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「楽しい!冷たーい」砂浜に響く歓声 釜石・根浜海岸 海水浴場、開設中

海開きした根浜海岸海水浴場。多くの人でにぎわう=17日

海開きした根浜海岸海水浴場。多くの人でにぎわう=17日

 
 「海の日」の17日、釜石市内は最高気温が30度を超え、海開きしたばかりの根浜海岸海水浴場(鵜住居町)は多くの家族連れや若者らでにぎわった。「しょっぱーい」「冷たくても気持ちいいー」。新型コロナウイルスが5類に移行し、行動制限がなくなった浜辺に笑い声が響いた。
  
 3連休初日の15日に海開き。初日は朝から雨が降り続け、海遊びイベントが催されたものの、人影はまばらだった。中日の16日も雨がぱらつく空模様だったが、地引き網体験があり、参加した子どもたちは多様な生物に歓声。地元団体らによるシュノーケリングやSUP(サップ=スタンドアップパドルボード)、水上バイク乗車体験といった遊びのプログラムも行われた。
 
地引き網体験でエイ、ゲット。「イエーイ」=16日

地引き網体験でエイ、ゲット。「イエーイ」=16日

 
 地引き網体験では力を合わせてロープを引き寄せると、アジやイワシ、サバ、エイ、カニ、ヤドカリなどがかかり、子どもたちは大はしゃぎ。生き物が大好きな松本航汰君(白山小1年)は「いろんな魚が見れて楽しい」とじっくり観察したりした。
 
 障害のある子どもや家族に、気軽に自然との触れ合いを楽しんでもらおうと、「バリアフリーお茶っこスペース」もお目見えした。本年度発足したばかりの市民団体「バリアフリーでつくる釜石自然遊びの会」(佐々木江利代表)が初企画し、16日のみ開設。家族連れらがお茶を飲みながらゆったりと過ごしたり、水遊びスポットなどを楽しんだ。
 
イベント会場に設けられた「バリアフリーお茶っこスペース」=16日

イベント会場に設けられた「バリアフリーお茶っこスペース」=16日

  
 3連休最終日の17日は青空が雲の間から顔を出し、海水浴日和に。砂浜は日よけのテントやパラソルが並び、カラフルに色づいた。子どもたちは浮輪や水中メガネなどを持って海に駆け出し、水しぶきを上げて歓声。泳いだり水をかけ合ったり、砂浜に穴を掘って遊んだ。
 
泳いだり、浮いたり。水遊びを楽しむ子どもたち=17日

泳いだり、浮いたり。水遊びを楽しむ子どもたち=17日

 
砂を盛ったり、穴を掘ったり。砂まみれで何つくる?=17日

砂を盛ったり、穴を掘ったり。砂まみれで何つくる?=17日

 
 家族で訪れた甲子町の髙橋果穂ちゃん(4)は「(浮輪で)ぷかぷかするのが楽しかった。もっと海に入りたい」と目を輝かせた。妹の真菜ちゃん(2)も「うみってたのしい!」と満喫。父成明さん、母亜衣さん(ともに32)は「海水は冷たかったけど、近場に海があるのはいい。また来ようね」と子どもたちを優しいまなざしで見つめた。
  
浮輪でぷかぷかする子も、砂遊びする子も共通なのは笑顔=17日

浮輪でぷかぷかする子も、砂遊びする子も共通なのは笑顔=17日

 
 海水浴場は8月13日までの期間、午前10時~午後4時に利用できる。期間中は監視員やライフセーバーが常駐。釜石ライフセービングクラブの金野有紗さん(38)は「遊泳エリア内で泳いでください。保護者は子どもから目を離さないようお願いします。監視員の指示に従い、ルールを守って楽しく遊んでほしい」と呼びかける。

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング ガイナーレ鳥取戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング ガイナーレ鳥取戦

 DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング ガイナーレ鳥取戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2023明治安田生命J3リーグ 第19節
いわてグルージャ盛岡 vs ガイナーレ鳥取(AWAY)

日時

2023年7月22日(土) 19:00 キックオフ
開場 18:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!
・来場ごと特典GETのチャンス!スタンプカードも導入中!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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さわやかな香り、かれんな花に市民ら感激! 釜石橋野・満開のラベンダー畑で観賞イベント

満開の花が来場者を迎えた「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」内のラベンダー畑=17日

満開の花が来場者を迎えた「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」内のラベンダー畑=17日

 
 釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」内のラベンダー畑で15日から3日間、花の観賞と刈り取りを楽しむ会が開かれた。最終日の17日はラベンダースティックやリースの製作体験も行われ、訪れた人たちがさわやかな香りに包まれながら心地よい時間を過ごした。
 
 橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)が整備、管理する同畑には、約500株のグロッソラベンダーが育つ。7月に入って咲き始めた花はイベント期間中に満開を迎えた。15、16日はあいにくの雨模様となったが、17日は天候が回復。午前中から家族連れや友人グループなどが次々に訪れた。来場者は一束300円の刈り取り体験を楽しみ、持ち帰った。期間中はラベンダー苗の販売もあり、育て方もレクチャーした。
 
