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見て感じた「いいな」の声 創作の力に 釜石の絵画グループ・彩美会 36回展

個性あふれる作品が並んだ第36回彩美会展

個性あふれる作品が並んだ第36回彩美会展

  
 釜石市の絵画グループ「彩美会」(小原孝夫会長、会員14人)は19日から21日まで、大町の市民ホールTETTOで36回目の作品展示会を開いた。全会員が1~11点の作品を出展し、講師の佐々木實さん(二科会会友)の5点を加えた72点を展示。思いを込めた作品を見てもらう喜びに“のせられた”会員らは次なる作品に取りかかる意欲を高めた。
   
 彩美会は具象画を中心に取り組み、モチーフは市内外の四季折々の自然風景、動植物、人物、地域文化・芸能、静物などさまざま。油彩や水彩、パステル、クレヨン、色鉛筆など多様な技法を用いた力作が並んだ。
  
多様な技法で描かれた作品を興味深げに鑑賞する来場者

多様な技法で描かれた作品を興味深げに鑑賞する来場者

  
流木を使ったオブジェも来場者の目を楽しませた

流木を使ったオブジェも来場者の目を楽しませた

  
 隣町の大槌町から参加する上野宏明さん(72)は、1年かけて仕上げた油彩画「秀麗早池峰山」など7点を出品した。誘いを受け加入して7年目。もともとの趣味だった写真とは違った視点、構図を求められる絵の奥深さに「はまった」という。撮影したものをキャンバスに残そうと「必死にもがきながら描き、指導を受けて雰囲気が出できた感じ」と控えめながら成長の手応えもある。これからは好きな山登りや散歩の途中で心揺さぶられる風景をその場でスケッチするのが目標。「スケッチブックが相棒になったら最高。絵に込めた思いを自由に感じ、いいなと思ってもらえたらうれしい」と目を細めた。
  
心を動かされた雪景色を表現した「秀麗早池峰山」を見つめる上野宏明さん

心を動かされた雪景色を表現した「秀麗早池峰山」を見つめる上野宏明さん

  
 40代から90代までの会員らは個々に創作に励んでいるほか、月2回、定内町3丁目のひまわり集会所で勉強会を開いている。高齢の会員が多いが、小原会長の口癖「歳は奪い取るもの!」のもと、会員らは明るく元気に活動。和気あいあいと笑い声の絶えないグループの特徴は「互いの良いところを見つけて褒め合う関係性」と声をそろえる。「のせられているという感じもあるけど…。また描こうという気持ちになるよね」と笑顔も重ねる。
  
仲間と共に創作活動を楽しむ彩美会の会員ら

仲間と共に創作活動を楽しむ彩美会の会員ら

  
 事務局の千葉幸子さん(71)は「佐々木先生は形を押し付けず、個性に合わせて指導してくれるので、絵を描いている時間が楽しい。展示された作品には、その人ならではのワールドがあるでしょう」と、うれしそうに会場を見回した。集まりへの参加は都合のいい時だけ―。「ある時は真剣に絵を描き、ある時間はおしゃべりを楽しむ会」に興味を持ち、仲間が増えることを期待していた。
 
 

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コーバ釜石が5周年 大観音仲見世通り シェアオフィスで「よりヘビーな関係づくりを」

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

  
 釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りにあるコワーキング・シェアオフィス「co-ba kamaishi marudai(コーバ・釜石・マルダイ)」が5周年を迎えた。運営する一級建築士・宅建士の宮崎達也さん(51)=宮崎建築事務所代表取締役=によると、現在の会員数は12人(事業者を含む)、法人登記するのは5社。働く人や挑戦する人らが集う場として、人の流れを生み出しているという手応えを感じている。こうした動きを同通り全体に広げようと奮闘する。
   
コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

  
 5月20日に開かれた5周年イベントで、宮崎さんは「働くことが楽しいと思ってもらえるよう、新しい働き方を提供したい。仲見世ビジョンとしては、観光で釜石を元気にすることを目指す」と力を込めた。
   
 1970年代に形成された仲見世通り商店街は20店舗以上が軒を連ねたが、閉店が相次ぎ、2017年12月には稼働店舗がゼロとなった。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた通りに着目した若者の一人が宮崎さん。東日本大震災の復興に携わるため三重県から来釜し、土産物店だった木造2階建ての物件を仲間と共に改修して18年5月にコーバ釜石をオープンさせた。
  
釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

  
 1階の半分と2階を個人事業主などが複数入居できるシェアオフィスとし、プリンター、Wi-Fi、キッチンなどを装備。テーブル席のほか、カウンター、ソファ席もあり、多様な働き方に対応する。2階はイベント会場としての貸し出しも可能で、落語会やセミナーなどを開催。1階にあるギャラリースペースではアート展などが催された。
  
 三重と釜石の二地域居住(二拠点生活)を続ける宮崎さん。コロナ禍で変化した働き方を受け、自身と同じような働き方、場所や時間にとらわれず働くリモートワーカーを増やすことを思い描く。「会員制のスポットだが、地域の人に広く知ってほしい。コミュニティーの広がりを感じ、地域のやりたいことができる場所として運営していきたい」と展望。本業の傍ら、同通りを再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手がけていて、「これまでよりもヘビーな関係づくりができるよう仕掛けていきたい」と継続を視野に入れる。
  
さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

  
 記念イベントに集まった約20人がその思いに耳を傾けた。大槌町でデザイン会社「RAYLAB(レイラボ)」を経営する平舘豊さん(43)は仕事に集中したい時や打ち合わせ場としてコーバを利用。「24時間利用可能だったり、他業種の人と出会えて事業に新たな展開を見いだせたりすることも。すてきな場所」と喜ぶ。同通りがにぎやかだったことを覚えているといい、「ここを拠点に活性化されれば、うれしい」と見守った。
   
 コーバ釜石の情報は、ウェブサイトで見ることができる。

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*花*いっぱいの園で心の成長を 上中島こども園児 地域の造園業者の協力で植栽活動

いろいろな種類の花に興味津々!上中島こども園の植栽活動=18日

いろいろな種類の花に興味津々!上中島こども園の植栽活動=18日

 
 釜石市上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児48人)で18日、園児らによる花苗の植栽活動が行われた。園児の保護者で、源太沢町で造園業「緑仁舎」を営む木村仁寿さん(43)の提案で実現。園児らは色とりどりの花に目を輝かせながら、力を合わせてプランターに苗を植え付けた。今後、水やりなどの世話もして大切に育てる。
 
 木村さんと同社の女性スタッフ3人が園を訪問。作業を行う2~5歳児を前に木村さんは、国内には約20万種の花があり、品種改良などで毎日その種類が増えていることを紹介。「木や花には皆さんと同じ心があり、人の手を通していろいろなことを感じ取ります。声をかけて植えてあげると、元気をもらってどんどん大きくなります。自分の大切な人、大好きな人のことを思い浮かべて植えてみよう」と呼び掛けた。
 
花苗の説明をする木村仁寿さん(上段左から2人目)。園児らは元気に「よろしくお願いします」

花苗の説明をする木村仁寿さん(上段左から2人目)。園児らは元気に「よろしくお願いします」

 
 この日用意された花苗はマーガレット、ラベンダー、ゼラニウムなど色違いも含めて15種類ほど。園児らは3人一組になり作業を開始した。プランターに土を半分ほど入れた後、好きな花を選び配置。倒れないように根元にたっぷり土をかぶせた。15のプランターを完成させた園児らはきれいな姿に大満足。クラスごとに記念写真を撮るなどし、春の思い出を胸に刻んだ。
 
プランターに土を入れる作業から開始。スコップを使ってうまくできるかな? 

プランターに土を入れる作業から開始。スコップを使ってうまくできるかな? 

 
数種の花を寄せ植え。根元に土を入れて固定した

数種の花を寄せ植え。根元に土を入れて固定した

 
 「元気に育ってねー」。やさしく声をかけながら土を押さえる

「元気に育ってねー」。やさしく声をかけながら土を押さえる

 
 藤原眞白君(5)は「ピンクと紫のお花を植えた。スコップで土をかぶせるのが楽しかった。大きく育ってほしい」、寄松結ちゃん(5)は「たくさんのお花を見てうれしい気持ちになった。『元気になあれ、大きくなあれ』と声をかけてあげた」と成長を楽しみにした。
 
 同園は甲子川沿いに位置し、対岸に山を臨む豊かな自然環境に囲まれる。園児らは散歩の際に足元の花や昆虫などにも興味を示しているという。楢山園長は「木村さんには素敵なお話をいただいた。植物との触れ合いは情操教育にもつながる。お世話をすることで優しい気持ちが育っていけば」と期待を寄せる。
 
 「ちゃんと植えられたよ」。きれいな花のプランターに大満足の園児

「ちゃんと植えられたよ」。きれいな花のプランターに大満足の園児

 
 同活動は3年前に一度計画したが、新型コロナウイルス禍で実施がかなわなかった。コロナの収束傾向で本年度の園行事を見直す中、話が再浮上。3年越しの実現に木村さんは「子どもたちが喜んでくれて良かった。大人になっても花や草木を大切にする気持ちを持ち続けていってほしい」と願った。この日は園に花の種もプレゼント。園舎玄関用にフラワースタンドも制作して設置した。
 
約1時間の作業で15のプランターを完成させた

約1時間の作業で15のプランターを完成させた

 
夏のような暑さの中、「みんなで頑張りました」

夏のような暑さの中、「みんなで頑張りました」

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!
 

6月17日(土) ウォーター編
6月18日(日) ファイヤー編
 
/// 人の手助けができるサバイバルマスターに ///
 
全国の子どもたちにお願いです。
災害時は、大人たちだけでは対応できないことが次々に起こります。
そんな時のために一緒に学び続けよう。

8つのサバイバルプログラム

講習を受けると修了証、実技・筆記試験に合格するとワッペンがもらえます。
スキルが身についているか?学んだことを理解しているか?が合格の基準。
8つのプログラムすべてのワッペンがそろうと「サバイバルマスター」として認定されます。
 
サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!チラシ(PDF/540KB)

スケジュール

10:00 受付開始
 
10:30 講習開始
このスキルを身に着けたら、どういった場面で役にたつか、学びながら練習しよう!
 
12:00 昼食
みんなで野外でお昼ご飯を食べよう!
 
13:00 筆記試験
知識がしっかり身についているかテスト!
 
14:00 実技試験
スキルが身についているかテスト!
 
15:30 ふりかえり
 
16:00 解散

定員

20名

講師紹介

片山誠さん
(一社)72時間サバイバル教育協会 代表理事
(一社)ジャパンキッズ 代表理事
 
東日本大震災でのボランティアをきっかけに、子どもたちが生き抜くためには、固定観念にとらわれずに、自ら考え判断出来る力が必要と感じ2013年に法人設立。助け合いの社会を創り、地球平和を実現するために全国で講習・講演活動を行う
 
◎著書
「もしときサバイバル術Jr」
「車バイバル!」
「目指せ!災害サバイバルマスター」(監修)
 
JOLA2019優秀賞受賞
 
★72時間サバイバル教育協会
https://72h.jp/program/

お申し込み

予約フォームよりお申し込みお願いします!
https://reserva.be/santsuna
 
日程:2023年6月16日(土)〜17日(日)
料金(税込):各回3,000円
対象:小学生以上
集合時間:10時受付開始
集合場所:根浜レストハウス キャンプ場(釜石市鵜住居町第21地割23番地1外)
料金に含まれるもの:
※プログラム費、検定費、保険代など含みます
※Tri4JAPANの協力により、通常の参加費(5,500円)より割安になっています
持ち物・注意事項:
●参加費は当日受付でお支払いお願いします(現金、PayPay)
●保護者や、対象年齢以外のご家族も付き添い可能ですが、プログラムには参加できません。

主催・お問い合わせ

さんつな(三陸ひとつなぎ自然学校)
LINE https://lin.ee/RvMUVBk
TEL 0193-55-4630 / 090-1065-9976
mail hitotsunagi.main@gmail.com

協力

72時間サバイバル教育協会
Tri4JAPAN

さんつな

さんつな

自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、若者の生きる力を高めるための体験機会を提供しています。

問い合わせ:0193-55-4630 〒026-0301 岩手県釜石市鵜住居町29-17-20
メール / LINE / 公式サイト / Facebook

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釜石SW 納会とファン感謝祭で選手、スタッフをねぎらう 今季のMVP選手発表も

釜石SWのファン感謝祭で記念写真に収まる参加者ら=19日夜、市民ホール前広場

釜石SWのファン感謝祭で記念写真に収まる参加者ら=19日夜、市民ホール前広場

 
 釜石シーウェイブス(SW)RFCの今季を締めくくる納会とファン感謝祭は19日、釜石市大町で開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で見合わせていた飲食を伴う感謝イベントを解禁。チーム関係者、スポンサーのほか、一般のファンなども無料で入場できる交流の場が設けられた。来場者はシーズンを終えた選手、スタッフをねぎらい、来季のさらなる活躍を願った。
 
 納会は釜石PITで行われ、選手とスタッフ約60人が参加した。坂下功正総監督は「ディビジョン2(2部)に残れたのは、ここにいるメンバー全員のおかげ。今季は非常に勝てずに苦労した。もう一度気持ちを奮い立たせ、強くなるためにみんなで頑張っていきたい」と話した。
 
 チームのシーズンMVPは、入れ替え戦2試合で2部残留につながるトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド選手(32)。「一番、チームの推進力になった」(坂下総監督)として、入団3年目の活躍をたたえた。
 
納会であいさつする坂下功正総監督(左)シーズンMVPに選ばれたサム・ヘンウッド選手(右)

納会であいさつする坂下功正総監督(左)シーズンMVPに選ばれたサム・ヘンウッド選手(右)

 
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 退団する選手、スタッフには記念品が贈られた。2014年から9年間在籍したCTB菅原祐輝選手(28)は「つらいこともたくさんあったが、素晴らしい仲間に出会えて一緒に共有した時間は私の中で大きな財産」と感謝。16年から7年間プレーし、選手会長も務めたナンバー8中野裕太選手(33)は、残る選手に向けメッセージ。「常に自分にベクトルを向け続けていれば、大変な時も乗り越えられる。自分を評価するのは他人。自分はやれているつもりでも注意されるのは、足りない部分があるから。そういう意識で練習にも取り組んでほしい」と促した。
 
今季で退団する選手、スタッフがチームへの思いを込めあいさつ

今季で退団する選手、スタッフがチームへの思いを込めあいさつ

 
選手会長としてもチームをまとめた中野裕太選手(中央)。残る仲間へ2つのメッセージを送った

選手会長としてもチームをまとめた中野裕太選手(中央)。残る仲間へ2つのメッセージを送った

 
リーグワン2季目を終了した釜石SWの選手、スタッフら

リーグワン2季目を終了した釜石SWの選手、スタッフら

 
 納会後のファン感謝祭は市民ホールTETTOのホール前広場で開かれた。約200人が参加。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーが「地元の声援が本当に力になり、選手を奮い立たせてくれた。来年こそ、皆さまと共にうのスタで勝利を味わいたい」とあいさつ。小野航大主将の発声で乾杯した。
 
 乾杯し、シーズン中の労をねぎらい合う参加者ら

乾杯し、シーズン中の労をねぎらい合う参加者ら

 
 来場者は選手、スタッフらと言葉を交わしたり記念撮影をしたりし、久しぶりの対面交流を楽しんだ。会場内にはホーム戦でも出店したキッチンカーが並んだ。選手やスタッフが使用したウェアなどを格安で販売するガレージセールやチームグッズの販売も。選手らもリラックスした表情で談笑し、長いシーズンの疲れを癒やした。
 
選手との記念撮影で楽しい思い出づくり!

選手との記念撮影で楽しい思い出づくり!

 
こちらは家族ぐるみで記念の一枚。交流の輪が広がる感謝祭

こちらは家族ぐるみで記念の一枚。交流の輪が広がる感謝祭

 
選手、スタッフ実使用のトレーニングウェアなどが並んだガレージセール

選手、スタッフ実使用のトレーニングウェアなどが並んだガレージセール

 
 市内の公務員阿部帆歌さん(19)は「2部残留が決まって良かった。SWは応援したくなるいいチーム。来シーズンも頑張ってほしい」と期待。会社員の綿貫雅俊さん(38)は初めての感謝祭に「オープンな雰囲気で交流でき貴重な機会」と笑顔。選手のジャージーも複数ゲットし、「みんなの努力の証し。自分もチームとの一体感を味わえそう。ラグビーだけでなく仕事も頑張っている姿にこちらも力をもらっている」と声を弾ませた。
 
 会場ではチームの公式サイトで行ったファン選出MVPの発表も行われた。投票総数256件。5位から順に名前が呼ばれると会場は大盛り上がり。堂々の1位にはSO中村良真選手(28)が輝いた。正確なゴールキックなどでチームに貢献。投票者からは「キックの精度が大きく上がった」「シーズン終盤の踏ん張りどころでのゲームメークが素晴らしかった」などの声があり、努力する姿勢や人間性もファンを魅了した。中村選手は「非常にうれしい。唯一の心残りはうのスタで勝利できなかったこと。来シーズンは必ず皆さんとともに勝利したい」と意気込んだ。
 
ファン投票のMVPに選ばれ、仲間から祝福される中村良真選手(中央)。金一封を贈られ、笑顔で喜びを語った(左下写真)

ファン投票のMVPに選ばれ、仲間から祝福される中村良真選手(中央)。金一封を贈られ、笑顔で喜びを語った(左下写真)

会見で今季を総括する釜石SWの坂下功正総監督(左)ら=17日、市球技場クラブハウス

釜石SW リーグワン2季目 首脳陣が総括「レギュラーシーズン1勝 悔しい結果に」

会見で今季を総括する釜石SWの坂下功正総監督(左)ら=17日、市球技場クラブハウス

会見で今季を総括する釜石SWの坂下功正総監督(左)ら=17日、市球技場クラブハウス

 

 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは17日、今季の総括会見を行った。レギュラーシーズン5位、下位チーム順位決定戦で4位となり、3部との入れ替え戦で2部残留を決めた釜石SW。首脳陣らは、苦しいシーズンながら昨季に比べ得点力が増すなどレベルアップを実感できたことを評価。課題を明確にし、来季につなげる意志を示した。今季で退団する選手11人、スタッフ2人も発表された。

 

 坂下功正総監督はレギュラーシーズン9試合について「結果的に1勝しかできなかったことは非常に悔しい」としながらも、入れ替え戦2試合でチーム力を発揮できたことを評価。応援してくれる大勢の釜石ファンのためにも「もっともっと躍進しなければ。来季に向け、問題点を一つ一つクリアしていきたい」と意を強めた。

 

 須田康夫ヘッドコーチ(HC)は今季の試合内容を「昨季よりしっかり戦えている印象。選手たちも『やれる』という自信がついたと思う」。小野航大主将も「2部のフィジカルレベルへの適応、目指す形のプレーに近づけたという点で手応えはあった」と振り返った。

 

 一方で、失点の多さの原因として挙げられたのがセットプレーの弱さ。スクラムでの押し負け、ラインアウトでのボール獲得ミスなど、好機の場面で「攻撃権を相手に渡してしまったところが一番の要因」と須田HC。「来季はスクラム、ディフェンスともにプレシーズンからしっかりフォーカスして臨みたい」と課題を見据えた。

 

今季の成果、課題を話す須田康夫ヘッドコーチ(左)、小野航大主将(右)

今季の成果、課題を話す須田康夫ヘッドコーチ(左)、小野航大主将(右)

 

 ホームの釜石鵜住居復興スタジアムでは今季、5試合が行われたが、勝利はかなわなかった。小野主将は「ファンには申し訳ない気持ちでいっぱい。来季こそ勝つ姿、グラウンドに足を運びたいと思ってもらえるようなラグビーをお見せしたい」と意気込んだ。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーによると、コロナの収束、積極的チケット販売などでホストゲームの観戦客数は昨季に比べ、1試合当たり100人弱増えているという。

 

 選手11人の退団に伴い、来季の補強方針について問われた坂下総監督は「現段階では未定。(課題の)スクラム、ラインアウトでのポジションで、いい人材がいればというところになると思うが…」と述べるにとどまった。

 

 1部からの1チーム降格、3部からの2チーム昇格で新たな顔ぶれとなる来季の2部。坂下総監督は「まさに戦国時代。非常に強い2部」、須田HCも「実力勝負、よりフィジカルでスピーディーなリーグになる」と予想。今季の悔しさをばねに課題を改善し、チームの強化を図っていくことを誓った。

 

▽退団選手/かっこ内はポジション、在籍年数
隈本浩太(HO,1年) 吉田竜二(HO,7年) 寺脇駿(PR,1年) 西井利宏(LO,1年) 中野裕太(No8,7年) 片岡領(SO,3年) 福士周太(CTB,6年) 佐々木裕次郎(CTB,7年) 菅原祐輝(CTB,9年) 佐々木絃(WTB,3年) 下山輝(FB,5年)

 

▽退団スタッフ/かっこ内は役職、在籍年数
ディーン・ラットン(コーチング・ディレクター,2年) 岡誠(ヘッドS&Cコーチ,2年)

 

▽2023-24シーズン2部の顔ぶれ
浦安D-Rocks(2022-23シーズン2部1位)
NECグリーンロケッツ東葛(同1部11位)
豊田自動織機シャトルズ愛知(同2部3位)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(同3部1位)
九州電力キューデンヴォルテクス(同3部2位)
釜石シーウェイブスRFC(同2部4位)

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かまいし学生エール便 2023

 

今年で4回目となる「かまいし学生エール便」は、学生のみなさんに市内事業者の商品詰め合わせをお送りするものです。釜石市は、学生のみなさんが有意義な学生生活を送れるよう、応援しています!
 
※本事業は(株)かまいしDMCに委託しています。
申込によって取得したデータは、市と(株)かまいしDMCが適切に管理いたします。

対象者

①釜石市出身の学生(大学、大学院、短大、専門学校、高専、予備校等)
※住民票を移した方、移していない方、どちらでも対象です。
②岩手大学釜石キャンパスに通う学生

 

お問い合わせ例
・実家は釜石だが、住民票を移して自分が世帯主。
 ⇒対象です。
・実家は釜石。今学生だがひとり暮らしではない(寮、下宿)。
 ⇒対象です。
・実家は釜石だが、市外の高校を卒業した。
 ⇒対象です。
・実家は釜石だが、市外の高校に通っている。
 ⇒申し訳ありませんが、高校生以下は対象外です。
・市外の実家から釜石市内の高校に通った。
 ⇒申し訳ありませんが、対象外です。
・実家は釜石で、岩手県内の大学に通っている。
 ⇒対象です。
・オンライン授業のため釜石の実家にいて、戻る時期未定。
 ⇒受付期間内に戻らない場合は、実家の住所で申し込んでください。

受付期間

令和5年6月1日(木)から6月30日(金)

申込み方法(申込フォーム)

申込フォームから、必ず学生本人がお申込みください。
(かまいしDMCのホームページ内)
※6/1より受付開始します。

学生のみなさんへお願い

本件をまわりの釜石出身の学生の方へお知らせください!

詰め合わせ商品イメージ

通常セット(イメージ)

通常セット(イメージ)

 

レディースセット(イメージ) ※生理用品は袋に入れて同梱となります。

レディースセット(イメージ) ※生理用品は袋に入れて同梱となります。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 U・Iターン推進係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-7222 / Fax 0193-27-6277 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023052300049/
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守る!国蝶オオムラサキ舞う地域 釜石の自然保護団体 日向ダムにエゾエノキ植樹

エゾエノキの成長を期待するかまいし環境ネットワークの会員ら

エゾエノキの成長を期待するかまいし環境ネットワークの会員ら

 
 釜石市に生息する国蝶(こくちょう)オオムラサキを守ろうと、市内で自然保護活動に取り組む「かまいし環境ネットワーク」(加藤直子代表)は17日、小川川上流にある日向ダム(甲子町)の敷地内に幼虫の餌となるエゾエノキの苗木8本を植えた。準絶滅危惧種となっているこのチョウを増やすため、20年ほど前から地元産苗木を育成するなど保護活動を継続。加藤代表(76)は「オオムラサキが飛び交う地域を未来につなげたい」と力を込める。
 
 同ネットワークの会員や市、県の関係者約20人が参加。ピクニック広場近くなどに1メートルほどに育った幼木を植えた。地元の建設会社も協力し、シカの食害対策として防護ネットを設置した。
 
協力してエゾエノキの苗木を植える参加者

協力してエゾエノキの苗木を植える参加者

 
日向ダム周辺で活動。自然の豊かさを体感した

日向ダム周辺で活動。自然の豊かさを体感した

 
 苗木は、会員の菊地利明さん(58)が提供。1997年のダム完成時にスポーツ広場近くにエゾエノキを植えていて、立派に成長した大木から実を採取し、種から育てた。「成長が早い木なので、5~10年でオオムラサキが卵を産み付けて幼虫が発生するんじゃないかな」と期待。地元に根づく樹木を活用しているため生態系への影響は少なく、「釜石ならではのオオムラサキを増やしていけたら」と思い描く。
 
 オオムラサキは羽を広げると10センチほどになり、オスは光沢のある青紫色の優美な姿が特徴。1957年に日本昆虫学会が国蝶に選んだ。釜石市内ではエゾエノキが生育している日向ダム周辺などで確認されている。
 
オオムラサキの特徴などを紹介する菊地利明さん

オオムラサキの特徴などを紹介する菊地利明さん

 
写真左はオオムラサキの雄(資料)、右は日向ダムで見られた雌=菊地さん提供

写真左はオオムラサキの雄(資料)、右は日向ダムで見られた雌=菊地さん提供

 
 菊地さんによると、オオムラサキの寿命は約1年。幼虫で冬を越し、夏に成虫(チョウ)になり、産卵を終えると成虫は死んでしまう。幼虫時代はエノキ、エゾエノキの葉を食べ、成虫になるとクヌギやナラなどの樹液を吸い、森とつながる雑木林を好むという。採集は禁止されていないが、都市化が進んで雑木林が少なくなってきたことで生息数は減少しており、環境省は準絶滅危惧種に指定。オオムラサキの成長に必要な樹木を植えて保護活動や子どもたちの環境学習に役立てている地域もある。
 
 エノキが自生するのは太平洋側では宮城県が北限で、岩手県内で育つのはエゾエノキが主。釜石地域のオオムラサキにとってエゾエノキは生命の源であり、成長に欠かせない。なぜなら「エゾエノキで生まれ、葉を食べてチョウになり、またエゾエノキに卵を産み、そのそばで命を終えるから」と菊地さんは教えてくれた。
 
日向ダムの完成時に植えられたエゾエノキ。この大木の実から苗木を育てた

日向ダムの完成時に植えられたエゾエノキ。この大木の実から苗木を育てた

 
 日向ダム敷地内には2009年にもスポーツ広場や語らいの森そばに植えられている。そこでは、葉と同じ緑色をした幼虫が成長中。野田町の紺野節子さん(73)は「(エゾエノキの)葉っぱが柔らかくておいしそうだね。たくさん食べて無事にチョウになってほしい」と見つめた。植樹に参加することで、地元の自然の豊かさを改めて実感。「小さい努力かもしれないが、この環境を守っていきたい」とうなずいた。
 
語らいの森にあるエゾエノキで幼虫探し

語らいの森にあるエゾエノキで幼虫探し

 
オオムラサキの幼虫。順調に育ち、羽ばたくことを期待する

オオムラサキの幼虫。順調に育ち、羽ばたくことを期待する

 
テングチョウ(写真左上)の幼虫(同右上)もエゾエノキで成長中。ゴマダラチョウ(同下)も見られるかも=菊地さん提供

テングチョウ(写真左上)の幼虫(同右上)もエゾエノキで成長中。ゴマダラチョウ(同下)も見られるかも=菊地さん提供

 
 オオムラサキは羽ばたきが機敏で滑空するような飛び方をするというが、加藤代表は同ダムでの保護活動を続ける中で何度か、その姿を確認した。「美しさと大きさに驚く。たくさんの人に会いに来てほしいし、豊かな自然が広がるすてきな所があると知ってほしい」と期待。同ネットワークでは松倉神社や甲子小周辺でも植樹を行っていて、「オオムラサキが訪ねてきている。会うチャンスがあるかも。未来の子どもたちが喜んでくれたら」と願った。

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング テゲバジャーロ宮崎戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング テゲバジャーロ宮崎戦

 DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング テゲバジャーロ宮崎戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2023明治安田生命J3リーグ 第11節
いわてグルージャ盛岡 vs テゲバジャーロ宮崎(AWAY)

日時

2023年5月28日(日) 13:00 キックオフ
開場 12:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!
・来場ごと特典GETのチャンス!スタンプカードも導入中!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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女子ラグビー柏木那月選手(釜石出身) 豪州リーグ参戦、経験報告 成長と活躍期す

野田武則市長(左から3人目)に海外リーグでの収穫を報告した柏木那月選手(同4人目)ら

野田武則市長(左から3人目)に海外リーグでの収穫を報告した柏木那月選手(同4人目)ら

  
 釜石市出身の女子ラグビー選手・柏木那月さん(24)=東京山九フェニックス、釜石商工高―日体大=は今春、豪州の海外リーグに初参戦した。期限付きの在籍で、活動期間を終えて里帰り中の18日に市役所を訪問。「短期間だったが、日本では体感できないプレースタイルを肌で感じ、成長できる機会になった」などと、野田武則市長らに報告した。
  
「恥じないプレーでチームに貢献しようと思った」。海外リーグ初参戦への思いを語った

「恥じないプレーでチームに貢献しようと思った」。海外リーグ初参戦への思いを語った

  
 柏木選手は2月中旬から5月上旬までの約3カ月間、豪州でプレー。強豪が集うリーグ「スーパーW」のウェスタンフォースに所属しFW第1列として、全5試合にフル出場した。チームは6チーム中5位だったが、「スクラムの重さ、パワーが違う。体格で不足している分を細かなスキルで補えるよう考えたり、力で負けないよう低い姿勢でのタックルを意識したり、さまざまな学びを得て成長できた」と充実感をにじませた。
  
 言葉は通じずとも「ラグビーは世界共通。海外の文化も教えてもらいながら、楽しく過ごせた」と表情は明るい。こうした貴重な経験が刺激となり、さらなるレベルアップを期す。目指すは、日本代表。「体づくりに専念し、15人制のシーズンが始まるころにはもっと強い自分になりたい」と意気込んだ。
   
「エンジョイラグビー」を続ける柏木選手(左)を見守る父・斉さん

「エンジョイラグビー」を続ける柏木選手(左)を見守る父・斉さん

   
 同行した父斉さん(58)によると、今回の海外行きは豪州チームからのオファーを受けたもので、「ラグビーのまち釜石で育ち、ひたむきに取り組んできたから。そして、いろんな人たちの協力、支えがあってこそ」と手応えを感じていた。フェニックスは2月の全国女子選手権(15人制)で優勝。柏木選手は決勝にフッカーで先発し勝利に貢献し、そうした実力が評価されて機会を得た。自信に満ちたまな娘を優しく見つめ、「エンジョイラグビーを続けて」と願った。
  
 兄2人がラグビーに励んでいたり、斉さんが釜石シーウェイブスRFCジュニアのコーチだったこともあり、小学3年生でラグビーを始めた柏木選手。ジュニア、高校時代を知る同ジュニア校の大畑勇校長(68)も同席し、「木登りして落ちたり、活発な子だった。試合では鼻血を出しながらも続けたりと負けん気も強く、ガッツがある。明るく、みんなに愛されるキャラも魅力」と強調。大槌町出身の平野恵里子選手(アザレア・セブン、釜石高―日体大)に続く「日本代表に」と期待を高めていて、「なっちゃんの活躍でジュニアも盛り上がる」と見守っていた。
   
 野田市長は「まさにこれから。海外での実績を糧に活躍し、ラグビーのまち釜石を発信してほしい」とエールを送った。
    
古里からの応援も力に、さらなる活躍を誓う柏木選手

古里からの応援も力に、さらなる活躍を誓う柏木選手

   
 古里で顔なじみの人たちと触れ合いながら、リフレッシュした柏木選手。ラグビーを頑張る後輩たちに「最後まで諦めないことが大切。つらかったり、けがに悩まされたり、うまくいかない時期があってもトレーニングに励んでいれば、誰かが見ていてくれる」と助言を残す。東日本大震災後は深刻な被災状況を見て、ラグビーをやめることも考えたというが、当時のSW選手が支援物資の配布を手伝うなど地元のために力を尽くす姿を目にし、「自分も頑張って地域に笑顔を届けられたら」と発起。それが今につながっていて、「岩手で女子ラグビーを広げていけるよう、もっと活躍して恩返ししたい。釜石にも女子チームができれば」と思いを巡らせていた。
 
 

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障害者の働く場確保と生活支援を一体で 釜石・上中島町に福祉複合施設 翔友、来春開所へ

福祉複合施設の地鎮祭でくわ入れする長谷川忠久理事長(中)

福祉複合施設の地鎮祭でくわ入れする長谷川忠久理事長(中)

 
 釜石市上中島町福祉複合施設(仮称)の新築工事地鎮祭は16日、上中島町4丁目地内の建設地で行われた。障害者の就労継続支援事業所(B型)と生活介護事業所(通所型)を一体的に整備するもので、社会福祉法人翔友(長谷川忠久理事長)が運営する。千鳥町の障害者就労施設「釜石市福祉作業所」が日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の津波想定で浸水域に入ったことを受けた対応で、避難に手助けが必要な要支援者を受け入れる予定。2023年度中の完成、24年4月からの利用開始を目指す。
 
 同法人の関係団体、NPO法人釜石市身体障害者協議会(長谷川忠久理事長)が運営する市福祉作業所は甲子川沿いにあり、津波新想定で5~10メートルの浸水の可能性があるとされる。緊急避難場所の八雲神社は2キロほど離れているうえ、▽避難経路の歩道は狭かったり障害物があったり車いす利用者らは移動しにくい▽重度の障害がある利用者の避難は時間を要する―といった課題があり、早期の機能移転が必要だった。
 
 また、障害のある人や介護者の高齢化によって生活介護のニーズが増しているのに加え、新型コロナウイルス禍で日中に自由な活動をしながら過ごせる場所が少ないことも問題として顕著化。施設の利用者、職員の安全を確保しつつ、障害者の雇用と生活の安定を図るため、複合施設の整備を決めた。
 
釜石市身体障害者福祉センター(中央)に隣接する新施設の建設地 

釜石市身体障害者福祉センター(中央)に隣接する新施設の建設地

 
 新施設は、市身体障害者福祉センターに隣接する市有地に整備する。鉄骨造り平屋建て、延べ床面積約655平方メートル。作業室や休憩室、多目的ホール、リフト付きの入浴施設などを設ける。事業費は約2億5500万円。市営住宅や児童館が立地していたが、建物の老朽化で解体され更地にした敷地面積約2600平方メートルの用地を市が無償貸与する。
   
 就労継続事業は市内企業からの受託作業(部品組み立て、食品の表示ラベル貼りなど)をしながら個々の能力、知識向上に必要な訓練も行う。生活介護事業では日常生活の支援(食事、入浴など)や自由な活動(作品づくり、レクリエーションなど)をして過ごせる場を提供する。ともに定員は各25人。
 
地鎮祭で関係者が玉串をささげ、工事の無事を祈った  

地鎮祭で関係者が玉串をささげ、工事の無事を祈った

  
 施工者の山長建設(大只越町)が主催した地鎮祭には、関係者約30人が出席。くわ入れなどの神事を行った後、建築主の長谷川理事長(81)が「障害者であろうとなかろうと、共に地域の中で暮らしていくというインクルージョンを進展させていかなければ。障害者が頑張って生きていけるような地域をつくっていきたい」とあいさつした。
 
 現在、福祉作業所を利用するのは知的・身体・精神の障害者計39人。災害時に車で避難することも条件付きで可能とされているが、地域の避難訓練では乗車に時間がかかるなどスムーズに進められなかった。自力歩行での避難が原則ということもあり、新施設には足の不自由な人を中心に半数ほどが移る見込みだという。

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ファジョン合唱 母の日に届ける子守歌 釜石市内2カ所で披露 地元出身者が縁つなぐ

ファジョン合唱「母の日」ミニコンサート=甲子町「陽子の庭」、14日

ファジョン合唱「母の日」ミニコンサート=甲子町「陽子の庭」、14日

 
 東京を拠点にオンラインレッスンを行う「ファジョン合唱」(飯田夏代主宰)のメンバー5人が14日、釜石市内2カ所で「母の日」にちなんだミニコンサートを開いた。深い愛情で子どもを育ててきた母親への感謝と敬意、子育て真っ最中の母親へのねぎらいの気持ち…。さまざまな立場で抱く“母”を思う心を子守歌7曲に込め歌い上げた。地元出身で東京都在住のメンバー小笠原悦子さん(60)が縁をつなぎ、実現した。
 
 在日韓国人の音楽家ファジョンさんが制作する楽曲を歌う同合唱。釜石とのつながりのきっかけは、東日本大震災から10年となった2021年3月11日に魚河岸テラスで開いたオンライン合唱イベント。国内外から約150人が参加し、被災地の思いを共有したのが始まりで、以降毎年、趣旨に賛同するメンバー数人が震災命日の訪問、献歌を続けている。
 
 今回は、新たに制作された母のための子守歌を届けたいと「母の日」に合わせて訪問。大平町の釜石大観音、甲子町の私設フラワーガーデン「陽子の庭」の2カ所で歌声を披露した。飯田代表(44)、小笠原さんのほか、都内からは柳玉江さん(72)、新潟県から藤崎理子さん(57)、神奈川県から藤田富美子さん(48)が駆け付けた。
 
東京、神奈川、新潟から駆け付けた「ファジョン合唱」のメンバー

東京、神奈川、新潟から駆け付けた「ファジョン合唱」のメンバー

 
母親のための子守歌7曲を心を込めて歌い上げた

母親のための子守歌7曲を心を込めて歌い上げた

 
 午後に訪れた陽子の庭では地元住民らが集まる中、「誰よりも」「この手を」「星をみつめて」「証(あか)し」など7曲を披露。歌の合間にはメンバーが曲に込められた思いや自身の母に対する思いなども話し、母親が子どもに注ぐ愛の深さや家族の大切さなどを観客と共有した。
 
 地元で合唱活動を行う「甲子歌う会」の代表、坂本慶子さん(77)は「一般的な子守歌とはまた違う世界観。歌や言葉から心のきれいな方たちなんだなと感じた。現役で子育てをしている若い世代のお母さんたちにも聞かせたい。気持ちが洗われると思う」と話し、歌のプレゼントを喜んだ。
 
美しく穏やかな歌声に魅了され、拍手を送る釜石市民ら

美しく穏やかな歌声に魅了され、拍手を送る釜石市民ら

 
 「母の日」に思いを共有した合唱メンバーと観客

「母の日」に思いを共有した合唱メンバーと観客

 
 子どものころテレビでアフリカ難民の過酷な状況を目にしたことで、国際協力の仕事にも従事した経験を持つ飯田代表。人間は日々、さまざまな感情を抱えて生きているが、「歌うことで気持ちがリラックスしたり幸せを感じたりすると、自分の周りの人にも優しくできるようになる。その連鎖が世界の平和につながっていく。今日の歌で少しでも心が楽になれば…」と期待。自身の釜石訪問は4回目。「すべてを受け入れてくれる温かいハートを持った人たちに感激している。こういう場所があることをもっと発信していきたい」と話した。
 
新たな出会いを生んだコンサート。左下写真:中央が小笠原悦子さん、右が飯田夏代代表

新たな出会いを生んだコンサート。左下写真:中央が小笠原悦子さん、右が飯田夏代代表

 
 大槌町で生まれ、18歳まで釜石市で過ごした小笠原さん。「私は釜石の方々におがして(育てて)もらった。その恩返しがしたい」。古里への強い思いを胸に、今回の訪問も仲間と実現させた。「子育てで苦労しているお母さんたちが、私たちの歌で少しでも元気になり、家庭円満にもつながっていけば。人間愛を感じながら、誰もが自分らしく生きていけることを願う」と思いを込めた。メンバーらは大槌町でも歌を披露した。
 
大空と新緑に囲まれた空間で笑顔を輝かせながら歌を届けた

大空と新緑に囲まれた空間で笑顔を輝かせながら歌を届けた

 
背後の庭では間もなく複数種のバラが開花する。「来年はバラの咲くころに…」とメンバー

背後の庭では間もなく複数種のバラが開花する。「来年はバラの咲くころに…」とメンバー