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~東日本大震災こころの復興支援~古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石

~東日本大震災こころの復興支援~古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石
カーネギーホールで観客を総立ちにさせたドイツスターピアニスト古畑祥子
楽曲のエピソードやトークを交えながらショパンの名曲とムソルグスキー「展覧会の絵」を魂の演奏でお送りします。ドイツ主要ホールでスタンディングオベーション続出のプログラム。ぜひご期待ください!
★被災地復興支援による特別チケット料金です
 
一部告知において14:00開演とお知らせしていましたが、諸般の事情により16:30開演に変更となりました。何卒ご了承ください。
 
~東日本大震災こころの復興支援~古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石 – 釜石市民ホールTETTO 公式サイト
 
ご来場される皆様へ【ご協力お願い】
・発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。
・施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時や継続的な発声を伴う公演等、必要に応じて着用してください。
・施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。

日時

2024年7月28日(日)16:30〜18:30予定(開場16:00)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA

プログラム

<F.ショパン>
ノクターン第20番 嬰ハ短調遺作
ノクターン第8番 変ニ長調 作品27-2
即興曲第4番 嬰ハ短調「幻想即興曲」 作品66
12の練習曲より第3番 ホ長調「別れの曲」 作品10-3
12の練習曲より第4番 嬰ハ短調作品 10-4
12の練習曲より第12番 変イ長調「革命」 作品10-12
スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
<M.ムソルグスキー>
組曲「展覧会の絵」 全曲
曲目は都合により変更となる場合があります。予めご了承ください。

出演

古畑 祥子 Sachiko Furuhata ピアノ
ヨーロッパで最も人気のあるピアニストの一人。定期的にイタリア、スペイン、ドイツ、スイス、オランダ、イギリスとコンサート活動をしている。横浜生まれ横須賀出身。2017年にはカーネギーホールで総立ちのデビューを飾る。2012年サントリーホールデビュー。
2013年ロンドン、2014年バーゼル、2015年ルクセンブルクでデビューコンサート、2017年はカーネギーホールのほか、ウェールズ、リーズ、エジンバラでデビューいずれも総立ち大盛況に終わる。
ソロリサイタルのほか国際的なオーケストラ、ロシア国立フィルハーモニー、ドイツラジオフィルハーモニー、プファルツ歌劇場オーケストラなどのオーケストラとソリストとして共演し好評を得ている。南西ドイツテレビ出演、南西ドイツラジオ出演、ザーリッシュラジオ出演、トリアテレビ局いずれも演奏が放送されている。
ユーロクラッシック、ラインラントプファルツ州夏の音楽祭、などいろいろな音楽祭に招待され演奏。
2012年にハンブルク及びニューヨークでスタインウェイアーティストとして認定される。CDはクラシックCDレーベルで有名なOehmsクラッシックから2枚出している。
2017年ドイツラジオフィルハーモニーとラプソディーインブルーを共演。
2018年はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、及びコアファンタジー、モーツァルトイ長調KV488をオーケストラと共演。
2019年モーツアルトのピアノ協奏曲ニ短調KV466をオーケストラと共演。
2021年はショパンピアノ協奏曲第1番をオーケストラと共演。
ソロリサイタルはロンドン、ニューヨークカーネギーホール、サンフランシスコヘルプスシアター、ベルリンフィルハーモニー、ハンブルクエルプフィルハーモニー、フランクフルトアルテオーパーなど大都市主要会場で行われている。
3歳からピアノを習い武蔵野音楽大学を卒業、デトモルト音楽大学大学院、デュッセルドルフ音楽大学大学院で研鑽を積んでいる。アルヌルフ・フォン・アルニム、ロベルト・ツィドン、デトレフ・クラウス、ウイリアム・ブロンズに師事。

料金

全席自由 一般1,000円/中学生以下500円 当日各200円増
東日本大震災復興支援のため特別料金となっています
 
◎割引 各20%引/各割引チケットはTETTOのみ取扱い
友の会:会員証提示で2枚まで割引
シルバー:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚まで割引
親子セット券:一般と中学生以下の1セットにつき割引
 
※未就学児入場不可

プレイガイド

前売券販売中
 
プレイガイド窓口
釜石市民ホール
 
電話予約<受付開始 6/8(土) 13:00~>
〇釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266へお電話ください。
 
Web販売<販売開始 6/8(土) 10:00~>
注)各会員登録が必要です。また、チケット料金の他に発券手数料・システム使用料等がかかります。
〇チケットぴあ
Pコード:272369
興行コード:2420213
http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2420213
〇カンフェティ
https://www.confetti-web.com/events/1614
 
お取り置き申込<申込受付期間 6/8(土) 13:00〜7/27(土) 17:00>
下記QRコードまたはリンクからお申込みいただけます。
https://forms.gle/gE9eRsPSubF1iR5HA

〇お申込いただいた後チケットが確保でき次第、登録のメールアドレスへお知らせいたします。迷惑メール設定や受信設定等のご確認をお願いいたします。お知らせは下記お問合せメールアドレスより送付いたします。
〇チケット引換・代金のお支払は、釜石市民ホールTETTO総合案内にて現金でお願いいたします。当日精算もできます。
〇友の会、シルバー、親子セット券割引をご希望の場合は、チケット引換の際にお申し出ください。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内にチケットと大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。
 
【親子鑑賞室について】(要申込)
客席での鑑賞が難しいお子様連れの方に、多目的鑑賞室のご利用ができます。
[定員]約4~5名
ご利用を希望される方はホールまでお申込みください。
※客席後方3階から見下ろす形になります。予めご了承ください。

主催等

【主催】古畑祥子ピアノ・コンサート実行委員会、釜石市民ホール
【後援】釜石市
【協賛】クーゼルロータリークラブ1860地区
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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夏の交通事故防止を呼び掛け ドライバーはこまめな休憩を! 鵜住居町で初の街頭指導

夏の交通事故防止県民運動 街頭啓発活動=12日、鵜住居町

夏の交通事故防止県民運動 街頭啓発活動=12日、鵜住居町

 
 夏の交通事故防止県民運動が15日から始まった。釜石市では一足早く12日に、市交通安全対策協議会(会長=小野共市長)による統一街頭指導が鵜住居町で行われた。夏場は暑さで疲労がたまりやすく、居眠りや注意力低下で運転中の事故発生が懸念される。長時間運転するドライバーは特にもこまめな休憩が必要だ。24日までの運動期間中、市内では防災行政無線や車両巡回、横断幕やのぼり旗などでの広報活動を行い、事故防止を呼び掛ける。
 