スーッとするいい香りに包まれながら花の刈り取りを楽しむ

スーッとするいい香りに包まれながら花の刈り取りを楽しむ

 
株分けして育てた苗も販売。橋野町振興協議会のスタッフ(右)が育て方をアドバイス

株分けして育てた苗も販売。橋野町振興協議会のスタッフ(右)が育て方をアドバイス

 
 17日午前には、栗橋公民館(二本松由美子館長)が主催するラベンダーを使った小物作りも行われた。地元橋野町の菊池まり子さん、菊池美江子さんが講師。2人は、ラベンダーの香りを長く楽しむための装飾グッズを作り、地元の産直・橋野どんぐり広場でも販売している。参加者はリボンと編み込む「ラベンダースティック」、同じドライフラワー素材として人気のアナベル(アメリカ原産アジサイ)やニゲラの実などと組み合わせたリース作りを楽しんだ。
 
 友人に誘われ、初めて足を運んだ唐丹町の山田美智子さん(68)は「きれいですね。いい匂いに癒やされる」と心身ともにリラックス。リース作りも楽しみ、「出来栄えにも大満足」と笑みを広げた。刈った花はドライフラワーにして楽しむという。
 
ラベンダーとさまざまな植物を組み合わせてオリジナルのリース作り

ラベンダーとさまざまな植物を組み合わせてオリジナルのリース作り

 
 講師の菊池まり子さんは「多くの方に来ていただきうれしい。体験コーナーも好評で、皆さん、喜んでくれた」と感謝。橋野鉄鉱山は世界遺産登録から8年―。周辺は春から夏にかけてサクラやフジ、ツツジ、ラベンダーと季節の花々を楽しめるスポットにもなっている。「史跡見学とともに橋野の自然、おいしい空気を満喫して帰ってもらえたら」と菊池さん。
 
 同振興協はラベンダーの香りを生かした加工品販売などを目的に2003年から栽培を開始。畑は当初、現橋野鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場の場所にあったが、世界遺産登録に伴う周辺整備のため一時撤去。15年、一般財団法人セブン―イレブン記念財団(東京都)の助成を受け、現在地に再整備した。20年には市の補助金を活用し、ラベンダー畑を含む一帯約2300平方メートルをフラワーガーデンとして整備している。
 
 ラベンダーは今年、株分けなどで増やした苗と新たに購入した苗約100本を新たに植栽する予定。来年は面積を拡大した畑が見られそうだ。
 
ラベンダー畑には今後、新たに苗を植える予定。来年以降、さらに多くの花が見られそう

ラベンダー畑には今後、新たに苗を植える予定。来年以降、さらに多くの花が見られそう

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新しい風 釜石の美術集団・サムディ45 「見てもらう喜び」実感 57回展

釜石市民ホールで開かれた「サムディ45」の57回展

釜石市民ホールで開かれた「サムディ45」の57回展

  
 釜石市の美術集団「サムディ45」(小野寺浩代表、会員21人)の第57回展は14~16日まで、大町の市民ホールTETTOで開かれた。発表の機会を求めて新たに3人が加入したほか、招待作品として若者4人が描く世界を紹介。「見てもらう喜び」を実感する「新しい風」の存在が刺激となり、会員らは創作意欲を高めている。
  
 同グループは、岩手県沿岸部を走る国道45号線沿いの美術愛好家の仲間たちが土曜日(フランス語で「サムディ」)に集まったのが始まり。講師を置かず、絵画、日本画、デザイン、工芸、刺しゅう、写真など多彩な分野の人が個々に創作活動に取り組んでいるのが特徴で、会員は地元釜石のほか、北上、花巻、鹿児島など県内外に広がる。
  
展示会場には幅広いジャンルの個性豊かな作品が並んだ

展示会場には幅広いジャンルの個性豊かな作品が並んだ

  
 作品展には幅広いジャンルの約60点が並んだ。モチーフは地元の山や海、アジサイなど自然の風景、静物、動物、反戦を訴える作品など多様。油彩や水彩、色鉛筆、「押す絵の具」と呼ばれるプッシュカラー、水面に垂らした絵の具で模様を描いて紙に写し取るマーブリング、ビーズを使ったモザイクアートなど用いた技法もさまざまだ。
  
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来場した人たちが多様な表現手法の作品をじっくりと鑑賞

  
 同集団での活動10年目の髙橋稔さん(43)は、フェルトを使った小物づくりを得意とする。勤務先の郵便局で、手作りの展示物で市民に季節感を届けており、「喜ぶ姿が励みになる」と継続。今回もチクチクと針仕事を進め、ゲームキャラクターをかたどった約100個のストラップを出品。「若い人たちにも、ものづくりに興味を持ってもらい、将来的にサムディに入ってもらえたら」と仲間入りを期待した。
  
 新加入の3人は市内の別グループでも活動する。会員の減少で展示会の開催が難しくなっていたところ、サムディの関係者から参加の誘いを受けた。釜石港や岩手山などを題材にした風景画3点を並べた中野カツ子さんは「展示場所を設けてもらい、本当にありがたい。見てもらうといろんな意見が聞こえるが、受け入れることで気づきを得て成長できる。『作品を出さなくっちゃ』と意欲もわく」と明るい笑みを広げた。
  
