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釜石SWホーム開幕戦 愛知に7-52 反則、ミスで失点招く 強化のFWは力発揮

ホームの釜石鵜住居復興スタジアムで初の開幕戦を迎えた釜石SW(赤)。シャトルズ愛知と対戦

ホームの釜石鵜住居復興スタジアムで初の開幕戦を迎えた釜石SW(赤)。シャトルズ愛知と対戦

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでシーズン初戦を迎えた。相手は昨季2部3位の豊田自動織機シャトルズ愛知。4位の釜石は昨季の愛知との2戦目で6点差に詰め寄っており、今季開幕時のチーム力が注目された。試合の結果は7-52(前半0-19)。残念ながら、開幕を勝利で飾ることはできなかった。第2節は16日、3部から昇格したNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と敵地で対戦する。
 
 釜石は新加入の6人を先発に起用。前半は随所でいいタックルも見られ、粘りのディフェンスで途中までは互角の戦い。一方で、相手の強いプレッシャーの中で9つの反則を取られ、試合の流れを渡してしまう場面も。愛知に3トライを許した。得点のチャンスだったSO中村良真のPGはゴールポストに跳ね返され、前半は無得点に終わった。
 
今季新加入のプロップ、フリン・イェーツ(中央)は強力な突進で観客を沸かせた

今季新加入のプロップ、フリン・イェーツ(中央)は強力な突進で観客を沸かせた

 
 釜石の初トライは後半20分。愛知に5本目のトライを決められた直後、ナンバー8に入った2年目のセタ・コロイタマナが期待通りのゲインライン超え。素早く右に展開すると、タッチライン際のWTB小野航大にきれいにつながり、小野の前方へのキックパスを今季新加入のFB吉川遼がきっちり決めた。中村のゴールも成功。これを機に反撃に転じたい釜石だったが、ラインアウトのミスやアタックのリズムを作れなかったことなどで追加点に至らず、7-52の大差で敗れた。
 
後半20分、新加入のFB吉川遼がチーム初トライ。キックパスを出した小野航大主将も喜びの笑顔(白枠内右)

後半20分、新加入のFB吉川遼がチーム初トライ。キックパスを出した小野航大主将も喜びの笑顔(白枠内右)

 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチは「もう少しやれるかなとは思ったが、シャトルズさんの成長、チーム力強化が素晴らしかった」と開幕時での力の差を認めた。それでも強化してきたスクラムが安定し、体を張ったディフェンスで相手を止められる場面も増えていて、「やってきた成果は出ている。規律、落ち着いたアタックで自分たちの形を作れればさらに良くなる」と新たな修正点を見据えた。
 
後半、モールで敵陣に攻め込む釜石SWのFW陣

後半、モールで敵陣に攻め込む釜石SWのFW陣

 
 小野航大主将も「課題の多いゲームになった。ブレイクダウンの集散、トランジション(攻守の切り替わり)の部分は修正できるところ。ペナルティーも減らしたい」と反省点を示した。一方で、「体を当てるところでは互角でやれている感覚はあった。コリジョン(接点)に関しては自信を持って臨みたい」と手応えを感じ、メンタルの変革も課題に挙げた。
 
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「ボールを持つと何かやってくれる―」仲間の信頼も厚い2年目のセタ・コロイタマナ(中央)。後は今季新加入のCTBトンガ・モセセ

 
多くの観客が声援を送ったバックスタンド席

多くの観客が声援を送ったバックスタンド席

 
 釜石SWのホームでのリーグワン開幕戦は初めて。地元小中学生はホストゲームの無料観戦ができるドリームパスポートを利用、65歳以上の高齢者はシニアサンクスデーの無料招待で観戦するなどし、この日の来場者数は1245人。会場内では新発売の選手名入りタオルなどのグッズ販売コーナーがにぎわい、試合前には応援練習も行われた。
 
2年目の「ドリームパスポート」企画で釜石大槌の小中学生は無料で入場

2年目の「ドリームパスポート」企画で釜石大槌の小中学生は無料で入場

 
「シニアサンクスデー」の65歳以上無料招待も好評

「シニアサンクスデー」の65歳以上無料招待も好評

 
選手の名前入りタオルなどを求め、にぎわうグッズ販売コーナー

選手の名前入りタオルなどを求め、にぎわうグッズ販売コーナー

 
試合前に行われた釜石SWの応援練習

試合前に行われた釜石SWの応援練習

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かたちで遊ぼう 冬のおりんさんの工作ひろば

かたちで遊ぼう 冬のおりんさんの工作ひろば_表
 
かたちで遊ぼう 冬のおりんさんの工作ひろば
 
木枯らしが吹く頃に
野山を散策していると
魅力的なセピアカラーが
あちこちに
 
きらりとひかる木の実
くるくると絡みつく枝
進化の秘密が詰まった種
 
フシギなかたちを手にすると
何か作りたくなってきませんか?
工作ひろばでお待ちしております
 
かたちで遊ぼう 冬のおりんさんの工作ひろば_裏

プログラム

【持ちもの】
・なし(材料はこちらでご用意します。)
・工作で使いたい素材をお持ちください。
・汚れても良い服装でお越しください
 
【対象年齢】4歳~どなたでも 各回定員10名
 
【申込み方法】11/26(日)受付を開始いたします。
事前予約フォーム、または電話でお申込みください。事前予約の方優先ですが当日参加も可能です。
12/23日(土) 13:30~15:00
12/24日(日) 10:30~12:00、13:30~15:00
 
「おりんさんの冬の工作ひろば」参加者募集 (google.com)

講師

おりんさん(澤田 麟太郎)
1981 釜石市生まれ
2007 多摩美術大学工芸科陶コース卒業
東京都昭島市を拠点に活動を開始
2018 活動の拠点を釜石市に移し、活動再開。
 
近年の活動状況
2019  芸術広場(東京紀尾井町ホテルニューオータニ)
第25回日本陶芸展 入選
第3回瀬戸・藤四郎トリエンナーレ 入選
第55回神奈川県美術展 奨励賞
2020 工芸祭 2020 (工芸青花)
STORAGE 2020(個展) (水犀)
2021 art at TETTO vol.1「やきもの日和」(釜石市民ホールTETTO)

開催日

2023年12月23日(土)〜 12月24日(日)

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

1回 おひとり様 500円

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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三遊亭楽大の「爆笑落語会 正座の限界60分&e-sports交流会」

 

落語とe-sportsによる心の復興事業 三遊亭楽大の「爆笑落語会 正座の限界60分&e-sports交流会」

災害公営住宅にお住まいの皆様と、地域住民の交流等を目的に、方三遊亭楽大さんのよる落語会と交流会を開催します。生で落語を楽しめる貴重な機会です。近隣の皆様お誘いあわせの上、是非ご来場下さい。みんなで沢山笑いましょう!