 12日は街頭指導に先立ち、うのすまい・トモスで開会式が行われた。交通安全関係3団体、交通指導隊、警察署から計83人が参加。同協議会会長の小野市長は「県内では高齢者が関係する交通事故が多い現状に加え、全国的に子どもが被害に遭う事故も後を絶たず、全年齢層での交通事故対策が必要。関係機関、団体の連携を密にし、運動を推進していきたい」とあいさつした。
 
うのすまい・トモスで行われた開会式

うのすまい・トモスで行われた開会式

 
 釜石警察署の三浦正人署長は「管内では今年、人身、物損事故ともに昨年より若干増加傾向にある」とし、ドライバーや歩行者へのさらなる注意喚起の必要性を指摘。重大事故に直結する横断歩行者妨害や速度超過などの交通指導取り締まりを強化していく方針を示した。
 
 この後、鵜住居小・釜石東中前の交差点からスーパーマルイチまでの国道45号沿いの歩道に参加者が散らばり、街頭啓発活動が行われた。ハンドポップを掲げてドライバーに安全運転を呼び掛けたほか、歩行者や自転車利用者にチラシを配り、事故防止への意識を促した。
 
国道45号は小中学生の通学路。下校途中の児童にも交通安全をアピール

国道45号は小中学生の通学路。下校途中の児童にも交通安全をアピール

 
ドライバーや自転車利用者にチラシを配り安全運転を呼び掛けた

ドライバーや自転車利用者にチラシを配り安全運転を呼び掛けた

 
 同運動のスローガンは「わたるまえ わすれずかくにん みぎひだり」。運動の重点に▽暑さなどによる過労運転の防止▽高齢者と夏休み中の子どもの交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―を掲げる。同協議会では18日夜に大町青葉通り周辺の飲食店を訪問し、飲酒運転根絶への協力を呼び掛ける予定。
 
 釜石署によると、今年1月から7月15日までの管内の交通事故発生件数は人身事故が13件(うち死者1人、負傷者12人、前年同期比1件増)、物損事故が311件(同10件増)。八重樫徹交通課長は「交差点付近の車と人の事故は、安全確認をしっかりしていれば防げたであろう事故が多い。高速道路の釜石道、三陸道は東北道のようなサービスエリアなどがないので、高速道を降りての休憩も意識してほしい」と話す。
 
スーパーの買い物客にもチラシを配り、交通安全意識の高揚を願った

スーパーの買い物客にもチラシを配り、交通安全意識の高揚を願った

 
間もなく夏休みに入る子どもたち。交通ルールを守って事故に遭わないよう気を付けよう!

間もなく夏休みに入る子どもたち。交通ルールを守って事故に遭わないよう気を付けよう!

 
 同協議会は季節ごとの各種交通安全運動の街頭指導をこれまで大町や中妻町で実施してきたが、今回初めて鵜住居町で行った。今後は市中心部以外でも活動していく方針。

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水しぶきに笑顔広げる 釜石・根浜海岸で海開き 自然体感!夏の思い出づくり始まる

海開きした根浜海岸海水浴場で初泳ぎを楽しむ子どもたち=7月13日

海開きした根浜海岸海水浴場で初泳ぎを楽しむ子どもたち=7月13日

 
 「海の日」(15日)を含んだ3連休。梅雨明け前にもかかわらず釜石市内では夏日が続き、開設したばかりの根浜海岸海水浴場(鵜住居町)は遊泳やマリンスポーツを楽しむ人でにぎわいを見せた。初日の13日に海開き。地引網体験や海遊びイベントもあり、子どもたちが自然体験を通じ、一足早く夏の思い出を刻んでいた。
 
 海開きの神事を現地で行い、関係者らが海の安全を祈願。子どもたちは海に向かって駆け出し、打ち寄せる波と一緒にジャンプしたり水をかけ合ったりしながら歓声を上げた。砂浜に穴を掘る遊びに夢中な親子、ビーチボールで熱戦を繰り広げる若者グループなど思い思いに楽しむ姿が見られた。
 
思い思いに海遊びを楽しむ人たちでにぎわう根浜海岸

思い思いに海遊びを楽しむ人たちでにぎわう根浜海岸

 
波打ち際も遊び場。水しぶきと歓声を上げる子どもたち

波打ち際も遊び場。水しぶきと歓声を上げる子どもたち

 
ビーチボールに砂遊び…浮いているだけでも海は楽しい

ビーチボールに砂遊び…浮いているだけでも海は楽しい

 
 地引き網体験では子どもから大人まで参加者全員で力を合わせ、海から伸びた2本の綱を引っぱった。「よーいしょ」との掛け声を数回繰り返して網が波打ち際まで来ると、跳びはねる魚がたくさん。トビウオやフグ、サバ、ウミタナゴなどがかかり、子どもたちは興味深そうに観察した。
 
地引き網に挑戦。懸命に網をたぐり寄せる

地引き網に挑戦。懸命に網をたぐり寄せる

 
子どもも大人もみんなで力を合わせて綱を引く

子どもも大人もみんなで力を合わせて綱を引く

 
「おさかなゲット!」。うれしそうな子どもたち

「おさかなゲット!」。うれしそうな子どもたち

 
 釜石・小佐野小4年の越野杏音(あのん)さん、同2年の斗葵(とあ)さん姉弟は、お目当ての地引き網体験で多様な魚との触れ合いを満喫した。自転車競技バイシクルモトクロス(BMX)に打ち込み、週末となればレースや練習の日々という2人にとって、久しぶりの息抜きタイムになった様子。杏音さんは「水は少し冷たいけど、気持ちいい。海は楽しいから、また来たい」とはにかんだ。
 
波と戯れたり泳いだり水遊びを楽しむ海水浴客

波と戯れたり泳いだり水遊びを楽しむ海水浴客

 
レスキューボードの試乗体験も。ライフセーバーが見守る

レスキューボードの試乗体験も。ライフセーバーが見守る

 
 海水浴場は8月18日まで開設。午前10時~午後4時に遊泳できる。期間中は監視員が常駐。釜石ライフセービングクラブの菊池健一代表(52)によると、東日本大震災の津波で失われた砂浜の再生工事が完了し全面開放での海開きが行われた2021年以降、開設期間中に事故は発生していない。
 
