釜石ファンゾーンでも感謝のコール〜奮闘日本 W杯破れる、準々決勝 南アフリカに力及ばず
日本代表の健闘に感謝のコールを送るファンら
ラグビーワールドカップ(W杯)準々決勝が始まった19日、台風19号の影響で一時閉鎖されていた釜石市大町のファンゾーンが再開された。日本―南アフリカ戦が行われた20日、市民ホールTETTOに設けられたファンゾーンは日本代表のユニホームや鉢巻きを着けた大勢のファンで埋まり、パブリックビューで中継される日本代表の奮闘に熱狂。強豪南アに力及ばず3―26で敗れはしたものの、「よくやった」「勇気をありがとー」などと感謝の声が広がった。
パブリックビューで中継された熱戦に興奮
ファンゾーンには、台風の影響で釜石での試合が中止となったナミビア、カナダ両チームへのメッセージを書き込める寄せ書きボードも設置。子どもたちも感謝の思いをつづった
■日本奮闘も及ばず
前半は1トライに抑え、3―5と食い下がった。しかし、後半は完全に力負け。南アの圧力に耐え切れず、3PG、2トライを許し差を広げられたままノーサイドとなった。「行けー!」「アーッ」などと絶叫しながら声援を送り続けたファンゾーンのファンも、最後は大きな拍手で日本代表の奮闘をねぎらった。
■今後も釜石の力に
「ニッポン、さいこー!」。一際大きな声で応援し続けた東京都北区職員の志村匡仁さん(35)は涙目で感謝した。震災後に釜石に派遣され、2年間、ラグビーの振興などを担当。2年前に北区へ戻り、現在は区役所の新庁舎建設計画に携わる。
9月25日のフィジー―ウルグアイ戦は釜石で観戦。日本―南ア戦のチケットも手に入れたが、「台風被害の中でがんばっている仲間と一緒に応援したい」と釜石に駆け付けた。釜石まつりのみこしかつぎにも参加。「今後も釜石復興の力になりたい」と思いを新たにした。
■涙で、ふるえた
「W杯を通し、いろんな人がこうして釜石を応援してくれる。こんなにありがたいことはありません」。東京の小平市から駆け付けた藤井眞喜子さん(55)は仲間とともに感激をかみしめた。
東前町の実家が震災で被災し、両親はいま上中島町の復興住宅で暮らす。夫はかつて新日鉄釜石ラグビー部のバックスとして活躍した邦之さん(55)。「仕事で来られない夫の分も」と声を張り上げた。
9月のフィジー―ウルグアイ戦も観戦し、満員となったスタジアムに興奮。「大会を実現させた釜石の人たちのめげない心、やさしい気持ちに涙が出、ふるえた」という。
■ファン大入り
ファンゾーンにはこの日、5006人が来場。9月25日(5323人)に次ぐ記録となった。
(復興釜石新聞 2019年10月23日発行 第835号より)
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