tokinoumi-tohoku_project_thum

宮島達男「時の海 – 東北」プロジェクト タイム設定ワークショップ in 釜石

tokinoumi-tohoku_project
東日本大震災をきっかけに現代美術家・宮島達男が犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承、これからの東北の未来を共につくっていくことを願い、東北に生きる人々、東北に想いを寄せる人々と協働してつくり上げるアートプロジェクト。
 
「タイム設定ワークショップ」を通して出会った3,000人の想いを集めて一つの大きな作品をつくり、東北の海が見える場所に恒久的に作品を設置することを目指しています。現在、参加者は、2,059人となりました(2023年5月15日時点)。
 
生命の永遠性を象徴するLEDの数字カウンターのタイム設定、その秒数に込めた想いや東北への想いを宮島達男と参加者が共有する対話型のワークショップです。
 
「時の海 – 東北」プロジェクト – あの時、あの人に、逢いにいく

プログラム

宮島達男による作品の説明の後、記入用紙にタイム設定の数字とその数字に込めた想いや東北へ寄せる想いを書き込んでいただきます。その内容をもとに、宮島がお話をお聞きします。
参加予約はQRコード、または釜石市民ホールTETTOで配布する申込用紙からご予約いただけます。

日時

2023年7月22日(土) 14:00 〜 15:00

会場

釜石市民ホールTETTO ホールB

料金

無料
小さなお子様から大人まで、プロジェクトの主旨に賛同いただける方はどなたでもご参加いただけます。
※お一人様につき1回のみの参加です。過去、本プロジェクトのタイム設定を行われた方はご参加いただけません。

お問い合わせ

「時の海 – 東北」プロジェクト実行委員会事務局(有限会社宮島達男事務所 内)
TEL:0297-21-7650 E-mail:contact@seaoftime.org

主催等

【主催】「時の海 – 東北」プロジェクト実行委員会、釜石市民ホール

 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

hamanasu1

声の便り 届けて30年 視覚障害者へ 釜石・ハマナスの会 記念誌発行 受け継ぐ朗読奉仕

完成した記念誌を手に笑顔を見せるハマナスの会の会員たち=7月2日、釜石市立図書館

完成した記念誌を手に笑顔を見せるハマナスの会の会員たち=7月2日、釜石市立図書館

  
 釜石市小佐野町の市立図書館を拠点に活動する朗読奉仕「ハマナスの会」(藤原由香里会長)。目の不自由な人のために地元新聞などから季節の話題や身近な情報を選んでCDに録音し、提供するボランティア団体だ。昨年、30周年を迎えたことから記念誌の作成を進め、このほど完成した。「アットホームな雰囲気で楽しい」「月1回の活動が張り合いに」「いつの間にか年齢が上に。もう少し続けて頑張ろうかな」。会員たちの思いがつづられている。
  
 1992年に発足した同会は、月に1回活動する。2011年の東日本大震災後2カ月間は同館が休館したため活動ができなかったが、それ以外は毎月欠かさず30年間継続。年に1回、朗読技術向上のための研修も行っている。録音だけでなく、利用者から希望があった際は本や雑誌を対面で朗読することもある。
 
 A4判全38ページの記念誌では年表で30年の歩みを振り返る。現在の会員のほか、利用者や活動を支えてきた図書館長や講師、元会員ら7人が寄稿。朗読奉仕活動の価値や効果、感謝の気持ち、懐かしい思い出などが、それぞれの視点で記されている。
 
会の歩みや声を通した交流の思い出などがつづられた記念誌

会の歩みや声を通した交流の思い出などがつづられた記念誌

 
野田市長に記念誌を手渡す(右から)松村さん、川畑さん、鈴子副会長=6月16日、釜石市役所

野田市長に記念誌を手渡す(右から)松村さん、川畑さん、鈴子副会長=6月16日、釜石市役所

 
 50部作成し、利用者や会員らに配布。一部は市に寄贈し、同館にも置かれている。6月16日には市役所の野田武則市長を訪ねて記念誌の発刊を報告。94年に入会した川畑光子さん(85)は「声を通して人とのつながりを感じている。ボランティアだが、いい加減な読みは許されない」と活動への強い思いを伝えた。「生の声でふわっとしたあたたかみを楽しんでもらっていると思う」と利用者の様子を想像するのは松村弘子さん(85)。鈴子和子副会長(67)は「先輩たちの力のおかげ。知恵を絞り合って、ますます頑張りたい」と意欲を見せた。
  