 それでも、菊池代表は「ここの海は急に深くなるので、保護者は子どもから目を離さないよう、しっかり見守ってほしい。風の向きによっては浮輪やビーチボールが沖に流されることがあるかもしれないが、無理に取りに行かないこと」と注意を促す。安全に遊泳してもらうための声がけを積極的に行う考えで、「泳いでいて不安になったら、手を振ってアピールしてほしい。ルールを守って思いっきり楽しんでもらえたら」と海岸に目を向けた。

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つなぐ「釜石艦砲」の記憶 市内小学校で紙芝居学習/郷土資料館は戦災企画展開催

 1945(昭和20)年7月14日。釜石市にとって決して忘れることのできない日―。太平洋戦争末期のこの日、同市は米艦隊による本州初の艦砲射撃を受け、多くの尊い命が奪われ、まちは焼け野原と化した。8月9日には米英両艦隊が砲撃。2度の攻撃による死者は782人、全焼家屋は2930戸に及んだ(市調べ)。戦後79年が経過し、体験者も減少していく中、市内ではその記憶を確実に後世につなぎ、非戦の思いを強める取り組みが続く。

釜石小6年生 艦砲射撃を学ぶ 紙芝居、体験者の生の声に「戦争は絶対ダメ」心に刻む

 
颯・2000のメンバーによる艦砲射撃を伝える紙芝居の上演=2日、釜石小

颯・2000のメンバーによる艦砲射撃を伝える紙芝居の上演=2日、釜石小

 
 大渡町の釜石小(五安城正敏校長、児童80人)では2日、6年生(19人)が艦砲射撃の学習を行った。読書サポーター、颯(かぜ)・2000(佐久間良子代表、11人)の4人が来校。体験者が制作した紙芝居の上演、手記の朗読のほか、メンバーが自身の体験を語った。児童らは生まれ育ったまちで実際にあった戦禍を知り、平和な世界の実現を願った。
 
 千田雅恵さん(事務局長)が艦砲射撃について解説。釜石湾に米英の大きな船がやってきて、積んでいる大砲からまちを目がけて5300発以上の砲弾が撃ち込まれたと説明した。「なぜ、釜石は狙われたのか?」。千田さんから問われると、児童から「鉄を多く作っていたから」との声が…。東北唯一の製鉄所があり、日本有数の工業都市だったことで標的にされた。
 
写真上:釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える千田雅恵事務局長、同下:話を聞く釜石小6年生

写真上:釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える千田雅恵事務局長、同下:話を聞く釜石小6年生

 
 砲弾の大きさを実感してもらおうと、紙の模型でも説明した。最も大きな直径40センチの16インチ砲は重さ約1トン。多くの着弾で、同校がある一帯は一面焼け野原になってしまった。遠くは中妻、小佐野、小川まで被害が及んだ。機銃掃射でも大勢の人が命を落としたという。
 
 釜石艦砲の紙芝居は、元教員で画家としても活躍した鈴木洋一さん(故人)が自身の体験を伝えようと制作したもの。製鉄所がある鈴子町に住んでいた鈴木さんは、逃げ込んだ防空壕(ごう)で次々に撃ち込まれる砲弾の炸裂音、地響きにおののきながら、腹ばいの姿勢で2時間半も耐え続けたという。放心状態でしばらく動けず、外に出ると直径8メートルものすり鉢状の砲弾跡が…。がれきで足の踏み場もなかったと記している。鈴木さんは「戦争は悲劇。おろかで罪悪です。絶対にやってはいけない。皆さんは平和を願う気持ちを持ち続けてください」と紙芝居を締めている。
 
故鈴木洋一さんが制作した紙芝居を読み聞かせる佐野順子さん(写真右)

故鈴木洋一さんが制作した紙芝居を読み聞かせる佐野順子さん(写真右)

 
 同会メンバーの浅沼和子さんは4歳の時に艦砲射撃を経験した。「命に関わることだったので忘れることができない―」。只越町の自宅では爆風でふすまなどが次々に倒れた。防空頭巾をかぶり、母親と近くの防空壕に走った。「死ぬんじゃないかと思いながら必死に母の後を追って逃げた」という。この日は戦争をテーマにした絵本も読み聞かせた。「戦争に勝ち負けはない。憎しみだけが残る」と浅沼さん。
 
写真左:学徒動員の体験手記を朗読する佐々木麻貴子さん、同右:自身の艦砲体験を語る浅沼和子さん

写真左:学徒動員の体験手記を朗読する佐々木麻貴子さん、同右:自身の艦砲体験を語る浅沼和子さん

 
 佐藤風河さんは「戦争は何もうれしいことはない。人の命を奪うことになるのでやめたほうがいい。釜石から発信し、戦争の危なさを世界中に伝えていくことが大事」とメンバーの話を心に刻んだ。
 
 児童らの様子について、「目線をしっかり向けて聞いていたので何かしら響くものはあったと思う」と千田さん。「艦砲射撃は“どこか遠くであったかわいそうなこと”ではなく、ここ釜石であったこと。ガザやウクライナのことも(戦争が)あって当たり前という意識を持たれるのが怖い。戦争をしないためにどうすればいいか、みんなでよく考えてほしい」と願う。
 
颯・2000が持参した艦砲射撃の各種資料も見学。さらに学びを深めた

颯・2000が持参した艦砲射撃の各種資料も見学。さらに学びを深めた

 
 同校が颯・2000のメンバーを招いて釜石艦砲を学ぶのは今年で2年目。五安城(いなぎ)正敏校長は「地域の方に話してもらうことで、より具体的に実感を伴って聞くことができた。地元の地名が出てきたり、いつも朝読書でお世話になっている浅沼さんが話してくれたことで身近さも感じたと思う。ぜひ続けていきたい」と話した。
 

「銃後(じゅうご)もまた戦場」 戦時中の市民の暮らしにスポット当て郷土資料館が企画展

 
市郷土資料館で開催中の企画展「銃後のくらし-釜石はどう生きたか-」

市郷土資料館で開催中の企画展「銃後のくらし-釜石はどう生きたか-」

 
 鈴子町の市郷土資料館(正木浩二館長)では12日から、戦災企画展「銃後のくらし ―釜石はどう生きたか―」が開かれている。戦地で戦う兵士を支え、幅広い活動で古里防衛に力を尽くした市民の生活にスポットを当てた。厳しい環境下でも「国のため」と衣食住の我慢をいとわず、勤労奉仕に汗を流す人々。全てが戦時色に染まった生活の一端を所蔵資料から垣間見ることができる。
 