 

日時

鵜住居公民館
12月25日(月) 13時30分〜
沢山地区集会所
12月26日(火) 10時00分〜
吉里吉里公民館
12月27日(水) 13時30分〜

入場料

無料

主催・お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
TEL 0193-22-3607

※落語とe-sportsによる心の復興事業は、令和5年度被災者の参画による心の復興事業費補助金を活用しています。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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市民が愛した「歓喜の歌」聞き納め 釜石の第九演奏会 45年の歴史を胸に17日最終公演へ

「かまいしの第九」最終公演に向け合唱練習に励む参加者=7日、中妻公民館

「かまいしの第九」最終公演に向け合唱練習に励む参加者=7日、中妻公民館

 
 釜石市で1978(昭和53)年から続けられてきた師走の演奏会「かまいしの第九」(実行委主催)が17日、最後の公演を迎える。同市の音楽文化をけん引し、1年を締めくくる恒例の行事だったが、主力メンバーの高齢化、資金確保の難しさなどを理由に45年の歴史に幕を下ろすことになった。市内外から集まる出演者はそれぞれの思いを胸にステージに立つ。
 
 同演奏会は、旧市民文化会館の落成(1978年)を記念して、同館のこけら落とし公演として行われたのが始まり。同市出身で、東京荒川少年少女合唱隊(東京都荒川区)の創設者・故渡邊顕麿さん(1931-96)が帰郷後、市内に複数の合唱団を立ち上げ活動する中で、第九演奏を提案した。以来、毎年12月に開催。2011年の東日本大震災の津波で同館が被災後は釜石高体育館で続けられ、17年から新たに落成した市民ホールTETTOで開かれてきた。
 
 新型コロナウイルス禍で20、21年は中止を余儀なくされ、昨年、復活開催したが、実行委は「事業を支えるだけの“体力”を維持できなくなった」として、一旦区切りをつけることを決断。背景に運営の中心を担ってきたメンバーの高齢化、コロナ禍による経済低迷で協賛金などを募ることも難しくなったことがある。
 
ノイホフ・クワィアー代表小澤一郎さん(右)の指導で合唱練習

ノイホフ・クワィアー代表小澤一郎さん(右)の指導で合唱練習

 
心を一つに歌声を響かせるソプラノメンバー

心を一つに歌声を響かせるソプラノメンバー

 
最終公演の成功へ熱のこもった練習が続く

最終公演の成功へ熱のこもった練習が続く

 
 7月から練習を続けてきた合唱メンバーは本番まで10日と迫った7日夜、中妻公民館でリハーサル前最後の通常練習に臨んだ。仕事や学校を終え集まったメンバーは、ベートーベン交響曲第9番のコーラス部と第九演奏前に歌う合唱曲「群青」「明日を」の2曲を練習。パートごと細部のチェックを入れながら歌声を重ねた。
 
 石田啓将君(12)、晃悠君(9)兄弟は父昌玄さん(49)と舞台に立つ。初参加の晃悠君は「高い音のところが難しいけど最初より慣れてきた。終わっちゃうのは寂しいけど、お兄ちゃん、お父さんと3人で出られるのでうれしい」と本番を心待ちに。5回目の参加となる啓将君は「みんなで歌えることに感謝したい。コロナで中止になった2年間の分も合わせて心を込めて歌う」と幼児から培った歌声に自信をのぞかせる。
 
参加者最年少の石田晃悠君(前列右)と兄の啓将君(同左)

参加者最年少の石田晃悠君(前列右)と兄の啓将君(同左)

 
 浅沼和子さん(82)は夫英雄さん(09年逝去)と、母体の合唱団「釜石フィルハーモニック・ソサィェティ」に所属し初回から参加。「(初代指導者の)渡邊先生には生活に根差した音楽というものをご指導いただいた。自分の人生の半分は第九とともにある」と振り返る。同じく初回から参加している女性と「2人で最後まで続けてこられたのは何よりの喜び。大切な出会い、得難い時間をいただいた」と感謝する。当日は「胸がいっぱいになりそう…ちゃんと歌えるかな―」。亡き夫と心を重ね、渡邊さんの教えを歌声に込める。
 
 最終公演は同市出身、都立高教諭で、アマチュアオーケストラ「ムジカ・プロムナード」を主宰する瓦田尚さん(40)が指揮。同オケ、釜石市民吹奏楽団員など59人が演奏する。合唱には「かまいし第九の会」をはじめ市内外の115人が参加予定で、県内出身の声楽家4人がソリストを務める。
 
合唱隊は9歳~80代の男女で結成。約三分の一が県外から集まる

合唱隊は9歳~80代の男女で結成。約三分の一が県外から集まる

 
「明日を」の合唱では手拍子の演出も

「明日を」の合唱では手拍子の演出も

 
本番へ気持ちを高めながら練習する参加者

本番へ気持ちを高めながら練習する参加者

 
 実行委の川向修一会長(71)はプログラムを作る中で、一人一人の思いの積み重ねが釜石の第九を創り上げてきたことを痛感。「渡邊先生の『学び続け、耕し続ける』という言葉を忠実に守り、ここまで続けてこられた。みんなの思いが詰まった歌声で最後のステージをしっかり締めくくりたい。これが逆に力となって、新しい形の釜石の第九につながれていくことも期待しながら…」と本番へ気持ちを高める。
 
 ファイナル公演「第44回かまいしの第九」は17日午後1時半、TETTOで開演。チケットは前売り1500円(当日1800円)、高校生以下は前売り、当日ともに500円。TETTOで販売している。

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サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!フード編

サバイバルマスター®️1DAYチャレンジ!フード編
 

12月24日(日) フード編
 
/// 人の手助けができるサバイバルマスター®️に ///
 
全国の子どもたちにお願いです。
災害時は、大人たちだけでは対応できないことが次々に起こります。
そんな時のために一緒に学び続けよう。

8つのサバイバルプログラム

講習を受けると修了証、実技・筆記試験に合格するとワッペンがもらえます。
スキルが身についているか?学んだことを理解しているか?が合格の基準。
8つのプログラムすべてのワッペンがそろうと「サバイバルマスター®️」として認定されます。
 
サバイバルマスター®️1DAYチャレンジ!フード編チラシ(PDF/14.9MB)

スケジュール

10:00 受付開始
 
10:30 講習開始
このスキルを身に着けたら、どういった場面で役にたつか、学びながら練習しよう!
 
