【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

 

取材先:
前川航紳(こうしん)君(小5)、佐々木璃音(りお)さん(小4)/釜石シーウェイブスRFCジュニア
インタビュー:2019年9月8日(釜石市球技場)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条佳泰(株式会社Grafica)

 

ラグビーワールドカップ2019™開幕もいよいよ間近!釜石市でも2試合が行われるのは、皆さんもうご存じですね!
会場で観戦する方、パブリックビューイング会場で盛り上がる方、そして、ボランティアとして大会を支える方、このビッグイベントへの関わり方は様々あると思いますが、「ラグビーのまち釜石」のラグビーキッズ2人が、各試合で試合球を運ぶ「DHL マッチボールデリバリーキッズ」というスペシャルな体験をすると聞き、ジュニアスクールで練習する2人を訪ねて来ました。

 

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

 

ーー「マッチボールデリバリーキッズに決まったよ」と聞いた時はどうでしたか?

 

航紳くん:お父さんから聞いて、すごく嬉しかったです。
璃音さん:お母さんから「決まったよ」と教えてもらって、飛び上がって、「嬉しい~!」って言いました。

 

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

 

ーー応募する時は、何か自己アピールを書いて出したんですか?

 

航紳くん:僕は、ラグビーの大会で優勝したい自分の目標やワールドカップの試合ではゴールを狙うキックを楽しみにしていることを書きました。
璃音さん:私は、『今、熱中しているスポーツ』というテーマで、作文を書いて送りました。

 

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

 

ーーラグビーワールドカップ™で楽しみにしている事は?

 

航紳くん:ワールドカップを戦う選手と同じグラウンドに立てることが楽しみです。
璃音さん:楽しみな事は、今まで見た事が無い、外国選手のプレーを試合会場で生で見られる事です。

 

【インタビュー】ラグビーワールドカップ2019™ DHL マッチボールデリバリーキッズ

 

ーーマッチボールデリバリーキッズはとても注目が集まると思いますが、今はどんな気持ちですか?

 

航紳くん:僕は、9月25日のフィジー 対 ウルグアイの試合を担当します。緊張するけど、しっかりやりたいと思います。
璃音さん:私は、10月13日のナミビア 対 カナダの試合を担当します。緊張すると思うけど、一生に一度の体験だと思うので、楽しんでやりたいと思います。

 

ミニアンケート

matchballdeliverykids_05

 

●ラグビーを始めたきっかけは?
航紳くん:お父さんがラグビーをしていて、やってみたいと思ったので、2年生の時にスクールに入りました。
璃音さん:お父さんがラグビーをしていたので、やりたいなぁと思って。1年生から始めました。
 
●ラグビーの楽しい所は?
航紳くん:みんなで一つのボールを回して運んで、トライを取る所が楽しいです。
璃音さん:試合の時に、相手のチームと交流出来て、友達になれたりする所です。
 
●これからラグビーで頑張りたいことは?
航紳くん:パスを上手く回して、いっぱいトライが取れる選手になりたいです。
璃音さん:秋の交流大会で、一回でも勝ってみせたいと思っています。

 

航紳くんと璃音さんが運ぶボールには、お二人のご家族、チームメイトやクラスメイト、そして釜石市民の夢や想いがきっとたくさん詰まっています!
皆様ぜひ、キックオフ前には「DHL マッチボールデリバリーキッズ」の2人にも、ご注目とご声援をお願いします。

 
 

『DHL マッチボールデリバリーキャンペーン』について
https://inmotion.dhl/ja/rugby/match-ball-delivery/
DHL Express Japan Facebookページ
https://www.facebook.com/DHLExpressJapan/
釜石シーウエイブスJr. Facebookページ
https://www.facebook.com/seawavesjunior/
 
岩手県釜石市開催情報詳細「いわて・かまいしラグビー情報」
https://www.rugby-iwate.kamaishi.pref.iwate.jp/

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

客席を埋めた多くの市民も「夏の思い出」に声を合わせる

釜石市民合唱祭、9団体が歌声披露〜加盟団体減少、ターニングポイントに

客席を埋めた多くの市民も「夏の思い出」に声を合わせる

客席を埋めた多くの市民も「夏の思い出」に声を合わせる

 

