参加者は笑顔になった

完成したラジオから音が聞こえてくると参加者は笑顔になった

 
 日本航路標識協会の佐々木忠男常務理事・事業部長は元海保職員だったといい、東日本大震災発生時に電話回線が不通となる中、漁業無線が災害対応に貢献した事例を紹介。「いざという時に命を守るためには情報を発信すること、集めることが重要になる」と、子どもらに防災の視点も植え付けた。
 
 釜石海保の美野重和交通課長は「無線、電波をフル活用して業務にあたっている。電波は身近にあることに気づいて、無線の仕組みをさらに勉強してもらえたら。いつかは日本の技術者に。そして、誰かを、何かを助けることをやりたいと考えている若い子たちの将来の視野を広げる機会になれば。ぜひ仲間入りを」と期待を込めた。

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力を結集!核兵器のない未来へ 高校生平和大使の釜高生ら署名活動 「釜石艦砲」記憶つなぐ

核兵器廃絶を求める署名への協力を呼びかける釜石高生

核兵器廃絶を求める署名への協力を呼びかける釜石高生

 
 国際社会に平和な世界の実現を訴える「高校生平和大使」に本年度、釜石市から佐藤凛汰朗さん(釜石高2年)が選ばれた。岩手県内各地で核兵器廃絶を求める「高校生一万人署名活動」を展開中。太平洋戦争で釜石が受けた最初の艦砲射撃から79年の14日には、市内中心市街地で声を上げた。
 
 「ビリョクだけれど、ムリョクではない。署名活動によるつながり、結びつきが、やがて核兵器廃絶や戦争のない平和な社会を実現する大きな力になると信じる。協力を」
 
 「釜石艦砲」犠牲者の冥福を祈る黙とうを呼びかける防災行政無線のサイレンが市内に響いた14日午後、イオンタウン釜石前で佐藤さんが訴えた。釜高の生徒有志7人も加わり、大町広場周辺を歩いて署名集め。市民らが足を止め、「戦争はダメ」「若い人たちが頑張っているから応援しないとね」などと応じた。
 
釜石高生らの呼びかけに市民や買い物客らが応じた

釜石高生らの呼びかけに市民や買い物客らが応じた

 
機動力を発揮して地域を歩いて署名を集める生徒ら

機動力を発揮して地域を歩いて署名を集める生徒ら

 
活動をアピールする横断幕を掲げて協力を呼びかけた

活動をアピールする横断幕を掲げて協力を呼びかけた

 
 署名活動は2001年に長崎の高校生から始まり、岩手では東日本大震災後の12年にスタート。「高校生一万人署名活動実行委員会・岩手」が年間を通して呼びかけを続ける。集められた署名は高校生平和大使によってスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けられている。
 
 高校生平和大使は、1990年代後半に世界で核実験が相次いだことを受け、98年に長崎で始まった。佐藤さんは第27代大使として、畠山史子さん(一関一高2年)とともに声を出す。岩手からは2011年以降、毎年2人を選出し、今回で14代目。震災の教訓や復興の姿を発信する役割も担う。釜石からは12年に初選出され、佐藤さんは5人目となる。
 
「戦争のない平和な社会の実現を」と訴える佐々木さん

「戦争のない平和な社会の実現を」と訴える佐藤凛汰朗さん

 
 7月14日…最初の砲撃の日。佐藤さんが地元で活動するのは2回目だったが、「この日」に強い思い入れがあった。歴史や世界情勢に関心があり、国外で戦闘の犠牲者が後を絶たない状況に「何かできることはないか」と考え続けてきた。そんな時に学校で釜石艦砲という戦禍を学び、捕虜収容所があって外国人捕虜が労働させられていたと知った。家庭で家族の恩人の体験談を聞いたことも。「罪もない多くの命が奪われ、この地が火の海になった日の景色を忘れてはいけない」。戦争の記憶を受け継ぎ、発信する大使に使命を見いだした。
 
 この日の活動に思う。「釜石にとって14日と8月9日はただの一日ではないと改めて感じてほしい」
 
道行く人に協力を呼びかける佐々木さん(右から2人目)

道行く人に協力を呼びかける佐藤さん(右から2人目)

 
 ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ攻撃など連日の報道も気持ちを揺さぶる。佐藤さんは「戦争が日常化するのは異常だ。日本は経験した人が少なくなっているが、いつ関わってしまうかもしれない」と危惧。そして続ける。「戦争は人の意志で起こる。だから人の手で止められるはず。やり始めた人についていかず、乗っからず、発展させないようにできると思うから、訴え続ける。平和を」とひたむきな姿勢を見せた。
 
 幼少期に震災が発生し、復興の歩みとともに育った経験も活動の力にする。「生活できるまちに戻そうと頑張った人たちがいたおかげで今がある」。風化を防ぎ、悲しい記憶や犠牲が増えないよう継承し続ける大切さをかみしめる。国連本部ではスピーチを披露する予定もあり、「悲しい歴史を繰り返さないために自分の言葉で思いを訴えたい」と意気込む。
 
活動を終え充実した表情を見せる釜石高の生徒有志

活動を終え充実した表情を見せる釜石高の生徒有志

 
 活動に参加した他の生徒らも刺激を受けた様子で、「署名する意味を考えてくれていたようで、うれしかった」「地域を知る学びになった。活動を続けたい」などと感想。高校生平和大使派遣委員会・岩手の千葉伸武共同代表が見守り、「署名は数ではなく、何かをやっているという形が重要になる。多くの人に忘れさせない、記憶を継承する活動だ。めげずに呼びかけ続けることが、核廃絶の大きな力になる」と意義を強調した。
 
 本年度の第27代大使は、17都道府県の23人。各地で署名活動を展開し、8月上旬に長崎での研修を経て、同月中旬に国連欧州本部を訪問する。

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27年ぶり東北大会へ! 硬式クラブ「釜石野球団」若手選手中心に躍進 目指すは全国への切符

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27日、全日本クラブ選手権東北大会に出場する「釜石野球団」(写真:同団提供)

 
 釜石市唯一の硬式野球クラブチーム、釜石野球団(佐藤貴之監督、31人)は今月27、28の両日、山形県で開催される第48回全日本クラブ野球選手権第二次予選東北大会に岩手第3代表として出場する。同団がこの大会で東北大会に進むのは1997年以来27年ぶり。主力の若手を中心に、ここ5~6年で戦績を伸ばし続ける釜石の “硬式の雄”が、満を持して東北の舞台に挑む。
 
 6月に開催された同大会の岩手県予選には県内から20チームが参加。釜石野球団は準決勝で昨年の東北大会覇者、水沢駒形野球倶楽部に7-0で敗れたものの、3位決定戦で盛友クラブを7-0で下し、本県第3代表として東北大会出場を決めた。同大会は全国の硬式クラブチームが目指す最も大きな大会で、同団にとっては上位大会進出の第一歩がかなった形だ。
 
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釜石野球団は6月30日に宮古市で行われた県予選で第3代表決定戦に挑んだ(写真:同団提供)

 
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盛友クラブに7-0(8回コールド)で勝利し、東北大会出場権を獲得(同)

 
 菊池健太郎主将(25)によると、現チームは今、主力となっている20代選手が加入したころから、徐々に力をつけてきた。「若手の入団で士気が上がり、一致団結し始めた」のが大きいという。2018年にはJABA東北クラブカップ県予選で優勝し、東北大会に出場。19年のクラブ選手権県予選ではベスト4まで勝ち上がったが、東北大会出場権獲得には至らなかった。20年から始まった三陸沿岸クラブ大会では3年連続優勝を果たしている。
 
 「今のメンバーは目標がみんな同じで、勝利への意識が高い。練習でも全員が声を出して互いを鼓舞し合い、すごく活気がある」と菊池主将。投手3人はそれぞれの持ち味を生かした投球で、試合をけん引。失点をカバーする打撃陣もそろっていて、得点力も高いという。
 
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17日夜は大天場運動広場(八雲町)で練習。仕事を終えたメンバーが集まる

 
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ティーバッティング練習でボールを捉える感覚を養う

 
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釜石野球団投手陣。(左から)中居林瞭太さん(24)、菊池健太郎主将(25)、菊池涼太さん(24)

 
 4番の菅原昌也さん(26、外野手)は高校卒業と同時に入団。今年9年目の“頼れる主砲”で、その長打力は得点の要。「前の打者がつないだチャンスを確実にものにするのが自分の役目。一本打って走者を返す。常に打点を意識している」と菅原さん。毎週水曜夜のチーム練習以外にも、毎日の素振りで自己鍛錬を欠かさない。「クラブ選手権の東北大会はずっと目標としてきた。出るからには全国(大会)目指して頑張りたい」。強豪が顔をそろえる厳しい戦いの舞台も「今は楽しみしかない」と気負いはない。
 
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期待の4番!菅原昌也さん(26)。長打力と俊足でチームに貢献

 
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ノックで守備練習。「いいねー」「よっしゃー」「すぐ戻って」…。選手同士の掛け声が響く

 
 同団は1975年から活動。市内には、かつて都市対抗野球全国大会で上位入賞を果たした富士製鉄(後に新日本製鉄)釜石など、社会人硬式野球のチームが複数あったが、現在、活動するのは釜石野球団のみ。新日鉄釜石が休部し、同部メンバーが同団に合流した当初は全国大会出場経験もあるが、その後はしばらく上位大会からは遠のいていた。
 
 菊池主将は今回の東北大会出場意義を、「多くの人にチームの存在を知ってもらういい機会。釜石はラグビーだけじゃない。他のスポーツでも頑張っている姿を見せることで、さまざまな競技に親しむ市民らの励みにもなれば」と広義的に捉える。もちろん、勝負へのこだわりも。「釜石野球団の色を出して、一つでも多く勝ち 進みたい。チームの最大目標『全国大会』を目指して…」と意気込む。
 
 野球人口の減少が叫ばれる昨今。釜石市も例外ではないが、同団には下部組織としてジュニア(小学生)チームがあり、裾野拡大にも一役買っている。現メンバーは8割以上が釜石出身者。市外の高校や大学への進学で古里を離れるも、地元就職で同市に戻り、同団で競技を続けている人も多い。高校野球の強豪校、花巻東や一関学院出身者も多数。「一度、釜石を出ても、このチームで野球をやりたいと帰ってきてくれるのが理想。地元の人たちの応援も願うところ」と佐藤監督(55)。間近に迫った東北大会に「まずは大きな大会の雰囲気を存分に味わってほしい」と、この経験を次へのステップとしたい考え。
 
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東北大会を心待ちにする釜石野球団メンバー

 
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悔いのない試合を!まずは初戦突破へ気持ちを一つにする選手ら

 
 東北大会には10チームが出場。釜石野球団の初戦は27日午前8時半から。天童市スポーツセンター野球場で、福島第2代表のオールいわきクラブと対戦する。本県からは同団のほか、水沢駒形野球倶楽部(岩手第1代表)、住田硬式野球クラブ(同第2代表)が出場。全国大会出場権は4チームが手にする。
 
 釜石野球団の情報は公式インスタグラム(@kamaishi_bbc)で公開中。

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ペタンクで結ぶ友情 釜石の子ら、姉妹都市フランス・ディーニュ市を知る 提携30周年記念事業

フランス発祥の「ペタンク」に挑戦する子どもたち

フランス発祥の「ペタンク」に挑戦する子どもたち

 
 釜石市は今年、フランスのディーニュ・レ・バン市と姉妹都市提携を結んで30周年の節目を迎えた。市民への周知や交流促進の機運醸成を図ろうと、同国の文化などを体験したり学ぶことができるイベントを展開中。18日には、同国で親しまれているスポーツ「ペタンク」の体験会があり、子どもらが和やかな雰囲気の中で熱戦を繰り広げた。
 
 市主催のフランス言語・文化体験講座の一環。同市大町の青葉ビル内で行われている「放課後子ども教室・ばしょまえ交流館」を利用する釜石小の児童5人のほか、保護者やサポーターらも参加した。講師は、同国・ナンジ出身の佐々木イザベルさん(大船渡市在住)。「ボンジュール(おはよう、こんにちは)」「メルシー(ありがとう)」など、あいさつで使える言葉を教え、参加者は覚えたての単語を使って自己紹介し合った。
 
姉妹都市ディーニュ市について理解を深める釜石の子どもら

姉妹都市ディーニュ市について理解を深める釜石の子どもら

 
 ディーニュ市が位置する南仏発祥とされるペタンクは、「ビュット」と呼ばれる目標となる小さな球に金属製の球を投げて、近さを競うゲーム。子どもたちは、近くの大只越公園に移動して挑戦した。
 
 佐々木さんがゲームのルールや球の投げ方などを説明。地面を転がしたり、山なみに投げたり、さまざま方法があり、児童らは「目標球の近くに自分の球が止まるようにするには」と考え、試しながら、繰り返し球を放った。
 
ペタンクで使う金属製の球に触れてみる子どもたち

ペタンクで使う金属製の球に触れてみる子どもたち

 
球の投げ方を教える佐々木イザベルさん(右)

球の投げ方を教える佐々木イザベルさん(右)

 
 腕ならしの後、実践の勝負に挑んだ。低学年、高学年に分かれて行い、低学年はプラスチック製の球を使った。子どもたちは「よっしゃー!」「あー、外れたー」と喜んだり、残念がったり。「おー、いいね」と友達と声をかけ合いながらプレーに熱中した。
 
より近くに」。目標となる黄色の球を狙って一投

「より近くに」。目標となる黄色の球を狙って一投

 
低学年の児童はプラスチック製の球を使ってプレー

低学年の児童はプラスチック製の球を使ってプレー

 
狙い通り⁉手応えがあった参加者の表情は共通「おー!」

狙い通り⁉手応えがあった参加者の表情は共通「おー!」

 
 佐々木さんはフランス語にも触れてもらおうと、日本語の「ボール」は現地で「ブール」と発音し、目標球「ビュット」は「コショネ」とも言われることを紹介。子どもたちは聞きなれない言葉に興味津々。繰り返し声にして記憶に残した。
 
 藤田創さん(5年)は「意外に楽しかった」と元気いっぱい。ラベンダー栽培が盛んなディーニュ市の風景写真なども見て、「きれい、行ってみたい。名産とかも知りたい」と憧れを抱いた。30周年を記念し交流の機会があることを知り、「釜石に来てくれたら、『ありがとう』って伝えたい」と笑った。
 
手旗を持って写真をパチリ。合言葉は「メルシー!」

手旗を持って写真をパチリ。合言葉は「メルシー!」

 
 姉妹都市の交流は、1992年に釜石で開かれた「三陸・海の博覧会」で、ディーニュ市にある「アンモナイトの壁」のレプリカを展示したのがきっかけ。94年4月に提携を結んだが、一時期停滞した。2011年の東日本大震災の支援を機に新たな関係がスタート。代表団や市民レベルでの相互訪問などを重ねている。23年にはディーニュ市近郊で初開催されたアマチュアラグビーの世界大会に岩手・釜石から特設チームを派遣。海外体験事業として中学生も渡仏し、復興支援への感謝を伝えた。
 
 提携30周年を記念し、今年9月中旬にディーニュ市の訪問団が来釜する予定。釜石市では、ペタンクの体験やラベンダーを利用した手芸教室、釜石の食材を使ったフランスの家庭料理づくりなどの企画で、国際姉妹都市をより身近に感じてもらいながら交流促進、友好関係を発展させたいとしている。

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT  FC今治戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT FC今治戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT  FC今治戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第23節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs FC今治