12:00 昼食
非常食を食べてみよう!
 
13:30 筆記試験
知識がしっかり身についているかテスト!
 
13:50 ふりかえり
 
14:00 解散

インストラクター

伊藤 聡
さんつな 代表
釜石高等学校 探求学習講師「防災ゼミ」
72時間サバイバル教育協会 認定ディレクター
 
釜石生まれ釜石育ち。
東日本大震災で自身も被災したものの、生まれ育ったまちを取り戻すため、ボランティアコーディネートを中心とした活動からスタート。
 
自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、子どもたちの生きる力を高めるために、様々な体験機会のコーディネートを行っています。
 
<<主な資格>>
防災士、防災検定2級、JVCAボランティアコーディネーション力検定2級、MFAメディック・ファーストエイド チャイルドケアプラス

お申し込み

予約フォームよりお申し込みお願いします!
https://reserva.be/santsuna
 
日程:2023年12月24日(日)
定員:15名(先着順)
※最小催行:3名
料金(税込):各回3,000円/一人あたり
※プログラム費、検定費、保険代など含みます
※助成金により、通常の参加費(5、500円)より割安になっています
対象:小学3年生以上
※子ども向けの内容ですが大人も参加大歓迎です
集合時間:10時受付開始
会場:根浜レストハウス キャンプ場
(釜石市鵜住居町第21地割23番地1外)
持ち物・注意事項:
●参加費は当日受付でお支払いお願いします(現金、PayPay、かまいしエール券)
●保護者や、対象年齢以外のご家族の付き添い(見学のみ)可能です

主催・お問い合わせ

さんつな(三陸ひとつなぎ自然学校)
LINE https://lin.ee/RvMUVBk
TEL 0193-55-4630 / 090-1065-9976
mail hitotsunagi.main@gmail.com

主催

さんつな

協力

72時間サバイバル教育協会
Tri4JAPAN

さんつな

さんつな

自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、若者の生きる力を高めるための体験機会を提供しています。

問い合わせ:0193-55-4630 〒026-0301 岩手県釜石市鵜住居町29-17-20
メール / LINE / 公式サイト / Facebook

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釜石は番号で呼ばれる橋が多い!? 鉄の町・鉄道の歴史ひもとく 図書館教養講座

釜石の「ナンバーブリッジ」を紹介した森一欽さん

釜石の「ナンバーブリッジ」を紹介した森一欽さん

 
 三の橋、五の橋、七の橋、八の橋…釜石市には「番号で呼ばれる橋」が多い。なぜか?…「名称だから」といえばそれまでだが、気になっている人も少なくはないのでは―。そんな疑問の解消につながる講座が3日、小佐野町の市立図書館で開かれた。同館主催の市民教養講座の一環で、市世界遺産課の森一欽さん(課長補佐)が講師。「鉄の町かまいし」の歴史に関心のある市民ら約20人が聴講し、その「知りたい!」という好奇心をくすぐった。
 
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歴史好きの人たちが耳を傾けた市立図書館の教養講座

 
 テーマは「釜石鉄道の道」。橋の話は鉄の町、鉄路の歴史とかかわる。1858(安政4)年12月1日に大橋地区で、大島高任が洋式高炉・鉄鉱石による製鉄に成功したことから鉄の町の歴史がスタートするが、そこは鉄道の歴史が始まった地でもあるという。
 
 時代は明治、鈴子(現在の釜石製鉄所がある地区)に官営製鉄所をつくることが決まったところから森さんの解説が始まった。生産能力を引き上げた高炉を稼働させる計画で、それに見合った鉄鉱石や木炭を運搬するため鉄路が敷かれた。それが「工部省鉱山寮釜石鉄道(総延長26.3キロ)」。大橋の採鉱場から鈴子、そして釜石港までつなぎ、支線として小川にあった製炭所も結ぶ路線で、1880(明治13)年に運転を開始。「これが日本で3番目の鉄道になる」と語る。
 
鉄の町の歴史を支えた鉄道について解説する森さん

鉄の町の歴史を支えた鉄道について解説する森さん

 
 ただ、官営としての使用は3年ほどで終わり、その後は鉄の生産量拡大や国による鉄道法の公布などで、▽馬車鉄道▽釜石鉱山専用汽車(社線)▽岩手軽便鉄道-と変遷していく。1950(昭和25)年に釜石線が全線開通した後には「モータリーゼーション」がやってくる。森さんは「車社会、国道のど真ん中を鉄道が走っているのは邪魔ですよね。撤去することに。昭和40年のこと」と説明した。
 
 そして話題が変化。「ナンバーブリッジ。なんで番号が付いた橋ができたか」。気になっていた答えは「簡単に言うと、橋の名前をいちいち付けるのは面倒くさいということで番号を付けたんですね、たぶん。それが始まり」と、森さんはさらっと発した。橋ができたのは官営製鉄所時代で、工部省年報(公文書)などを示し、「当時作られた橋は20カ所」と説明。一方、同じ頃に刊行された工学雑誌の記述も見せ、「ある研究者のまとめでは17。何が違うか。書いた方はカルバート、つまり暗きょは橋と認めない」と差異の要因を指摘した。
 
橋の数に違いが生じた点も解説した

橋の数に違いが生じた点も解説した

 
身を乗り出し説明に聞き入る参加者

身を乗り出し説明に聞き入る参加者

 
 工学雑誌を基に、17の橋を紹介した。今も使われ名称も定着している「五の橋」だったり、名を知らずの橋、宅地などで利用され地下で眠ってしまったものもあったり。当時の名残を見ることができる場所もあり、小佐野町の60代男性は「知らなかったことばかり。近くにあるという八の橋、九の橋を散歩がてら見てみようと思う。話を聞きくと楽しみが増えるな」と頬を緩めた。
 
 質疑の時間には、鉄鉱石の運搬で活躍した蒸気機関車や製鉄所製造の鉄管の行方など、歴史好きな人たちならではの問いかけが続いた。「橋の位置を特定する参考に」と当時の住宅街の様子を伝える人もいて、知的好奇心を刺激し合う雰囲気に森さんはニヤリ。昨年の鉄の記念日・週間に行われたある講演で橋の話題が出た後、興味を持った市民らの様子を察知して今回のテーマを選んでいて、「うん。実際に歩いて、いろんな痕跡を探してみて」といたずらっぽい笑みを浮かべた。
 
数字が入った橋名板をパチリ。歴史に触れる町めぐりを楽しめる

数字が入った橋名板をパチリ。歴史に触れる町めぐりを楽しめる

 
甲子町にある「十三の橋」。イギリス積みという手法で積み上げられた赤レンガが残る

甲子町にある「十三の橋」。イギリス積みという手法で積み上げられた赤レンガが残る

 
 ナンバーブリッジ。釜石を楽しむ要素に橋めぐりはいかが―。

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映像文化、まちの歴史で復興後押し 故平松伸一郎さん追悼映画上映会 釜石で 関係者はしのぶ会も

故平松伸一郎さんが手掛けた映画上映会のチラシに見入るしのぶ会の参加者

故平松伸一郎さんが手掛けた映画上映会のチラシに見入るしのぶ会の参加者

 
 東日本大震災後、映画上映や地元に眠る映像の発掘、地域の歴史や文化に着目したまち歩き地図の発行などで復興に尽力した釜石市のフリーライター平松伸一郎さん(享年51)。昨年10月の急逝から1年が経過した今年、平松さんとゆかりのある関係者らが生前の功績に感謝し、映画上映会を企画した。2、3の両日、同市大町の釜石PITで開かれた上映会では、平松さんが手掛けた映画イベントのチラシや生前の活動を伝える新聞記事、投稿したコラムなどを展示。市民らの心の復興に貢献した平松さんの活躍を振り返り、哀悼の気持ちを表した。
 
 「シン・シネピット」と題した上映会は、釜石まちづくり会社、みやこ映画生活協同組合によるシネピット運営委員会が主催。2日間で6作品を上映し、147人が鑑賞した。初日最後の回では平松さんがこよなく愛した世界的ロックバンド「ザ・ビートルズ」のドキュメンタリー映画を上映。鑑賞後、平松さんをしのぶ会が開かれ、親交のあった人たちが思い出を語り合った。
 
ビートルズの映画上映前には平松さんのこれまでの活動を紹介するメモリアル映像の上映も

ビートルズの映画上映前には平松さんのこれまでの活動を紹介するメモリアル映像の上映も

 
生前の平松伸一郎さん(左)=メモリアル映像より

生前の平松伸一郎さん(左)=メモリアル映像より

 
 平松さんは釜石市源太沢町生まれ。釜石南高から慶応大に進み、東京の編集プロダクション勤務を経て2003年に帰郷した。フリーのライター、編集者として各種記事の執筆、高校記念誌の編さんなどを手掛け、同市国際交流協会の一員としても活動。11年の震災後は復興まちづくりに取り組み、NPO法人かまいしリンクを立ち上げ対話カフェを開催するなど、市民目線で復興を後押しする活動を続けた。
 
 まちの文化や歴史にも精通していた平松さん。地域の魅力を再発見するまち歩き地図「釜石てっぱんマップ」の作成(14年初版)、市内に眠っていた昭和の映像発掘や上映なども行い、復興に向かう市民らに再起への力を与えてきた。映画館が消滅して久しい同市に映画上映の場を作り心の復興につなげようと、仮設団地や復興住宅集会所、公民館での上映会も多数開催。“みんなで見たい映画”を公募し上映作品を決める「釜石てっぱん映画祭」(16~19年開催)では、映画監督や俳優を招いてのシネマトークも盛り込み、来場者を喜ばせた。
 
2019年3月に開かれた第3回釜石てっぱん映画祭。前列右から2人目が平松さん=復興釜石新聞より

2019年3月に開かれた第3回釜石てっぱん映画祭。前列右から2人目が平松さん=復興釜石新聞より

 
平松さんと親交のあった人たちが思い出を語り合う。左下は「釜石てっぱんマップ」

平松さんと親交のあった人たちが思い出を語り合う。左下は「釜石てっぱんマップ」

 
 しのぶ会では集まった人たちが献杯し、平松さんとのエピソードや人柄などを語った。NPO法人かまいしリンク代表の遠藤ゆりえさん(39)は国際交流協会での出会いを機に平松さんとつながり、同NPOを共に立ち上げた(平松さん副代表)。「上映映画を選ぶ際の基準はビッグタイトルよりもメッセージ性のあるもの。復興まちづくりへの冷静な視点も持ち合わせていた。あらためて平松さんの生き方に触れることで、気持ちにも一区切りついた感じ」と心境を話した。
 
 2014年から5年間、復興応援職員として同市広聴広報課に勤務していた京都府出身の村上浩継さん(44)は取材の仕事で平松さんと知り合い、てっぱん映画祭などで行動を共にした。平松さんを「ひょうひょうとしてマイペース。うまく周りを巻き込んで成功に導くタイプ」と表現。歴史や文化に目を向けた活動にも共感し、「未来の釜石の文化の担い手、旗振り役として期待していた。こんなに早く亡くなられたのは非常に残念」と惜しんだ。
 
平松さんについて語るかまいしリンクの遠藤ゆりえさん(左)と元釜石市広聴広報課職員の村上浩継さん(右)

平松さんについて語るかまいしリンクの遠藤ゆりえさん(左)と元釜石市広聴広報課職員の村上浩継さん(右)

 
 中学、高校の同級生で、帰郷後の平松さんと親交のあった市職員の笹村聡一さん(53)。脳疾患で倒れ2年ほど闘病中だった友の訃報は新幹線で出張に向かう途中に届き、最後の別れはかなわなかった。同級生ならではのエピソード、思い出は数知れず。気心知れた仲だけに酒席では言いたいことを言い合い、けんかになることもあったが、優れた文才には一目置き、「書いているものは多種多彩で、確かに上手。物書きは彼の天職だったと思う」。郷土愛も深く、「これからの釜石発展の一翼を担ってほしい人材だった。実現したいことはまだまだあったと思うが、聞けずじまいになってしまったのが心残り」と笹村さん。
 
 震災後、平松さんと一緒に沿岸各地で映画上映会を開き、被災者に元気や希望をもたらしてきた、みやこ映画生協常務理事の櫛桁一則さん(51)。「忙しい時は妻より長く一緒にいたかも」と上映活動に奔走した日々を振り返り、「映画や音楽に関してはすごく詳しい方。移動中、音楽を聞きながらいろいろな話を聞くのがすごく楽しくて。知らなかったこともたくさん教わった」と大切な思い出を心に刻む。「リハビリして戻ってくると信じていた」だけに突然の訃報は「本当にショックだった…」。生前、平松さんは「何もないまちだと嘆くだけではだめ。自分たちで創造し、続けていくことが文化になる」と常々言っていたという。櫛桁さんは「平松さんの遺志を継いで、これからも地域の文化振興に携わっていきたい」と思いを強くする。
 
会場には平松さんの活動を伝える地元紙の記事やコラムのコピーが展示された

会場には平松さんの活動を伝える地元紙の記事やコラムのコピーが展示された

 
震災後、平松さんが市内の仲間と発行したコミュニティー紙「フライキ!」

震災後、平松さんが市内の仲間と発行したコミュニティー紙「フライキ!」

 
しのぶ会の参加者は平松さんの功績をあらためて実感し、今後のまちづくりへ思いを新たにした

しのぶ会の参加者は平松さんの功績をあらためて実感し、今後のまちづくりへ思いを新たにした

 
 平松さんは数々の上映会やイベントを開催してきた釜石PITの運営委員も務めた。施設を運営管理する釜石まちづくり会社の下村達志事業部長は「平松さんには情報交流センター設立前の運営準備委員会から関わっていただき、情報ポータルサイト・縁とらんすの基本情報も書いてもらった。多彩な関わりでお世話になり感謝でいっぱい。平松さんが残してくれたものをこれからも生かしていければ」と願う。

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中学生バスケ 新チームづくり後押し 釜石リアスライオンズクラブ杯 33回目の熱戦

釜石の中学生が熱戦を繰り広げたバスケットボール大会

釜石の中学生が熱戦を繰り広げたバスケットボール大会

 
 釜石リアスライオンズクラブ杯釜石地域中学校バスケットボール大会は3日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。青少年の健全育成やスポーツ振興などを目的に継続し、33回目。今回はインフルエンザの影響で出場を控える学校があり、男子3チーム、女子は2チームがリーグ戦に挑んだ。
 
 冬季に行ってきた大会はここ数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで延期や年度をまたいでの開催が続く。今年は予定通りの実施となったが、この時期に流行するインフルの影響を受ける形に。男子の部で、休業明けの1校が参加を見送った。
 
行くぞ!得点を狙って駆け出す選手たち

行くぞ!得点を狙って駆け出す選手たち

 
技あり!ゴール下からシュートを狙う

技あり!ゴール下からシュートを狙う

 
 男子は釜石、甲子、大平が熱戦を展開。女子は釜石・大槌学園の合同チーム、大平がそれぞれ勝利を目指した。各校とも3年生が引退し、1、2年生による新たなチームづくりに注力中。個々の競技力、連係などを確かめる機会にもした。
 
 感染対策を講じた上で、入場制限はせず、保護者らが自由に観戦。「ナイスカット!」「リバウンド、もう1回」「ファイトー」などと、2階席から声援を送った。
 
ベンチからチームメートに声援を送る

ベンチからチームメートに声援を送る

 
他チームの試合を観戦して動きを研究したり

他チームの試合を観戦して動きを研究したり

 
 「これ、かんな!頑張れ」。試合の合間にある休憩時間に2階席から声をかけていたのは、大会を主催する同クラブ(正・家族会員含め37人)会員の佐々木政治さん(81)。「新しいチームだから、ボールが手に付かないのかも。まだ、これからだな」とこぼしつつ、コート上を駆け回る孫の栞奈さん(大平2年)の姿をうれしそうに目で追った。惜しくも敗れたが、女子キャプテンとして活躍。「活発な子。思いっきり生きてほしい」と目を細めた。
 
孫の活躍に目を細める祖父(手前)の姿も

孫の活躍に目を細める祖父(手前)の姿も

 
 祖父の応援を受け止めた栞奈さんは、少し恥ずかしそう。この日は、交代選手なしの5人で臨み、不調で1人欠ける時間があったり苦しい展開になった。それでも、「一人ひとりの動きや役割を確認できる場になった」と気持ちは前向き。それぞれが最大限の力を出せるよう練習に取り組むことをチーム内で共有し、「来年の中総体、頑張る」と力強くうなずいた。
 
女子も白熱した試合展開を繰り広げた

女子も白熱した試合展開を繰り広げた

 
 同クラブの鈴木久会長(65)は少子化や学校統合によって参加数が減っているものの、「一昨年には釜石中が県新人戦で初優勝。30年超続く大会の成果だ」と強調。競技に打ち込む生徒たちに実戦の機会を提供すべく、さらに回を重ねる考えだ。
 
 今大会では男子が釜石、女子は釜石・大槌合同チームがそれぞれ優勝杯を手にした。

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英国の産業革命 日本との違いは? 小野寺鉄歴名誉館長が講演/館内で18日まで「餅鐵の刃展」

「イギリスの産業革命-日本との差異」と題し講演した鉄の歴史館の小野寺英輝名誉館長(右)

「イギリスの産業革命-日本との差異」と題し講演した鉄の歴史館の小野寺英輝名誉館長(右)

 
 釜石市大平町の鉄の歴史館で2日、小野寺英輝名誉館長(岩手大理工学部准教授)の講演会「イギリスの産業革命-日本との差異」が開かれた。鉄の記念日(12月1日)にちなんだ鉄の週間行事の一環。世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産・橋野鉄鉱山を有する同市の市民らが、日本より100年も前に大量生産のための技術開発、機械化が進んだ英国の歴史を学んだ。
 
 英国の産業革命は18世紀半ばから後半。インドの植民地経営を背景に発達した綿工業が起点とされる。1733年に機織り機が導入されると糸の供給が不足するようになり、「ローラー紡績機」が登場。人の指でやっていた糸をつむぐ作業が機械化される。後に全自動の「シャトル式力織機」が発明され、紡績と織布の不均衡が解消。英国の繊維工業が急速に発展していく。
 
 機械の動力も変化。水車を回して得る水力から蒸気動力になると、工場立地も川の上流域から下流域へ移動。蒸気動力が主流になると川沿いの必要がなくなり、街なかの立地が可能になった。英国には産業革命に関わる繊維工業の世界遺産が3つあり、工場の近代化だけでなく、社員住宅や病院、工場の利益を労働者に還元する生活協同組合の基礎構築など労働環境の改善も評価されている。
 
英国の産業革命の核となった繊維工業発展の歴史を説明した

英国の産業革命の核となった繊維工業発展の歴史を説明した

 
 もう一つの革命は、機械の材質が木材から金属に転換されていったこと。世界初の高炉は1707年、英国のエイブラハム・ダービーが築いたコークス炉で、そこで造られた鉄で79年、世界最初の鉄橋「アイアンブリッジ」が建設された。ダービーによって鉄の大量生産技術が確立すると、輸送手段が必要になった。そこで開発されたのが鉄道。1802年、リチャード・トレビシックが世界初の蒸気機関車を発明。25年には英国内で炭坑から石炭を運ぶための産業用鉄道が開通する。
 
