後半ロスタイム、ラックサイドを突いた伊藤が逆転トライ=北上市総合運動公園
ラグビートップチャレンジ(TC)リーグ第5節の21日、北上市の北上総合運動公園陸上競技場で中国電力と対戦した釜石シーウェイブス(SW)RFCは31―18(前半12―10)で逆転勝ちし、開幕5戦目で今季初勝利を挙げた。釜石は勝ち点を6に伸ばしたが、順位は8チーム中5位のまま。最大の目標に掲げたトップリーグ(TL)昇格はすでに消滅したが、TCリーグ残留へ向けて大きな意味を持つ1勝となった。次戦は11月18日、広島市でマツダと対戦する。
ホーム最終戦での今季初勝利も、最後まで手に汗を握る白熱のシーソーゲームとなった。
釜石は開始5分で10点を奪われるも、SHスコット・ゲイルの連続トライで逆転。後半開始早々に逆転されたが、WTB森山裕樹のトライで17―13と再逆転。その後、再び逆転を許したが、ロスタイムにフランカー伊藤剛臣がラックサイドを突いて逆転トライ。さらにWTB小野航大が独走トライを決め、逃げ切った。
殊勲のトライを決めた伊藤は「1人のトライじゃない。陽丞(佐々木)が背中を強く押してくれた」と持ち上げ、チーム一丸を強調した。”リーグ最年長プレーヤー”を自負。46歳となった今季は出場機会も少なくなったが、「リザーブは慣れたもの」と大きな仕事をやってのけた。
とは言え、試合内容は褒められたものではなかった。最下位の中国電力を相手に序盤から守りで浮足立ち、あっさりとトライを奪われる。「一歩目の判断、動きがすべて遅れ、受けに回ってしまった」と小村淳ヘッドコーチ(HC)。スクラムで優位に立ちながらもコラプシングの反則を取られ、流れを相手に渡してしまうミスも。「収穫は勝ち点5を取れたことだけ。中身は全く評価できない」と喜べない初勝利となった。
トップリーグ昇格の可能性はなくなり、今後は上位チームとの得失点差を縮める戦いが続く。
高橋聡太郎(釜石出身)苦い初先発
初先発し、突進する高橋聡太郎
釜石高、明治大を経て釜石SWに入団した期待のルーキー高橋聡太郎(23)がフランカーで初先発したが、「チームを乱してしまった」と反省の多いデビュー戦となった。
新日鉄釜石で活躍した父善幸さん(釜石SW最高顧問)が見守る中、キックオフのボールをキャッチミス。これが相手の先制トライにつながった。
その後はスクラム、タックルで体を張り、ボールを持って突進する見せ場もあったが、「ミスを引きずってしまった」と浮かない表情。「社会人のプレーにはだいぶ慣れてきた。今後も出場できるよう、一つ一つのチャンスをものにしていきたい」と自分に言い聞かせるように話した。
(復興釜石新聞 2017年10月25日発行 第633号より)
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