釜石鵜住居復興スタジアムの芝生の上で熱戦を繰り広げる東北のラグビー少年ら
東北地方のラグビースクールで活動する小学生が交流する「ともだちカップ2019」は24、25の両日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。6県から8チームが参加。ラグビーワールドカップ(W杯)の試合を間近に控えた芝生の上を約150人のラグビー少年が駆け回った。参加者は山田町の県立陸中海岸青少年の家で合宿。チームの枠を超えて絆を深めた。
東北6県から8チーム、約150人が釜石に集う
この大会は、ラグビーW杯釜石開催招致活動の中心を担ったNPO法人スクラム釜石(石山次郎代表)が、ラグビーで東北の復興を後押ししようと東日本大震災後に企画。これまでは宮城県柴田町の陸上自衛隊船岡駐屯地で行われてきたが、8回目にして釜石での交流が実現した。
開会セレモニーで石山代表は「しっかり走り、友達をいっぱいつくろう」とあいさつ。釜石市の山崎秀樹副市長は「ここは、小中学生が津波から必死で避難した学校があった場所。みなさんの手で次の世代に伝えてほしい」と呼び掛けた。釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「今後もラグビーを続け、将来はSWの選手に」とエールを送った。
あいさつする石山代表
この大会は、新日鉄釜石ラグビー部日本一7連覇メンバーでスクラム釜石の事務局長を務める高橋博行さん(63)らが中心になって企画。高橋さんがコーチを務めていた縁で、船岡自衛隊のホームグラウンドを借りて2012年から開いてきた。1回目は約80人の参加でスタート。8回目の今回は、ほぼ2倍に膨らんだ。今回はスクラム釜石の10人のメンバーが東京などから駆け付け、熱戦を繰り広げる小学生らをスタッフとして支えた。
V7メンバーの石山代表(62)は「当初は釜石での開催を想定していなかった。これ以上(船岡自衛隊に)迷惑をかけられないと思っていたところに復興スタジアムが完成した」と喜ぶ。その上で、「W杯釜石開催の招致活動と同様に、今後も目の前のやることを一つずつ積み重ねていく。スタジアムの利活用促進に少しでも貢献したい」と課題を見据える。
参加選手を代表して宣誓した勿来少年ラグビースクール(福島県)の豊田朝陽主将(汐見丘小6年)は「W杯の試合会場でプレーできて、最高。芝生のグラウンドはすごく走りやすく、楽しかった」と胸を弾ませた。
(復興釜石新聞 2019年8月24日発行 第819号より)
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