 小野寺名誉館長は英国の産業革命について「繊維産業で人間の能力を超える生産力をつくった。民間の利潤追求から始まったもので、下からの近代化といえる。一般向け商品の大量生産、大量消費を可能にした」と説明。これに対し、日本の産業革命は「製鉄産業から始まった。江戸期に植民地化抑止(列強への対抗)のために始まり、上からの近代化といえる。日本の鉄は非西欧社会で唯一の自力近代化成功の原動力になった」とし、両国の違いを示した。
 
鉄の週間にちなんだ講演会。市民が学びを深める貴重な機会

鉄の週間にちなんだ講演会。市民が学びを深める貴重な機会

 

鉄の週間企画展 若い世代も注目の「刀剣」にスポット当て18日まで開催

 
鉄の歴史館で18日まで開催される企画展「餅鐵の刃展」

鉄の歴史館で18日まで開催される企画展「餅鐵の刃展」

 
 鉄の歴史館2階の特別展示室では今、鉄の週間の企画展示として「餅鐵の刃展」を開催している。1850年代後半から80年代前半までの「餅鉄」「岩鉄」銘のある刀剣やつばを展示。盛岡藩お抱え刀工の銘がある刀剣は、刻まれた年代が釜石の大橋、橋野両鉄鉱山で高炉が稼働していた時期とほぼ重なるため、釜石の銑鉄を素材に作られたものと考えられる。
 
 県立博物館、花巻市博物館、個人の収集家などが収蔵する刀剣13振り、つば4点を展示。盛岡藩の刀工のほか、徳川家御用鍛冶で多くの門人を育成した石堂是一、大阪で長く作刀を続け明治天皇の目にも留まった月山貞一の作もある。釜石市指定文化財となっている、栗林の刀工・神清照の脇差し(鉄の歴史館蔵)も。
 
江戸の刀工として名高い石堂是一の作品は多くの人を魅了

江戸の刀工として名高い石堂是一の作品は多くの人を魅了

 
釜石・栗林の神清照が作った脇差し(市指定文化財)

釜石・栗林の神清照が作った脇差し(市指定文化財)

 
 通常、刀剣に「餅鉄」「岩鉄」などの素材銘が刻まれることはないが、展示品にはなぜ刻まれているのか?森一欽館長補佐は「これらの刀剣は盛岡藩が作らせたもの。那珂湊(現茨城県ひたちなか市)反射炉の閉鎖で岩鉄の供給先が閉ざされたため、藩が刀剣作りを奨励した。素材銘を入れたのは良質な鉄を世に知らしめる方策の一つだったのではないか」と推測する。
 
 会場では釜石の鉱山で見られるさまざまな鉱石や、磁鉄鉱が河川下流に流されていくうちに丸みを帯びた形になる餅鉄(鉄分約70%)も公開。磁石が引き寄せられる体験や、持ち上げることで見た目以上の重さを体感できる。
 
鉄含有率が70%の円礫「餅鉄」。橋野鉄鉱山では住民が持ち込んだ餅鉄を買い取っていた

鉄含有率が70%の円礫「餅鉄」。橋野鉄鉱山では住民が持ち込んだ餅鉄を買い取っていた

 
 甲子中1年の林野黎さんはゲームやアニメで刀剣に興味を持ち、企画展に足を運んだ。「実物はとてもきれい。刃文もしっかり出ていて感動。見られてうれしい」と大喜び。「刀鍛冶になりたい」と憧れを抱いた。
 
 森館長補佐によると、今回の企画展開催にあたり、高炉銑鉄を素材とする刀剣類を確認するため、幕末から明治の「餅鉄」「岩鉄」及び、それに近い添え銘のある刀剣を集成したところ、24刀工、115振りを確認できたという。
 
 同企画展は18日まで開催。同館の開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館午後4時)。火曜日休館。
 
「餅鉄」の銘が刻まれた月山貞一作の刀

「餅鉄」の銘が刻まれた月山貞一作の刀

 
約1億2千万年前、白亜紀のマグマの活動で生成されたさまざまな鉱石も展示

約1億2千万年前、白亜紀のマグマの活動で生成されたさまざまな鉱石も展示

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2部トップ3今季こそ ラグビーリーグワン3年目 釜石SWが出陣式 10日ホームうのスタで開幕戦

2023-24シーズン出陣式に臨む日本製鉄釜石シーウェイブス

2023-24シーズン出陣式に臨む日本製鉄釜石シーウェイブス

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は1日、今季リーグ戦の開幕を前に、釜石市港町のイオンタウン釜石で出陣式を行った。SWの開幕戦は10日。釜石鵜住居復興スタジアム(うのスタ)で、豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。リーグワンシーズン初戦をホームで迎えるのは初めて。目標のトップ3(3位以上)達成へ重要な一戦を、選手・スタッフ、ファンが一丸となって迎え撃つ。
 
 出陣式には約100人が参加。今季着用する新ジャージーを身に着けた選手6人がステージに上がると客席から大きな拍手が湧き起こった。赤(ファースト)と白(セカンド)の新ジャージーは、大漁旗に描かれる波や同スタジアムの大屋根(帆船の帆をイメージ)をモチーフにしたデザインが施される。
 
ファンらの大きな拍手に迎えられ入場する選手

ファンらの大きな拍手に迎えられ入場する選手

 
今季着用する1stジャージー(赤)と2nd同(白)

今季着用する1stジャージー(赤)と2nd同(白)

 
集まった人たちを前に今季への意気込みを述べる小野航大主将(左)

集まった人たちを前に今季への意気込みを述べる小野航大主将(左)

 
 ファン、サポーターらを前にWTB小野航大主将は「今季こそトップ3に入り、1部との入れ替え戦に進めるよう一丸となって頑張りたい。勝利の喜びを分かち合えることを楽しみにしている」。フランカー河野良太クラブキャプテンは「うのスタで全勝したい。ぜひ会場に足を運んで選手の背中を押していただければ」。チームには今季10人が新加入。ポジション争いも激しく、開幕へいい準備ができているという。
 
