マヘ・トゥビ(まへ・とぅび)さん(所属先:釜石シーウェイブスRFC(通訳、普及担当))プロフィール
2013年加入/1980.9.21生(39歳)/トンガ出身/大東文化大学卒
●ラグビーを始めたきっかけ:ラグビーが好きな父親の影響で
●ポジションの遍歴:11,15,12,8,6,5,1(中学から大学まで)、LO→PR(SW)
●ニックネーム:BOB
●趣味:家族とドライブ
●好きな食べ物:豚の丸焼き
●釜石のオススメ:家族とゆっくり過ごせて、子育てにぴったり(良い)のところ
●出身地のオススメ:海
●この仕事で心がけている事:選手の面倒を良くみる、気を配る
●サポーター、ファンへメッセージ:いつも応援ありがとうございます。今シーズンもよろしくお願いします
インタビュー日:2019年9月5日(釜石シーウェイブスRFCクラブハウス)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川 香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条 佳泰(株式会社Grafica)
釜石シーウェイブRFC トップチャレンジリーグ2019 ホームゲーム2連戦
11月16日(土)、23日(土)、釜石鵜住居復興スタジアムで開催!
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「一生懸命やってお返ししよう」という気持ちでプレーしていました
ーー2013年に加入のきっかけ~どういうご縁で?
マヘさん:
当時所属していた福岡サニックス(現:宗像サニックスブルース)との契約が終わる事になって、エージェントを立てて次のチームを探している時に、SWからオファーを頂きました。
その時のSWはFWの選手にケガ人が多くいて、LOのポジションで入りましたけど、「もしかしたらPRをやってもらう事になるかもしれない」という事は最初から言われていました。でも、僕も年齢が上の方でしたから、ケガも多かったですし、出来るだけラグビー人生を長く楽しみながら出来れば・・・・と思っていたので、ラグビーが出来るならどのポジションでもチャレンジします!と話しました。
ーー知っている選手はいらっしゃいましたか?
マヘさん:
康夫(須田)がIBMで一緒だったんですよね。あとは、ルイ・ラタは同じトンガで良く知っていましたし、それから、タウファ(タフィ アイバハ優)は高校(トゥポ高校)の後輩ですね。そんな感じで知っている選手もいましたし、チームには入りやすかったですね。
ーー選手時代~2013年から2017年シーズンまで。特に、加入2年目の2014年は、トップリーグ昇格を掛けた入替戦まで進みました。あのシーズンの事は覚えていますか?
マヘさん:
はい、よく覚えていますね。
僕も色々ケガに悩まされながらの選手生活を送っていたのですが、釜石に来て3ヶ月くらいで半月板損傷のケガをしてしまって、1年目はほとんど試合に出られなかったので、正直僕はもう2014年は無いな、2年目は契約してもらえないだろうと思っていましたね。でも、もう1回チャンスをもらって、もう「やるしかないな!」という感じでした。
2年目(2014年)の試合出場は、リザーブからのスタートで与えられた時間はあまり多くなかったですけれど、出る時は、「一生懸命やって、恩返ししよう」と、そういう気持ちでプレーしていました。個人としては、そういうシーズンでした。
2015.2.14 トップリーグ入替戦 対クボタスピアーズ@熊谷ラグビー場(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーーチームの雰囲気もとても良かったんじゃないですか?
マヘさん:
そうですね、剛臣さんがいて、サモア代表のセイララ・マプスアがいて、康夫もいて、佐伯もいて・・・。その辺の選手が、よくチームをまとめていましたね。フィールドの中でも、ラグビー以外の所でも。
例えば、ラグビー以外の所では、一緒に何かを楽しんだりしながら皆でゆっくり休む時は休んで、そしてラグビーをやる時は、「ラグビーをやる!」という、切り替えを大事にしながらやっていましたね。
ーーSWでは、トータル5シーズン選手として過ごされました。今振り返って、一番思い出す試合、シーンは?
マヘさん:
やっぱり、あれじゃないですかね、仙台(ユアテックスタジアム仙台)で横河武蔵野に勝って、トップチャレンジリーグ進出を決めた試合ですね。(2014年11月30日 トップイーストリーグディビジョン1 29対24で釜石SWの勝利)
そこまでに、栗田工業に負けていて、皆チャレンジリーグ進出を諦めてはいなかったですけど、横河と栗田の結果次第という所を見ながらでしたので・・・。上にチャレンジ出来ると決めたあの試合はやっぱり特別ですね。
2014.11.1 対ヤクルトレビンズ@いわきグリーンフィールド(写真:釜石シーウェイブスRFC)
2014.11.30 対横河武蔵野アトラスターズ@ユアテックスタジアム仙台(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーー私もあの瞬間は、忘れられないです。泣いている選手もいましたよね。
マヘさん:
僕は震災の時は釜石にはいなかったですけど、釜石に来てから震災当時の話を色々と聞いて、釜石の皆さんが一生懸命に頑張っている事も知っていましたし、もちろんチームもですね。だから、釜石の人たちの為にも何か力になりたいなと思っていました。あの試合には本当に色んな意味があったと思いますね。
本当は、トップリーグ昇格を決めていれば最高だったんですけど。
今度は裏方でチームの力になれれば
ーーそして、昨シーズン、選手からチームスタッフ(通訳、普及担当)へ。
マヘさん:
選手を引退する事については、まだやりたい気持ちと、身体的にもう厳しいかな・・・という気持ちが半々でした。
でも、選手を引退しても、引き続きラグビーに関わる仕事、チームを支えるスタッフとして残ってくれないかと桜庭さんからお話を頂き、すぐ返事しました。今度は裏方でチームの為に力になれればという気持ちでした。
子どもたちへのラグビー体験授業(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーー特に、普及担当でのご活躍が目立ちます!選手時代から、積極的に参加されていましたよね。
マヘさん:
そうですね、良く小原さん(主務)から声を掛けてもらっていました。
小原さんが「マヘさん」と話しかけて来たら、「何かイベント?」って聞くような感じで(笑)。「お願いします」「はい、わかりました!」という流れでしたね(笑)。
小原さんとは、同じ2013年加入なのでとても仲が良いんです。2013年に加入した選手とスタッフは14人いましたが、今のチームに残っているのは僕と小原さんだけなんです。
それから、普及のための主な活動は子供たちへ向けたラグビー体験教室ですが、SWの選手が子供たちの為に何か出来るという事は、とても良い事だと思います。ラグビーに興味を持ってくれる子供たちが、1人でも増えてくれたらという気持ちがあります。
今までラグビーしかやって来ていないので、経験した事がない事を普及活動を通して経験させて頂き、自分の為にもなっています。
ラグビーの普及活動(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーー実際、子供たちと触れ合ってみて、どうですか?
マヘさん:
最初は、“子供たちに教える”という事が慣れなくて難しかったですね。上手く促す為には色々と声もかけなくてはいけないですし。でも最近は慣れて来て、やる前には遊びながらコミュニケーションを取って、それから体験に入るんです。面白い事を言おうかなとか考えて、毎回言ったりするんですけど、たまに“シーン”とされますね(笑)。
今、チームの雰囲気はとても良いと思います
ーーラグビーワールドカップのファンゾーンのラグビー体験もSWが担当されますね。
マヘさん:
そうですね、日本代表の試合がある日と釜石で試合がある日、それと、準々決勝・準決勝・決勝のある日ですね。僕は全部の日にいます!SWの選手も参加しますから、ぜひ、遊びに来てください!
イベントでのラグビー体験(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーー昼間はそうした普及活動をされて、そして、夕方からは練習のサポートなどを?
マヘさん:
はい。練習の時に外国人選手のサポートに入ります。それから、チームの状況を確認しながら、チームに今必要な事を考えて、色々と手伝っています。
また、昼間は事務所の仕事もしています。主に職員の大畑さんの指示の下、サポーター管理やサポーター入会された方への特典やカードの発送作業などをしています。
サポーター更新のお願いをする電話もたまにしています。サポーターの皆さん、私から電話が来ても驚かないでください(笑)。
ーー選手の頑張りを近くで見ていらっしゃると思うのですが・・・。
マヘさん:
HCが、長期的にこの若い選手たちを育ててチームを作って行くと言っていますので、そういうHCの元で、みんな日々一生懸命頑張っていて、チームの雰囲気はとても良いと思います。
今は、カップ戦の反省を確認しながら、リーグ戦に向けてどんどん上げて行っている最中です。
ーー外国人選手も増えましたね。若いですし。
マヘさん:
そうですね、みんな若くて元気ですね!
人数が多くなってきたので、例えばロッカーの並びも外国人だけ固まらないようにバラバラに、隣に日本人選手が来るようになっていて。そういう所からも、チーム内のコミュニケーションが良く取れるようにという事ですね。
ーー今年のイレギュラーなシーズンのせいもあるかとは思うのですが、いつもより夏休みが長かったですね。
マヘさん:
HCも言っていましたけど、カップ戦は良い経験にはなったけど、一方で格上のチームと連戦するという、ハードなスケジュールを選手はこなしましから。最初は、どうなるかと少し心配していました。
だからその分というか、ちょっと休ませてあげたいという、HCの想いがあってのこの夏のオフだったと思います。
ーーマヘさんは、ゆっくり出来ましたか?
マヘさん:
僕は、久しぶりにトンガに帰りました!前に帰ったのは、上の子が生まれた時でしたから4年前ですね。
父が牧師で、我が家はクリスチャンなので、子供が生まれたら洗礼を受けるために帰るんです。
洗礼は曜日が決まっていて、日曜日に行われるんです。なので、チームで予定がある日だったんですけど、桜庭さんにお願いして休みをもらって行ってきました。
でも、上の子は日本育ちなので、トンガの食事が合わなくて苦労しました。コンビニに行ってお米を買って、炊いて食べさせて・・・大変でしたね(笑)。
ーートンガの主食は何ですか?
マヘさん:
芋ですね。で、味付けが塩とココナッツだけで、どれもその味付けなんです。だから、その味が合わないと、何を食べても合わないという事になってしまいますね。
ラグビーの普及活動を通して、皆さんの笑顔がみたい
ーー今シーズンの抱負を。
マヘさん:
今は、大きく言うと外国人選手のお世話を任されていますので、そこをしっかりやる事と、出来るだけチームがやろうとしている事を外国人選手が理解出来るように、しっかりサポートしていかなきゃと思っています。
あとは、遠征の時とかですね。出来るだけトラブルがないように、小原さんと一緒に動いています。
選手には良い気持ちで試合に臨んで欲しいと思いますから、その為の色々な準備を抜かりなくやりたいですね。
ーー本当にマヘさんのお仕事の内容は、幅広いですね!
マヘさん:
そうですね(笑)。まだまだこの釜石の中でも、ラグビーに対して理解が深い方が多いとは言えないと思うので、今年はラグビーワールドカップがありますし、これをきっかけにラグビーに興味を持ってくれたらいいなと思います。
出来るだけ多く釜石の皆さんの力になりたいですし、笑顔が観たいですね!ラグビーの普及を通して、皆さんの笑顔を!
そして、SWを応援していただけるように、もっともっと外に出て行きたいですね。
最後に、ラグビーワールドカップ ファンゾーン岩手釜石と、SWの今後の試合情報です。
インタビュー記事内にもありました通り、釜石市民ホールTETTOに開設されているファンゾーン内にて、SWの選手によるラグビー体験が実施されます。
準々決勝(10/19・20)・準決勝(10/26・27)・決勝(11/2)は、ぜひファンゾーンにお越しください。
2019年11月2日(土)には、「ラグビッグドリーム2019」として、釜石市球技場(松倉グランド)に清水建設ブルーシャークスを迎えての一戦が予定されています。
K.O時間は現在調整中で、詳細は、後日発表になります。
また、今年は秋のラグビーワールドカップ開催後の11月からトップチャレンジリーグが開幕!第1節、第2節は鵜住居復興スタジアムで行われます。日程は以下の通りです。
釜石シーウェイブRFC トップチャレンジリーグ2019 ホームゲーム2連戦
11月16日(土)、23日(土)、釜石鵜住居復興スタジアムで開催!
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2019 ジャパンラグビートップチャレンジリーグ
第1節 11月16日(土) 11:30 釜石鵜住居復興スタジアム
対 コカ・コーラレッドスパークス
第2節 11月23日(土) 11:30 釜石鵜住居復興スタジアム
対 九州電力キューデンヴォルテクス
第3節 12月07日(土) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 栗田工業ウォーターガッシュ
第4節 12月14日(土) 14:00 秩父宮ラグビー場
対 豊田自動織機シャトルズ
第5節 12月21日(土) 13:00 コカ BJI ラグビー場
対 マツダブルーズーマーズ
第6節 01月11日(土) 14:00 ヤンマースタジアム長居
対 近鉄ライナーズ
第7節 01月19日(日) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 清水建設ブルーシャークス
詳細は、釜石SW公式サイトでご確認ください。
http://www.kamaishi-seawaves.com/