27年ぶり東北大会へ! 硬式クラブ「釜石野球団」若手選手中心に躍進 目指すは全国への切符


2024/07/24
釜石新聞NewS #スポーツ

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27日、全日本クラブ選手権東北大会に出場する「釜石野球団」(写真:同団提供)

 
 釜石市唯一の硬式野球クラブチーム、釜石野球団(佐藤貴之監督、31人)は今月27、28の両日、山形県で開催される第48回全日本クラブ野球選手権第二次予選東北大会に岩手第3代表として出場する。同団がこの大会で東北大会に進むのは1997年以来27年ぶり。主力の若手を中心に、ここ5~6年で戦績を伸ばし続ける釜石の “硬式の雄”が、満を持して東北の舞台に挑む。
 
 6月に開催された同大会の岩手県予選には県内から20チームが参加。釜石野球団は準決勝で昨年の東北大会覇者、水沢駒形野球倶楽部に7-0で敗れたものの、3位決定戦で盛友クラブを7-0で下し、本県第3代表として東北大会出場を決めた。同大会は全国の硬式クラブチームが目指す最も大きな大会で、同団にとっては上位大会進出の第一歩がかなった形だ。
 
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釜石野球団は6月30日に宮古市で行われた県予選で第3代表決定戦に挑んだ(写真:同団提供)

 
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盛友クラブに7-0(8回コールド)で勝利し、東北大会出場権を獲得(同)

 
 菊池健太郎主将(25)によると、現チームは今、主力となっている20代選手が加入したころから、徐々に力をつけてきた。「若手の入団で士気が上がり、一致団結し始めた」のが大きいという。2018年にはJABA東北クラブカップ県予選で優勝し、東北大会に出場。19年のクラブ選手権県予選ではベスト4まで勝ち上がったが、東北大会出場権獲得には至らなかった。20年から始まった三陸沿岸クラブ大会では3年連続優勝を果たしている。
 
 「今のメンバーは目標がみんな同じで、勝利への意識が高い。練習でも全員が声を出して互いを鼓舞し合い、すごく活気がある」と菊池主将。投手3人はそれぞれの持ち味を生かした投球で、試合をけん引。失点をカバーする打撃陣もそろっていて、得点力も高いという。
 
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17日夜は大天場運動広場(八雲町)で練習。仕事を終えたメンバーが集まる

 
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ティーバッティング練習でボールを捉える感覚を養う

 
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釜石野球団投手陣。(左から)中居林瞭太さん(24)、菊池健太郎主将(25)、菊池涼太さん(24)

 
 4番の菅原昌也さん(26、外野手)は高校卒業と同時に入団。今年9年目の“頼れる主砲”で、その長打力は得点の要。「前の打者がつないだチャンスを確実にものにするのが自分の役目。一本打って走者を返す。常に打点を意識している」と菅原さん。毎週水曜夜のチーム練習以外にも、毎日の素振りで自己鍛錬を欠かさない。「クラブ選手権の東北大会はずっと目標としてきた。出るからには全国(大会)目指して頑張りたい」。強豪が顔をそろえる厳しい戦いの舞台も「今は楽しみしかない」と気負いはない。
 
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期待の4番!菅原昌也さん(26)。長打力と俊足でチームに貢献

 
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ノックで守備練習。「いいねー」「よっしゃー」「すぐ戻って」…。選手同士の掛け声が響く

 
 同団は1975年から活動。市内には、かつて都市対抗野球全国大会で上位入賞を果たした富士製鉄(後に新日本製鉄)釜石など、社会人硬式野球のチームが複数あったが、現在、活動するのは釜石野球団のみ。新日鉄釜石が休部し、同部メンバーが同団に合流した当初は全国大会出場経験もあるが、その後はしばらく上位大会からは遠のいていた。
 
 菊池主将は今回の東北大会出場意義を、「多くの人にチームの存在を知ってもらういい機会。釜石はラグビーだけじゃない。他のスポーツでも頑張っている姿を見せることで、さまざまな競技に親しむ市民らの励みにもなれば」と広義的に捉える。もちろん、勝負へのこだわりも。「釜石野球団の色を出して、一つでも多く勝ち 進みたい。チームの最大目標『全国大会』を目指して…」と意気込む。
 
 野球人口の減少が叫ばれる昨今。釜石市も例外ではないが、同団には下部組織としてジュニア(小学生)チームがあり、裾野拡大にも一役買っている。現メンバーは8割以上が釜石出身者。市外の高校や大学への進学で古里を離れるも、地元就職で同市に戻り、同団で競技を続けている人も多い。高校野球の強豪校、花巻東や一関学院出身者も多数。「一度、釜石を出ても、このチームで野球をやりたいと帰ってきてくれるのが理想。地元の人たちの応援も願うところ」と佐藤監督(55)。間近に迫った東北大会に「まずは大きな大会の雰囲気を存分に味わってほしい」と、この経験を次へのステップとしたい考え。
 
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東北大会を心待ちにする釜石野球団メンバー

 
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悔いのない試合を!まずは初戦突破へ気持ちを一つにする選手ら

 
 東北大会には10チームが出場。釜石野球団の初戦は27日午前8時半から。天童市スポーツセンター野球場で、福島第2代表のオールいわきクラブと対戦する。本県からは同団のほか、水沢駒形野球倶楽部(岩手第1代表)、住田硬式野球クラブ(同第2代表)が出場。全国大会出場権は4チームが手にする。
 
 釜石野球団の情報は公式インスタグラム(@kamaishi_bbc)で公開中。

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