 チームは昨季の反省からFWの強化を進めてきた。プロップ稲田壮一郎選手は「スクラムトライを決め、全員でガッツポーズをしたい」、フッカー伊藤大輝選手は「ジャッカルでボールを奪い、チームにいい流れを作りたい」などと抱負を述べ、目標達成へ強い意志を見せた。
 
 スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(釜石地区代表)が激励のメッセージ。「たくさんの方々が皆さんを全力でサポートしている。仲間、自分を信じ、プライドを持って最後まであきらめずに戦ってほしい。必ず結果はついてくる」と熱いエールを送った。
 
スポンサーを代表し激励の言葉を送る日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長

スポンサーを代表し激励の言葉を送る日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長

 
 リーグワン2部は全6チームで戦う。昨季1部11位のNECグリーンロケッツ東葛、同3部1位のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と2位の九州電力キューデンヴォルテクスが新たな顔ぶれ。釜石SWの須田康夫ヘッドコーチは「昨季以上に厳しい戦いになる」と予想。初戦の愛知を「トップ3を目指す上で必ず勝たないといけない相手」と見据える。小野主将も「自分たちが準備してきた強みでどれだけ戦えるかが鍵。自信を持って臨みたい」と開幕勝利へ闘志をみなぎらせる。
  
 SWはレギュラーシーズン全10試合のうち3試合(12月10日、3月3、10日)を釜石鵜住居復興スタジアムで対戦。今季は初めて福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわき(12月24日)、盛岡市のいわぎんスタジアム(3月24日)でも試合が行われる。
 
 出陣式に足を運んだ盛岡市の鈴木悠征さん(45)は「選手の意気込みが伝わってきた。いい試合を見せてほしい」と期待。妻望美さん(30)は「(釜石に根付く)鉄の心で頑張ってほしい」と応援メッセージ。まだ実現していない会場での観戦を心待ちにし、「今季は盛岡で試合があるのでぜひ見に行きたい。都合がつけば釜石のスタジアムにも」と声をそろえた。
 
大勢のファン、サポーター、スポンサーが集まり選手らを励ました

大勢のファン、サポーター、スポンサーが集まり選手らを励ました

 
力強く意気込みや抱負を話す選手に拍手でエール

力強く意気込みや抱負を話す選手に拍手でエール

 
 釜石SWのホストゲーム5試合は、釜石大槌地区の小中学生は学校を通じて配布した「ドリームパスポート」の提示により無料で観戦できる。開幕戦は「シニアサンクスデー」として65歳以上の方を無料招待する(受付で年齢が分かる運転免許証、マイナンバーカードなどを提示)。開幕を祝い、釜石ラグビー応援団がホタテの稚貝汁を先着200人に振る舞う予定。
 
最後は地酒や地ビールなどが当たるお楽しみ抽選会も行われた

最後は地酒や地ビールなどが当たるお楽しみ抽選会も行われた

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感動共有!笑顔つなぐ読み聞かせ 釜石・甲子小PTA「お話しどんどこ」 活動20年目に

「お話しどんどこ」が甲子小で続ける読み聞かせ活動

「お話しどんどこ」が甲子小で続ける読み聞かせ活動

 
 釜石市立甲子(かっし)小の読み聞かせボランティア「お話しどんどこ」が、活動を始めて20年目に入った。始まりは保護者によるPTAサークル活動。今では祖母世代や近隣住民などが加わった地域ぐるみの活動に深化する。授業の合間の休み時間を活用した不定期の取り組みは、月1回の朝活動に変化。働き世代の保護者らにとっては忙しい時間だが、米澤美紀代表(47)は「本を通して子どもたちと対話しながら一緒に楽しんでいる。いとおしい反応や笑顔、パワーをもらう、すてきな時間。読み手が増え、ずーっと続く活動に」とほほ笑む。
 
 「どこにいるかな? にげた金魚、みんなも一緒に探してくれる?」。11月30日朝、甲子町の同校1年2組(23人)の教室で、米澤代表が児童に優しく語りかける。「いるー、そこ、そこー!」「よかったー」。話の世界に引き込まれた子どもたちが指さしたり全身でアピールする。こんなやりとりが繰り返され、約15分があっという間に過ぎてゆく。
 
 どんどこは2004(平成16)年に学校の呼びかけで、当時の保護者10人ほどで立ち上げた。当初は2、3時間目の授業の間の休み時間(中休み)を使い、図書室で低学年を対象にした読み聞かせを不定期に実施。続ける中で、月に1回、全学年向け、各教室での活動と形が変わった。現在の活動日、第4木曜日は「朝どんどこ」として“甲子っこ”にすっかり定着している。
 
子どもたちを物語の世界に引き込む千田雅恵さん

子どもたちを物語の世界に引き込む千田雅恵さん

 
 登録メンバーは11人で、米澤代表のように在校生の保護者もいれば、祖母だったり、卒業児の家族、元教員、地域住民とさまざまだ。この日活動したメンバーは7人。2年2組(20人)の教室では、立ち上げ時からのメンバー千田雅恵さん(61)が季節に合わせて選んだウクライナの民話「てぶくろ」や、100年前に生み出された物語ながら新鮮味や面白さが色あせない「子どものすきな神さま」(新美南吉作)を穏やかな語り口で聞かせた。
 
 朝活後、図書室で反省会。持ち込んだ本を見せ合い、選択に込めた思いを共有したり、記録を残したりした。さらに、この日は20年目の活動を祝うセレモニーを企画。中休みに6年生(43人)を迎えて、図書の寄贈(10冊)やパネルシアターの上演でふれあった。
 
記念セレモニーで学校に図書を贈呈。児童はお礼の手紙をお返し

記念セレモニーで学校に図書を贈呈。児童はお礼の手紙をお返し

 
クイズ形式で展開するパネルシアターは大盛り上がり

クイズ形式で展開するパネルシアターは大盛り上がり

 
 千田さんが20年の活動を振り返り。「楽しいお話が次々出てくるようなイメージ」を込めた団体名の由来、「子どもたちのために少しでもできることを」とたくさんの大人が思いをつないできたこと、学校の心強い後押しにも触れた。「気づいたら20年。本の世界をみんなでドキドキしたり感動したりできる読み聞かせは楽しい。今度はみんなが読み手になって、どんどこを続けてほしいな」と期待した。
 
20年の活動を振り返る千田さん(左)

20年の活動を振り返る千田さん(左)

 
贈った図書を紹介する米澤美紀代表(左)

贈った図書を紹介する米澤美紀代表(左)