視覚障害者に届ける記事を読み、録音する松村さん(左)と藤原会長=7月2日、釜石市立図書館

視覚障害者に届ける記事を読み、録音する松村さん(左)と藤原会長=7月2日、釜石市立図書館

 
 「みなさん、お変わりございませんか。今日も新しい話題、心あたたまるお話、お届けします」
 
 ゆったりと穏やかな語りが、図書館の一室から聞こえてきた。活動日となった7月2日、全会員7人が集合。声の出し方や読み上げる速度、間の取り方、アクセントなど細部まで気を配りながら記事の朗読、録音活動にいそしんだ。この日、会員が持ち寄ったのはSL銀河のラストランや釜石よいさの復活を伝える記事など約30本。行政、教育、論説、エッセーなど多様なジャンルに触れてもらえるよう選別し、70分ほどのCDを作成した。
 
 完成品は後日郵送。受け取る視覚障害者の負担金などはなく、現在11人がサービスを利用する。「地域の話題をタイミングよく取り上げている」「いろんな読み手がいて退屈しない」「なまりにホッとする」などと評価は上々。そんな声に、届ける側の会員たちも力をもらっている。「まだまだ未熟で、今も勉強中」と口をそろえ、やる気、向上心は衰え知らず。仲間や利用者との声を通した交流を楽しんでいる。
  
 「また来月お会いしましょう ごきげんよう」
  
滑舌よく伝えるため早口言葉で発声練習=7月2日、釜石市立図書館

滑舌よく伝えるため早口言葉で発声練習=7月2日、釜石市立図書館

 
黒板に項目と録音時間を記して選別。下読みも入念に=7月2日、釜石市立図書館

黒板に項目と録音時間を記して選別。下読みも入念に=7月2日、釜石市立図書館

  
 和気あいあいとした雰囲気の同会では、50~80代の女性たちが活躍している。ここ数年は、会員の高齢化や若年層の担い手不足が課題。利用者の拡大も目標となっている。「利用する方がつつがなく暮らし、生活の彩りやゆとりを感じてもらえるといい。これからも無理せずに長く活動を続けたい」と藤原会長(56)。
 
 同会では会員を募集中。性別、年齢、経験の有無は問わない。通常は毎月第1日曜日が活動日。「来たれ若者よ!興味のある方は気軽に見学を」と呼びかける。詳しくは市立図書館(電話0193・25・2233)へ。

hotaru8034

4年ぶりにぎやかに「ほたるの里まつり」 釜石・中小川で地元住民ら芸能楽しむ

第8回ほたるの里まつり=中小川、2日

第8回ほたるの里まつり=中小川、2日

 
 釜石市内有数のゲンジボタルの生息地・小川川で今年もホタルの発光が見られている。同所の豊かな自然環境を次世代につないでいこうと開かれている「ほたるの里まつり」が2日、コロナ禍を経て4年ぶりに開催された。地元の芸能団体などが出演し、にぎやかに住民交流を繰り広げ、古里の宝を守り育てることへ気持ちを新たにした。
 
 同まつりは小佐野地域会議(黒田至議長)のほたるの里推進事業として、流域の4町内会などで組織する実行委が続けてきた。これまで「ほたる娘コンテスト」や地元小学生の「ホタルに関する作文コンクール」の入賞者表彰・朗読などを企画。芸能披露とともに住民らを楽しませてきた。
 
 新型コロナウイルス感染症の影響でここ3年は中止。今回は2019年以来、通算8回目の開催となった。中小川集会所前の空き地に組んだステージには、同地域会議が昨年作った「ほたるの里」のPR用大型幕を設置。住民への初お披露目となった。黒田議長は「ホタルはきれいな水辺でないと生きていけない。この清流をみんなで守っていってほしい」とあいさつ。地元舞踊団体・佐々木社中の5人と市内在住の歌手・尾崎都さんが歌と踊りのステージで盛り上げた。
 