 企画展示室には関係する64点の資料が並ぶ。当時の暮らしの解説パネル、衣食住、動員に関わる写真や書類など。開戦当初の1941(昭和16)年、鈴子駅から出征兵士を見送る人々の写真は日本の勢いを感じさせる一方、兵士が着物姿の家族と収まる写真は双方の複雑な心境ものぞかせる。戦時体制を色濃く反映するのは、金属献納運動を伝え、供出を促すパンフレット。寺の釣り鐘も集められている様子が掲載されている。
 
市民などから寄せられた戦時下の様子が分かる貴重な資料を公開

市民などから寄せられた戦時下の様子が分かる貴重な資料を公開

 
 戦時中はあらゆる物資が不足した。繊維製品も軍需用が優先され、一般向けの衣類は42(昭17)年から配給制に。各家庭の人数に応じて「衣料切符」が配られたが、実際には欲しいものは手に入りにくかったという。食糧難も深刻。釜石では米に海藻を混ぜて炊く“めのこ飯”が有名だが、県は「山菜野草の食べ方と貯え方」という文書も発行し、飢えをしのぐ手立てとしていた。
 
 戦時中も学校教育は続いたが、こちらも戦時色が強いものに。今回初めて公開された釜石商業高校の43(昭18)年の卒業アルバムは写真はもちろん、校歌や教諭からの送る言葉も戦争を意識した内容で、時代がうかがえる。戦況が悪化し本土決戦が叫ばれるようになると、児童生徒も勤労学徒として工場などに動員された。釜石高等女学校の生徒は小銃発射訓練にも励み、その様子が写真に残されている。企画展では訓練用の木銃も見ることができる。
 
昭和18年の釜石商業高校の卒業アルバムは本展が初公開

昭和18年の釜石商業高校の卒業アルバムは本展が初公開

 
戦力増強のため、市民は各方面に動員された。女性も防空演習や銃の訓練に励んだ

戦力増強のため、市民は各方面に動員された。女性も防空演習や銃の訓練に励んだ

 
雑誌などの出版物も戦時色に染まった

雑誌などの出版物も戦時色に染まった

 
 出征以外の男性は警備、消防、対空監視など釜石防衛の任務に就き、成年女性は大日本婦人会の会員として出征兵士や職場の激励、慰問など幅広い活動で戦時下の守りを支えた。当時の地区組織、隣組は防空演習を盛んに行った。
 
 佐々木寿館長補佐は「子どもから高齢者まで生活全てが戦争に向かっていた時代。今の自由さとは全然違う暮らしをしていたことにも目を向けてもらえれば」と話す。来年は戦後80年という大きな節目を迎える。「釜石艦砲をはじめ戦争体験者のいる(いた)家庭にはまだまだ眠っている資料があると思われる。家の整理などで発見したら、ぜひお寄せいただきたい」と呼び掛ける。
 
 本企画展は9月8日まで開催。毎週火曜日休館。開館時間は午前9時半~午後4時半(最終入館:午後4時)。

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広報かまいし2024年7月15日号(No.1836)

広報かまいし2024年7月15日号(No.1836)
 

広報かまいし2024年7月15日号(No.1836)

広報かまいし2024年7月15日号(No.1836)

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【P1】
表紙

【P2-7】
Meetup Kamaishi 2024 地域の宝物を発見しよう

【P8-9】
イベント案内

【P10-11】
国民健康保険税制度が改正されました
令和6年度の健康診査・肺がん検診が始まります 他

【P12-13】
釜石市職員採用試験
釜石大槌地区行政事務組合職員【消防士】採用試験 他

【P14-15】
まちの話題

【P16-19】
保健案内版
まちのお知らせ

【P20】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024070900037/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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熱さしのぎ“涼”空間へGO! 釜石市、クーリングシェルター開設中 熱中症防止に17施設

クーリングシェルターの掲示が設置された釜石市民ホールTETTO

クーリングシェルターの掲示が設置された釜石市民ホールTETTO

 
 今年の夏も厳しい暑さが予想される中、釜石市は熱中症を防ぐため、冷房を備えた公共施設などを「クーリングシェルター」(指定暑熱避難施設)として活用する取り組みを始めた。4日には市内最大の商業施設「イオンタウン釜石」(港町)を指定し、協定を締結。公共・民間施設を合わせて17カ所を設け、計約300人の受け入れが可能だ。市では「暑さを感じたら涼しい所へ。熱中症リスクの低減につなげたい」と利用を呼びかける。
 
 クーリングシェルターは改正気候変動適応法に基づき、危険な暑さから住民などが避難できる場所として市区町村長によって指定される施設のこと。過去に例のない広域的な暑さを想定しており、「熱中症特別警戒アラート」が追加された。特別警戒アラートは、従来の「熱中症警戒アラート」より一段強い呼びかけで、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が県内全地点で「35」以上になると予想される場合、前日に発表される。
 
 国が特別警戒アラートを発令した際に自治体がクーリングシェルターを開放するため、自治体にシェルターを指定するよう求められている。「適当な冷房設備を有すること」「椅子などの適切な休息が取れる空間が確保できること」などが指定基準となっている。2024年度のシェルターの運用は10月23日まで。
 
クーリングシェルターとして開放される釜石情報交流センター

クーリングシェルターとして開放される釜石情報交流センター

 
 釜石市内のクーリングシェルターのうち、公共施設は16カ所。8地区にある各生活応援センター、市立図書館(小佐野町)、シープラザ釜石(鈴子町)、市民ホールTETTO(大町)、釜石情報交流センター(同)、魚河岸テラス(魚河岸)、根浜シーサイド(鵜住居町)、いのちをつなぐ未来館(同)、鵜の郷交流館(同)で、施設ごとに3~50人の受け入れ数が設けられている。
 
 民間施設ではイオンタウン釜石が開放される。買い物利用の有無にかかわらず休憩所として使ってもらえるよう、通路や空きスペースなどに椅子やソファを増設。100人程度の利用を想定するが、上限は設けない。
 
協定を結んだ小野共市長(左から2人目)、渡邊朋子事業部長(同3人目)ら
 

協定を結んだ小野共市長(左から2人目)、渡邊朋子事業部長(同3人目)ら

 
 7月4日に市役所であった締結式には、イオンタウン東北事業部(仙台市)の渡邊朋子事業部長、釜石店の大沼秀璽モールマネジャーが出席。小野共市長と協定書を取り交わした渡邊事業部長は「週に何度でも気軽に足を運んでほしい」と利用を促した。全国展開するイオンタウン(本社千葉市)では各自治体と連携したシェルターの指定を促進中。東北では釜石が「締結の一発目」だという。小野市長は「猛暑が見込まれており、協力はとてもありがたい」と感謝した。
 
 釜石では、県内全ての「暑さ指数情報提供地点」の指数が「35」に達すると予想された場合に発令される「熱中症特別警戒アラート」だけでなく、いずれかの地点で指数が「33」に達すると予測された場合に発表されている「熱中症警戒アラート」が出た際も防災行政無線で周知する。ただ、アラートが発令されていなくてもシェルターの利用は可能。施設の名称や住所、受け入れ可能人数を市ホームページで公表している。
 
クーリングシェルターを示す掲示物が目印

クーリングシェルターを示す掲示物が目印

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今年もキター!太公望わくわく 鵜住居川、甲子川アユ釣り“七夕”解禁 釣果は?