 
 図書委員の髙橋龍之助君は「いつもおもしろく、本との出合いの機会になっている」と感謝を伝えつつ、「ヨシタケシンスケさんの本が好きなので、今度読んでほしい」とリクエスト。母良田(ほろた)凪君は物語の世界を情感たっぷりに表現する読み手の姿が印象に残っていて、「自分もやってみたい」と目標の芽を伸ばしている。
 
 同校には現在、児童244人が在籍する。メンバーは季節や学年を考慮しながら取り上げる本を選んでいるが、共通するのは「感動」という視点。まずは自分たちが心揺さぶられ、そうした思いをつづられた文字にのせ届けている。艦砲射撃を題材にした作品を紹介し、まちの歴史も伝えたり。朝どんどこを見守る菊池一章校長は「読み手の皆さんが楽しんでいるのが神髄。聞き手との一体感、空気感がすごくいい」と目を細める。
 
あちこちから小さな手が伸びる「朝どんどこ」

あちこちから小さな手が伸びる「朝どんどこ」

 
「次に読む本は?」。反省会は選書のヒントを得る場に

「次に読む本は?」。反省会は選書のヒントを得る場に

 
読んだ本と子どもたちの反応を記録に残す

読んだ本と子どもたちの反応を記録に残す

 
 米澤代表は「大きくなると読み聞かせはしなくなるが、親以外から伝えられることもある。忙しい朝だけど、子どもたちとの交流はひと息できる楽しい時間でもある」と保護者の立場からも意義を実感。どんどこのサークル活動のほか、PTAの図書ボランティア部隊として週2回、図書室の読書環境づくりにも携わり、「甲子小にたくさんの笑顔の花を咲かせるよう、元気に活動していきたい」と意欲を見せた。
 
活動継続へ気持ちを新たにする「お話しどんどこ」メンバー

活動継続へ気持ちを新たにする「お話しどんどこ」メンバー

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見て、触れて、味わって知る「サケ」 かまいしこども園児 郷土の水産業に理解一層

サケの体に恐る恐る触ってみる園児=かまいしこども園サケ学習

サケの体に恐る恐る触ってみる園児=かまいしこども園サケ学習

 
 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児85人)で11月28日、サケの解体学習が行われた。同園の年長児が取り組む「サケ学習」の一環。サケの一生や漁獲方法、食卓に上がるまでの過程を教わった園児らは、地元で取れた雌サケの解体を見学し、さばいた切り身を炭火焼きで味わった。
 
 同学習は地元水産資源の学びを通して郷土愛や環境保全意識の醸成につなげようと、海洋教育パイオニアスクールプログラム(笹川平和財団海洋政策研究所など主催)の助成を受けて2021年度から行われる。今年度の学習は春の稚魚放流からスタート。夏には漁獲や市場の様子を映像で学んだ。
 
 3回目となった今回は恒例の解体学習。はじめに、講師を務める岩手大三陸水産研究センター特任専門職員の齋藤孝信さんが、これまでの学びのおさらいとして、サケの成長過程や定置網での漁獲方法、市場での競りなどについて話した。齋藤さんは「みんなが甲子川に放流したサケの赤ちゃんは北の海で大きくなり、4年後の秋に釜石の海に戻ってきます。大きな網を仕掛けて取ったサケは、市場で仲買人さんが買って魚屋さんに並びます」と説明。最近は戻ってくるサケが少なくなっていることも教え、「サケが戻ってこられるきれいな海や川にするため、ごみは決められた場所に捨てよう」などと呼び掛けた。
 
岩手大の齋藤さんはサケが食卓に届くまでの過程を説明

岩手大の齋藤さんはサケが食卓に届くまでの過程を説明

 
 いよいよ本物のサケが登場。齋藤さんが腹に包丁を入れるとイクラが姿を見せ、園児から歓声が上がった。用意されたサケは体長75センチ、重さ4キロの中型。両石湾仮宿沖の定置網で前日朝に漁獲された。園児らはサケの体に触ったり、鋭い歯がある口の中や頭の近くにある心臓を観察したり…。初めて見る体内や各部位に驚きの表情で見入った。解体学習には年長児のほか、年中児も特別参加した。
 
釜石の海で水揚げされたサケに目を輝かせる園児

釜石の海で水揚げされたサケに目を輝かせる園児

 
初めて触るサケの体の感触は?

初めて触るサケの体の感触は?

 
鋭い歯が並ぶサケの口の中を見てびっくり仰天!

鋭い歯が並ぶサケの口の中を見てびっくり仰天!

 
 梶原環ちゃん(5)は「血がちょっと怖かった。サケの体はぬるぬるしていた。イクラが好き。サケを食べるの、楽しみ」と、この後の試食を心待ちにした。
 
 内臓などを取り除き、切り身にしたサケは塩をふって、園庭で炭火焼きにして味わった。「おいしー!」と声をそろえる園児たち。「カリカリする」「焦げがちょっと苦い」「塩がしょっぱい」「皮、大好き」…。それぞれの舌で海の恵みの味を表現した。
 
サケが焼き上がるのを心待ちに見守る園児

サケが焼き上がるのを心待ちに見守る園児

 
炭火で焼いたサケの切り身をじっくり味わう

炭火で焼いたサケの切り身をじっくり味わう

 
 3年間、同学習に協力してきた講師の齋藤さんは「映像を見せる、実物を触らせる、放流をするなど、さまざまな体験が子どもたちの興味喚起につながっている。サケへの理解も随分、深まっている」と手応えを実感。海や海産物に親しむことで、地産地消の推進、魚食普及にもつながることを願い、「将来、漁師になりたいと思う子がでてくれればさらにうれしい」と10年、20年後に期待を寄せる。
 
 サケが豊漁だったころは、家庭の軒先に新巻きザケが並ぶ光景が冬の風物詩だった釜石。近年の水揚げ激減で、そうした景色も見る機会が減った。澤田利子副園長は同学習について、「魚(漁業)のまち釜石をもっと身近に感じられるようになったのではないか。地球温暖化や海洋(プラスチック)ごみの魚への影響が顕著になってきている。子どもたちには自然を大切にするなど、環境問題にも関心を持ちながら育っていってほしい」と願う。同園のサケ学習はこの後、新巻きザケ作りの見学なども検討している。
 
お腹を開いたサケの体内に目がくぎ付け。貴重な学びの時間

お腹を開いたサケの体内に目がくぎ付け。貴重な学びの時間

 
取り出したばかりのイクラの塊に興味津々

取り出したばかりのイクラの塊に興味津々

 
女の子はきらきら光るイクラの粒にこの笑顔

女の子はきらきら光るイクラの粒にこの笑顔