元ウェールズ代表 シェーン・ウィリアムスさん、釜石中で交流〜台風被災の釜石サポート、ラグビーのまちに思い寄せる


2019/10/24
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ #文化・教育

野田市長を訪ねたウィリアムスさん(中央)

野田市長を訪ねたウィリアムスさん(中央)

 

 開催中のラグビーワールドカップ(W杯)で躍進する英国ウェールズ。かつて代表として活躍し、その後、日本でもプレーした経験のあるシェーン・ウィリアムスさん(42)がW杯PRなどのために来日し、釜石市にも足を延ばした。15日に釜石市役所を訪ね、野田武則市長を表敬。釜石中(川崎一弘校長、生徒304人)では特設ラグビー部の生徒約35人と交流し、スポーツを通した子どもたちの成長や釜石ラグビーの盛り上がりに期待を寄せた。

 

 ウィリアムスさんは2000年に代表デビュー。W杯には03年、07年、11年の3大会出場し通算10トライ。08年には世界最優秀選手に選ばれた。トライ数60は世界歴代3位。12~14年は日本の三菱重工相模原でプレーした。

 

 今回、W杯に合わせて来日したウィリアムスさんは、東日本大震災後の釜石で、ウェールズから届けられたコンテナ収用型救命艇を活用し、水難救助の人材育成事業などが展開されていることを知り、事業を支える同国の団体「アトランティック・パシフィック」を通じて釜石を訪問。市役所を訪れる前に、事業を進める鵜住居町の一般社団法人「根浜MIND(マインド)」(岩崎昭子理事長)などの案内で、根浜海岸での救助体験の様子を見学した。

 

 市役所では野田市長らと懇談。ウィリアムスさんは日本でプレーした際、釜石シーウェイブス(SW)RFCと対戦しており、知人も多い。震災、訪問直前の台風での被害に心を痛め、「サポートしたいとの思いを実現できる機会。スポーツ交流をしたい」と熱望。初めて訪れた釜石の印象について、「プリティー、ラブリー。海、山があり、自然がきれい」と話した。

 

 野田市長はW杯釜石開催の2試合目を中止した苦しい胸の内を明かし、「ラグビーのまちであることへの思いは変わらない。W杯もみんなで応援しながら盛り上げていきたい。ラグビーの楽しさを感じ、釜石から日本を代表する選手が出てほしい。世界との交流の拠点として前に進めるよう、協力を」と期待した。

 

 この後、釜石中を訪れたウィリアムスさんは、特設ラグビー部の練習に参加。パス、タックルなど基本の動き、技術について助言した。

 

ウィリアムスさん(右)の指導を受ける釜石中生

ウィリアムスさん(右)の指導を受ける釜石中生

 

 佐々木翔大君(3年)は「声掛けなどコミュニケーションの大切さを実感。基本をしっかりやることも大事だと分かった。教わったことを忘れない」と感謝した。

 

 同部は、来月開催される県中総体ラグビーフットボール競技大会に出場する。主将の篠原颯汰君(同)は「まず1勝」と控えめ。自身は高校から本格的にラグビーに取り組む考えで、「W杯で活躍している選手のようになりたい」と夢を膨らませた。

 

 子どもたちとの触れ合いを楽しんだウィリアムスさんは「いくつかの助言を少しでも覚え、理解し、成長してもらえたらうれしい」と、温かな視線を残した。

 

 ウィリアムスさんは同日夜、同法人らの歓迎会に出席。16日に釜石を発った。

 

(復興釜石新聞 2019年10月19日発行 第834号より)

 

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