解禁日を迎え、アユ釣りを楽しむ釣り人(写真左:甲子川、同右:鵜住居川)

解禁日を迎え、アユ釣りを楽しむ釣り人(写真左:甲子川、同右:鵜住居川)

 
 川釣りファン待望の季節が今年もやってきた。釜石市の鵜住居川、甲子川は7日、今季のアユ釣りが解禁された。早朝はあいにくの雨模様となったが、両河川ではこの日を待ちわびた釣り人らが長い竿(さお)を繰り出し、1年ぶりの“引き”を楽しんだ。悪天候ながらまずまずの釣果で、解禁日としては大きめの体長22センチほどのアユも見られた。
 
 鵜住居川では鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長、組合員154人)の組合員や遊漁券購入者が早朝から各ポイントに散らばった。午前4時半解禁。釣り人らは水流などを見極めながら狙った場所でおとりアユを泳がせ、糸の動きを目で追いながらアタリを待った。竿を握る手に確かな手応えを感じると、竿先を上げて2匹をたも網に誘導。アユの縄張り特性を利用した「友釣り」の醍醐味(だいごみ)を味わった。
 
鵜住居川長持橋付近では県内各地から訪れた人たちが竿を出した

鵜住居川長持橋付近では県内各地から訪れた人たちが竿を出した

 
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おとりアユを泳がせて釣る「友釣り」。独特の“引き”が釣り人を魅了する

 
 同河川には5月12日に、同漁協によってアユの稚魚400キロ(約4万4700匹)が放流された。それから約2カ月―。釣り上げたアユは20センチ前後にまで成長。昨年の解禁日より釣果は少なめながら、久しぶりの感触を楽しむ釣り人からは笑みがこぼれた。
 
 栗林町の道々橋上流で竿を構えた同町の千葉啓太さん(32)は「解禁日前夜は眠れないぐらい気持ちが高ぶる」と待ちに待った様子。シーズン中は県内各河川へ飛び回るが、「鵜住居川のアユは引きがいい。特に天然(アユ)は強い。これが何とも言えない」と地元の魅力をアピール。「水面から2匹が姿を現す瞬間は最高の喜び」と話す。例年だと解禁日は午前8時ごろまでに10匹はいくが、「今年はまだ一桁」と、その後の釣果に期待した。
 
解禁日にしては大きめのアユが釣れた。順調に成育しているよう

解禁日にしては大きめのアユが釣れた。順調に成育しているよう

 
地元釜石のベテランは巧みな竿さばきで多くのアユを釣り上げた

地元釜石のベテランは巧みな竿さばきで多くのアユを釣り上げた

 
 一関市の“アユ釣り歴30年”という男性(65)は、長持橋下流で午前9時ごろまでに17~18匹を釣り上げた。「雨でいくらか水温が下がり、(野アユの)追いが悪いようだ」と言いつつ、「型はいい。解禁日でこの大きさは珍しいのでは」とヒットを重ねた。同河川の解禁に足を運ぶのは昨年に続き2回目。「高速(三陸沿岸道路)を降りてすぐという近さがいい。新しい道路ができるまでは来たことがなかった」と、沿岸に足を延ばしたきっかけを明かした。釣った魚は冷凍し、「お盆に息子たちが帰省した時にバーベキューをしながらみんなで食べる」と心待ちにした。
 
 漁協の巡回監視員は解禁と同時にパトロール。組合員証、遊漁券不保持などの違反、危険行為がないかなどを見て回った。梅雨入り後、まとまった雨が降らず、川の水量不足を懸念していた組合員ら。川崎組合長は「解禁日前にもう少し降ってくれていれば」と苦笑い。この日は沿岸南部5河川の解禁が重なったが、「県内陸部からの釣り客の姿も見られ、思ったほどの減少ではない」と一安心。「天然遡上も8月には大きくなる。適度な雨で新しいコケ(アユの餌)も生えてくれれば。9月初旬まで長く楽しめるといい」と期待する。
 
鵜住居川漁協の監視員が巡回。釣り人から話を聞いて情報も集める

鵜住居川漁協の監視員が巡回。釣り人から話を聞いて情報も集める

 
 甲子川でも早朝から釣り人が繰り出した。こちらも朝方は雨に見舞われたが、日中は天候が回復。日も差した。毎年、足を運ぶ地元の愛好者によると、解禁初日としては例年より人出は少なめ。五の橋下流域から甲子町大松まで広範囲に釣り人が散らばった。
 
 河川漁協のない甲子川では入漁料を徴収しないため、春先の稚アユの放流は、資源保全に取り組む甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市、流域の企業からの助成金で行われている。今年は大雨による増水の影響で、当初予定より3週間ほど遅い6月7日に250キロ(約3万匹)を放流した。
 
甲子川の県立釜石病院裏エリア(甲子町松倉)は毎年人気のスポット

甲子川の県立釜石病院裏エリア(甲子町松倉)は毎年人気のスポット

 
午前10時ごろには雨も上がり、日差しが出る時間帯も

午前10時ごろには雨も上がり、日差しが出る時間帯も

 
 県立釜石病院裏で釣り糸を垂れた甲子町の男性(49)は午前10時ごろまでに8~10匹を釣り上げた。サイズは大きいもので20センチほどと例年並み。「コケが良ければ成長もいいだろうが、あまり良くないようなので…。数も昨年の解禁日よりは少なめ」とちょっと残念そう。それでも、水質の良い河川で育ったアユ特有の“スイカの香り”は顕在で、「おいしそう」と頬を緩めた。
 
 同協力会の安久津会長は「解禁前に見て回った時は魚影は見えていたので、今年(の解禁)はいいかなと思ったが…。今朝の雨が影響したのかな。早めに切り上げた人もいた。今後に期待です」とシーズン本番を楽しみにした。
 