歌で楽しませた尾崎都さん(左)と踊りで魅了した佐々木社中の尚玉泉さん(右)

歌で楽しませた尾崎都さん(左)と踊りで魅了した佐々木社中の尚玉泉さん(右)

 
歌や踊りのステージに拍手を送る観客。

歌や踊りのステージに拍手を送る観客。

 
 甲子郷小川しし踊り保存会(佐々木義一会長、50人)は伝統の舞を披露。子どもから大人まで約40人のメンバーが久しぶりの地元イベントで躍動した。佐々木会長(59)は「勇壮な踊りを見たいという地域住民の声にも応えられた。地元での踊り披露は会にとってもうれしいこと」と笑顔。少子化で次世代への継承が課題となっているが、「小佐野小でも伝承活動に取り組んでいる。興味を持った子が一人でも多く保存会に入ってくれれば」と願った。
 
「甲子郷小川しし踊り保存会」の演舞。子どもたちも一生懸命踊った

「甲子郷小川しし踊り保存会」の演舞。子どもたちも一生懸命踊った

 
小川しし踊りは明治15年ごろ、遠野・上郷に踊りの習得に行った地域の若者が持ち帰り、住民一丸の練習で郷土芸能として発展してきた

小川しし踊りは明治15年ごろ、遠野・上郷に踊りの習得に行った地域の若者が持ち帰り、住民一丸の練習で郷土芸能として発展してきた

 
小踊りの女性陣も軽やかに舞う

小踊りの女性陣も軽やかに舞う

 
 最後は恒例の餅まき。集まった観客約100人が手を伸ばし、コロナ前のまつり風景が広がった。岩間奈月さん(34)は震災後、同所に建てられた仮設住宅に暮らし、今は地区内に再建した自宅に家族と暮らす。「ここに足を運ぶのはしばらくぶり。以前、めいがほたる娘に参加していたので思い出深い。今回も知り合いがしし踊りに出ている」と楽しい時間を満喫。「子どもも大きくなってきたので、まだ見たことがないホタルも見てみたい」と声を弾ませた。
 
まつりの締めは餅まき!祝いムードも4年ぶり

まつりの締めは餅まき!祝いムードも4年ぶり

 
 中小川町内会の佐々木正雪会長(73)は「多くの方に来ていただき、ありがたい。今年は町内会の総会後、お花見会もやった。各種行事も徐々にコロナ前の形に戻していきたい」と話す。今月15、16日には地元の千晩神社の例大祭も予定される。
 
 佐々木会長によると、小川川では6月中旬ごろからホタルの発光が見られており、間もなく終盤を迎える。同町内会では震災後の環境変化で減ってしまったゲンジボタルを増やそうと、昨年から幼虫の餌となるカワニナの放流も開始。今年は800匹を放流している。

furuhata-sachiko_piano-concert_thum

古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石

古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石
 
~東日本大震災こころの復興支援~
ドイツスターピアニスト

岩手県と姉妹州協定を結ぶドイツ・ラインラント=プファルツ州に在住する人気ピアニスト古畑祥子さんのソロコンサート
楽曲のエピソードやトークを交えながら、ショパンやリストの名曲をお楽しみいただけます
 
古畑祥子ピアノ・コンサート in 釜石
 
イベントのチラシはこちら
 
ご来場される皆様へ【ご協力お願い】
会場入口での検温・手指の消毒、咳エチケットの励行など、基本的な感染症対策にご協力お願いいたします。
 

日時

2023年7月30日(日)14:00〜16:00予定(開場13:30)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA

プログラム

<ショパン>
ノクターン第20番 嬰ハ短調遺作
ノクターン第8番 変二長調作品27-2
即興曲第4番 嬰ハ短調「幻想即興曲」作品66
12の練習曲より第3番 ホ長調「別れの曲」作品10-3
12の練習曲より第4番 嬰ハ短調作品10-4
12の練習曲より第12番 ハ短調「革命」作品10-12
ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」作品53
 
<リスト>
愛の夢より第3番
巡礼の年 第2年“イタリア”より「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」
ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調
 
曲目は都合により変更となる場合があります。予めご了承ください。

出演

古畑 祥子 Sachiko Furuhata ピアノ
ヨーロッパで最も人気のあるピアニストの一人。定期的にイタリア、スペイン、ドイツ、スイス、オランダ、イギリスとコンサート活動をしている。横浜生まれ横須賀出身。2017年にはカーネギーホールで総立ちのデビューを飾る。2012年サントリーホールデビュー。
2013年ロンドン、2014年バーゼル、2015年ルクセンブルクでデビューコンサート、2017年はカーネギーホールのほか、ウェールズ、リーズ、エジンバラでデビューいずれも総立ち大盛況に終わる。
ソロリサイタルのほか国際的なオーケストラ、ロシア国立フィルハーモニー、ドイツラジオフィルハーモニー、プファルツ歌劇場オーケストラなどのオーケストラとソリストとして共演し好評をえている。南西ドイツテレビ出演、南西ドイツラジオ出演、ザーリッシュラジオ出演、トリアテレビ局いずれも演奏が放送されている。
ユーロクラッシック、ラインラントプファルツ州夏の音楽祭、などいろいろな音楽祭に招待され演奏。
2012年にハンブルク及びニューヨークでスタインウェイアーティストとして認定される。CDはクラシックCDレーベルで有名なOehmsクラッシックから2枚出している。
2017年ドイツラジオフィルハーモニーとラプソディーインブルーを共演。
2018年はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、及びコアファンタジー、モーツァルトイ長調KV488をオーケストラと共演、2019年モーツアルトのピアノ協奏曲ニ短調KV466をオーケストラと共演。
2021年はショパンピアノ協奏曲第1番をオーケストラと共演。
ソロリサイタルはロンドン、ニューヨークカーネギーホール、サンフランシスコヘルプスシアター、ベルリンフィルハーモニー、ハンブルクエルプフィルハーモニー、フランクフルトアルテオーパーなど大都市主要会場で行われている。
3歳からピアノを習い武蔵野音楽大学を卒業、デトモルト音楽大学大学院,デュッセルドルフ音楽大学大学院で研鑽を積んでいる。アルヌルフ・フォン・アルニム、ロベルト・ツィドン、デトレフ・クラウス、ウイリアム・ブロンズに師事。

料金

全席自由 一般:1,000円 中学生以下:500円 当日各200円増
 
◎割引(各2割引/TETTOのみ取扱い)
友の会:会員証提示で2枚まで
シルバー:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚まで
まとめ:10枚以上同時購入
 
※未就学児入場不可。

プレイガイド

前売券好評発売中!
【プレイガイド窓口】
【釜石】釜石市民ホール
※釜石市民ホール以外のプレイガイドは近日中に販売開始します
 
【電話予約】
〇釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266へお電話ください。
 
【専用申込フォーム】
下記QRコードまたはリンクからもお申込みいただけます。
https://forms.gle/fpJ8Y3W4oQsyxNgZ6

〇この申込フォームからの申込可能期限は、2023年7月29日(土)17:00までとなります。
〇お申込いただいた後チケットが確保でき次第、登録のメールアドレスへお知らせいたします。迷惑メール設定や受信設定等のご確認をお願いいたします。お知らせは下記お問合せメールアドレスより送付いたします。
〇チケット代金のお支払いは、釜石市民ホールTETTO総合案内にて現金でお願いいたします。当日精算もできます。
★友の会、まとめ買い割引をご希望の場合は、チケット引換の際にお申し出ください。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEL:0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内にチケットと大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。
 
【親子鑑賞室について】(要申込)
客席での鑑賞が難しいお子様連れの方に、多目的鑑賞室のご利用ができます。
[定員]約4~5名
ご利用を希望される方はホールまでお申込みください。
※客席後方3階から見下ろす形になります。予めご了承ください。

主催等

【主催】古畑祥子ピアノコンサート実行委員会、釜石市民ホール
【協賛】ウエストプファルツ未来財団、クーゼルロータリークラブ1860地区
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

橋野鉄鉱山フラワーガーデン ラベンダー観賞会

橋野鉄鉱山フラワーガーデン ラベンダー観賞会

橋野鉄鉱山フラワーガーデン ラベンダー観賞会

 

橋野町振興協議会が育てたグロッソラベンダーが見頃を迎えます。橋野町振興協議会と栗橋地区まちづくり会議の共催による「ラベンダー観賞会」を開催します。

日時

2023年7月15日(土)〜17日(月・祝)
10時〜15時 ※観賞は時間外でもできます

場所

橋野鉄鉱山フラワーガーデン(橋野鉄鉱山インフォメーションセンターとなり)
岩手県釜石市橋野町2-6

内容

グロッソラベンダーを自由に鑑賞してください。
一束300円での花の販売の他、苗や匂い袋の販売、刈り取り体験も行われます。

 

橋野鉄鉱山フラワーガーデン ラベンダー観賞会
 
橋野鉄鉱山フラワーガーデン ラベンダー観賞会
 

問い合わせ

橋野町振興協議会 TEL 090-4639-3225

橋野町振興協議会

橋野町振興協議会

問い合わせ:TEL 090-4639-3225 / FAX 0193-57-2212 / 〒026-0041 岩手県釜石市橋野町34-13-12

plant7556

津波に襲われた海辺で植物観察 釜石・唐丹町片岸 市民ら震災後の環境変化を学ぶ

唐丹町片岸の海岸で行われた植物観察会=1日

唐丹町片岸の海岸で行われた植物観察会=1日

 
 東日本大震災の津波被害を受けた釜石市唐丹町片岸の海岸で1日、砂浜や周辺に生える植物の状況を調べる観察会が開かれた。震災後の復興工事で高さ14.5メートルの防潮堤が整備された一帯。砂浜では震災後に発芽したアカマツの幼木や震災前から自生するハマヒルガオなどが見られた一方、土壌環境の変化で繁殖が進んだとみられる外来種の植物が複数見つかった。
 
 観察会は長年、地元の植物の観察・研究を続ける釜石植物の会会長の鈴木弘文さん(78)が開き、市内外から7人が参加した。鈴木さんの案内で、津波による流出を免れた砂浜と、防潮堤工事で重機が入った堤体付近の草地を回り、震災から12年が経過した現在の植物の生育状況を確認した。
 
 砂浜では海浜植物の代表格、ハマヒルガオが見られた。震災前ほどの群生には至っていないものの、薄桃色のラッパ形状の花が咲いているのが確認され、花が終わって結実した種入りの実も見つかった。同様に海岸の砂地に生え、横に長く根を伸ばすコウボウシバも。三陸の海岸部に多いアカマツは、震災後に落ちた種から発芽したとみられる低木が点在していた。
 
右:花を咲かせたハマヒルガオ、左上段:ハマヒルガオの実、同下段:実の中の種

右:花を咲かせたハマヒルガオ、左上段:ハマヒルガオの実、同下段:実の中の種

 
左:アカマツの幼木、右:コウボウシバ

左:アカマツの幼木、右:コウボウシバ

 
 女性たちが歓声を上げたのは花をつけた植物。小さな花が螺旋(らせん)状に並んで咲くネジバナ(別名モジズリ)はラン科の多年草。海岸で見られるのは珍しいといい、「かわいいね」「きれいだね」と注目を集めた。また、愛らしい花をつける一方で茎に鋭いとげがあるママコノシリヌグイ(タデ科)は、名前の由来が参加者を驚かせた。このほか、イヌシデ(カバノキ科)やエニシダ(マメ科)などの樹木も確認された。
 
左:マメグンバイナズナ、右:らせん状に花が並ぶネジバナ(モジズリ)

左:マメグンバイナズナ、右:らせん状に花が並ぶネジバナ(モジズリ)

 
サヤエンドウのような実(左下)をつけたマメ科の植物に興味津々

サヤエンドウのような実(左下)をつけたマメ科の植物に興味津々

 
 同所の環境について、鈴木さんが指摘したのは外来種の増加。産毛のような葉が特徴のビロードモウズイカ(ゴマノハグサ科)、黄色の細かい花が円すい状に広がるセイタカアワダチソウ(キク科)、花粉症の原因としても知られるオオブタクサ(キク科)は繁殖力が強く、「樹木がなかなか入ってこられない」と鈴木さん。工事で土が掘り起こされた堤体近くの草地ほど増加傾向が顕著だという。
 
外来種のビロードモウズイカ(左)は繁殖力が強い

外来種のビロードモウズイカ(左)は繁殖力が強い

 
plant7844

水門と一体的に整備された防潮堤の前に広がる海岸が観察場所

 
 同海岸一帯で鈴木さんが確認している植物は約120種。「未確認のものを含めると200種ぐらいはあるのでは」と鈴木さん。この日は、鈴木さんが今年4月に同所で初めて見つけたムシクサ(在来種)も紹介した。
 
 雫石町から足を運んだ60代女性は「内陸では目にしない植物もあり興味深い。津波で大きな被害を受けた場所でもこうして再生している。植物の生命力はすごい」と驚いた様子だった。鈴木さんは「植物を調べることは環境の証明になる。人間は自然を理解し、未来のことも考えて共生していくべき」と話した。
 
 さまざまな植物の名前や特徴を学ぶ参加者。普段見過ごしている植物も名前を知るといとおしい

さまざまな植物の名前や特徴を学ぶ参加者。普段見過ごしている植物も名前を知るといとおしい

CINEPIT映画上映会「桜色の風が咲く」

CINEPIT映画上映会「桜色の風が咲く」

CINEPIT映画上映会「桜色の風が咲く」

 

●発熱・体調の悪い方のご入場はご遠慮下さい。
●可能な限りマスク着用の上(任意です)、上映中の発声はご遠慮下さい。
●入場の際は手指消毒をお願いします。

 

 

上映時間

2023年7月17日(月・祝)
① 10:00〜11:55
② 13:30〜15:25
※各回30分前受付・開場となります。

 

■会場 釜石PIT(90席制限)
■料金 一般1,000円 小中高生500円(未就学児無料)

主催

CINEPIT運営委員会(釜石まちづくり株式会社)
上映担当:みやこ映画生活共同組合

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607
作品に関して:みやこ映画生活共同組合 TEL 0193-64-5588

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

anzen1

危険がいっぱい!道路横断・車の運転 双葉小児童と祖父母ら、ゲーム感覚で体験 一緒に守る交通安全/釜石

シミュレーターを使い、道路の横断を疑似体験する参加者

シミュレーターを使い、道路の横断を疑似体験する参加者

  
 孫となら積極的に参加するはず―。児童とその祖父母らが一緒に学ぶ交通安全教室が6月26日、釜石市新町の双葉小(及川美香子校長、児童130人)で開かれた。高齢者の交通事故防止に向け、同校と釜石警察署(田中洋二署長)が初企画。道路横断シミュレーターの体験や県警音楽隊によるコンサートを楽しみながら、安全意識を高め合った。
  
 2年生(20人)、3年生(19人)の祖父母や地域のお年寄りに呼びかけしたところ、合わせて約40人が参加。児童と一緒に道路横断の危険予測や運転者の模擬体験に挑戦した。歩行を疑似体験する祖父母らは車や自転車との距離感がつかめなかったり、天候や時間帯によって視界が異なったりして事故が多発。寄り添った児童が「止まった方がいいよ。(信号が)赤だよ」などと声をかけ、注意を促す場面もあった。
  
画面に映し出される情報を基に道路横断を疑似体験

画面に映し出される情報を基に道路横断を疑似体験

  
 体験したお年寄りたちの多くは進行方向だけ見ていたり、左右の安全確認をする際に首を動かす角度が小さかったり。署員は「まっすぐな道は見通しが良くても危険は潜んでいるので、気を付けてほしい。(歩行者側が)青信号でも車が来ていることもあるので、左右を確認しながら渡ってください」と呼びかけた。左右を見た“つもり”ではなく、「首をしっかり振って安全確認を」と強調。トラックの内輪差の危険性、余裕を持った車の運転など心構えについても繰り返し説明した。
  
 交通安全ふれあいコンサートではアニメや映画のテーマ曲、歌謡曲など多世代に耳なじみのある曲が披露された。隊員による寸劇もあり、本年度から努力義務化された自転車利用時のヘルメット着用を呼びかけ。生演奏に乗せて「守ろう交通ルール」という意識づけを図った。
  
楽しい音色に乗せて交通安全を呼びかける県警音楽隊

楽しい音色に乗せて交通安全を呼びかける県警音楽隊

  
 千鳥町の佐々木敬二さん(72)は「前ばかり見て歩いているのが分かった。普段歩いていて、ヒヤッとする場面になることもあるので気をつけたい」と再認識。「おじいちゃんと一緒で楽しかった。『危ないよ』といって守った」と笑う孫の斉藤碧星(あおと)君(3年)を見つめて、「こういう機会があれば参加するな」と実感を込めた。
  
教室では子どもと地域のお年寄りが一緒に交通安全を確認した

教室では子どもと地域のお年寄りが一緒に交通安全を確認した

  
 高齢化率(65歳以上)が40%超となっている釜石市。釜石署管内では2022年に37件の人身事故が発生している。うち65歳以上が起因となったのは8件で、全体の約22%。交通死亡事故は3件あり、うち2件が65歳以上の高齢者だった。高齢者の安全対策、意識づけが重要となり、その取り組みの一つが交通安全教室。積極的な参加が大事になるが、同署によると「教室を開いても集まりがよくない」「消極的で効果が薄い」など課題が多いという。
  
 そんな中、及川校長が「孫と一緒ならば、きっと積極的に参加する」と提案し、同署が意見をくみ取って形にした。大倉德誌副署長は「高齢者の集まりもよく、印象に残る教室になったようだ。他校にも協力をお願いし、市内全域に広がる取り組みにしていければ」と手応えを得た。

広報かまいし2023年7月1日号(No.1811)

広報かまいし2023年7月1日号(No.1811)

広報かまいし2023年7月1日号(No.1811)
 

広報かまいし2023年7月1日号(No.1811)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 1.73MB
ダウンロード


 

【P1】
根浜海岸海開き 他

【P2-3】
かまいしエール券販売
イベント案内 他

【P4】
新型コロナワクチン接種のお知らせ 他

【P5-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023063000037/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
mizuage1

釜石はまゆりサクラマス 養殖事業化後、初水揚げ 特産品化へプロモーション活動も

釜石市魚市場に今季初めて水揚げされた養殖サクラマス

釜石市魚市場に今季初めて水揚げされた養殖サクラマス

  
 釜石湾で養殖されている「釜石はまゆりサクラマス」が6月27日、今季初めて釜石市魚市場に水揚げされた。昨秋に事業化してからの“初もの”は、体長60~80センチ、重さ1.7キロほどに育った計8.4トン。試食も用意され、「身ぶりが良い」「特長のさっぱりした脂がしつこくなく、おいしい」と関係者らは好感触を得る。事業化に伴ってプロモーション活動にも着手。岩手県内で主流のギンザケやトラウトサーモンとの差別化を図り、希少性を生かした取り組みに力を入れていく構えだ。
   
 サクラマスの養殖は2020年に市や岩手大、地元水産会社などが研究コンソーシアムを結成して試験的に始めた。成育が順調で、比較的高値で取引されるなど市場での評価もよく、生存率の向上など技術習得も進んだことから、計画を1年前倒しして22年秋に事業化した。これまでは直径20メートルのいけす1基で育てていたが、今季は直径40メートルのいけす2基を増設。稚魚も前年の2万1000匹から15万8000匹と大幅に増やした。
  
釜石湾で順調に生育したサクラマスに漁業者たちの顔もほころぶ

釜石湾で順調に生育したサクラマスに漁業者たちの顔もほころぶ

   
 この日は午前5時ごろに水揚げが始まり、漁師らがサイズによって選別。市によると、1キロ当たり100~1000円で取り引きされ、地元の鮮魚店などが買い取ったという。作業を見守った野田武則市長は「魚のまち復活へ明るい見通しが立ってきた。特産として、さらに発信していきたい」と手応え。岩手大三陸水産研究センターの平井俊朗センター長は「主流のサーモン養殖と、どう差別化を図るかが事業拡大の鍵になる」と指摘した。
   
 試食も用意され、養殖事業を担う泉澤水産(両石町)の担当者は「昨年より大きく育った。脂乗りもいい。さっぱりとしつこくなく、おいしい」とアピール。AI(人工知能)搭載の給餌機を導入して効率化を図り、昨季の約7倍、200トンの水揚げを見込んでいる。
 
サクラマスの刺し身を試食する野田武則市長(右)ら

サクラマスの刺し身を試食する野田武則市長(右)ら

  

どう売り出す?釜石サクラマス 地元飲食店、宿泊業、水産加工業者が先進地の成功事例学ぶ

  
釜石はまゆりサクラマスプロモーションキックオフセミナー=6月23日

釜石はまゆりサクラマスプロモーションキックオフセミナー=6月23日 

  
 釜石はまゆりサクラマスの生産拡大に伴い、昨年10月には一体的なプロモーション活動を行うための産学官によるコンソーシアム(共同事業体)も設立されている。県内沿岸では、サケやサンマの記録的な不漁を背景にサーモン類の養殖が各地で展開されるが、サクラマス生産に取り組むのは釜石市だけ。その希少性を強みとして「ご当地グルメ」に育てていこうと、関係者による取り組みが始まる。
  
 今季の初水揚げに先立ち、6月23日には平田の岩手大釜石キャンパスで、プロモ活動への第一弾となるセミナーを開催。地元飲食店、宿泊業者、水産加工業者などを対象に開かれ、オンラインを含め約40人が参加した。
  
 市水産農林課がこれまでの養殖の経過と今季の水揚げ見込みなどを説明。市外への流通が多かったサクラマスを今後、地元の味として定着させるためにメニュー開発を行っていきたい考えが示された。
  
 先進地の成功事例として、兵庫県南あわじ市が中心となって売り出す「淡路島サクラマス」のメニュー開発の経緯などが紹介された。事業に携わった、じゃらんリサーチセンター・ご当地グルメ開発プロデューサーの田中優子さんがオンラインで説明した。
  
「淡路島サクラマス」のご当地グルメ開発の事例を学ぶ

 「淡路島サクラマス」のご当地グルメ開発の事例を学ぶ

  
 同市では養殖サクラマスを春(3~5月)の味覚として前面に打ち出し、2017年から3年がかりでメニュー開発。丼と鍋料理から始め、後にピザやパスタなどのカフェグルメ、弁当、土産物などにも拡大していった。3年目には淡路島全体(3市)に取り組みを広げ、40店舗で76メニューを提供するまでになった。3年間の売り上げは2億3186万円。
  
 田中さんはご当地グルメ開発のポイントとして、目標・目的の共有、効果検証(販売数、売り上げなど)、振り返りによる課題抽出・解決策の実行-などを挙げたほか、メディアへの効果的なプレスリリースやSNSによる情報発信で話題性を作ることも重要視した。
  
 休憩時間にはサクラマスの刺身の試食も行われた。県中華料理生活衛生同業組合釜石支部長の小澤浩美さん(スナック経営)は「養殖なので、生でも安心して食べられるのが大きなメリット。欲しい時に手に入るよう、安定した供給をしてもらえるとありがたい」と期待。今後のプロモ活動については「みんなでスクラムを組んでやらないと。単独では難しい」と連携の必要性を示した。
  
サクラマスの刺し身を試食。「あっさりして甘みがある」「腹も背もおいしい」などの声が…

サクラマスの刺し身を試食。「あっさりして甘みがある」「腹も背もおいしい」などの声が…

  
 市水産農林課によると、本年度は商品化に向けたメニュー開発・意見交換、市内飲食店でのサクラマスフェアなどを予定する。同課の小笠原太課長は「今後の取り組みの中で、ターゲットやどのような売り方をするのか模索していきたい。地域が潤い、地域が誇れるようなものを作っていきたい」と話す。