 「こころからこころへ」をテーマに、41回目の釜石市民合唱祭(市民芸術文化祭参加)は8日、釜石市民ホールで開かれた。釜石市合唱協会(柿崎昌源会長)に加盟する混声、女声合唱団をはじめ9団体が活動成果を披露。一方で、同協会発足当初から中心を担ってきた釜石混声合唱団が休団に伴い参加を見送り。退職女性教職員の会フラウエンコールも今回のステージを最後とするなど、大きなターニングポイントとなる合唱祭となった。

 

 オープニングでは出演9団体の代表がプラカードを掲げて入場し、客席を埋めた市民とともに「釜石市民歌」を高らかに歌い上げた。

 

 最後のステージとなるフラウエンコールの6人がトップで歌声を披露。鵜住居歌う会、今回の合唱祭に向けて編成された男声合唱団ナインス・メンズ・コーラスの力強い歌声と続いた。

 

 甲子歌う会は、先日市内で発生した殺人事件に巻き込まれて亡くなったメンバーへの追悼の思いを込め、全員が胸に黒いリボンを付けてステージに臨んだ。

 

 釜石ユネスココーラスによる女声合唱を最後に、客席の市民も一つになって「夏の思い出」を歌い締めくくった。

 

40年の歩みに思い込め、退職女性教職員の会 最後のステージ

 

最後のステージで歌う退職女性教職員の会フラウエンコール

最後のステージで歌う退職女性教職員の会フラウエンコール

 

 退職女性教師のグループとして活動してきたフラウエンコールは1978年に発足。ピーク時には30人近くまでメンバーが膨らんだが、徐々に減少。現在は97歳から85歳までの6人となった。

 

 代表を務める種市圭子さん(85)は「毎週1回の練習は何とか頑張って続けてきたが、3階にある練習会場まで階段を上ることが難しくなってきた」と高齢化に伴う厳しい現実を嘆く。今回のステージを最後と決めたが、「家の中にこもるようなことがないように」と練習は継続するという。

 

 これまで3回の独自演奏会を重ねるなど、40年にわたる活動の足跡はしっかりと残してきた。ほぼ30年前からグループを指導してきた姉帯公子さん(60)は、最後のステージとなったことについて「みなさんで決めたことだからしようがない。さみしい気持ちもあるが、これが自然の流れ。こういう形で締めくくれて良かった」と、しみじみと語った。

 

(復興釜石新聞 2019年9月11日発行 第823号より)

関連情報 by 縁とらんす
第41回 釜石市民合唱祭
復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

広報かまいし2019年9月15日号(No.1720)

広報かまいし2019年9月15日号(No.1720)

広報かまいし2019年9月15日号(No.1720)

 

広報かまいし2019年9月15日号(No.1720)

広報かまいし2019年9月15日号(No.1720)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 8,493 KB
ダウンロード


 

【P1】表紙/もくじ
【P2〜3】ラグビーワールドカップ2019™ファンゾーン in 岩手・釜石情報
【P4〜5】9月25日「フィジー 対 ウルグアイ」戦情報/ボランティア募集
【P6〜7】ラグビーワールドカップ2019™釜石開催時の津波避難導線/釜石まるごと味覚フェスティバルなど
【P8〜9】胃がん検診/みんなでごみ減量にトライ/狂犬病予防接種/年金生活者支援給付金制度
【P10〜11】リノベーションスクール@釜石 参加者募集/コミュニティ助成事業募集/市民のひろば
【P12〜15】まちのお知らせ
【P16〜17】まちの話題
【P18〜19】保健案内板
【P20】Meetup Kamaishi 2019

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1231290_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
色彩豊かな作品が並ぶ小林覚さんの作品展

心癒やす「微笑みの国」、色彩明るく奔放に〜知的障害者アーティスト 小林覚さん

色彩豊かな作品が並ぶ小林覚さんの作品展

色彩豊かな作品が並ぶ小林覚さんの作品展

 

 「微笑(ほほえ)みの国」をテーマに、釜石市鵜住居町出身の知的障害者アーティスト小林覚(さとる)さん(30)の作品展が、あす8日まで釜石市民ホールTETTOで開かれている。小林さんは現在、花巻市の「るんびにい美術館」で活動している。古里での個展は東日本大震災後初めて。明るく豊かな色調で描かれた独創的な作品約40点を展示している。

 

 作品は、自由奔放な線の造形性と明るく豊かな色調が特徴。郷土芸能を独自の色彩感覚で表現した「とらまい」や、万葉集の歌を題材に墨書の線が自在に伸び、交わる書の作品「風吹きて」などが並ぶ。

 

 音楽が大好きという小林さんは、文字をデザインした絵を描く。ザ・ビートルズの「Let It Be」や井上陽水の「少年時代」など、お気に入りの歌詞をつづった作品には、アートの一部になった「サトル文字」を見つける面白さがある。

 

 震災で鵜住居町の自宅が被災し、数多くの作品も流失した。個展には、自宅で見つかった作品の一部も展示。砂や汚れが残った状態で紹介されている。

 

家族に囲まれ笑顔を見せる覚さん(中)

家族に囲まれ笑顔を見せる覚さん(中)

 

 小林さんが本格的に絵を描き始めたのは釜石養護学校(現釜石祥雲支援学校)の中学部から。黒鉛筆のみで描いていたものが、次第に色鉛筆や油絵の具などを使った色合い豊かな作品へと変化する過程も見せる。

 

 県内各地で個展を開催している小林さん。古里釜石では学校や団体の作品展に数点出展し、さまざまな作品と合わせて見てもらうことが多かった。今回の個展は、小林さんの恩師、佐藤卓郎さん(奥州市)が企画。「震災を生き抜いた人たちの心に、作品の持つ力で癒やしと晴れやかな喜びを届けたい」と期待を込めた。

 

 小林さんは平日に美術館で創作活動を行い、週末は両親が再建した鵜住居町の自宅に帰る生活を送っている。父俊輔さん(64)は「息子の代表的な作品が集まった展示は初めて。見応えがある」とうれしそう。多くの来場を願っている。

 

 午前9時から午後9時まで。入場無料。7、8の両日は小林さんが会場を訪れる予定だ。

 

(復興釜石新聞 2019年9月7日発行 第822号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

ラグビーワールドカップ2019™ファンゾーンin岩手・釜石を開催します!!

ラグビーワールドカップ2019™ファンゾーンin岩手・釜石を開催します!!

ラグビーワールドカップ2019™ファンゾーンin岩手・釜石を開催します!!

 

ファンゾーンとは…
ラグビーワールドカップ2019日本大会開催期間中に、飲食ブースを併設した大型スクリーンによるパブリックビューイングや、ステージイベント、ラグビーの普及活動などが行われる大会公式のイベントスペースです。岩手県・釜石市では、釜石市民ホールが会場に。性別や年齢問わず、みんなが楽しめるスペースになりますので、スタジアムで観戦できない方もファンゾーンで大会を楽しみましょう!

 

会場

釜石市民ホールTETTO

開催日

2019年9月20日(金)~11月2日(土)
※10/14~18、10/21~25、10/28~31を除く。

 

詳しくは、下記「ファンゾーンガイドブック」をご覧ください。

 

ファンゾーンガイドブック その1

ファンゾーンガイドブック その1

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 1,568 KB
ダウンロード


 

ファンゾーンガイドブック その2

ファンゾーンガイドブック その2

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 1,274 KB
ダウンロード


 

周辺イベント情報

東北酒フェスティバルも開催されます!
東北酒フェスティバル(1,030 KB pdfファイル)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話 0193-27-8420 / FAX 0193-31-1170 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/rugby_city/detail/1231296_3208.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
震災から8年半 津波で流され漂着〜釜石の漁船 沖縄で発見、中城海保から連絡

震災から8年半 津波で流され漂着〜釜石の漁船 沖縄で発見、中城海保から連絡

沖縄の海岸に漂着した清昭丸(中城海保提供)

沖縄の海岸に漂着した清昭丸(中城海保提供)

 

 東日本大震災の津波で釜石市唐丹町から流された漁船が、沖縄県沖縄本島の海岸で見つかった。8月31日午前10時37分ごろ、中部太平洋岸の金武町の浜辺で、陸上を巡回中の海上保安庁第11管区海上保安本部・中城海上保安部の巡視艇「おきぐも」乗組員が発見した。船舶登録番号から、釜石市唐丹町字花露辺の漁業佐々木清文さん(74)所有の「清昭丸」(0・8トン)と判明した。震災で花露辺漁港から流失し、8年半をかけて約1900キロ離れた沖縄に漂着した。佐々木さんは「壊れてばらばらになったと思っていた。驚いた。写真で見る限り、船体はきれいだ」と感慨深そうに語った。

 

 震災時、この船は漁港に係留していた。多くの僚船とともに、大津波の引き潮にのみ込まれるように姿を消した。海抜15メートルほどの所にある佐々木さんの自宅は形を残したものの、全壊の判定を受けた。家族8人は避難して無事だった。

 

 復興事業で代わりの船の割り当てを受けたのは2年後。船名は同じ「清昭丸」にした。震災前と同様、ホタテ、ワカメ、コンブの養殖や磯漁を続けている。

 

 中城海保から清昭丸発見の連絡を受けたのは31日昼前。そのとき「まさか」と思わず口にした佐々木さんは、「大津波で消えた船は、どこかの岩場に当たり損傷して沈没したものと思っていた。8年6カ月も漂流して沖縄にたどり着くなんて、夢にも思わないこと」と驚く。

 

先代清昭丸の復活を願う佐々木さん

先代清昭丸の復活を願う佐々木さん

 

 清昭丸は2代目の持ち船で、18年前に手に入れた。「3人の子育てが一段落し、おっかあ=妻洋子さん(66)=も浜仕事に出始めたころに船を更新した。夫婦で一緒に苦労した船だから、思い入れはある。登録番号が残っていて、自分の船だと突き止められた。どのように漂流したのか、太平洋を右回りに半周したのか、何万キロかの長い旅だったかもしれない。運のいい船だ」と思いを巡らせた。

 

 沖縄に流れ着いた清昭丸について最近、現地の漁業者が引き取りを希望しているとの情報提供を受けた。佐々木さんは「明らかな損傷は船尾の外枠。浮力がとれれば、船は生き返る。自分の船はあるから、沖縄から持ち帰るつもりはない。廃棄されるより、修理して沖縄の浜の仕事にもう一度役立てば、船も本望だろう」と願う。

 

(復興釜石新聞 2019年9月7日発行 第822号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

80年の創作活動集大成、元小学校長の鈴木洋一さん 市民ホールで初の個展〜絵を描くことが生きがいに、「元気なうちに」と家族が企画

80年の創作活動集大成、元小学校長の鈴木洋一さん 市民ホールで初の個展〜絵を描くことが生きがいに、「元気なうちに」と家族が企画

初の個展を開いた鈴木洋一さん(中央)、後押しした家族ら

初の個展を開いた鈴木洋一さん(中央)、後押しした家族ら

 

 釜石市民絵画教室の講師を務めるなど長くキャンバスに向かい続けてきた鈴木洋一さん(87)=釜石市甲子町大畑=の絵画展は8月30日から9月1日まで、大町の釜石市民ホールTETTOで開かれた。自身初となる個展は、高齢の鈴木さんに代わって長男崇さん(56)ら家族が後押しし、米寿を記念して企画。釜石の港の風景をはじめ、遠野、江刺、秋田、函館など県内外の風景、花や魚などの静物を写実的に描いた油彩画合わせて93点を展示した。

 

 鈴子町出身の鈴木さんは釜石工業高(現釜石商工高)を卒業後、代用教員として働きながら通信教育で正規の教員となり、釜石や遠野市の小学校に勤務。校長として平田小(2年間)、釜石小(4年間)に務め、1992年に定年退職した。

 

 幼いころから絵を描くことが好きだった鈴木さん。小学5年の時に写生大会で“1番いい賞”をもらったうれしさで、さらに夢中になった。当時は「いたずらだった」と振り返るが、描く楽しさは教員となってからも残り、独学で描き続けた。美術の会派には属さず活動。退職後に同教室の講師などを務めた。

 

 同教室の作品展には数点の作品を出展。これまで描いた作品を見てもらう機会にと、画集の制作や個展の開催などを考えたことはあるが、忙しさで実現しなかった。

 

 ここ数年、鈴木さんは体調を崩し、入退院を繰り返すようになった。「元気なうちに実現させたい」。崇さんら家族が個展の開催を勧め、鈴木さんも「米寿の記念に」と発起した。

 

 古里を残しておきたい―。そんな思いを込め、筆を走らせた四季折々の海、川、山、街角といった風景画が並んだ。特にお気に入りのモチーフは製鉄所のクレーンと船が行き交う釜石港。「釜石らしさ」を見せる作品として10点近く紹介した。

 

 同教室のスケッチ旅行で訪れた奥入瀬(青森県)や小泊港(秋田県)、函館(北海道)の教会などを描いた作品も。「みんなで歩いた楽しい思い出」を残した。

 

 風景画だけでは見る人が息苦しくなると心を配り、動植物の静物画、孫など人物画も展示。郷土芸能の躍動感を表現した作品もあった。

 

 これまで描きためた作品は200点近くある。その一部を紹介でき、鈴木さんは「みんなに応援、力添えをもらい、ありがたい。思い残すことはない」と満足顔。だが、絵を描くことは生きがいで、「スケッチをしていて作品に仕上げてないモチーフがある。まだ描くでしょうね」と、キャンバスへ向かう思いは尽きない。

 

 崇さんは「(父は)昔からの知り合いに会い、話ができて楽しそうだ。生き生きして、目に力が戻った。絵を通してたくさんの人に喜んでもらい、うれしい」と目を細めた。

 

(復興釜石新聞 2019年9月4日発行 第821号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石シーウエイブス PRESENTS トモダチマッチvol.1 ヤマハ発動機ジュビロ VS 釜石シーウエイブス

トモダチマッチvol.1 ヤマハ発動機ジュビロ VS 釜石シーウエイブス

釜石シーウエイブス PRESENTS トモダチマッチvol.1 ヤマハ発動機ジュビロ VS 釜石シーウエイブス

 

日時

2019年9月15日(日) 11時キックオフ

会場

釜石市球技場(松倉)

参加費

無料
※試合後に選手とふれあうイベント開催!

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

8回目の最多当選を決めた山﨑長栄氏

釜石市議選 戦後初の無投票に〜現職12、元職1、新人5人が当選

 任期満了に伴う釜石市議選は1日、告示され、現職12人、元職1人、新人5人の計18人が立候補を届け出。議員定数(18)と同数となったことから、無投票での全員当選が決まった。市選管の資料によると、戦後、市議選が無投票となったのは初めて。今回の市議選では現職議員6氏が出馬を見送り、勇退する形となった。告示前は「立候補者が定数に満たないのでは」と市議選をめぐる動きにヤキモキする声もあった。18人中最多、8回目の当選を果たした山﨑長栄氏(72)は「地域の活力低下につながるのでは」と懸念する

 

地域活力の低下に危機感 山崎氏 市議会の現状憂う

 

8回目の最多当選を決めた山﨑長栄氏

8回目の最多当選を決めた山﨑長栄氏

 

 片岸町に再建した自宅に近い国道沿いで第一声。復興が進む周辺を見渡しながら、「議員生活28年。その集大成として地域に恩返しを」と思いを述べた。

 

 震災の津波で家が流され、昨年12月まで野田町の雇用促進住宅で暮らした。8年にわたる“避難生活”の疲れもあり、「議員活動はもうおしまいに」との思いもあったという。

 

 一方で、市議として積み重ねてきた数々の政策提言、実績への自負もあった。6人の市議が勇退するという事態の中で、「市長に是々非々でモノが言える人がいなくなる」という周囲の声に推され、8度目の出馬を決めた。

 

 市議選告示の、この日はちょうど「防災の日」。市消防団長として午前7時からの避難訓練の動きを指示した後で、第一声の場に駆け付けた。

 

 26歳で消防団員になり、震災の翌年に市消防団長となった。しかし、「団員が疲弊し、なり手もない。地域の消防力が落ちている。早く手を打たないと大変なことになる」と現状を憂う。

 

 市議会も似たような現状にある。今回の市議選では立候補予定者がなかなか定数(18)に満たず、「様子見をしながら『オラも出たい』と言う声も聞いた。市民を愚弄(ぐろう)する動きでは」と嘆く。

 

 今回の市議改選を前にした議員定数改正をめぐる審議では「定数16」を提案したが、否決された。結果的には、戦後初の無投票当選という形になり、「あの時もっと削減していれば、別な展開になっていた。地域活力の低下につながるのでは」と危機感を募らせる。

 

「住み良い子育て環境を」 磯崎氏 市職員から転身

 

街宣車も運動員もなく“一人選挙”で市議選に挑んだ磯﨑翔太氏

街宣車も運動員もなく“一人選挙”で市議選に挑んだ磯﨑翔太氏

 

 当選した18人の中で最も若い、30歳の市議会議員が誕生した。拡声器を手に、浜町の自宅から目抜き通りを中心に歩いて一回り。街宣車も運動員もいない“一人選挙”を繰り広げた。

 

 看護師をしていた母親の影響で私立の薬科大に進んだが、大学に入り直して経済を学び、名古屋市に本社がある証券会社に就職。「次の世代の子どもたちのため、住みよいまちになるよう汗を流したい」と釜石に戻り、17年4月に市職員に採用された。

 

 市議選に打って出ようと思い立ったのは、わずか1カ月ほど前。事前の立候補説明会に若者の姿がないと聞き、「このままでは若い世代の声が市政に届かない。これはまずい」と思ったという。「子育て問題に取り組みたかったが、市職員の立場では人事一つで仕事が決まってしまう」というもどかしさもあった。

 

 街頭を一人で歩きながら「これからの時代は若い世代の横のつながりが大切。みなさんの声を吸収し、地域を発展させていきたい。若い力がこれからの釜石を支える。ベテラン議員の中にピリリと辛い30歳を」とアピールした。

 

 6歳と3歳の男の子、まだ1歳の女の子がいる。同学年の妻は「やるからには、しっかりと」と背中を押す。

 

ラガーマンの経験を原点に 三浦氏 労組組合長を9年

 

日鉄釜石労組組合長から市議に転身した三浦一泰氏

日鉄釜石労組組合長から市議に転身した三浦一泰氏

 

 自宅がある小川町内に構えた選挙事務所の前で第一声。労組の仲間や会社関係者、地元町内会の人々を前に「元気で明るい地域づくり、生き生きと働ける環境づくり、市民が主役のまちづくり、この三つに取り組みたい」と訴えた。

 

 市議選に出ようと思い立ったのは5月の大型連休明け。日本製鉄釜石労組の組合長を務めて9年。8月いっぱいでの勇退が決まり、「今後は会社(日本製鉄)や労組のパイプ役として地域のために役に立ちたい」と決意を固めた。

 

 結婚し、小川町に住み始め20年余り。親戚関係にある松坂喜史前市議(66)の勇退と重なり、バトンタッチする形となる。「小川はとてもまとまりのある地域。自分が心置きなく働けるのも地域のおかげ。町内会をしっかりしないと」との思いも新たにする。

 

 第一声を上げたのは奇しくも、閉店したばかりのスーパーの前。地域の暮らしを支える大切な店だった。この問題の解決が、市議としての最初の仕事になりそうだ。

 

 新日鉄釜石ラグビー部で活躍するなど、ラガーマンとしての経験が社会人としての原点となり、支えとなった。釜石では間もなくラグビーワールドカップ(W杯)も開かれる。「釜石の真のレガシー(遺産)となるよう力を尽くしたい」とW杯の後を展望する。

 

(復興釜石新聞 2019年9月4日発行 第821号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

植物をモチーフにした精緻な描写の作品が並んだ

タイミングは今。花開く釜石のように〜三浦幸恵さん 初の個展、自然の草花 丹念に写実

植物をモチーフにした精緻な描写の作品が並んだ

植物をモチーフにした精緻な描写の作品が並んだ

 

 釜石市甲子町の画家、三浦幸恵さん(34)の初の個展「身近な自然を見つめて」は8月25日から28日まで大町の市民ホールTETTOで開かれた。自宅の庭や畑、外出先で目にする花や山野草をモチーフにした水彩、油彩画23点を展示。思わず見入ってしまうほど、本物のように描かれた写実作品が並び、来場者から感嘆の声が上がった。

 

 幼い頃から「絵を描くことを仕事に」と思い描いていた三浦さん。釜石南高(現釜石高)から多摩美術大に進んで油彩画を学び、2010年にUターンした。翌年の東日本大震災を機に、市内の小学校で非常勤講師として活動を開始。依頼を受け肖像画を描くなど制作活動を続けていたが、「作品づくりに集中したい」と15年に退職した。

 

 13年には大学時代の友人との二人展を東京で開催。今回、画家としての歩みをしっかり踏み出そうと決め、古里での初個展が実現した。

 

初の個展を開いた三浦幸恵さん

初の個展を開いた三浦幸恵さん

 

 三浦さんは大学時代から「日常に潜む微細な感覚」をテーマに制作に取り組んできた。見過ごしがちな感覚を拾い上げようと、今回の展示で選んだモチーフは植物。特に花に心を寄せ、6月から描きためたバラやサクラソウなどを展示した。

 

 メイン作品となった「蒲公英(たんぽぽ)」は甲子川の河川敷で目に留め、力強さに引かれた。自宅で育てるオクラを描いた作品には「光りをもとめて」、毎年春に変わらず花を開かせて始まりを意識させてくれる名前の分からない植物には「新たに咲く」と画題を付けた。

 

 「持てるものを最大限生かして咲いている花と、最大限努力して生きる人の美しさは共通する」と三浦さん。震災から立ち上がりつつある古里、人の動きも活発になるまちの機運に、自身の気持ちも同調し、「タイミングは今。花開く釜石のように、画家として花を開かせたい」と思いを込めた。

 

 対象に向き合い細密に描いた写実作品に、来場者は「写真? え、絵なの!」と驚きの声。「丁寧に向き合っている」と感心する人もいた。

 

 自身の描く世界を見た人たちの声をじかに聞いた三浦さんは「迷い、もやもやが晴れ、頑張ろうという気持ちになった。人生の転機。現実と向き合おう」と表情を引き締める。「絵は現実を映す鏡みたいなもの。絵を描くというレンズを通して現実を見ている感じ」。独自の感覚を生かした作品を生み出し続ける思いを強めていた。

 

(復興釜石新聞 2019年8月31日発行 第820号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

第41回 釜石市民合唱祭

第41回 釜石市民合唱祭

第41回 釜石市民合唱祭

 

第49回釜石市民芸術文化祭参加公演です。

 

1.開演日時

令和元年9月8日(日曜日)13:30から

2.会場

釜石市民ホール TETTO ホールA

3.チケット入場料

500円(高校生以下無料整理券あり)

4.問い合わせ先

釜石市民合唱協会 事務局(090-8219-0746)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話 0193-22-8835 / FAX 0193-22-3633 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/bunka/detail/1213091_2462.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
乗車5000万人達成を喜ぶ(左から)中村一郎社長、福士遙奈さん、佐々木梓さん=26日、宮古市の三陸鉄道宮古駅で

三陸鉄道 乗車5千万人達成〜開業から35年で突破、宮古駅で記念のセレモニー

乗車5000万人達成を喜ぶ(左から)中村一郎社長、福士遙奈さん、佐々木梓さん=26日、宮古市の三陸鉄道宮古駅で

乗車5000万人達成を喜ぶ(左から)中村一郎社長、福士遙奈さん、佐々木梓さん=26日、宮古市の三陸鉄道宮古駅で

 

 県などが出資して運行する第三セクター三陸鉄道(宮古市、中村一郎社長)の乗客が26日、累計5千万人に達し、宮古駅で記念のセレモニーが行われた。1984年4月の開業から35年目で到達した大台。9、10月には、沿線にある釜石鵜住居復興スタジアムでラグビーワールドカップ(W杯)という大イベントも控える。中村社長は「大切な一日になった。今後も多くの人が乗って楽しんでもらえるよう努めていきたい」と決意を述べた。

 

 5千万人目となった乗客は、山田町に住む宮古高3年の佐々木梓さん(18)と福士遙奈さん(18)。中村社長とともに記念のくす玉を割り、大台到達を祝った。

 

 吹奏楽部で活動する2人は、週末に行われた文化祭の振替休日を利用して宮古に遊びに来たという。「記念の乗客になれて、とてもうれしい」と声をそろえた。

 

 三陸鉄道は1984年の開業時は年間約270万人の乗客でスタートしたが、その後は減少が続き、震災の年は30万人を割り込んだ。今年3月には、JRから山田線釜石―宮古間の移管を受け、旧南、北リアス線と合わせて盛(大船渡市)―久慈(久慈市)間を結ぶリアス線の運行がスタートした。

 

 4~6月の利用者は29万3103人で、本年度の目標113万人の25・9%。再出発後は好調を維持しており、ラグビーW杯効果でさらなる増加が期待される。中村社長は「このまま行けば目標達成は十分可能」とした上で、「沿線の地元と連携してさらなるマイレール意識の向上を図り、多彩なイベント列車を企画して県内外に三陸の魅力を発信したい」と意欲をみせる。

 

(復興釜石新聞 2019年8月31日発行 第820号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3