甲子川も水量は少なめ。濁らない程度のまとまった雨がほしいところ

甲子川も水量は少なめ。濁らない程度のまとまった雨がほしいところ

 
こちらの方は鵜住居川から甲子川へ“はしご”。到着早々、立て続けに2匹を釣り上げた

こちらの方は鵜住居川から甲子川へ“はしご”。到着早々、立て続けに2匹を釣り上げた

 
 甲子地域会議と同協力会は味の良さで定評のある甲子川のアユを多くの人に味わってもらおうと、道の駅釜石仙人峠での2年ぶりとなるお振る舞いイベントを計画中。甲子川で釣ったアユを寄付してくれる方を募集しているという。(広報かまいし7月1日号掲載)

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夏待ちきれず水しぶき 釜石でプール開き 歓声響く屋外プール「冷たいけど、いいね」

屋外プールの水の感触を楽しむ子どもたち

屋外プールの水の感触を楽しむ子どもたち

 
 釜石市大平町の市営プールで6日、屋外プールの利用が始まった。今季利用できるのは50メートルプールのみ。25メートル、子ども用プールは老朽化で閉鎖状態が続く。それでも水泳に親しむ子どもたちは早速水しぶきを上げて初泳ぎ。梅雨時期のじっとりした暑さの中だったこともあり、「水、冷たーい」「キラキラして、きれいだね」と歓声を上げた。
 
 この日はプール開きに合わせて安全祈願の神事が行われ、指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)や釜石水泳協会(山崎達会長)の関係者ら約20人がシーズン中の無事故を祈った。市スポーツ推進課の佐々木利光課長は「老朽化による不具合で使用できないプールがあり不便をかけるが、安全安心のもと、快適に使ってほしい」とあいさつ。協立管理工業の藤澤正明総務主任は「施設の内外を掃除して清潔に努めている。救助法など訓練も重ねて対応できるようにしている。ぜひ利用を」と呼びかける。
 
屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

 
 初泳ぎを楽しんだのは、水泳教室に通う子ども約15人。平泳ぎやクロールなど模範泳法を披露した。この時のプールサイドの気温は33度、水温25.4度で、絶好のプール日和。藤原莉那さん(10)は「水は冷たいけど、気持ちいい。大会に向けて練習を頑張りたい」と意欲を高めた。
 
 特別イベントとして、アーティスティックスイミングの体験会も開かれた。小学生から高校生まで30人ほどが参加。水上に顔を出したまま平泳ぎをしたり、手を上げてポーズを決めるなど、動作を何度も繰り返した。音楽や仲間と呼吸を合わせて演技する難しさや楽しさを体感。「難しそう…できた!」と満足げな声が飛び交っていた。
 
初泳ぎを楽しむ子どもたちの笑顔が広がった

初泳ぎを楽しむ子どもたちの笑顔が広がった

 
アーティスティックスイミングの楽しさも味わった

アーティスティックスイミングの楽しさも味わった

 
 市営プールには通年で利用できる屋内25メートル、子ども用プールもある。協立管理工業によると、昨年度の利用者数は約3万3000人(前年度比約6400人増)で、コロナ禍を経て徐々に回復している。今季も基本的に利用人数、時間の制限は行わない。気兼ねない利用を促しつつ、「土日など混雑が予想される場合もあるので、様子を見て判断してほしい。みんなで楽しい利用を」と理解を求める。
 
開放された屋外50メートルプール。ルールを守って安全な利用を

開放された屋外50メートルプール。ルールを守って安全な利用を

 
 営業は火曜日から金曜日が正午~午後8時、土・日・祝日は午前10時半~午後6時で、月曜日が休館。市内小中学校の夏休み期間(7月23日~8月20日)は無休で営業し、全日午前10時半に開場する。期間中は未就学児の利用は無料。学校にプールがない市内の中学生などは生徒手帳を提示すれば無料となる。屋外プールは9月1日まで開放する予定だ。

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華麗な変身! 国蝶「オオムラサキ」の羽化 愛好家が撮影成功 釜石の保護活動 成果着々と

オオムラサキの雄がサナギから羽化する様子=かまいし環境ネットワーク菊地利明さん撮影

オオムラサキの雄がサナギから羽化する様子=かまいし環境ネットワーク菊地利明さん撮影

 
 羽の美しい模様と鮮やかな色彩、力強い羽ばたきで愛好家にも人気のチョウ「オオムラサキ」。国蝶(こくちょう、日本昆虫学会選定)で、環境省の準絶滅危惧種に指定されているこのチョウは6~7月が羽化の時期。サナギから華麗な変身を遂げる雄の姿が6月下旬、釜石市内で撮影された。一連の過程の写真撮影に成功したのは、オオムラサキの保護活動に長年取り組んできた、かまいし環境ネットワーク(加藤直子代表)会員の菊地利明さん(59)。自然の神秘の一部始終を紹介する。
 
 オオムラサキの羽化が見られたのは同市甲子町の雑木林。同ネットワークが2000年代初頭、オオムラサキ繁殖のために植えたエゾエノキの葉陰だ。エノキ類の葉は幼虫の餌になっている。菊地さんは毎年、同所で観察を継続。今年も休日などを利用し足を運んでいたところ、6月22日午後、薄緑色から黒っぽく変色した羽化間近のサナギを発見。撮影を開始した。
 
 午後1時半ごろ、亀裂が入った殻から成虫が出始めた。頭部と背中から姿を現し、触角、脚も出てきた。3分ほどで体全体が殻から抜けると、ゆっくりと体勢を上向きに変え、羽を伸ばし始めた。この後、胴体と羽が乾いて飛べるようになるまで、じっとしていた。午後5時前、葉陰から葉表に移動。何度か羽を開閉しながら飛び立つ練習をした後、午後5時40分ごろ、勢いよく夕空に向かって羽ばたいた。羽化開始から4時間余り。オオムラサキの貴重な生態の一部が菊地さんによってカメラに収められた。(以下、羽化写真=菊地さん撮影)
 
