震災当時の避難行動を学ぶ担当者=恋の峠付近

新プログラム実施へ釜石視察〜日本能率協会マネジメントセンター、「復興まちづくり」を体験

震災当時の避難行動を学ぶ担当者=恋の峠付近

震災当時の避難行動を学ぶ担当者=恋の峠付近

 

 企業向けの教育研修プログラムを提供する日本能率協会マネジメントセンター(JMAM、東京都)は、ワーケーションの要素を組み込んだ新プログラムを釜石市で実施するにあたり、事業担当者3人による現地視察を8月27日から29日まで行った。計画する2プログラムのうち、震災の教訓から学ぶ「復興まちづくり」をテーマとした研修を体験。首都圏を中心とした企業へのアピールポイントを検証した。

 

ワーケーションの要素組み込み

 

 JMAMは今年5月、ワーケーション事業の実施に向けた包括連携協定を釜石市と締結。同市の「災害」と「製鉄」、2つの歴史に着目し、企業や組織に必要な学びを得る新たなプログラムを開発、実施する計画を進めている。

 

 今回、視察の対象となった「復興まちづくり」のプログラムは来年、3泊4日で実施予定。困難を乗り越える力を育むことを狙いに▽震災当日の避難行動から学ぶマネジメント研修▽災害復旧工事の現場見学▽地域資源を活用した震災後の取り組み事例学習―などを主なメニューとし、まちに変革を与える人たちとの交流の場も設ける。新型コロナウイルス対策で普及が進むテレワークと組み合わせ、「地域に学ぶ」独自のワーケーションプログラムを目指す。

 

 27日は、受け入れを担うかまいしDMCが「釜石の出来事」から学ぶ組織マネジメント研修を公開。震災当日の釜石東中生の避難行動から、強い組織力を生むための要素を読み取り、自分たちの組織に必要なことを考えてもらう4時間の研修の一部を事業担当者らが体験した。

 

 最初の疑似体験ワークでは、震災発生時の東中の状況を机上で再現。限られた時間で正しい判断を下さなければ全員の命に関わるという緊迫した状況の中、職員室に寄せられる多くの情報を基に、どのような避難指示を出すべきか、学校責任者の立場になって考えた。

 

 続いて震災時、東中2年だったDMC社員川崎杏樹さん(24)=いのちをつなぐ未来館勤務=の案内で、実際の避難ルートをたどった。学校があった現在の釜石鵜住居復興スタジアムから恋の峠まで、当時の避難行動を追体験。経験者の川崎さんの話を聞きながら、小中学生ら560人あまりが命をつないだ現場に想像をかき立てた。

 

 JMAMの川村泰朗・新事業開発部長は「五感で感じる迫力、コンテンツの深さを実感。手応え十分」と、釜石のプログラムを高評価。「人材育成は企業の重要な業績。その創出貢献活動を地域でやるのが、私たちなりのワーケーション」とした上で、「釜石はU・Iターン者を含め、イノベーションマインドを持った人たちが多い。自分の成長のため、ビジネスのためと、何度も足を運びたくなるような流れができれば」と期待した。

復興釜石新聞

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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新市庁舎建設へ200万円寄付〜釜石市 来年着工、22年度完成目指す

新市庁舎建設へ200万円寄付〜釜石市 来年着工、22年度完成目指す

釜石市の新庁舎外観イメージ図

釜石市の新庁舎外観イメージ図

 

 釜石市は、新市庁舎を天神町の旧釜石小跡地に建設する計画を進めている。現在は実施設計に取り組み、年度内に完成する見込み。2021年度に着工、22年度末の完成を目指す。この動きに役立ててもらおうと、甲子町の佐々木貞雄さん(94)が8月20日、市に200万円を寄付した。市は庁舎建設基金に積み立てて活用する。

 

 庁舎建設基金は1990年に設置。これまでに市予算から約19億6千万円が積み立てられている。市によると、新庁舎建設への個人の寄付は今回が初めてと見られる。

 

 佐々木さんは、55歳の定年退職まで釜石鉱山で40年働いた。その後も、75歳ころまで土木、大工、測量関係の仕事に携わった。「健康で長く働くことができた。生きているうちに何かまちのために役立てることを」と思い立ち、こつこつとためてきたものを寄付金に充てた。

 

 寄付金を受け取った野田武則市長は「これを機に寄付が増えてくれるとありがたい」などと応じたという。

 

庁舎建設に役立ててもらおうと、野田市長に寄付金を託す佐々木さん(右)

庁舎建設に役立ててもらおうと、野田市長に寄付金を託す佐々木さん(右)

 

 1950年代から建設・増築を繰り返してきた現庁舎(只越町など)は、一部が東日本大震災の津波に浸水。耐震性に欠け老朽化が進んでいたほか、手狭にもなっていた。

 

 2016年に市民を中心とした新市庁舎建設検討委員会を設置。17年8月、7カ所に分散する機能を集約した一体型庁舎で、震災の教訓を生かした防災拠点、市民に開かれた利便性などの機能を持たせることを提言していた。

 

 新庁舎の基本計画、基本設計業務委託者は18年10月に決定。この時点で、着工は20年度、完成は21年度を見込んでいた。基本計画は19年3月に策定。示された整備の方向性を踏まえ基本設計に着手し、同7月に完了した。

 

 基本設計によると、現庁舎北側の現在、仮設住宅が建つ敷地約1万1800平方メートルに、延べ床面積7850平方メートルの庁舎を建設。仮設住宅の退去・解体は本年度末となっており、市庁舎建設は被災者に配慮し進めるため、着工が当初の見込みより1年遅れる形となった。

 

 概算事業費は約59億円。財源には庁舎建設基金、地方債の公共施設等適正管理推進事業費などを見込む。基本計画策定、基本設計を手掛けた佐藤総合計画東北オフィスが実施設計にも携わっている。

 

 建設予定地周辺では一部の仮設住宅が撤去され、道路など環境整備工事が進められている。市新庁舎建設推進室の洞博室長補佐は「現在、実施設計中で、来年度着工を目指している。令和5年度の開庁に向け、しっかり取り組んでいく。1カ所に集約された市庁舎の開庁により、市民サービス、利便性の向上に期待できる」と力を込める。

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釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

釜石港に「RORO船」試験寄港、定期就航復活に期待〜課題は安定集荷と岸壁整備

釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

 

 国内海上輸送の主軸となるRORO(ローロー)船が1日、東日本大震災後初めて釜石港に寄港した。今回は釜石市内の物流企業などでつくる釜石港湾振興協議会(会長・野田武則釜石市長)の働きかけに応じて試験的に寄港した。釜石市はこれを契機に、東日本大震災以降途絶えたままになっている定期就航の復活を目指す。

 

 寄港したのは、RORO船を運航するプリンス海運(神戸市)の「デイブレイクス・ベル」(7971トン)。空積みのトレーラーシャーシー(長さ13メートル)4台を陸揚げした。

 

 同社は京浜―仙台―八戸―苫小牧間に週3便、RORO船を運航している。今回の試験寄港には、メーカーや物流企業など県内外の約10社が協力。8日に再び釜石に寄港し、北上プライウッドの合板や三菱製紙の紙製品、日本製鉄の線材などを積み込み、苫小牧に運ぶ。

 

 RORO船は「ロールオン・ロールオフ船」の略でトレーラーのシャーシー(荷台)や自動車などをそのまま積み込むことができる。釜石港には1993年から4日おきに1便が運航していたが、震災で貨物置き場などの港湾施設が被災して以降は運航が途絶えている。震災前は主に金ケ崎町の関東自動車工業(現トヨタ自動車東日本)岩手工場の製造車を運ぶため寄港していたが、現在は仙台港から輸送している。

 

 試験寄港の模様を確認するため釜石に駆け付けたプリンス海運仙台営業所の取違(とりちがい)真人所長は「釜石港は県内各地をつなぐ復興道路も整備され、線材を生産する日鉄釜石など貨物のポテンシャルもある」と期待する。

 

 今回の試験寄港には費用の一部を釜石港湾振興協議会が負担するなど航路復活を後押し。市国際港湾産業課の中平貴之課長補佐は「安定した集荷と貨物置き場を備えた専用埠頭(ふとう)の整備が課題となる」とした上で、「北海道や西日本と結ぶ定期航路開設に向けてポートセールスを強化するとともに、県や国に岸壁拡張など環境整備を求めていく」と述べた。

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ラッピング列車運行開始、小林覚さんデザイン〜JR盛岡支社、釜石線開業70周年記念

ラッピング列車運行開始、小林覚さんデザイン〜JR盛岡支社、釜石線開業70周年記念

ヘラルボニーの松田文登副社長と車両を紹介する小林覚さん(右)

ヘラルボニーの松田文登副社長と車両を紹介する小林覚さん(右)

 

 JR東日本盛岡支社(石田亨支社長)は、釜石線全線開業70周年を記念したラッピング列車の運行を8月29日から開始した。車両デザインを手がけたのは、釜石市出身で、花巻市の「るんびにい美術館」で創作活動を行う小林覚さん(31)。知的障害のあるアーティストの優れた作品をさまざまな形で世に送り出している花巻市の福祉企画会社、ヘラルボニー(松田崇弥社長)がプロデュースした。来年3月下旬まで、釜石線(花巻―釜石駅間)、東北本線(花巻―盛岡駅間)での運行を予定する。

 

 29日は、同列車の企画を提案、協賛した、岩手銀行中妻支店の取引先でつくる「中妻岩友会」(小泉嘉明会長)が中心となり、釜石駅で出発式を開催。小泉会長は「コロナ禍で、皆さんの心が前を向けない状況。小林さんデザインのラッピング列車に元気をもらいながら、みんなで釜石線を盛り上げていきたい」とあいさつ。来賓の野田武則釜石市長は「小林さんの素晴らしい才能に多くの方々が関心を寄せる。この列車が幸せを運ぶ列車になれば」と期待を込めた。

 

 ラッピングされたのは、キハ100系車両1両。文字を独特の形にアレンジし、魅力的な造形表現を生み出す小林さんが「釜石線70周年記念銀河ドリームライン」の文字をデザイン。豊かな色彩で描かれた〝サトル文字〟が、車両側面を生き生きと飾る。

 

 小林さんは父俊輔さん(65)、母眞喜子さん(63)と一緒に式に出席。多くの関係者から祝福を受けた。今までにないスケールの大きな話に「最初は信じられなかった」と眞喜子さん。初めて列車を目にし「想像以上に素敵。感動です」と目を見張った。

 

 自閉症と知的障害を持つ小林さん。列車のデザインを描いた後、「紫色を塗った。描いた」と両親に笑顔で教えてくれたという。「覚は細かいことは分からないが、人懐っこく、みんなが集まってくれるのが大好き。自分の絵を喜んでもらっているのは理解していて、うれしいと思っているよう。今日もとても楽しそう」と眞喜子さん。式の後は列車に乗り込み、陸中大橋駅までのミニ旅を楽しんだ。

 

 小林さんは、平日は花巻市の障害者支援施設「ルンビニー苑」に宿泊しながら、同美術館で創作活動を行う。施設を運営する社会福祉法人光林会の三井信義理事長(同美術館管理者)は「作品を評価し、地域で生かしてもらえるのは大変うれしく、ありがたい。今回は特にも地元釜石で受け入れられ、ご家族にとっても晴れがましい。障害者もまちづくりに参加し、共に生きる社会の実現へ少しでも近付いていけたら」と願った。

 

 このラッピング列車は通常ダイヤに組み入れて運行され、どこで出会えるかは運次第。鉄道マニアの注目も集めそうだ。

 

 JR盛岡支社は、開業70周年を迎える10月10日には、釜石線沿線の住民を招待する記念列車の運行を計画。駅前などでのイベント開催は、新型コロナの情勢を見ながら判断する。

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ビブリオバトル

接戦 熱戦 ビブリオバトル〜5人でチャンピオン大会、おすすめポイント アピール

ビブリオバトル

初のチャンピオン大会となったビブリオバトル。約30人が楽しんだ

 

 釜石市大町の桑畑書店(桑畑眞一社長)が2018年から開催し、人気を集める「ビブリオバトル(知的書評合戦)」が22日、市民ホールTETTOで開かれた。5回目の今回は、過去4回で、紹介した本が〝チャンプ本〟に選ばれた5人を集め、チャンピオン大会として開催。今回もそれぞれ一押しの本を持ち寄り、お薦めポイントを熱弁した。チャンプ本を決める観客の投票結果はまれに見る接戦となり、大いに盛り上がった。

 

 ビブリオバトルは2007年に京都大の大学院生が考案。誰でも気軽に楽しめる書評合戦で、読書愛好者だけではなく、本に親しむことがなかった人も読書に目を向ける一つのきっかけになっている。

 

 発表者は1人5分の持ち時間で1冊の本を紹介。手に取ったきっかけ、要旨、読んで面白かった部分や心に響いた一節などを語り、終了後2分間、観客からの質問にも応えた。5人のプレゼン後、観客は読みたくなった本一冊に投票。その場で開票結果が発表された。

 

 チャンプ本に選ばれたのは、海老原祐治さん(釜石支援センター「望」代表)が紹介した「本能寺の変~431年目の真実」。明智光秀の末裔(まつえい)明智憲三郎氏が執筆した歴史本で、海老原さんによると「よく調べて書いている本。われわれが知る定説を見直し検証しているが、本能寺の変の真相に迫る部分は非常に説得力があり面白い。前後に起きる不可解な出来事のからくりも興味深い」という。

 

 海老原さんと1票差だった渡部真さん(フリーライター、編集者)が紹介したのは「ヤクザときどきピアノ」。アウトローを中心に取材し記事を書いている鈴木智彦氏が、あるきっかけでピアノ教室に通うようになり、発表会で弾くまでになる、自身を題材にした体験記。渡部さんは「鈴木さんがいかに優秀なライターであるかを誰もが実感できる本。時に漫画の比喩を用い、緊張感や臨場感あふれる文章は秀逸。本に出てくる曲を聞きたくなるような音楽本としての魅力もある」と薦めた。

 

 観客として足を運んだ大町の60代女性は「やっぱり本を読むのって楽しい。震災以降、遠ざかっていたが、また読んでみたい。ビブリオバトルは、全く違うジャンルのものに触れることができる」と有意義な時間を喜んだ。

 

 この催しはこれまで同書店内で行ってきたが、新型コロナ対策の3密回避のため、初めて市民ホールで開催。市が後援し、市立図書館の職員3人が運営サポートで協力した。「次回は図書館を会場に」という案も出ている。

 

 同館の高橋悦子館長は「ビブリオバトルは本を読みたい気持ちにさせてくれる(絶好のツール)。図書館のスタッフも興味を持っている。桑畑さんと連携し、ぜひ館内開催も実現できれば」と前向きな姿勢を示した。

 

 今大会の他の出演者と紹介した本は次の通り。
 ▽石黒めぐみさん「部長、その恋愛はセクハラです!」▽窪田優一さん「日本の品種はすごい~うまい植物をめぐる物語▽土橋詩歩さん「聖の青春」

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表千家茶道こども教室

浴衣でさわやか お点前披露〜表千家茶道こども教室、おもてなし学ぶ

表千家茶道こども教室

浴衣姿で茶道の作法を学ぶ子どもたち

 

 釜石市伝統文化表千家茶道こども教室が22日、只越町集会所で行われ、受講生11人が浴衣姿で参加した。普段着なれない浴衣姿での所作にぎこちなさが見える受講生もいたが、おしとやかな立ち居振る舞いを心掛けながら稽古に励んだ。

 

 同教室は表千家成和会(互野宗哲会長)を母体に実行委員会を組織し開催。17回目の今年は7月に開講し、子どもたちは、お点前の作法や客のおもてなしについて学んでいる。

 

 この日は2回目の勉強会。浴衣や甚平といった和装に親しんでもらおうと、毎年この時期に浴衣会として行っている。

 

 集会所には「旦坐喫茶」と書かれた掛け軸、シュウカイドウやミズヒキなど季節の花を生けた席が用意された。継続年数や習熟度に合わせ、交代でもてなす側と客側を体験。受講9年目の中学生2人がお点前を披露した。

 

 初受講、小学生などでグループ分けした稽古ではお菓子やお茶のいただき方、お運びの所作をおさらい。お点前の指導を受けた5年目の遠野愛実さん(平田小5年)は「浴衣を着ると動きにくい。気を付けないといけないことが多くて大変だった。けど、茶道は楽しい。一人でもお点前ができるようになりたい」とはにかんだ。

 

 互野会長は「畳の上、着物での所作を身に付け、わび、さび、みやびという日本の感性を深めてほしい。物言わずとも動作で気持ちを表すようになるのが理想。積み重ねが大事で、体が覚え自然と動きが付いてくるようになったら、しめたもの」と見守る。

 

 勉強会は来年1月まで月に2回程度実施。新型コロナウイルス感染症予防対策を講じながら進めており、歳末福祉茶会(成和会主催)への参加などは今後の感染状況を見極め判断する。

 

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釜石鵜住居復興スタジアム、木製座席を塗り替え〜ラグビーW杯から1年を前に

釜石鵜住居復興スタジアム、木製座席を塗り替え〜ラグビーW杯から1年を前に

木製座席の塗装作業に取り組む職員

木製座席の塗装作業に取り組む職員

 

 釜石地方森林組合(久保知久代表理事組合長)は27日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで木製座席を塗装するボランティア活動に取り組んだ。全国一斉の森林組合デー(8月の第4木曜日)にちなんだ地域貢献活動の一環。職員らは「訪れた人が気持ちよく利用できるように」と作業に汗を流した。

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となったスタジアム。設置された木製座席には2017年に平田の尾崎半島で発生した林野火災の被災木(スギ)が使われていて、同組合が提供した。

 

 W杯から1年となるのを前に、スタジアムを管理する市では座席の塗り替えを進めている。市民らを対象にした塗装のボランティア活動を今月2回実施し、延べ約160人が参加。同組合は運営のサポートを行ってきた。

 

 塗装作業が行われているのはバックスタンド(約3千席)で、これまでに7割を色付け。茶色を背景に、青色で「KAMAISHI UNOSUMAI」の文字が浮かび上がった。

 

 この日は残る約830席を塗装。同組合職員や県、釜石市、大槌町の林業担当職員ら約30人が参加し、木材保護性能を持つ塗料(茶色)で座席を彩った。

 

 スポンジを手に丁寧に色付け作業に励む職員たち。中には、座席に使用した木材の切り出し作業に携わった人もおり、「立派なスタジアム。愛着がある」「100年後も残ってほしい」「多くの人に利用してもらえたらうれしい」などと思いも込めた。

 

 同組合ではメインスタンドに整備された木製諸室の木材も供給。高橋幸男参事(56)は「自分たちの仕事が形となって見える場所。できることをやりながら、ラグビーのまちを応援していきたい」と汗をぬぐった。

 
 

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釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

 

釜石市と楽天ペイメント株式会社は、釜石市内の対象店舗において「楽天ペイ」で決済すると、決済金額の最大20%の楽天ポイントが戻ってくる「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を令和2年9月1日(火曜日)10:00から令和2年10月31日(土曜日)23:59まで実施します。当事業は、市民の方はもちろん、市外の方・観光客の方でもご利用いただけます。

 

キャンペーン内容

本キャンペーン開催期間中に、市内対象店舗において楽天ペイで支払うと、決済金額の最大20%の楽天ポイントを付与します。
詳細内容や楽天ペイアプリの使い方については、 楽天ペイのホームページ をご覧ください。
 
例)通常・・・1,000円ご利用で10円相当ポイント還元(1%還元の場合)
今回・・・1,000円ご利用で200円相当ポイント還元(20%還元の場合)

開催期間

令和2年9月1日(火)10:00~令和2年10月31日(土)23:59

対象店舗

市内の楽天ペイを導入している参加意思表明店舗でご利用可能です。
市内飲食店や小売店を初め、コンビニエンスストアやドラッグストア等でもご利用可能です。
対象店舗一覧はこちらから

還元上限

還元上限ポイント:期間中20,000円相当(合計100,000円のお支払いで最大となります。)
※ポイントはお支払い後すぐに付与されるわけではありませんのでご注意ください。
※ポイントは2020年12月末日頃までに通常ポイントで進呈いたします。

事業者の皆様へ

楽天ペイは、スマートフォンやパソコンがあれば無料で導入することができます。
申し込みや導入に関するお問い合わせは、楽天ペイのサポートセンターまでお願いします。
楽天ペイサポートセンター ☎0570-200-234 9:30~23:00(土日祝日も対応)

この記事に関するお問い合わせ
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〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-22-2111 / FAX 0193-22-2762 / メール
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広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

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広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

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【P1】
・地震・津波避難訓練週間
【P2-3】
・市道只越天神町線交通規制のお知らせ
・地域企業再建支援事業補助金 他
【P4-5】
・大腸がん検診容器回収
・介護保険説明会 他
【P6-7】
・まちのお知らせ
・各種相談 他
【P8】
・イベントのお知らせ

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修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

完成楽しみ「鈴子広場」、新しい遊具や築山整備〜来年度中の着工、完成目指す

修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

 

 釜石市は、震災後、仮設飲食店用地となっていた鈴子町の公園「鈴子広場」(0・4ヘクタール)の復旧整備事業を来年度にかけて行う。市街地における憩いの場、遊び場確保の観点から、市民の意見を設計に反映させるためのワークショップ(WS)を6月から開催(全3回)。最終日の22日は、これまで出された課題解決策のアイデアを盛り込んだ設計案が示され、メンバーからさらに意見を聞いた。今後、具体的設計を進め、来年度中の着工、完成を目指す。

 

 「みんなでつくる鈴子広場」と題したWSには、公募で集まった小学生以下の子どもを持つ親や地元町内会員など12人が参加。1、2回目は現地を見学しての課題の洗い出し、解決策のアイデア出し・検討などを行い、市が示した計画素案への意見を聞いてきた。

 

 3回目の22日は、参加者から出された意見を基に修正した案について協議。設計を請け負う八州(本社・東京都)の担当者とオンラインでつなぎ、修正内容の説明を受けた後、2グループで再度、検討を行った。

 

 計画では、園内を5エリアに分類。岩手銀行側は、震災復興支援で民間企業により2013年に整備された複合遊具や健康器具があることから、それらを生かしつつ、新たな遊具を導入。「運動広場」「遊具広場」とエリア分けし、遊具広場には、要望のあった柵で区切った乳幼児向けスペースも確保する。

 

 薬王堂側は、緑地を生かしたエリアに。現在あるステージは撤去し、「築山広場」を整備。築山の周りには遊歩道や多目的デッキ(イベント時は簡易ステージとして利用)を設ける。震災殉職消防団員の顕彰碑周辺は「やすらぎの広場」とし、園内にある既存の像やモニュメントを移設。中心部に位置する噴水(現在は休止中)周辺は「中央広場」とし、再整備する予定。

 

1993年に供用開始した鈴子広場。28年ぶりに新たな姿に生まれ変わる

1993年に供用開始した鈴子広場。28年ぶりに新たな姿に生まれ変わる

 

 WSの意見を受け、園内にはあずまや、ベンチを複数設置。サクラなど季節を感じられる樹木は残し、残りは伐採。すっきりとした景観を作る。子どもたちの安全を考え、運動、遊具、中央の3広場には土素材のダスト舗装を採用する。駐車場は仮設店舗に利用されていた両サイドのスペースに整備。幼稚園などの中型バス、障害者用の駐車スペースも確保する。

 

 修正案に対し参加者からは、築山の遊び場としての活用法やバスケットゴールの設置など選定遊具に関する意見、多目的トイレのおむつ交換台の耐加重、駐車場の一方通行への要望も出された。噴水については「夏場の暑さ対策であれば、代わりにミスト的な設備も効果的ではないか」という意見もあり、噴水を残すかどうかは今後の検討事項となった。

 

 小学4年生の子どもを持つ小佐野町の及川佳奈子さん(44)は「地元住民や障害者の視点も取り入れ、素敵な公園ができそう。自然に親しみながら安全に利用できる場所になれば。完成が楽しみ」と期待。鈴子町に住む高橋光子さん(72)は「地元町内会は高齢者が多い。子どもの遊び場だけではない要素も入れられたのは良かった。鈴子は公民館がないので、住民活動の場としても利用できれば」と願った。

 

 市のニーズ調査で、子育て中の保護者が充実を望む支援策の1位は「子どもが安心して遊べる場所」。今回のWSは、市が子育て支援の重点プロジェクトの一つに掲げる「遊び場開拓」の取り組み第1弾となった。

 

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