愛称は『TETTO(テット)』、三陸鉄道 記念列車を運行〜建設中の市民ホール、森さん(双葉小4年)「鉄都」表す
完成間近の市民ホール。愛称は「TETTO」
釜石市大町に建設中の釜石市民ホールの愛称命名式(市、釜石まちづくり会社主催)が22日、鈴子町の三陸鉄道南リアス線イオンタウン釜石駅で開かれた。愛称は700通を超える応募の中から「TETTO(テット)」に決まった。愛称を基にデザインしたロゴマークも発表。これを記念し、三鉄南リアス線は愛称とロゴをあしらったヘッドマークを装着した臨時列車を運行した。
愛称は5月15日~6月30日まで公募。全国から775通の応募があり、約400種の名前が集まる中、双葉小4年の森美惠(みさと)さん(10)が寄せた「TETTO」を採用した。名称には2つの意味が込められていて、一つは釜石と鉄の深いつながりを表した「鉄都」。もう一つは同ホールの建築の特徴でもあるガラスの屋根にちなんだもので、イタリア語で「屋根」を意味する「tetto」という音の響きも重ねたという。
ロゴマークは8月に実施した釜石高、釜石商工高の生徒と岩手大生による共同制作プログラムの中で考案された。「鉄」をキーワードに、同ホール建設現場見学で得た鉄骨の印象をデザインに取り入れつつ、文化芸術の明るく前向きなイメージをオレンジ色で表現。にぎわいが作り出される「現場」との意味合いも盛り込んだ。
釜石市民ホールの愛称とロゴマークを発表する(左から)今出さん、森さん、野田市長、三鉄の中村一郎社長
式は、愛称とロゴ入りのヘッドマークを装着した臨時列車が待つプラットホームで行われ、命名者の森さん、ロゴ制作プログラムを代表して釜石高2年の今出実利(みのり)さん(17)、市関係者ら約40人が参加。野田武則市長は「鉄の歴史をひもときながら、つながりを生む施設への期待を込めた愛称、それにふさわしいマークも完成。新しいホールとともに親しみを持って末永く大事にしてほしい」とあいさつし、ヘッドマークを除幕した。
森さんは「家族と一緒に考えたものが選ばれてうれしい。自分でも気に入っているので、みんなにも分かりやすい愛称だと思ってもらえたら、いいな」と感想。今出さんは「シンプルな中にしっかり意味を込めるのが大変だった。ずっと残るものなので頑張ったかいがある。いい経験になった」と振り返った。
臨時列車には、限定配布された無料乗車券を持つ市民ら約30人が乗り込んだ。上中島町の小澤瑞枝さん(48)は、若者たちの意見を取り入れた愛称とロゴに親しみを持った様子。合唱に取り組んでいることもあり、「広い場所で歌える日が待ち遠しい。見るたびにできてくる建物にわくわくする日々」と期待感をにじませた。
完成間近の同ホールは12月にプレオープンを予定。市では愛称やロゴマークをホームページや印刷物などで広く発信し認知度を向上させるとともに、施設の設置による文化芸術振興、にぎわい創出に向けた取り組みも進める考えだ。
(復興釜石新聞 2017年10月25日発行 第633号より)
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