新加入した中野カツ子さんの作品「釜石港」「ひょうたん」

新加入した中野カツ子さんの作品「釜石港」「ひょうたん」

  
 招待作品は県内沿岸部の14~26歳の若者たちが描いた5点。カラー筆ペンや水性ボールペンなどを使い、細やかな筆致で描き込んだ作品が目を引いた。「母のふるさと」「おじいさん元気でいだすか(「いますか」の意)」と題名がついた作品は、家族の温かさが伝わってくるよう。「まだ表に出ていない、すてきな作品を見てほしい」と小野寺代表(63)が出展を声がけした。
   
会場では切り絵の体験会も。細やかな手作業に驚きの声が聞かれた

会場では切り絵の体験会も。細やかな手作業に驚きの声が聞かれた

   
 小野寺代表は「新しい風が吹いた。いろんな人の声を聞いたり、ほかの人の作品を見ることでいい影響がきっと出る」と手応えを得た。次は秋ごろに開かれる市民芸術文化祭への参加。見てもらう喜びを力に、会員それぞれがつくり上げる新たな世界を待ち望んでいた。

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

輝け!ラグビー日本代表 応援企画「ワンチーム大作戦」 釜石から届けるエール「甲子中ハカ」

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

 

 9月に開幕するラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会に出場する日本代表にエールを送るプロジェクト「ONE TEAM(ワンチーム)大作戦」が7日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。甲子中(山蔭深思校長)の3年生(43人)が参加し、「世界で輝けるように頑張って!」などのメッセージを手に必勝を祈願。戦いに挑む人たちを鼓舞する「甲子中ハカ」も披露し、応援機運を高めた。

 

 日本代表オフィシャルスポンサーの三菱地所(東京都)が主催し、ラグビーにゆかりのある場所などでイベントを開いて応援メッセージを集め、動画にして日本代表に届ける企画。ラグビーのまちで、2019年日本大会の開催地でもあり、スタジアムに隣接する「釜石ラグビー神社」を無償譲渡したのが三菱地所といった縁もあり、釜石もエールポイントになった。

  

石ラグビー神社で神事。日本代表の必勝を祈る

釜石ラグビー神社で神事。日本代表の必勝を祈る

   

 この日は、プロジェクトのアンバサダーとして元日本代表で、釜石シーウェイブス(SW)RFCでも活躍した伊藤剛臣さん(52)が駆け付けた。神社で神事を行い、日本代表の勝利を祈願。甲子中の生徒は熱いエールを込めたハカを見せ、伊藤さんに応援メッセージを託した。

  

 阿部海凛(かいり)さんは幼少期からラグビー競技を続けていて、「日本代表は憧れ」と目を輝かす。「ハカは相手チームに敬意を込めるもので、始まりの合図でもある。僕たちのハカを見て『勝つぞ』という気持ちになってもらえたら」と期待。応援メッセージには「bring it on!(ブリング・イット・オン―「かかってこい」の意)」と書き込んだ。「フランス大会が楽しみ。早くトライを見たい。目指せ、ベスト8進出」。気持ちを高ぶらせた。

 

熱いエールを込めた「ハカ」を披露する甲子中の3年生

熱いエールを込めた「ハカ」を披露する甲子中の3年生

 

「頑張れ!」。生徒たちがつづった応援メッセージ

「頑張れ!」。生徒たちがつづった応援メッセージ

 

 「W杯フランス大会の開幕まであと2カ月。わくわくしてきますね」と伊藤さん。中学生とラグビー体験で交流もし、「釜石から日本代表へたくさんのエールをもらった。活躍を願うみんなの気持ちが届くよう一緒に応援して、ラグビーを盛り上げよう。ワンチーム!」と熱かった。

 

「ONE TEAM大作戦」のアンバサダーとして来釜した伊藤剛臣さん(左)、応援団長(右)、甲中生

「ONE TEAM大作戦」のアンバサダーとして来釜した伊藤剛臣さん(左)、応援団長(右)、甲中生

 

 プロジェクトは6月29日に始動。「エールカー」と称したキャラバンカーに乗った応援団長が全国各地を巡っている。北海道と鳥取県を出発し、約1カ月間かけて38都道府県を走行予定。衛星利用測位システム(GPS)を利用し、ルートの軌跡で文字などを描く「GPSアート」にも挑戦中だ。その手法で、列島を巡ったルートを結ぶと、「ONE TEAM」という7文字が浮かび上がるという。ちなみに東北地方に描かれる文字は「A」で、釜石がスタートとなった。

 

 道中で集めるのが、応援の声。うのスタにエールカーが到着すると、地元のファンらが足を運んでメッセージを寄せた。スタジアム見学をしていた久慈中の生徒も「ぜったい優勝」「がんばれ日本」などと言葉を残し、W杯フランス大会へ関心を高めた。

 

エールカーの前に設けられたメッセージを書き込むブース

エールカーの前に設けられたメッセージを書き込むブース

 

久慈市の中学生もメッセージを寄せた。「ファイト!」

久慈市の中学生もメッセージを寄せた。「ファイト!」

 

 三菱地所ラグビーマーケティング室主事の出雲隆佑さん(36)は「ラグビーを起点に人が集まり、19年のような光景をいろんな場所で作っていけたら。日本代表に、あの時の『ワンチーム』をフランスに持って行ってもらえるように」と願う。エールカーの現在地や走行ルートを確認できる特設サイトを用意。「どんどんアクセスを」と関心の裾野が広がることを期待した。

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広報かまいし2023年7月15日号(No.1812)