①サナギの殻を割って頭部と背中から出始める ②脚や触角、腹部も出てくる

①サナギの殻を割って頭部と背中から出始める ②脚や触角、腹部も出てくる

 
③羽の斑紋、裏面の黄色も見える ④頭部を上向きに体勢を変える

③羽の斑紋、裏面の黄色も見える ④頭部を上向きに体勢を変える

 
⑤体を安定させ、羽を伸ばしていく ⑥羽がいっぱいに伸びた状態

⑤体を安定させ、羽を伸ばしていく ⑥羽がいっぱいに伸びた状態

 
⑦、⑧葉の表に移動。羽を開閉したりブルブルと震わせたりしながら飛行準備

⑦、⑧葉の表に移動。羽を開閉したりブルブルと震わせたりしながら飛行準備

 
美しい羽を広げ、間もなく飛び立つオオムラサキの雄

美しい羽を広げ、間もなく飛び立つオオムラサキの雄

 
 菊地さんがこの場所で羽化の瞬間を目にするのは初めて。これまで、サナギと羽化後の殻は確認していたが、「今回はタイミングが合って撮影できた」。釜石では例年6月末に羽化を確認していたが、「今年は関東並みの早さ。地球温暖化の影響かな」と菊地さん。オオムラサキは雄が先に羽化し、その後、雌が羽化する。観察に同行した6月30日はエゾエノキ周辺を飛び回る雄の姿が見られた。「雄は体の成熟に時間がかかるため一足早く羽化する。雌は羽化直後に交尾が可能。雄は雌の羽化を待って近くにいる可能性がある」という。
 
オオムラサキの羽化を撮影した菊地利明さん

オオムラサキの羽化を撮影した菊地利明さん

 
エゾエノキ、エノキの周りを飛び回るオオムラサキの雄。下から見ると光の加減で羽の表の模様が透けて見える

エゾエノキ、エノキの周りを飛び回るオオムラサキの雄。下から見ると光の加減で羽の表の模様が透けて見える

 
 同ネットワークが同所に植えたエノキ、エゾエノキは計4本。成長が早いこれらの木は約20年で大きく成長。周囲の環境と相まってオオムラサキの繁殖に適した木になっているとみられる。幼虫は枝を動き回って葉を食べるが、サナギは天敵の鳥に見つかりにくい、比較的低い枝の葉陰に多く形成される。このため、梅雨時期に水分で重くなった枝が垂れ下がってくると、シカがサナギごと葉を食べてしまうことがあった。菊地さんは今年、シカ対策として枝を支える支柱を設置。大雨が少なく、食害も防げたことで、目視で確認できる範囲に8匹のサナギができた。
 
写真右:雨で枝が垂れ下がらないように支柱を設置。シカの食害対策

写真右:雨で枝が垂れ下がらないように支柱を設置。シカの食害対策

 
 オオムラサキは北海道から九州まで広く分布するが、生息数は減少している。高度経済成長期の森林伐採や木材供給のための針葉樹林化など山の環境変化で、幼虫に必要なエノキ類、成虫が樹液を吸うためのクヌギ、コナラなどの樹木が減ってしまったことが影響しているとみられる。
 
 菊地さんが釜石市内で他にオオムラサキを確認できているのは、甲子町の小学校裏山、日向ダムなど。同ネットワークは県や市の協力で、同ダム周辺にもエゾエノキの植樹を続けていて、昨年5月の植樹時には、以前植えた木に幼虫の姿が見られた。今回、菊地さんが撮影した羽化写真を目にした加藤代表は「感激です。市民の皆さんにも見てもらえる機会を設けたい。子どもたちの環境学習にも役立てられたら」と期待。植樹の成果が表れていることも喜び、「引き続き生息環境を守っていきたい」と話した。
 
人の目の高さの枝で複数のサナギを確認。サナギは葉の裏側に形成される(写真左下)

人の目の高さの枝で複数のサナギを確認。サナギは葉の裏側に形成される(写真左下)

 
 オオムラサキはタテハチョウ科に属する。羽を広げると10センチ前後になり、雌のほうが一回り大きい。羽の表面は雄が青紫色、雌は黒褐色で、白や黄色の斑紋がある。日本では南北で大きさや羽の裏面の色が異なる。北に生息するほうが小型で、裏面の羽色は南にいくほど白っぽく、北にいくほど黄色味が強くなる。菊地さんは「地域によって模様にも若干の違いがあり興味深い。こんなにきれいなチョウが釜石にもいることを知ってほしい。一緒に保護活動に取り組む仲間も増えてくれたら」と願う。

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安全、安心な地域づくりに尽力 警察業務への協力で釜石署が3団体8個人に感謝状贈呈

警察業務への協力で感謝状を贈られた釜石・大槌地区の団体や個人=1日、釜石警察署

警察業務への協力で感謝状を贈られた釜石・大槌地区の団体や個人=1日、釜石警察署

 
 犯罪や交通事故の防止活動などで警察業務に協力してきた団体や個人への感謝状贈呈式が1日、釜石市中妻町の釜石警察署(三浦正人署長)で行われた。長年の貢献で2人に県警察本部長感謝状、3団体6人に釜石警察署長感謝状が贈られた。
 
 警察業務協力者への感謝状贈呈は、1954(昭和29)年7月1日に現行の警察制度が施行され、都道府県警察が発足したことにちなみ、毎年この日に行われている。釜石署では今回、登下校時の児童の見守り、少年の非行防止、交通安全意識の啓発、防犯パトロール、特殊詐欺被害防止の広報活動などで功労のあった団体と個人が対象となり、三浦署長が一人一人に感謝状を手渡して気持ちを伝えた。
 
県警本部長名、釜石署長名の感謝状が贈られた

県警本部長名、釜石署長名の感謝状が贈られた

 
三浦正人署長(右)が対象者に賞状を手渡し、感謝の気持ちを表した

三浦正人署長(右)が対象者に賞状を手渡し、感謝の気持ちを表した

 
 三浦署長は同署管内の治安情勢についても説明。刑法犯認知件数は2015年以降、減少が続いていたが、21年から増加に転じ、中でも詐欺被害が増えていることを指摘。本年度に入り、SNSの利用で多額の現金をだまし取られる被害も発生していることを伝えた。昨年の交通事故件数は前年より減少したが、今年に入り増加傾向に。2月には大槌町内で死亡事故もあり、「予断を許さない状況」とし、「地域住民の安全、安心のため力添えを」と引き続きの協力を願った。
 
 県警本部長感謝状を受けた佐々木喜一さん(83)は町内会長を務める小佐野町で、20年近く下校時の児童の見守り、月1回の町内防犯パトロールなどを継続。小佐野交番の開所時には同交番連絡協議会の立ち上げにも尽力した。「今のところ大きな犯罪はないが、町内を走る国道は過去に死亡事故が多発していた。幸い今年はゼロだが、高齢者が信号のない場所を横断するケースがあり心配。さらに注意喚起をしていきたい」と気を引き締めた。
 
