ペタンクで結ぶ友情 釜石の子ら、姉妹都市フランス・ディーニュ市を知る 提携30周年記念事業


2024/07/23
釜石新聞NewS #文化・教育

フランス発祥の「ペタンク」に挑戦する子どもたち

フランス発祥の「ペタンク」に挑戦する子どもたち

 
 釜石市は今年、フランスのディーニュ・レ・バン市と姉妹都市提携を結んで30周年の節目を迎えた。市民への周知や交流促進の機運醸成を図ろうと、同国の文化などを体験したり学ぶことができるイベントを展開中。18日には、同国で親しまれているスポーツ「ペタンク」の体験会があり、子どもらが和やかな雰囲気の中で熱戦を繰り広げた。
 
 市主催のフランス言語・文化体験講座の一環。同市大町の青葉ビル内で行われている「放課後子ども教室・ばしょまえ交流館」を利用する釜石小の児童5人のほか、保護者やサポーターらも参加した。講師は、同国・ナンジ出身の佐々木イザベルさん(大船渡市在住)。「ボンジュール(おはよう、こんにちは)」「メルシー(ありがとう)」など、あいさつで使える言葉を教え、参加者は覚えたての単語を使って自己紹介し合った。
 
姉妹都市ディーニュ市について理解を深める釜石の子どもら

姉妹都市ディーニュ市について理解を深める釜石の子どもら

 
 ディーニュ市が位置する南仏発祥とされるペタンクは、「ビュット」と呼ばれる目標となる小さな球に金属製の球を投げて、近さを競うゲーム。子どもたちは、近くの大只越公園に移動して挑戦した。
 
 佐々木さんがゲームのルールや球の投げ方などを説明。地面を転がしたり、山なみに投げたり、さまざま方法があり、児童らは「目標球の近くに自分の球が止まるようにするには」と考え、試しながら、繰り返し球を放った。
 
ペタンクで使う金属製の球に触れてみる子どもたち

ペタンクで使う金属製の球に触れてみる子どもたち

 
球の投げ方を教える佐々木イザベルさん(右)

球の投げ方を教える佐々木イザベルさん(右)

 
 腕ならしの後、実践の勝負に挑んだ。低学年、高学年に分かれて行い、低学年はプラスチック製の球を使った。子どもたちは「よっしゃー!」「あー、外れたー」と喜んだり、残念がったり。「おー、いいね」と友達と声をかけ合いながらプレーに熱中した。
 
より近くに」。目標となる黄色の球を狙って一投

「より近くに」。目標となる黄色の球を狙って一投

 
低学年の児童はプラスチック製の球を使ってプレー

低学年の児童はプラスチック製の球を使ってプレー

 
狙い通り⁉手応えがあった参加者の表情は共通「おー!」

狙い通り⁉手応えがあった参加者の表情は共通「おー!」

 
 佐々木さんはフランス語にも触れてもらおうと、日本語の「ボール」は現地で「ブール」と発音し、目標球「ビュット」は「コショネ」とも言われることを紹介。子どもたちは聞きなれない言葉に興味津々。繰り返し声にして記憶に残した。
 
 藤田創さん(5年)は「意外に楽しかった」と元気いっぱい。ラベンダー栽培が盛んなディーニュ市の風景写真なども見て、「きれい、行ってみたい。名産とかも知りたい」と憧れを抱いた。30周年を記念し交流の機会があることを知り、「釜石に来てくれたら、『ありがとう』って伝えたい」と笑った。
 
手旗を持って写真をパチリ。合言葉は「メルシー!」

手旗を持って写真をパチリ。合言葉は「メルシー!」

 
 姉妹都市の交流は、1992年に釜石で開かれた「三陸・海の博覧会」で、ディーニュ市にある「アンモナイトの壁」のレプリカを展示したのがきっかけ。94年4月に提携を結んだが、一時期停滞した。2011年の東日本大震災の支援を機に新たな関係がスタート。代表団や市民レベルでの相互訪問などを重ねている。23年にはディーニュ市近郊で初開催されたアマチュアラグビーの世界大会に岩手・釜石から特設チームを派遣。海外体験事業として中学生も渡仏し、復興支援への感謝を伝えた。
 
 提携30周年を記念し、今年9月中旬にディーニュ市の訪問団が来釜する予定。釜石市では、ペタンクの体験やラベンダーを利用した手芸教室、釜石の食材を使ったフランスの家庭料理づくりなどの企画で、国際姉妹都市をより身近に感じてもらいながら交流促進、友好関係を発展させたいとしている。

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