釜石・鵜住居川でアユ釣り解禁 市内外の愛好家 1年ぶりの感触楽しむ


2023/07/13
釜石新聞NewS #地域

アユ釣りが解禁された鵜住居川で今季初釣りを楽しむ客=鵜住居町田郷

アユ釣りが解禁された鵜住居川で今季初釣りを楽しむ客=鵜住居町田郷

 
 7月に入り、県内の各河川では順次、アユ釣りが解禁されている。釜石市の鵜住居川は9日、解禁日を迎え、市内外から訪れた多くの釣り人らでにぎわった。解禁日としては大きめの体長20~23センチほどの“型のいい”アユが釣れるなど、まずまずの出だし。午前10時ごろには15~20匹を釣り上げた人も複数見られた。
 
 鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長、組合員150人)の組合員や遊漁券を購入して足を運んだ一般客らが、解禁時刻の午前5時前から各ポイントで待機。時間が来ると一斉に竿(さお)を繰り出した。ほとんどがアユの縄張り特性を利用した「友釣り」で、狙った場所でおとりアユを泳がせ、野アユが掛かるのを待った。
 
鵜住居川で釣りをする際は遊漁券か組合員証を見える所に携帯(写真左)

鵜住居川で釣りをする際は遊漁券か組合員証を見える所に携帯(写真左)

 
アユ釣り解禁日の鵜住居川=9日午前6時過ぎ、砂子畑橋上流

アユ釣り解禁日の鵜住居川=9日午前6時過ぎ、砂子畑橋上流

 
朝方は曇り空。天候回復に期待しながらあたりを待つ=板割バス停付近

朝方は曇り空。天候回復に期待しながらあたりを待つ=板割バス停付近

 
 同河川には5月7日に、組合によってアユの稚魚約400キロが放流されている。放流費用は加入者の組合費、一般釣り客の遊漁料、地域会議などの協賛金で賄われている。今年も鵜住居町の日ノ神橋下流から橋野町の産直・どんぐり広場付近までの各ポイントで放流した。組合では解禁日前には釣り人が入る場所の草刈りも行い、環境整備にも努めた。
 
 花巻市の阿部晃一さん(65)は仲間4人と前日から泊まり込み、解禁に備えた。砂子畑橋上流で竿を構え、開始から約1時間半―。「例年だと30匹前後は掛かるが、まだ全然。水温は15.5度。ちょっと低めだが、掛からない水温でもない」と首をかしげ、「これから気温、水温が上がってどうなるかだけど…。だめなら場所移動も」と様子見の構え。
 
 釜石市源太沢町の千葉剛史さん(24)は、今年初めてアユ釣りに挑戦。同釣り歴40年の父親の手ほどきを受けながら、道々橋上流で釣り糸を垂れた。最初は苦戦していたが、午前9時前までに4匹を釣り上げた。「難しいが、釣れた時の感触が何とも言えず面白い。海釣りとは全く違う」と魅了された様子。この日は、いとこや父の釣り仲間らと7人で訪れた。組合にも加入したといい、「長く続けてみたい」と期待を膨らませた。
 
アユ釣り初挑戦の千葉さん(右下)。ベテランの父(左)から教わりながら腕を磨く

アユ釣り初挑戦の千葉さん(右下)。ベテランの父(左)から教わりながら腕を磨く

 
 「始めてすぐにパッと掛かった」。23センチほどの大物を見せてくれたのは同市甲子町の男性(71)。養護老人ホーム「五葉寮」上流域での釣果だが、「後がなかなか続かない」と苦笑い。それでも午前7時ごろまでに7匹をゲットした。釣ったアユは専ら孫の口に…。男性が釣る市内3河川のアユを食べ比べ、味の違いも分かるという孫。「アユを食べさせるとご飯もいっぱい食べる」と、喜ぶ姿を目に浮かべた。
 
解禁日としては大物のアユに満面の笑顔!

解禁日としては大物のアユに満面の笑顔!

 
 同市甲子町の植田陽子さん(43)は、シーズン初日を鵜住居川で迎えるのが長年の恒例。「先週は水量もいい感じだったが、今日は少なめ。朝6時前に1匹掛かったが、それっきり」と午前9時過ぎ、家族と小休憩。父親の影響で高校生の頃からアユ釣りの面白さにはまり、同河川には毎年4~5回は足を運ぶ。「いい時は1日で20匹ぐらい釣る」。アユ釣りは家族の絆を深める大切な時間にも。この日は母と夫、仙台市から駆け付けた兄とともに、思い出話に花を咲かせながら楽しんだ。
 
この日最初のヒットを喜ぶ植田さん=9日午前5時53分ごろ

この日最初のヒットを喜ぶ植田さん=9日午前5時53分ごろ

 
 この日の鵜住居川は日の出から3時間ほどは曇り空が続いたが、その後、夏の日差しが照りつけ気温がぐんぐん上昇。水温も上がり始めるとアユの動きも活発になったようで、組合の巡回監視員は「午前10時過ぎには1人で30匹ぐらい釣り上げている人もいた。全般的に型の良いアユがそろっているようだ」と話した。
 
 鵜住居川漁協の藤原信孝事務局長は「高速道路ができて以降、県内陸部からの釣り客が増えている。稚魚の放流など組合事業の存続には、一般釣り客の遊漁料収入も大きな要素。来ていただくのは大歓迎。お互いにルールとマナーを守って、楽しい釣りを」と呼び掛ける。遊漁券や種アユは釣具店のほか、流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所で購入できる。
 
解禁日朝に各所を回り、情報収集する藤原事務局長(右)

解禁日朝に各所を回り、情報収集する藤原事務局長(右)

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


釜石のイベント情報

もっと見る

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス