コーバ釜石が5周年 大観音仲見世通り シェアオフィスで「よりヘビーな関係づくりを」


2023/05/30
釜石新聞NewS #地域

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

  
 釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りにあるコワーキング・シェアオフィス「co-ba kamaishi marudai(コーバ・釜石・マルダイ)」が5周年を迎えた。運営する一級建築士・宅建士の宮崎達也さん(51)=宮崎建築事務所代表取締役=によると、現在の会員数は12人(事業者を含む)、法人登記するのは5社。働く人や挑戦する人らが集う場として、人の流れを生み出しているという手応えを感じている。こうした動きを同通り全体に広げようと奮闘する。
   
コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

  
 5月20日に開かれた5周年イベントで、宮崎さんは「働くことが楽しいと思ってもらえるよう、新しい働き方を提供したい。仲見世ビジョンとしては、観光で釜石を元気にすることを目指す」と力を込めた。
   
 1970年代に形成された仲見世通り商店街は20店舗以上が軒を連ねたが、閉店が相次ぎ、2017年12月には稼働店舗がゼロとなった。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた通りに着目した若者の一人が宮崎さん。東日本大震災の復興に携わるため三重県から来釜し、土産物店だった木造2階建ての物件を仲間と共に改修して18年5月にコーバ釜石をオープンさせた。
  
釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

  
 1階の半分と2階を個人事業主などが複数入居できるシェアオフィスとし、プリンター、Wi-Fi、キッチンなどを装備。テーブル席のほか、カウンター、ソファ席もあり、多様な働き方に対応する。2階はイベント会場としての貸し出しも可能で、落語会やセミナーなどを開催。1階にあるギャラリースペースではアート展などが催された。
  
 三重と釜石の二地域居住(二拠点生活)を続ける宮崎さん。コロナ禍で変化した働き方を受け、自身と同じような働き方、場所や時間にとらわれず働くリモートワーカーを増やすことを思い描く。「会員制のスポットだが、地域の人に広く知ってほしい。コミュニティーの広がりを感じ、地域のやりたいことができる場所として運営していきたい」と展望。本業の傍ら、同通りを再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手がけていて、「これまでよりもヘビーな関係づくりができるよう仕掛けていきたい」と継続を視野に入れる。
  
さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

  
 記念イベントに集まった約20人がその思いに耳を傾けた。大槌町でデザイン会社「RAYLAB(レイラボ)」を経営する平舘豊さん(43)は仕事に集中したい時や打ち合わせ場としてコーバを利用。「24時間利用可能だったり、他業種の人と出会えて事業に新たな展開を見いだせたりすることも。すてきな場所」と喜ぶ。同通りがにぎやかだったことを覚えているといい、「ここを拠点に活性化されれば、うれしい」と見守った。
   
 コーバ釜石の情報は、ウェブサイトで見ることができる。

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