じかに見て、音で体感 事故の怖さ スタントマンが再現 釜石中で交通安全教室


2023/07/10
釜石新聞NewS #防災・安全

交通ルールを無視した自転車と自動車の衝突事故を再現するスタントマン

交通ルールを無視した自転車と自動車の衝突事故を再現するスタントマン

  
 プロスタントマンによる自転車の交通安全教室が4日、釜石市中妻町の釜石中(齊藤雅彦校長、生徒289人)の校庭で開かれた。事故の恐怖を直視することで交通安全意識を高める「スケアード・ストレート」という教育技法を用いて実施し、全校生徒が参加。事故の恐ろしさを目の当たりにし、交通ルールを守る大切さを再認識した。
  
 同教室は中高生の交通ルール順守と自転車の安全利用のための教育の一環。本年度は岩手県内の4校で実施。釜石での開催はJA共済連、JAいわて花巻、釜石警察署(田中洋二署長)が連携した。
  
自転車のさまざまなルール違反の実演では笑いを誘う場面も

自転車のさまざまなルール違反の実演では笑いを誘う場面も

  
「ドン」。事故が再現されると目や耳を覆う生徒もいた

「ドン」。事故が再現されると目や耳を覆う生徒もいた

  
 映画やテレビドラマなどで活躍する「シャドウ・スタントプロダクション」(東京)のスタントマンが、自転車と車、歩行者と車、自転車同士など、車の陰や見通しの悪い交差点での衝突事故を再現。「ドン」と大きな衝撃音が響いて人が弾き飛ばされたり、車のボンネットにはね上げられたりすると、生徒たちから驚きの声が上がった。
  
 悪い事例を再現した後に、生徒に協力してもらって正しい模範例を示して対比する場面も。自転車について、携帯電話の使用や傘を差しながらの運転、並走運転の危険性などを説明し、「小さなルール違反が大きな事故につながることもある」「ルールを守れば、ルールがみんなを守ってくれる」「自転車は車両の仲間。被害者にも加害者にもなる」などと、安全に利用するための心構えを伝えた。
  
事故の再現(写真左)の後に模範例を示して自転車の安全な乗り方を伝えた

事故の再現(写真左)の後に模範例を示して自転車の安全な乗り方を伝えた

  
 学区の広い同校では約100人が自転車通学をしている。本年度、自転車安全利用と鍵かけ推進のモデル校に指定されており、ヘルメットの着用など安全対策に取り組んでいる。定内町から片道20分ほどかけて自転車で登下校する加藤大翔(やまと)さん(2年)は「事故の再現を見て、怖いと思った。事故にあったことはないが、恐ろしさを実感。ルールを守ることは自分だけでなく、相手の命も守ることができると分かった。安全運転を心がける」と気を引き締めた。
  
自転車同士の衝突事故を再現。大きな衝撃があることを認識した

自転車同士の衝突事故を再現。大きな衝撃があることを認識した

  
交通ルールの順守や自転車の安全利用への意識を高めた生徒ら

交通ルールの順守や自転車の安全利用への意識を高めた生徒ら

  
 田中署長は総評で、「今年、釜石管内では大小300件の交通事故が発生し、事故には相手がいることから600人が事故に関係していると思われる。毎日1、2件発生しているという状況。夏休みを控えてワクワクしていると思うが、気を抜かず交通安全に気をつけてほしい」と注意喚起。特に守ってほしいこととして、▽歩きスマホはしない▽自転車に乗りながらのスマホもやらない▽ヘルメットはしっかり着用する―の3つを強調した。
 
 
 

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