日時

2024年7月27日(土) 19:00 キックオフ
開場 18:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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5年ぶり飲食復活 上中島こども園夕涼み会 隣の児童館が初出店 幼児~高校生共に育つ環境へ第一歩 

児童館の出店でかき氷を受け取る園児=上中島こども園夕涼み会

児童館の出店でかき氷を受け取る園児=上中島こども園夕涼み会

 
 釜石市立上中島こども園(楢山知美園長、園児40人)の夕涼み会は13日、園庭で開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた飲食を5年ぶりに復活。隣接する上中島児童館(鈴木崇館長)は、同館を利用する児童生徒らによる出店を開き、参加者を楽しませた。園児と保護者に加え、卒園児らも集まり、夏の夕べのひとときに笑顔の花を咲かせた。
 
 園児の盆踊りで開幕。浴衣や甚平姿で「ピカチュウ音頭」「月夜のぽんちゃらりん」を元気いっぱいに踊った。児童館の建物との間の駐車場を囲み、さまざまな店が並んだ。園が用意したおもちゃ屋のほか、児童館企画のかき氷、トロピカルジュース、各種ゲームコーナーも。スタンプカードやチケットを手に親子や友達同士で店を回った。工藤精肉店(大渡町)は焼きそばやフランクフルト、焼き鳥などを販売。園児手作りのちょうちんや風鈴で彩られた園庭で家族がテーブルを囲み、久しぶりの“飲食あり”の会を楽しんだ。
 
夕涼み会のオープニングを飾った園児の盆踊り

夕涼み会のオープニングを飾った園児の盆踊り

 
暑さに負けず、元気に跳びはねる園児。周りでは保護者が熱心にカメラを向けた

暑さに負けず、元気に跳びはねる園児。周りでは保護者が熱心にカメラを向けた

 
おもちゃに食べ物、飲み物…。さまざまな出店に子どもたちは大喜び

おもちゃに食べ物、飲み物…。さまざまな出店に子どもたちは大喜び

 
園庭では家族で飲食を楽しんだ。夕涼み会の久しぶりの光景

園庭では家族で飲食を楽しんだ。夕涼み会の久しぶりの光景

 
 安斉茉柚ちゃん(5)は「ヨーヨー釣りが楽しかった。唐揚げとソーセージとおにぎりとかき氷を食べたよ。浴衣はお母さんが着せてくれた」とご満悦。4歳男児の母親は「(飲食を伴う)夕涼み会は上の2人のお姉ちゃんの時以来。この子は初めてなので、とても楽しそう。食欲も大人並み」とほほ笑んだ。「子どもたちは外で食べたり飲んだりするのが好き。祭りの夜店のようなわくわく感は今も昔も同じ。親子のすてきな思い出になれば」と楢山園長。
 
 今回、会に協力した上中島児童館は本年度から「健全育成型」に形態を変え、18歳未満の子どもの放課後と土曜日利用が可能に。一日平均20人余りが訪れているという。隣り合う同こども園とは4月から月1回の交流を開始。同館に園児が訪問し、季節の行事などを共に楽しんでいる。この日は児童館側から小中高生10人が協力。園児に喜んでもらおうと、それぞれの持ち場で奮闘した。
 
上中島児童館の中学生らはかき氷などを販売した

上中島児童館の中学生らはかき氷などを販売した

 
児童館のチケット売り場も盛況。園児らが次々に訪れた

児童館のチケット売り場も盛況。園児らが次々に訪れた

 
児童館企画のゲームコーナーも人気。景品のプレゼントも

児童館企画のゲームコーナーも人気。景品のプレゼントも

 
 小山幸亜さん(釜石中1年)は「小さい子とどう関わればいいかとかも分かってくる。自分たちも楽しめている」と笑顔。保育士を目指す村上七望さん(釜石高3年)はこれまでにも市内のこども園のイベントやこども食堂のボランティアとして活動。「みんなにこにこしていて、こっちもうれしくなる。将来は子どもを取り巻く問題を少しでも解決できる保育士に」と意欲を高めた。鈴木館長は「子ども同士、横のつながりだけでなく縦の関わりが増えていくいい機会。今後も一緒にいろいろな活動ができれば」と期待する。
 
 少子化や人口減で子どもの数が減少し続けている同市。市内では小学校の学区ごとに幼児教育・保育施設と小中学校が連携して、地域ぐるみで子どもを育てていこうという動きが出ている。園同士もつながりながら取り組むもの。その一環として、上中島こども園では8月3日から毎週土曜日(午前9時~正午)に、未就学児(0~5歳)と保護者を対象とした遊び場として、園内ホールや園庭を開放する。他園に通う子どもも利用可能。小学生以上の兄、姉は隣接する児童館を利用できる。詳しい利用方法は7月15日号の広報かまいしに掲載。
 
 楢山園長は「当園は三陸道釜石中央インターチェンジ(新町)からも近く、利便のいい場所にある。市内全域の親子にどんどん利用してもらい、より良い環境下での子育てに役立ててもらえれば」と話す。
 
最後は花火の観賞。大きな音と火花に歓声を上げる子どもら

最後は花火の観賞。大きな音と火花に歓声を上げる子どもら

 
写真左:園舎軒下には園児手作りのちょうちんと風鈴が飾られた。同右:会には園児のきょうだいや卒園児らも多く訪れた

写真左:園舎軒下には園児手作りのちょうちんと風鈴が飾られた。同右:会には園児のきょうだいや卒園児らも多く訪れた

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釜石艦砲射撃の惨状、顔知らぬ父への思い 同姓同名の2人が伝える記憶 歌声でつなぐ

2人の佐々木郁子さんが戦争の記憶と平和への願いを伝えた

2人の佐々木郁子さんが戦争の記憶と平和への願いを伝えた

 
 太平洋戦争末期の釜石市を襲った艦砲射撃を題材にした合唱組曲「翳(かげ)った太陽」を歌う会は13日、曲への理解を深めるため「戦争体験者のお話を聞く会」を同市小川町の市働く婦人の家で開いた。語り手を務めたのは市内で暮らす2人の“佐々木郁子”さん。看護師の見習時代に見た艦砲射撃の惨状、顔を知らぬ父への思いをそれぞれ言葉にした。「あのような悲惨さを二度と繰り返さぬよう、平和の意味をかみしめて」。一回り以上、歳の離れた2人が強調したその願いを、合唱メンバーらは心に刻みながら記憶を歌い継ぐ。
 
小学生の手を握って「平和を守って」と語りかける94歳の佐々木郁子さん

小学生の手を握って「平和を守って」と語りかける94歳の佐々木郁子さん

 
 終戦が迫っていた1945年の夏。釜石は、米英連合軍の艦隊から2度の艦砲射撃を受けた。「ビューン!ガーン!ドーン!」。爆撃の始まり、砲弾の炸裂する音、地面の揺れ、避難した防空壕(ごう)や変わり果てた街の様子を生々しく語ったのは甲子町の佐々木郁子さんで、94歳になる。
 
 「戦後79年の歳月が流れた。7月14日と8月9日、釜石艦砲の惨状は…生き地獄でしたよ。その日が来るたびに思い出され、消え去ることはありません」。2度の攻撃で市内に打ち込まれた砲弾は5300発以上。市民ら782人(市調べ)の死亡が判明している。
 
 当時は15歳、看護師の見習として働いていた釜石製鉄所病院には負傷者が次々運ばれてくる。「苦しい、助けて」。他界していった人々、叫ぶような患者の声が今も耳に残る。「どうすることもできず悲しく、つらい日々でした」。絞り出すように胸の内を告白した。
 
 戦後、心は傷つきながらも立ち直り、乗り越え、日本は平和国家になった。「自然が引き起こす天災を防ぐことはできないが、戦争という人災は防ぐことができます。どうか皆さん、力を合わせて永遠の平和国家を守っていくようお願いしたいです」。目を見開き、言葉に力を込めた。
 
顔も知らぬ父の面影をたどった旅について話す80歳の佐々木郁子さん

顔も知らぬ父の面影をたどった旅について話す80歳の佐々木郁子さん

 
 戦争遺児として体験を語った平田・尾崎白浜の佐々木郁子さんは、80歳。1944年9月に満州(中国東北部)に赴いた父正雄さんが故郷に戻ってくることはなかった。45年4月、北安(ペイアン)で病死したらしい。当時は1歳になったばかりの頃。父親という存在自体がよく分からないまま戦後を過ごした。
 
 顔も姿も分からない“父の存在”を感じたのは、2009年に日中友好訪問団として現地を訪れた時。亡くなったとされる病院の敷地に立つと、「白衣を着た父が見ているような思いに駆られた」という。大きくて赤いと言われる満州の太陽を目の当たりにし、「同じ景色を見たんだなと感傷的になった。同時に、同じ土を踏むことができたという喜びもあった」と明かした。
 
 一緒に訪れた青森の男性が発した言葉、姿が忘れられない。「親父―!いま迎えに来たぞ…一緒に帰ろう」。積年の思いが、ほとばしるような叫びに号泣した。
 
 「父は遺骨もない」。同じように家族の元に帰っていない人たちがこの地にいると強く感じた。「日本の平和は大きな犠牲の上にある。戦争は何も生まない。残るのは憎しみ、むなしさ…。生きたくても生きられなかった人たちの思いを大事にしてほしい。平和の意味をかみしめ、命を大切にしなければ」と訴えた。
 
「二度と戦争が起こらないように」。2人の願いは同じ

「二度と戦争が起こらないように」。2人の願いは同じ

 
真剣な表情で話に耳を傾ける「翳った太陽」を歌う会メンバー

真剣な表情で話に耳を傾ける「翳った太陽」を歌う会メンバー

 
 2人の話にじっと耳を傾けた小原湊太さん(甲子小5年)は「平和を守るという思いが伝わってきた」とうなずき、高橋杏奈さん(釜石中2年)は「自分たちが暮らすまちに大変な時期があったと知った。今ある平和の大切さを伝えられるようにしたい」と受け止めた。合唱メンバーは感謝を込めて「青い空は」などを披露。「海」では、戦争の記憶をつなぐ語り手2人も声を重ねた。
 
記憶を受け継ごうと思いを込めて歌う合唱メンバー

記憶を受け継ごうと思いを込めて歌う合唱メンバー

 
 2005年に活動を始めた同グループが歌い継ぐ「翳った太陽」は、艦砲射撃で教え子を亡くした元小学校教師の石橋巌さん(06年他界)が記した絵手紙などを基に創作された全6曲17分の組曲。作曲を手がけた市内のピアノ講師最知節子さん(81)が指導し、市戦没者追悼式での献唱、学校でのコンサートなどを行ってきた。
 
 現在、合唱メンバーは小学5年生~80代の13人。ほとんどが戦争を体験していない世代で、菊地直美会長(61)は「お話し会で体験者のリアルな心に触れるのは大切な学びの機会になっている」と強調する。8回目となった今回も「大変な時代を生き抜いた2人の姿にグッとくる」と感情を揺さぶられた様子。体験者は減ってしまうが、少しでも多くの声を受け取る形は継続させ、「歌詞につづられた思いを感じ、理解し、仲間と気持ちを合わせて歌っていきたい」と前を向く。
 
戦争体験者の2人に寄り添う最知節子さん(左)

戦争体験者の2人に寄り添う最知節子さん(左)

 
 今年は8月2日に行われる原爆死没者追悼式、同9日に開催の市戦没者追悼・平和祈念式での献唱を予定するが、新メンバーの加入などもあって同組曲は歌わない。それでも、戦禍の記憶をつなぐため「声を上げ続けなければ」と最知さん。歌詞の中にある言葉を大切に、思いを一つに歌い上げる日を思い描きながら、練習を続ける。