広報かまいし2023年7月15日号(No.1812)
 

広報かまいし2023年7月15日号(No.1812)

広報かまいし2023年7月15日号(No.1812)

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【P1】
表紙

【P2】
イベント案内

【P3-7】
特集 未来への羅針盤

【P8-9】
就職合同説明会 釜石U-30仕事発見LIVE
電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金 他

【P10-11】
国民健康保険制度の改正
健康診査・肺がん検診のお知らせ

【P12-13】
まちの話題

【P14-15】
市民のひろば
釜石市職員採用試験 他

【P16-17】
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板
保健だより

【P20】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023071400065/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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釜石・鵜住居アスレチック公園に時計塔 施工のカネナカが寄贈「一緒に時を刻もう」

鵜住居アスレチック公園に設置されたボール型のソーラー時計

鵜住居アスレチック公園に設置されたボール型のソーラー時計

  
 釜石市鵜住居町の鵜住居アスレチック公園に6日、時計塔が設置された。甲子町の建設業カネナカ(郷内裕社長)の創立50周年を記念した事業の一環で、市に寄贈した。設置工事はすでに終えており、地域住民らへのお披露目を兼ねた贈呈式が現地で開かれた。遊具や築山などが整備された公園は地区の子どものほか、休日には市外からも親子連れらが訪れる、にぎわいスポット。時計の設置を望む声が寄せられていたといい、遊んでいた子たちは「時間が分かっていい」と歓迎した。
  
高さのある時計で少し離れた場所からも時刻を確認できる

高さのある時計で少し離れた場所からも時刻を確認できる

   
 離れた場所からも見やすいようポール型の時計を採用した。直径70センチのソーラー式電波時計で、高さは約5メートル。潮風の影響を受けるため、腐食に強いステンレス製にしたという。
   
 市民体育館やスタジアムなどがそばにある同公園は、市が東日本大震災の被災地区で進めた土地区画整理事業で整備。鵜住居川沿いの約1.3ヘクタールの土地を活用し、アスレチック要素の高い遊びを組み合わせた木製の複合遊具、あずまや、トイレ棟、駐車場などが設けられた。2021年4月に供用を開始。市内外から多くの人が訪れる公園となり、利用者から時計設置の要望が上がっていたという。
   
 この公園の整備を担った同社は22年2月に50周年を迎え、記念となる事業を思案。「まちに貢献できることを」と市に伝えたところ、要望について話があり、「地域コミュニティーの中核である公園に役立つことなら」と時計の寄贈を決めた。
  
時計の贈呈式に出席したカネナカ、市の関係者ら

時計の贈呈式に出席したカネナカ、市の関係者ら

   
 贈呈式には同社や市関係者、地域住民ら約20人が出席。野田武則市長が「震災から12年が経過し、鵜住居地区も大きく変貌した。子育て世代でにぎわい、地域の皆さんが見守っている公園をより多くの方に利用してもらいたい」と述べ、郷内社長に感謝状を贈った。
  
 郷内社長は「1972年の創業以来、多くの支えをいただきながら市の発展や震災復興に携わってきた。これからも地域に根付いた活動を行い、施工したこの公園と一緒に時を刻んでいきたい」と気持ちを新たにした。
   
木製遊具や築山があり、伸び伸びと遊びを楽しめる

木製遊具や築山があり、伸び伸びと遊びを楽しめる

  
滑り台、うんていなどが一体となった複合型の遊具が人気

滑り台、うんていなどが一体となった複合型の遊具が人気

   
 式を終えた公園に駆け込んできたのは宮古市の伊藤翠桜(みお)ちゃん(5)、愛桜(まお)ちゃん(2)姉妹。初めて訪れたといい、滑り台や滑車のついたロープにつかまって遊ぶ「ターザンロープ」などに大はしゃぎだった。母清香(さやか)さん(36)は時計の設置を知り、「いいですね」と目を細めた。
   
 放課後の児童もやって来て、あずまやで休んだり、築山で虫探ししたり。時計があることで、「まだ遊べる」「もう帰らないと」などと時間を確認しながら、思い思いに過ごしていた。
   
「あ、バッタ」。手入れされた築山で虫探しを楽しむ子の姿も

「あ、バッタ」。手入れされた築山で虫探しを楽しむ子の姿も

   
 鵜住居地域会議の古川幹敏議長は「この公園がオープンした時、震災で遊び場を失った子どもや親たちの喜ぶ顔を再び見ることができた。設置された時計はどこからも目に付く。大事に使いたい」と感謝。同公園を含め、市内の公園は愛護会など関係者や委託を受けた業者が定期的に草刈りなど整備を行っていて、引き続き、協力しながら楽しく遊べる環境を守っていく考えだ。
 

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「戦争は絶対ダメ」釜石艦砲体験者の言葉重く 惨禍を歌い継ぐメンバー 思い受け止め献唱へ

艦砲射撃の体験を語った佐々木郁子さん(左下)と「翳った太陽」を歌う会のメンバー

艦砲射撃の体験を語った佐々木郁子さん(左下)と「翳った太陽」を歌う会のメンバー

 
 今日7月14日は、太平洋戦争末期の1945年、釜石市が米艦隊による本州初の艦砲射撃を受けた日。同年8月9日には米英両艦隊による砲撃も受け、2度の攻撃で多くの尊い命が失われた-。この惨禍を伝える女声合唱組曲「翳(かげ)った太陽」を歌う会(種市誓子会長、11人)は今月8日、艦砲体験者の話を聞く場を設けた。戦争の恐ろしさ、平和への願いを再認識したメンバーは、8月9日に行われる市戦没者追悼式で同曲の献唱を予定する。
 
 艦砲射撃の実体験を語ったのは甲子町在住の元看護師、佐々木郁子さん(93)。佐々木さんは看護師見習として15歳で入った釜石製鉄所病院で戦禍に見舞われた。1回目の7月14日は午前5時ごろから警戒警報が発令されていた。当時、鈴子にあった病院に出勤した佐々木さんは入院患者を敷地内の防空壕(ごう)に避難させ、外来患者の診療にあたっていた。
 
 正午間近、敵機襲来の一報で防空壕に駆け込んだ。「ビューン!ガーン!ドーン!」。正午過ぎに始まった海上からの砲撃は約2時間も続いた。佐々木さんは恐怖に震えながら友と励まし合い、じっと耐えた。壕を出ると、鈴子一帯は無残な廃墟と化していた。散乱する死体も目にした。「皆さん、想像できますか―?」。問いかける佐々木さん。
 
釜石製鉄所病院勤務時に受けた2度の艦砲射撃について語る佐々木郁子さん。当時15歳

釜石製鉄所病院勤務時に受けた2度の艦砲射撃について語る佐々木郁子さん。当時15歳

 
 その後、現在の八雲町・大天場運動広場(旧釜石第二中跡地)の場所にあった高等女学校に病院機能が移され、砲弾の破片で負傷した多くの人が運び込まれた。佐々木さんは夜の巡回で、暗闇の中「苦しい」「助けて」と泣き叫ぶ負傷者にどうすることもできなかったつらさ、悔しさを吐露。当時の光景は、今も鮮明に目に浮かぶという。
 
 7月14日、8月9日の2回の砲撃で市内に打ち込まれた砲弾は5300発以上。1回目は製鉄所を中心に鈴子、只越、松原、嬉石地区、2回目は社宅のあった中妻、小佐野、小川地区にまで被害が及んだ。犠牲者は合わせて782人(2023年度釜石市調べ)に上る。
 
合唱メンバーや関係家族など18人が佐々木さんの話に聞き入った

合唱メンバーや関係家族など18人が佐々木さんの話に聞き入った

 
艦砲射撃の実態をメモを取りながら学ぶメンバー

艦砲射撃の実態をメモを取りながら学ぶメンバー

 
 「戦争の記憶は決して消えることはない。今でも思い出すと胸が苦しくなる」と佐々木さん。「戦争は人災。皆さんの力によって防ぐことができる。日本が永遠の平和国家であることを切に願う―」。猛勉強を重ね終戦後、18歳で看護師資格を取得。23歳で助産師の資格も得た。約40年、医療現場に身を置いた佐々木さんは命の大切さを一層強く感じ、ロシアによるウクライナ侵攻で多くの命が奪われる理不尽な現状に心を痛めている。
 
講話後、最知節子さん(左)の指揮で「翳った太陽」を合唱

講話後、最知節子さん(左)の指揮で「翳った太陽」を合唱

 
 佐々木さんの話を聞いた後、会のメンバーは練習を重ねる「翳った太陽」を歌った。同曲は、艦砲射撃で教え子を亡くした元小学校教師の石橋巌さん(2006年他界)が記した絵手紙などを基に作られた。全6曲17分の組曲で、市内のピアノ講師最知節子さんが作曲した。最知さんの指導で05年から曲を歌い継ぐ会は、戦没者追悼式での献唱のほか、学校訪問コンサートなどで艦砲戦災を伝える活動を続けてきた。現在、合唱メンバーは9~87歳の11人。
 
佐々木さんの話を聞き、情景を頭に描きながら歌うメンバー

佐々木さんの話を聞き、情景を頭に描きながら歌うメンバー

 
次世代の継承を担う小中学生も歌に思いを込める

次世代の継承を担う小中学生も歌に思いを込める

 
 小学5年から活動に参加する髙橋杏奈さん(釜石中1年)は、今回初めて艦砲体験者の話をじかに聞いた。「教わった戦争の恐ろしさ、平和の大切さをもっと伝えられるように心を込めて歌っていきたい」。ニュースで見聞きするウクライナの惨状も心配し、「艦砲射撃みたいなことが現実に起こっている。何とか早く収まってほしい」と願った。
 
 杏奈さんの母登紀子さん(49)は昨年9月から会に参加。「歌詞の内容と今日聞いた話がすごく重なる部分が多い」と話し、歌で伝える使命の重みを実感する。戦争のない世界の実現も強く願い、「とにかく一人一人があきらめずに(反戦の)声を上げることが必要だと思う」。初めて歌う追悼式では「今ある平和への感謝も込めて歌いたい。この曲が少しでも反戦の気運を高めることにもつながれば」と話した。
 
体験を話してくれた佐々木さんに感謝の気持ちを伝える小中学生

体験を話してくれた佐々木さんに感謝の気持ちを伝える小中学生

 
佐々木さんは子どもたちに平和への願いを託した

佐々木さんは子どもたちに平和への願いを託した

 
 会のメンバーはほとんどが戦争を体験していない世代。体験者の話を聞くことで曲への理解を深めようと、同様の機会をこれまでにも6回設けてきた。戦後78年―。体験者は今後も減少していく。会の活動は来年で20年目を迎える。種市会長は「メンバーの高齢化が進む。ぜひ、若い世代にも入ってもらい、この曲を長く歌い継いでいきたい」と思いを込めた。

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釜石・鵜住居川でアユ釣り解禁 市内外の愛好家 1年ぶりの感触楽しむ

アユ釣りが解禁された鵜住居川で今季初釣りを楽しむ客=鵜住居町田郷

アユ釣りが解禁された鵜住居川で今季初釣りを楽しむ客=鵜住居町田郷

 
 7月に入り、県内の各河川では順次、アユ釣りが解禁されている。釜石市の鵜住居川は9日、解禁日を迎え、市内外から訪れた多くの釣り人らでにぎわった。解禁日としては大きめの体長20~23センチほどの“型のいい”アユが釣れるなど、まずまずの出だし。午前10時ごろには15~20匹を釣り上げた人も複数見られた。
 
 鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長、組合員150人)の組合員や遊漁券を購入して足を運んだ一般客らが、解禁時刻の午前5時前から各ポイントで待機。時間が来ると一斉に竿(さお)を繰り出した。ほとんどがアユの縄張り特性を利用した「友釣り」で、狙った場所でおとりアユを泳がせ、野アユが掛かるのを待った。
 
鵜住居川で釣りをする際は遊漁券か組合員証を見える所に携帯(写真左)

鵜住居川で釣りをする際は遊漁券か組合員証を見える所に携帯(写真左)

 
アユ釣り解禁日の鵜住居川=9日午前6時過ぎ、砂子畑橋上流

アユ釣り解禁日の鵜住居川=9日午前6時過ぎ、砂子畑橋上流

 
朝方は曇り空。天候回復に期待しながらあたりを待つ=板割バス停付近

朝方は曇り空。天候回復に期待しながらあたりを待つ=板割バス停付近

 
 同河川には5月7日に、組合によってアユの稚魚約400キロが放流されている。放流費用は加入者の組合費、一般釣り客の遊漁料、地域会議などの協賛金で賄われている。今年も鵜住居町の日ノ神橋下流から橋野町の産直・どんぐり広場付近までの各ポイントで放流した。組合では解禁日前には釣り人が入る場所の草刈りも行い、環境整備にも努めた。
 
 花巻市の阿部晃一さん(65)は仲間4人と前日から泊まり込み、解禁に備えた。砂子畑橋上流で竿を構え、開始から約1時間半―。「例年だと30匹前後は掛かるが、まだ全然。水温は15.5度。ちょっと低めだが、掛からない水温でもない」と首をかしげ、「これから気温、水温が上がってどうなるかだけど…。だめなら場所移動も」と様子見の構え。
 
 釜石市源太沢町の千葉剛史さん(24)は、今年初めてアユ釣りに挑戦。同釣り歴40年の父親の手ほどきを受けながら、道々橋上流で釣り糸を垂れた。最初は苦戦していたが、午前9時前までに4匹を釣り上げた。「難しいが、釣れた時の感触が何とも言えず面白い。海釣りとは全く違う」と魅了された様子。この日は、いとこや父の釣り仲間らと7人で訪れた。組合にも加入したといい、「長く続けてみたい」と期待を膨らませた。
 
アユ釣り初挑戦の千葉さん(右下)。ベテランの父(左)から教わりながら腕を磨く

アユ釣り初挑戦の千葉さん(右下)。ベテランの父(左)から教わりながら腕を磨く

 
 「始めてすぐにパッと掛かった」。23センチほどの大物を見せてくれたのは同市甲子町の男性(71)。養護老人ホーム「五葉寮」上流域での釣果だが、「後がなかなか続かない」と苦笑い。それでも午前7時ごろまでに7匹をゲットした。釣ったアユは専ら孫の口に…。男性が釣る市内3河川のアユを食べ比べ、味の違いも分かるという孫。「アユを食べさせるとご飯もいっぱい食べる」と、喜ぶ姿を目に浮かべた。
 
解禁日としては大物のアユに満面の笑顔!

解禁日としては大物のアユに満面の笑顔!

 
 同市甲子町の植田陽子さん(43)は、シーズン初日を鵜住居川で迎えるのが長年の恒例。「先週は水量もいい感じだったが、今日は少なめ。朝6時前に1匹掛かったが、それっきり」と午前9時過ぎ、家族と小休憩。父親の影響で高校生の頃からアユ釣りの面白さにはまり、同河川には毎年4~5回は足を運ぶ。「いい時は1日で20匹ぐらい釣る」。アユ釣りは家族の絆を深める大切な時間にも。この日は母と夫、仙台市から駆け付けた兄とともに、思い出話に花を咲かせながら楽しんだ。
 
この日最初のヒットを喜ぶ植田さん=9日午前5時53分ごろ

この日最初のヒットを喜ぶ植田さん=9日午前5時53分ごろ

 
 この日の鵜住居川は日の出から3時間ほどは曇り空が続いたが、その後、夏の日差しが照りつけ気温がぐんぐん上昇。水温も上がり始めるとアユの動きも活発になったようで、組合の巡回監視員は「午前10時過ぎには1人で30匹ぐらい釣り上げている人もいた。全般的に型の良いアユがそろっているようだ」と話した。
 
 鵜住居川漁協の藤原信孝事務局長は「高速道路ができて以降、県内陸部からの釣り客が増えている。稚魚の放流など組合事業の存続には、一般釣り客の遊漁料収入も大きな要素。来ていただくのは大歓迎。お互いにルールとマナーを守って、楽しい釣りを」と呼び掛ける。遊漁券や種アユは釣具店のほか、流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所で購入できる。
 
解禁日朝に各所を回り、情報収集する藤原事務局長(右)

解禁日朝に各所を回り、情報収集する藤原事務局長(右)

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まもなく夏 視覚で楽しむ・涼 釜石で探してみたら…キーワードは「青」!?

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「青い本」がずらりと並んで涼しげな釜石市立図書館

  
 暦の上では夏だが、釜石市はまだ梅雨の時期。日差しはあるものの曇り空の日が多く、雨は少ないが、じめ~とした暑さを感じる日が続いている。そんな中、市立図書館(小佐野町)で開催中の図書展「青い本」は、装丁が青色の本がずらりと並んで視覚的に爽やかな印象。近くの小佐野コミュニティ会館でも風に揺れる色鮮やかな七夕飾りが涼しげだ。鵜住居公民館(鵜住居町)では流しそうめんを楽しみながら暑気払い。夏本番を前に、市内各地で「涼」を感じる風景を探してみた。
  
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「青い本、こんなにあったのか」と図書館職員も驚く600冊

   
 「青だらけ!よくぞ集めた」と圧倒される風景が広がっているのが、市立図書館の1階展示ホール。装丁や背表紙が青い本600冊を濃紺、青、水色などグラデーションの美しさも楽しめるように展示している。絵本や小説、図鑑、写真集、専門書などジャンルはさまざま。海や空など「あお」をすぐに連想できる内容のものもあれば、税金やスイーツなど他の色が思い浮かぶような冊子も。おばけ、怪談といった、それだけで薄ら寒さを感じさせる本も並んでいる。
   
 来館者に涼しげな雰囲気を感じてもらい、読書に集中してもらおうと職員が発案。川畑広恵館長は「図書館の海を泳ぎながら、新たな本との出合い、発見を楽しんでほしい」と期待する。16日まで。
  
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小佐野コミュニティ会館を彩る七夕飾りと笹飾り

   
 小佐野コミュニティ会館の入り口前を彩るのは市民が手作りした約20本の七夕飾り。笹飾り2本も設置され、短冊には「バスケの選手になれますように」「世界中の人が幸せになりますように」など夢や希望がつづられている。三浦慎輔所長は「バタバタと慌ただしい毎日だが、ふと立ち止まって季節を感じてもらえたら。クスッとするような子どもたちの願いにも癒やされますよ」とにっこり。来訪者が願い事を書き込めるよう短冊を用意しており、8月のお盆明けまで楽しむことができる。
   
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鵜住居公民館・男の手料理教室は流しそうめんで暑気払い

   
 流しそうめんを楽しんだのは、鵜住居公民館で月に1回開かれる「男の手料理教室」の参加者6人と同館の職員たち。市内から切り出した、青々とした竹の樋(とい)を流れる麺に箸を伸ばし、ひんやりとした味わいを堪能した。竹を提供した地元の八幡一義さん(80)は「道具も麺も自分たちで作って、みんなで一緒に味わう…いいもんだ。ワイワイ騒いで楽しい」と目尻を下げた。
  
 本格的な夏が来る前に「涼」を感じて、暑さを乗り切ろうとの心がけ。涼しげな雰囲気だったが時々、つかみにくいミニトマトやゼリーが流れてくると、「逃すまい」と奮闘する参加者の熱気に包まれたりもした。
  
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流れてくるミニトマトをキャッチ!笑顔が広がった

  
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釜石市内では涼しげな青色のアジサイがあちこちで咲き誇る

  
 涼を探して出歩くと、気付かなかった風景に出合う。「青」に着目すると、目についたのはアジサイ。青や薄紫、白など大輪が市内のあちこちで涼しげに咲いている。甲子川の堤防沿い、住宅の庭先…目線を変えて出合った清涼感にクールダウン。そんな景色を求める日々はまだ続きそうだ。

 

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水泳シーズン到来 釜石市営プール開き 今年は屋外25メートルプールも利用可能に

屋外プール開きで利用者の安全を祈願する関係者=市営プール、8日

屋外プール開きで利用者の安全を祈願する関係者=市営プール、8日

 
 釜石市大平町の市営プールは8日、今夏の屋外プールの利用を開始した。幼児プール周辺の地盤の不具合で、2021年度から利用を休止していた隣接する25メートルプールは、安全性が確認されたことから利用を再開する。幼児プールは引き続き利用不可。屋外2プール(50、25メートル)は9月3日まで開放する予定。
 
 8日は、同プール市指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)、釜石水泳協会(山崎達会長)の主催で、利用者の安全を祈る神事が行われた。関係者18人が出席した。尾崎神社(浜町)の佐々木裕基宮司が祝詞を奏上。出席者の代表が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈った。
 
尾崎神社の協力で安全祈願の神事が行われた

尾崎神社の協力で安全祈願の神事が行われた

 
出席者の代表が玉串をささげ、かしわ手を打って祈りをささげた

出席者の代表が玉串をささげ、かしわ手を打って祈りをささげた

 
 市は25メートルプールの利用再開にあたり、幼児プールエリアとの間に仕切り用のフェンスを設置。利用者の立ち入りを制限する。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行した今年は、基本的に利用人数、時間の制限は行わないが、「土日に混雑が予想される場合は利用時間を1時間半でお願いすることもある」と理解を求める。
 
フェンスを設置、幼児プールエリアへの立ち入りを制限して利用を再開する25メートルプール

フェンスを設置、幼児プールエリアへの立ち入りを制限して利用を再開する25メートルプール

 
 指定管理責任者の大久保孝信さんは「水に入る前にきちんとシャワーを浴びるなど衛生面に十分配慮してほしい。事故防止の観点から、水泳指導者がついている時以外は飛び込みは禁止しているので、危険な行為は絶対にしないで」と安全利用を呼び掛ける。
 
 プールは市内小中学校の夏休み期間(7月22日~8月20日)は無休で営業する。期間中は未就学児の利用は無料。学校にプールがない市内の中学生は生徒手帳を提示すれば無料となる。
 
施設の運営、維持管理を担う協立管理工業スタッフ(右下)も今季の利用者回復に期待

施設の運営、維持管理を担う協立管理工業スタッフ(右下)も今季の利用者回復に期待

 
 1970年に開設された同施設は近年、老朽化による度重なる不具合が発生。屋外幼児プール周辺は調査で、地盤の緩みによる陥没の危険性が指摘されたため、一昨年から利用を休止していた。幼児プール再開のめどは立っていない。
 
 同プールの昨年度の利用者数は約2万人(前年度比約7400人減)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業措置や屋外2プールの利用休止などで、過去3年は2万人台で推移している。

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じかに見て、音で体感 事故の怖さ スタントマンが再現 釜石中で交通安全教室

交通ルールを無視した自転車と自動車の衝突事故を再現するスタントマン

交通ルールを無視した自転車と自動車の衝突事故を再現するスタントマン

  
 プロスタントマンによる自転車の交通安全教室が4日、釜石市中妻町の釜石中(齊藤雅彦校長、生徒289人)の校庭で開かれた。事故の恐怖を直視することで交通安全意識を高める「スケアード・ストレート」という教育技法を用いて実施し、全校生徒が参加。事故の恐ろしさを目の当たりにし、交通ルールを守る大切さを再認識した。
  
 同教室は中高生の交通ルール順守と自転車の安全利用のための教育の一環。本年度は岩手県内の4校で実施。釜石での開催はJA共済連、JAいわて花巻、釜石警察署(田中洋二署長)が連携した。
  
自転車のさまざまなルール違反の実演では笑いを誘う場面も

自転車のさまざまなルール違反の実演では笑いを誘う場面も

  
「ドン」。事故が再現されると目や耳を覆う生徒もいた

「ドン」。事故が再現されると目や耳を覆う生徒もいた

  
 映画やテレビドラマなどで活躍する「シャドウ・スタントプロダクション」(東京)のスタントマンが、自転車と車、歩行者と車、自転車同士など、車の陰や見通しの悪い交差点での衝突事故を再現。「ドン」と大きな衝撃音が響いて人が弾き飛ばされたり、車のボンネットにはね上げられたりすると、生徒たちから驚きの声が上がった。
  
 悪い事例を再現した後に、生徒に協力してもらって正しい模範例を示して対比する場面も。自転車について、携帯電話の使用や傘を差しながらの運転、並走運転の危険性などを説明し、「小さなルール違反が大きな事故につながることもある」「ルールを守れば、ルールがみんなを守ってくれる」「自転車は車両の仲間。被害者にも加害者にもなる」などと、安全に利用するための心構えを伝えた。
  
事故の再現(写真左)の後に模範例を示して自転車の安全な乗り方を伝えた

事故の再現(写真左)の後に模範例を示して自転車の安全な乗り方を伝えた

  
 学区の広い同校では約100人が自転車通学をしている。本年度、自転車安全利用と鍵かけ推進のモデル校に指定されており、ヘルメットの着用など安全対策に取り組んでいる。定内町から片道20分ほどかけて自転車で登下校する加藤大翔(やまと)さん(2年)は「事故の再現を見て、怖いと思った。事故にあったことはないが、恐ろしさを実感。ルールを守ることは自分だけでなく、相手の命も守ることができると分かった。安全運転を心がける」と気を引き締めた。
  
自転車同士の衝突事故を再現。大きな衝撃があることを認識した

自転車同士の衝突事故を再現。大きな衝撃があることを認識した

  
交通ルールの順守や自転車の安全利用への意識を高めた生徒ら

交通ルールの順守や自転車の安全利用への意識を高めた生徒ら

  
 田中署長は総評で、「今年、釜石管内では大小300件の交通事故が発生し、事故には相手がいることから600人が事故に関係していると思われる。毎日1、2件発生しているという状況。夏休みを控えてワクワクしていると思うが、気を抜かず交通安全に気をつけてほしい」と注意喚起。特に守ってほしいこととして、▽歩きスマホはしない▽自転車に乗りながらのスマホもやらない▽ヘルメットはしっかり着用する―の3つを強調した。