「県警察本部長感謝状」を受けた佐々木喜一さん

「県警察本部長感謝状」を受けた佐々木喜一さん

 
 釜石署長感謝状を受けた柴田渥さん(77)は松原町内会長で、地域の防犯意識向上、犯罪予防活動に尽力する。東日本大震災の津波被害を受けた同地区は、世帯数が3分の1に減少。独居高齢者が増え、本人や周囲が気付かぬまま犯罪に巻き込まれる危険性もあることから、「詐欺が疑われる不審電話、しつこいセールスなど電話対応に関する注意喚起は一層重要。100歳体操など定期的に集まる機会は情報交換の場にもなっているので、防犯への心構えも呼び掛けていきたい」と話した。
 
防犯、交通安全など地域を守る活動を長年続けてきた皆さん。住民の安全安心に大きく貢献

防犯、交通安全など地域を守る活動を長年続けてきた皆さん。住民の安全安心に大きく貢献

 
 感謝状を受けた団体、個人は次の通り。
【県警察本部長感謝状】 祝田稔平(大槌町上町)、佐々木喜一(釜石市小佐野町)
【釜石警察署長感謝状】 ▽団体:釜石市立甲子小学校、釜石遊技業組合、中妻地区見守り隊 ▽個人:猪又春一(平田)、佐々木静男(平田町)、佐々木義晴(小佐野町)、柴田渥(松原町)、武石勝雄(野田町)、佐々木正雪(甲子町)※いずれも釜石市

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三陸の海に人知れず生息!? 欧州原産カキ 岩手県水産技術センター(釜石)が研究 活用模索「起死回生の一手に」

岩手県水産技術センターで育てられているヨーロッパヒラガキ

岩手県水産技術センターで育てられているヨーロッパヒラガキ

 
 70年以上前に養殖試験のため日本に持ち込まれ、岩手県沿岸でも試験的に養殖されていた欧州原産の食用カキ。東日本大震災の津波で流失し消滅したと考えられていたが、県水産技術センター(釜石市)などの調査研究で“生息”していることが確認された。その名は「ヨーロッパヒラガキ」。人知れず生き残り、繁殖・定着した生存力は、不漁が続く三陸海域の有用な資源になりうる可能性を秘める。同センターでは既に種苗の生産に成功。その規模を拡大させながらさらに研究を進め、養殖試験につなげる考えだ。
 
 センターによると、ヨーロッパヒラガキは丸く平たい見た目が特徴で、殻の幅は10センチほど。欧州では古くから生食用として親しまれてきた高級食材で、独特の渋みがあり、シャンパンや白ワインに合うとされる。近年は病気の流行などで生産量が激減しているという。
 
ヨーロッパヒラガキとマガキを比較。3つ並んだものは右側の2つがヒラガキ

ヨーロッパヒラガキとマガキを比較。3つ並んだものは右側の2つがヒラガキ

 
調査研究に取り組んだ寺本沙也加さん(右)と小林俊将さん

調査研究に取り組んだ寺本沙也加さん(右)と小林俊将さん

 
 そんな高級食用カキの調査研究に取り組んだのは、同センター増養殖部専門研究員の寺本沙也加さん(29)と、部長の小林俊将さん(57)。成果は今年5月に日本貝類学会の国際学術誌に掲載された。
 
 研究のきっかけは昨年4月、寺本さんが山田湾でカキ養殖を行う漁業者のSNS(交流サイト)で「種が不明のカキ類」の写真を見つけたことだった。その漁業者から「正体を調べてほしい」との要望もあり、調査を開始。譲り受けた26個体から10個体を選定して貝殻の形態やDNA解析を行った結果、全てがヨーロッパヒラガキと判明した。
 
 ヒラガキは1952年に東北大がオランダから国内に持ち込み、北海道や、青森、岩手、宮城の3県で養殖試験を進めた。岩手県内では91~95年にかけて山田湾で種苗生産と養殖試験を行っていたが、94年の北海道東方沖地震の津波で母貝や種苗が流失して全ての試験を終了。最後まで養殖していた宮城沖でも2011年の震災の津波で流され、消滅したと考えられていた。
 
ヨーロッパヒラガキを手にする小林さん。センターで種苗生産試験を続ける

ヨーロッパヒラガキを手にする小林さん。センターで種苗生産試験を続ける

 
 今回の調査でヒラガキの存在を確認したこともあり、県内24の漁業協同組合を対象にアンケートを実施。その結果、宮古市から陸前高田市までの7湾で生息していることを確認した。養殖のホタテなどに付着した形でヒラガキを発見しているとのこと。小林さんは「あちこちに存在していると思われ、驚いた。定着の過程など実態は不明だが、生息できる環境があったということだろう。さらなる研究が必要」と目を光らせる。
 
 過去に人為的な移入が確認されていない海域でも生息していることが分かったが、今回、釜石地域の漁業者からの報告はなかったという。ただ、本県沿岸各地への分布拡大が進んでいると考えられることや、大槌湾でも見つかっていることから、小林さんは「近い海域ですから…」と、希望を残してくれた。
 
仕事でもあり趣味でもある貝類をテーマにした研究を楽しんだという寺本さん

仕事でもあり趣味でもある貝類をテーマにした研究を楽しんだという寺本さん

 
ヨーロッパヒラガキと、研究成果として発表された論文

ヨーロッパヒラガキと、研究成果として発表された論文

 
 国外から意図的に移入されたカキ類が天然海域に定着した事例としては国内初になると考えられる―。そうした成果をまとめた寺本さんは、貝類の分類が専門。「歴史をひもとく研究であり、地元の貝をネタにした研究で楽しかった」と、うれしそうに話す。貝殻のコレクターでもあると自認するが、「食べるのは苦手」というところが面白い。
 
 世界的に水産有用種として知られ、その利用が注目されると予想する寺本さん。分布把握や周辺海域でのモニタリングを続けていく構えで、「落ち込んでいる三陸の水産業にとって起死回生の一手を打てる産品になればいい」と期待する。
 
 同センターでは、新たな養殖対象種として利用の可能性を探るため、昨年度から種苗生産試験を続ける。今年の秋以降、漁業者と連携して養殖試験にも取り組みたい考え。今のところ生態系への影響は確認されていないとするが、状況を注視していくという。

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT AC長野パルセイロ戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT AC長野パルセイロ戦

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\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第21節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs AC長野パルセイロ

日時

2024年7月13日(土) 18:00 キックオフ
開場 17:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト