釜石・鵜住居アスレチック公園に時計塔 施工のカネナカが寄贈「一緒に時を刻もう」
鵜住居アスレチック公園に設置されたボール型のソーラー時計
釜石市鵜住居町の鵜住居アスレチック公園に6日、時計塔が設置された。甲子町の建設業カネナカ(郷内裕社長)の創立50周年を記念した事業の一環で、市に寄贈した。設置工事はすでに終えており、地域住民らへのお披露目を兼ねた贈呈式が現地で開かれた。遊具や築山などが整備された公園は地区の子どものほか、休日には市外からも親子連れらが訪れる、にぎわいスポット。時計の設置を望む声が寄せられていたといい、遊んでいた子たちは「時間が分かっていい」と歓迎した。
高さのある時計で少し離れた場所からも時刻を確認できる
離れた場所からも見やすいようポール型の時計を採用した。直径70センチのソーラー式電波時計で、高さは約5メートル。潮風の影響を受けるため、腐食に強いステンレス製にしたという。
市民体育館やスタジアムなどがそばにある同公園は、市が東日本大震災の被災地区で進めた土地区画整理事業で整備。鵜住居川沿いの約1.3ヘクタールの土地を活用し、アスレチック要素の高い遊びを組み合わせた木製の複合遊具、あずまや、トイレ棟、駐車場などが設けられた。2021年4月に供用を開始。市内外から多くの人が訪れる公園となり、利用者から時計設置の要望が上がっていたという。
この公園の整備を担った同社は22年2月に50周年を迎え、記念となる事業を思案。「まちに貢献できることを」と市に伝えたところ、要望について話があり、「地域コミュニティーの中核である公園に役立つことなら」と時計の寄贈を決めた。
時計の贈呈式に出席したカネナカ、市の関係者ら
贈呈式には同社や市関係者、地域住民ら約20人が出席。野田武則市長が「震災から12年が経過し、鵜住居地区も大きく変貌した。子育て世代でにぎわい、地域の皆さんが見守っている公園をより多くの方に利用してもらいたい」と述べ、郷内社長に感謝状を贈った。
郷内社長は「1972年の創業以来、多くの支えをいただきながら市の発展や震災復興に携わってきた。これからも地域に根付いた活動を行い、施工したこの公園と一緒に時を刻んでいきたい」と気持ちを新たにした。
木製遊具や築山があり、伸び伸びと遊びを楽しめる
滑り台、うんていなどが一体となった複合型の遊具が人気
式を終えた公園に駆け込んできたのは宮古市の伊藤翠桜(みお)ちゃん(5)、愛桜(まお)ちゃん(2)姉妹。初めて訪れたといい、滑り台や滑車のついたロープにつかまって遊ぶ「ターザンロープ」などに大はしゃぎだった。母清香(さやか)さん(36)は時計の設置を知り、「いいですね」と目を細めた。
放課後の児童もやって来て、あずまやで休んだり、築山で虫探ししたり。時計があることで、「まだ遊べる」「もう帰らないと」などと時間を確認しながら、思い思いに過ごしていた。
「あ、バッタ」。手入れされた築山で虫探しを楽しむ子の姿も
鵜住居地域会議の古川幹敏議長は「この公園がオープンした時、震災で遊び場を失った子どもや親たちの喜ぶ顔を再び見ることができた。設置された時計はどこからも目に付く。大事に使いたい」と感謝。同公園を含め、市内の公園は愛護会など関係者や委託を受けた業者が定期的に草刈りなど整備を行っていて、引き続き、協力しながら楽しく遊べる環境を守っていく考えだ。
釜石新聞NewS
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