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釜石市民ホールの“こけら落とし”を祝う40回目の「かまいしの第九」。800人余りの聴衆も一つになった

新ホールに響く復興の「第九」〜思いはひとつ「歓喜の歌」、釜石市民ホール“こけら落とし”

釜石市民ホールの“こけら落とし”を祝う40回目の「かまいしの第九」。800人余りの聴衆も一つになった

釜石市民ホールの“こけら落とし”を祝う40回目の「かまいしの第九」。800人余りの聴衆も一つになった

 

 釜石市民ホール(愛称TETTO)の完成を祝うベートーベン「第九」演奏会(同実行委員会主催、釜石市、市教委共催)は10日、大町の同ホールで行われた。1978年、旧市民文化会館の落成を記念し「かまいしの第九」がスタートして39年。ちょうど40回目の節目の演奏会はくしくも、旧会館に代わる新ホールの“こけら落とし”と重なった。人と人、地域と地域、時代と時代をつなぎながら長く続いてきた釜石市民の第九。東日本大震災の惨禍を乗り越え、前に進もうとする市民の熱い思いを乗せ、新しいホールいっぱいに「歓喜の歌」が響き渡った。

 

開演の1時間以上も前から列をつくり入場を待つ市民ら

開演の1時間以上も前から列をつくり入場を待つ市民ら

 

くしくも40回の節目と重なる

 

 会場のホールA(大)は800人余りの聴衆でほぼ満席。旧市民文化会館の開館式典で演奏されたファンファーレの旋律が20人のメンバーで再現され、演奏会は華やかに開幕した。

 

再現された開幕のファンファーレを演奏するメンバー

再現された開幕のファンファーレを演奏するメンバー

 

 最初のステージでは甲子中(小林智校長、生徒164人)の全校生徒が校歌など2曲を演奏。続く「第九」では、48人編成のオーケストラに合わせ、約160人の合唱メンバーが壮大な歌声を響かせた。アンコールの声に応え、客席の市民も一緒になって「歓喜の歌」を演奏。拍手はいつまでも鳴りやまなかった。

 

開館記念のステージで高らかに校歌を歌う甲子中の全校生徒

開館記念のステージで高らかに校歌を歌う甲子中の全校生徒

 

 合唱メンバーの中には震災からの復興事業に力を尽くしてきた人の姿もあった。今年10月まで建設会社の現場監督として嬉石町や松原町でかさ上げ工事に従事した相見秀毅さん(52)=さいたま市=は「感激もひとしお。温かく迎え入れてくれた釜石とは今後もつながりを大切にしたい」。来年からは釜石と縁のある東京都荒川区の第九に参加すると気持ちを固めている。

 

 3年前、志願して大阪府から沿岸広域振興局に派遣された為実一之さん(50)は釜石に来て初めて第九と出会った。「新しいホールで歌えて感無量。こみ上げるものがあった。釜石の第九からたくさんのものをもらった。感謝の気持ちしかない」と思いをかみしめた。来年春には大阪に戻る。 

 

 初めて第九に足を運んだ定内町の県職員生田輝久さん(24)は「素晴らしかった。震災後も絶やすことなく演奏を続けてきた方々に感謝の思いでいっぱい」と、たたえた。

 

復興への熱い思いを込めた第九に拍手を送る市民ら

復興への熱い思いを込めた第九に拍手を送る市民ら

 

 第九と甲子中の合唱に“ダブル出演”した石山友里花さん(2年)の母秀子さん(46)は「こけら落とし公演の出演は一生心に残る大切な思い出になったと思う。貴重な経験を将来に生かしていってもらえたら」と願った。

 

記念のステージに孫と一緒に立った合唱メンバーも

記念のステージに孫と一緒に立った合唱メンバーも

 

 今年9月に急逝した釜石市芸術文化協会会長、岩切潤さん(享年82)の妻久仁さん(74)は、メンバーの一人が「岩切さんのネクタイを胸に歌いたい」と借りにきたことを明かし、「もう泣けてきてね…。きっと皆さんと一緒に歌っていたのでは」と胸を熱くした。

 

(復興釜石新聞 2017年12月13日発行 第647号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

開館を祝って関係者がテープカット

釜石市民ホール TETTO 開館 記念式典〜芸術・文化、にぎわい拠点へ

開館を祝って関係者がテープカット

開館を祝って関係者がテープカット

 

 釜石市が大町に整備を進めていた「釜石市民ホール(愛称TETTO)」が完成し、8日、開館記念式典が開かれた。釜石の文化の殿堂だった市民文化会館が東日本大震災で被災し使えなくなり、市民の文化芸術活動の場が十分確保できない状況が続いて6年余り。市民らは待ちに待った新たな文化芸術活動の拠点の完成を喜び、中心市街地のにぎわい創出の核となる施設の今後の展開にも期待を膨らませた。

 

 施設の特徴でもあるガラスの屋根が付いた北側広場でオープニングセレモニーを実施。駆け付けた大勢の市民が見守る中、関係者がテープカットし、新拠点の門出を祝った。

 

 記念式典は施設のメーンとなるホールA(838席)で行われ、野田武則市長は「釜石の新たな文化芸術の拠点であり、中心市街地復興の核となる施設。気軽に足を運べる、居場所のような空間として親しまれ、愛されてほしい」とあいさつ。施設の建設や開館に向けた取り組みに協力した個人、団体、業者に感謝状を贈った。

 

830人を収容できる「ホールA」で記念式典が行われた

830人を収容できる「ホールA」で記念式典が行われた

 

 邦楽囃子方(はやしかた)の藤舎(とうしゃ)千穂さん(釜石生まれ)が「一番太鼓」を打ち鳴らし、新施設に息を吹き込んだ。大只越町出身の小井土文哉さん(桐朋学園大4年)はピアノ演奏を披露。「開館に合わせ演奏でき、とても光栄。復興が進んだ釜石でまた演奏したい」と感動を伝えた。

 

市民歌斉唱で新たな文化芸術拠点の門出を祝った

市民歌斉唱で新たな文化芸術拠点の門出を祝った

 

 1階のホールB(218席)では市内の音楽グループによるミニコンサート、ギャラリーでは「ありがとう市民文化会館展」、スタジオではデモンストレーションなど催しを用意。2階の和室では茶席を設け、市民をもてなした。

 

 近くの復興住宅で暮らす佐々木忠さん(80)は「立派だ。いろんな催しをやって人が集まるといい。生活の楽しみが増えた」とにっこり。中妻町の女性(69)は「上の席でもよく聴こえたし、ステージもよく見えた。わくわくした。催しがあったらまた来たい」と話した。

 

 市民ホールの玉ノ井衛館長は「人と文化をつなぐ、にぎわいの場所を市民と共に育てたい。地域の文化振興、発展を絶やさないようにしたい」と力を込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年12月13日発行 第647号より)

 

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共通ロビーに面するホールB(右側)は屋根のある広場とつながり、一体的な空間として利用できる

釜石市民ホール完成 文化の殿堂、にぎわい創出も〜ベートーベン「第九」で“こけら落とし”

中心市街地に完成した釜石市民ホール

中心市街地に完成した釜石市民ホール

 

 東日本大震災で被災し使えなくなった釜石市民文化会館に代わる施設として市が大町に整備を進めてきた釜石市民ホール(愛称TETTO)が完成し、8日に完成記念式典が行われた。あす10日には、“こけら落とし”公演としてベートーベン「第九」演奏会が行われる。中心市街地に建設されたホールは芸術文化活動の新しい拠点となるとともに、周辺にある大型商業施設や商店街と連動した、にぎわい創出の核としても期待が膨らむ。

 

可動席を採用 多目的仕様が可能に

 

 市民ホールは鉄筋コンクリート造り地上4階、地下1階建て、延べ床面積は約7千平方メートル。メーンのホールA(大)は838席で、1階の480席は可動式。可動席を取り外すと、共通ロビーと平土間式のホールB(小)につながり、物産展やスポーツイベントなど多目的の会場としても使える。1階にはこのほか中小3つのスタジオ(防音練習室)、ギャラリーなどがある。2階はホールAの固定席のほか、茶道・華道などに対応する和室、会議室など。3階には幼い子ども連れでも利用できる多目的鑑賞室も設けた。

 

838席のホールA。1階は可動席で、平土間の大きなイベントスペースになる

838席のホールA。1階は可動席で、平土間の大きなイベントスペースになる

 

 ホールB(218席)、スタジオ、ギャラリーはいずれもガラス張りで、ホールの外から中が見える形。パーティーなどにも利用できるホールBは、間仕切りを開放することで屋根のある広場と一体的な空間にすることもできる。

 

共通ロビーに面するホールB(右側)は屋根のある広場とつながり、一体的な空間として利用できる

共通ロビーに面するホールB(右側)は屋根のある広場とつながり、一体的な空間として利用できる

 

茶室などとして使える立派な和室

茶室などとして使える立派な和室

 

 市民ホールはaat+ヨコミゾ建築設計事務所が設計し、戸田建設と山崎建設が施工。総事業費は約56億円で、資材高騰などで当初の計画より約9億円増えた。

 

 あす10日午後1時半から行われる第九演奏会は、旧市民会館が開館した1978年から第九を歌い継いできた「かまいし第九実行委員会」が主催。奇しくも、ちょうど40回目の節目の公演と重なる。約160人の合唱メンバーと48人編成のオーケストラが共演。市民待望の新しい文化の殿堂の完成を、壮大な「歓喜の歌」で祝う。甲子中の全校生徒も出演する。なお、第九演奏会のチケットはすでに完売している。

 

 16日には、佐渡裕が指揮するシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会も行われる。

 

 グランドオープンは来年4月となるが、その前でもホールA・B、ギャラリーを除く施設は利用できる。問い合わせは釜石市民ホール(電話0193・22・2266)へ。

関連情報 by 縁とらんす
釜石市民ホール TETTO 公式サイト

(復興釜石新聞 2017年12月9日発行 第646号より)

 

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広報かまいし2017年12月15日号(No.1678)

広報かまいし2017年12月15日号(No.1678)

 

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

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【目次】
表紙:ミッフィーカフェかまいし クリスマスツリー点灯式
P02:復興整備で振り返る釜石の2017年
P04:市職員募集、防災士養成研修講座受講者募集
P05:市政功労者表彰、釜石市のふるさとCMが金賞を受賞
P06:平成28年度釜石大槌地区行政事務組合会計決算など
P07:市税等口座振替領収済通知書の一部廃止など
P08:まちの話題
P10:保健案内板
P12:市民の広場
P13:まちのお知らせ
P16:ラグビーワールドカップ2019™ミニ通信、年末年始の休館情報

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1214892_2596.html
釜石市

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挑戦し続けるまちと人の姿を描いた作品

「ふるさとCM大賞」金賞、主演の松田さんら受賞報告〜「傘寿おめでとう!80歳は挑戦します」来年1年間 テレビで放送

受賞報告した松田さん(中)、村上さん(右)

受賞報告した松田さん(中)、村上さん(右)

 

 「ふるさとCM大賞 in IWATE 2017」(岩手朝日テレビ主催)でこのほど、釜石市が制作した作品「傘寿おめでとう!80歳は挑戦します」が金賞(県知事賞)を獲得した。主演した中妻町の「バーバーショップマツダ」理容師の松田節子さん(80)、監督を務めた市広聴広報課の村上浩継さん(37)が4日、市役所の野田武則市長を訪ね、受賞を報告した。

 

 ふるさとCM大賞は、ふるさとの魅力を自ら発信し、地域の活性化につなげる狙いで、2002年に始まった。今回は県内30市町村が参加。11月26日に盛岡市で開催された最終審査会で各賞が決定した。

 

 受賞作品は、釜石市制施行80周年にちなんだ内容。艦砲射撃、地震、津波、森林火災、台風被害…さまざまな出来事、幾度となく襲う悲劇にも立ち上がり、挑戦し続けてきた釜石。震災で只越町にあった店舗を兼ねた自宅を失い、上中島町の仮設住宅で暮らしながらも中妻町に店舗を再建、現役理容師として店に立ち続ける80歳の松田さんの挑戦と絡めて、「前に向かっていく。挑戦し続ける」という釜石らしさを表現している。

 

 松田さんが挑戦したのは体操。股関節に人工関節を入れていて、動くのにしんどさもあるため、できずにいた。この撮影をきっかけに、月2回の体操教室に通うように。「縁あってやったことで、楽しい。足にもいいみたい。理容師としても、1本の毛が見えるうちは頑張りたい。人との付き合いも好きだから」と、明るい笑顔を見せた。

 

挑戦し続けるまちと人の姿を描いた作品

挑戦し続けるまちと人の姿を描いた作品

 

 15秒の作品の中では、画面いっぱいに映し出した松田さんの手のしわが時を物語り、時を刻むものとして、はさみの音を利用。傘寿(80歳)にちなみ、黄色い傘をアクセントとして画面に登場させるなど、遊び心も加えている。村上さんは「松田さんの自然な笑顔も好評で、釜石が歩んできた形が見えたと評価された」と振り返った。

 

 釜石市は14年から、「かまいしには“愛”がある」をテーマに、ふるさとCMを制作している。3部作の締めとなった昨年の作品は銀賞を受賞。今回は特にテーマを設けなかったが、村上さんは「やっぱり共通するのは、釜石への愛」と強調した。

 

 今回の審査会の模様は23日午後3時から同テレビで放送予定。金賞受賞に伴い、その特典としてCM作品は同テレビで来年1年間、150回放送される。

 

 なお、大賞には滝沢市が選ばれた。

 

(復興釜石新聞 2017年12月6日発行 第645号より)

 

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「ミッフィー」ほほ笑む2周年

「ミッフィー」ほほ笑む2周年、釜石情報交流センター利用好調〜市民ホールと相乗効果期待

大好きなミッフィーとの記念撮影を楽しむ家族連れ

大好きなミッフィーとの記念撮影を楽しむ家族連れ

 

 釜石市大町の釜石情報交流センターは3日、オープン2周年記念感謝祭を開き、さまざまな企画で来館者を楽しませた。同施設は2015年12月23日にオープン。「ミッフィーカフェかまいし」や多目的集会室「チームスマイル・釜石PIT」を中心に好調な利用を見せ、今年10月末時点で利用者数は12万人を超えている。

 

 感謝祭は同センター指定管理者の釜石まちづくり会社が主催。1階ラウンジには、ミッフィーの飾り付けを施した大きなクリスマスツリーが設置され、ぬいぐるみなどのミッフィーグッズ販売が行われた。普段、同センターでは販売していない13種類70点の商品が並び、午前9時の販売開始から早々に売り切れる商品もあった。

 

 人気を集めたのは、着ぐるみのミッフィーとの触れ合いタイム。この日は3回登場し、集まった家族連れらが握手や記念撮影で夢あふれるひとときを過ごした。家族5人で訪れた甲子町の福成美瑚ちゃん(2)は「ミッフィーちゃん、かわいかった」と目を輝かせ、母絵美さん(36)は「子どもに促されミッフィーカフェにはよく来ます。友人や子どものお母さん同士で集まることも。いつも楽しませてもらっています」とほほ笑んだ。

 

 同祭ではこのほか、パステルで仕上げるクリスマスカード作りやアニメ映画の上映が行われた。定額以上のカフェ飲食者やグッズ購入者には先着200人にミッフィーグッズのプレゼントもあった。

 

 震災後の交流、情報発信拠点としての機能を担う同センターは、年間利用者5万人を目標としていたが、16年度(16年4月~17年3月)は、目標を上回る約5万6千人を記録。17年度は4月から10月までで既に4万人を超えている。

 

 大型スクリーンやステージを備える釜石PITは、各種イベントとセミナーや研修会の利用割合がほぼ半々。2階の会議室は、市民活動から企業説明会まで幅広く活用される。無料のラウンジやスタディコーナーにもさまざまな年代の市民が足を運ぶ。

 

 今月8日には同センターに隣接する市民ホールが開館する。両施設が向かい合う屋根のある広場は、19年のラグビーワールドカップのファンゾーン会場にもなる予定。

 

 釜石まちづくり会社の下村達志総務課長は「これまでの利用者数は当初の予想以上。今後は市民ホールと連携しながら、まちのにぎわい拠点として相乗効果を生み出せれば」と意欲を高めた。

 

(復興釜石新聞 2017年12月6日発行 第645号より)

 

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釜石山岳協会60周年

釜石山岳協会創立60周年、震災乗り越え大きな節目〜五葉山山小屋改修も後押し

釜石山岳協会60周年

 

 釜石市内の登山愛好者らで組織する「釜石山岳協会」(菅原長一郎会長)は25日、同会の創立60周年記念式典と祝賀会を大町のホテルサンルート釜石で開いた。会員と来賓65人が出席。震災を乗り越え迎えた大きな節目に会員の思いもひとしおで、積み上げてきた歴史の重みを感じながら、会のさらなる発展を誓った。

 

 式典で菅原会長は会の活動実績を紹介し、「これからも山のロマンを追い続け、健全な登山活動の啓もうに努めたい」とあいさつ。長年にわたり組織の強化と安全登山、登山技術の普及に尽力した友菊忠男さん(78)=釜石岳友会会長=を功労者として表彰した。

 

 友菊さんは「加入団体が団結し、各種活動を行ってきたことが思い出される。花やパノラマなど山の魅力は尽きない。あと5年ぐらいは五葉山に登りたい」と80代現役に意欲を見せた。

 

 同協会は市内の山岳団体が集まり、1955年に創立。製鉄業の繁栄で、まちの人口がピークとなった頃には約10団体が加盟した。89年に協会体制を再構築。現在はアトラス山岳会(後藤好克会長、27人)、釜石岳友会(友菊忠男会長、25人)、シャモニー山岳同人(菅原長一郎会長、33人)の3団体に個人会員10人を加えた95人が加入する。

 

 長年にわたり、釜石、大船渡、住田の3市町にまたがる五葉山(標高1351メートル)を中心に活動を展開。毎年4月29日の山開きでは各地から訪れる登山者をサポート、夏山シーズンが終わる11月には登山道と山小屋の清掃活動に励む。熟練者は同山をパトロールする自然保護管理員や遭難救助会員としても活躍する。

 

 昨年から今年にかけては、老朽化が進む山小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」の改修促進協議会(会長=市川滋・同協会顧問)を関係団体と立ち上げ、署名募金活動を実施。3市町で組織する五葉山自然保護協議会(会長=野田武則釜石市長)に多額の寄付を行い、早期改修を求めてきた。

 

 式典に招かれた野田市長は「石楠花荘は改修への設計段階に入った。環境整備を進め、五葉山の素晴らしさを内外に発信していきたい」と協会との連携を願った。

 

 同協会は県山岳協会に役員を派遣し、岩手山の避難小屋管理などにも協力する。各団体は遠征登山を含む積極的な活動で、知識や技能の習得、健康増進、仲間との親睦を図る。3団体の交流登山も行う。

 

 海外の名峰登山も経験してきた菅原会長(77)は「ハードな挑戦も楽しんで登るのも続けてきたが、今の協会員は60代が中心。今後は若い人にどんどん入ってもらい、登山の面白さを伝えるとともに、将来の指導者育成にもつなげていきたい」と新たな目標を見据えた。

 

 2011年の震災で同協会では役員や会員7人が犠牲になった。60周年は本来、15年だったが、諸事情を勘案し記念行事は見送り、7回忌を迎えた本年に開催した。

 

(復興釜石新聞 2017年11月29日発行 第643号より)

 

復興釜石新聞

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かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

「ミッフィー」ほほ笑むマンホール、大町の歩道にふたを設置〜カードも作製、12月9日から配布

かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

 

 釜石市大町の歩道に、世界で知られるウサギのキャラクター「ミッフィー」をモチーフにしたマンホールのふたが設置され、24日、除幕式が開かれた。街のにぎわい創出、観光で訪れる人にもっと釜石を楽しんでもらうのを目的に、市が考案。このマンホールふたの「マンホールカード」も作製し、12月9日から配布する。

 

 ふたは釜石情報交流センター内にある「ミッフィーカフェ」前の歩道に設置された。直径約60センチ、重さ約40キロの鋳鉄製。中央部に白い樹脂で固めたプレートが取り付けられ、ミッフィーの顔と「MIFFY CAFE」の文字が描かれている。

 

 除幕式で、野田武則市長は「たくさんある釜石の良さを発信する一助になれば。観光の名物、新名所として見守っていきたい」とあいさつ。お手伝いにやって来た釜石小1年生13人と一緒に幕のひもを引き、関係者に完成したふたをお披露目した。

 

 かわいらしい顔がお目見えすると、児童らは歓声。ミッフィーが好きな藤原大吾君は「かわいかった。みんなに教える」と笑った。

 

 マンホールふたのデザインは全国に1万2千種類ほどあるとされ、景勝地や名産など「ご当地もの」を丁寧に描いた凝ったものも少なくない。近年、絵柄から歴史や文化がうかがえる「路上の文化物」として魅力を楽しむ愛好家が増え、海外からも注目されているという。

 

「MIFFY CAFE」と刻まれたマンホールのふた

「MIFFY CAFE」と刻まれたマンホールのふた

 

 マンホールカードは、GKP(下水道広報プラットホーム)が企画・監修するマンホールふたのコレクションアイテムで、マンホールふたを管理する都道府県や市町村とGKPが共同で作製したもの。マンホールの魅力を通じて下水道の役割などについて情報発信するとともに、観光振興につなげるという狙いで発行されている。

 

 ミッフィーをあしらったカードは2千枚作製。配布は12月9日からで、同センター内釜石まちづくり会社窓口に行くと、1人1枚を原則的に無料でもらえる。

 

 市ではこのほか、虎舞をあしらったマンホールふたのカードを作製する予定。2019年のラグビーワールドカップに向けて建設中の鵜住居復興スタジアムには、ラグビーにちなんだマンホールふたの設置を検討している。

 

(復興釜石新聞 2017年11月29日発行 第643号より)

 

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釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

《インタビュー》釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

 

12月8日、釜石市民ホールが開館を迎えます(グランドオープンは2018年4月)。釜石の文化・芸術の中心舞台だった釜石市民文化会館は、東日本大震災による津波で被災し、2015年3月に解体されました。それから約7年間、環境的な困難を乗り越え、工夫を凝らし活動を継続してきた市内の様々な団体の姿に、多くの皆さんが元気や勇気をもらってきたのではないでしょうか。

 

そんなこれまでの想いを受け止める場所となる、釜石市民ホール(愛称 TETTO)。主催する人、鑑賞する人、それぞれが様々な期待を寄せていることでしょう。そこで今回縁とらんす取材班は、二組の若い世代にインタビューをしてきました。

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

まずは、市民ホールの愛称“TETTO”の名付け親、森 美惠(みさと)さん 。(釜石市立双葉小学校 4年生)

 

市民ホールが出来たら、どんな事が楽しみですか?と聞くと、「前にやった、ミュージカルみたいな事をやってみたい!」と答えが返ってきました。

 

今年3月に市民ホールプレイベントとして開催された、「釜石こどもミュージカル~明けない夜はないから~」。美惠さんは、その中で、アナウンサーとチアリーダーの役を演じ、その時の楽しかった思い出が今も心に残っているそうです。

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

またそういうチャンスが来るといいね、と話していると、実はすでに市民ホールのステージに立つ日が予定されているとのこと。来年2月下旬に開催される釜石市郷土芸能祭に“八雲神楽”の一員として参加するそうです。

 

「お友達に“やってみない?”と誘われて、今年の釜石まつりで初めて踊りました。神楽は難しい踊りもあるけど、上手に出来ると嬉しいし、お客さんの前で踊るのが楽しみ。」と話してくれました。

 

市民の皆さんにも市民文化会館との素敵な思い出があると思います。特に小さい頃、観る側から初めてステージに立った体験は、忘れられない記憶として残っているのではないでしょうか?

 

やりたい事や夢を叶える場として、子ども達が舞台に上がる機会がたくさん訪れることを願います。

 

<釜石市民ホールの愛称 “TETTO”について>
愛称は、応募総数775件の中から、森美惠(もりみさと)さん(双葉小4年)の「TETTO(テット」)」が選ばれました。

 

「TETTO(テット)」には、釜石と鉄の深いつながりを表した「鉄都」と、釜石市民ホールと釜石情報交流センターをつなぐ広場上部のガラスから建物につながる「屋根」が建築の特徴でもあることから、イタリア語で屋根を意味する「tetto」の2つの意味が込められています。(釜石市HPより)

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 
そしてもう一組は、釜石の“劇団もしょこむ”。来年(2月~3月)の新作上演に向け、メンバーが集まった所へお邪魔して来ました。一番興味があったのは、“市民ホールの使い方”についてでしたが、先日、ちょうど施設を見学してきたばかりということで、具体的なお話を聞くことが出来ました。

 

「演技スペースの取り方も“自由自在”に出来る環境で、“ステージと客席”という固定概念を取り払って、使い方次第で色々と遊べそうですね。私たちが使うとしたら、ホールBかなぁという話をしていたのですが、全体がフラットになったり、広場やロビー側に面している部分もガラス戸になったり、開け放って隣の空間と繋がったりするので、単なる“壁”ではなく、“舞台装置”として使用する演出も出来るなぁと考えながら見学しました。ホール以外の場所も“ここを使ったらこんな事が出来るかも”とアイデアが浮かんで来ました。」

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 

そして、「地元の団体がメインで活動する場所になって欲しい」という事も改めて感じたそう。「今、岩手県の沿岸部で演劇の熱が高まってきています。劇団もしょこむは、“釜石で演劇が娯楽の一つとして定着して欲しい”という想いを持って活動していますが、自分たちの他にもどんどんと劇団が出てきて欲しいなと思っています。特に若い世代。演劇をしたいけど、高校に演劇部は無いし・・・と思っている高校生が居たら、一緒にやりましょう。」“楽しさ”が原動力という劇団もしょこむが、市民ホールを“自由自在”に使った舞台を届けてくれる日が待ち遠しくなりました。

 

気になる最新情報はこちらから。
劇団もしょこむ Facebookページ
https://www.facebook.com/moshokom/

 

<「劇団もしょこむ」について>
2015年3月釜石で旗揚げ。旗揚げ公演 「平行螺旋」は被災者のリアルな声を表現し注目を集め、1年をかけて、岩手県内(雫石、盛岡、遠野)、そして東京での旅公演を行う。空き店舗、商店街、映画祭、お花見会場等々、様々な場所を舞台にし、身近に演劇に触れる機会を届けている。

 

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さぁ、あなたは市民ホールでどんな事をしてみたい、どんな楽しみ方をしたいですか?それには、やはり現場を見ないと、ですよね!まずは、開館記念式典や施設見学会にお出掛けしてみませんか?

 

釜石市民ホールTETTO 開館記念式典

日時

12月8日(金) 10時から

場所

釜石市民ホールTETTO(釜石市大町1-1-9) 

プログラム(予定)

10時~ オープニングセレモニー (屋根のある広場)
10時10分~ 開場
10時30分~ 開館記念式典(ホールA) ※1時時間程度
 一番太鼓(藤舎千穂さん)
 ピアノ演奏(小井土文哉さん)
 釜石市民歌斉唱 他
= 式典終了後~14時まで施設内を見学できます =

入場

無料(満席の場合は入場をお待ちいただくことがあります)

その他

釜石市民ホールには駐車場がございません。公共交通機関をご利用いただくか、近隣の有料駐車場(市営大町駐車場など)をご利用下さい。

お問い合わせ

釜石市市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
TEO:0193-22-8835 / FAX:0193-22-3633

 

釜石市民ホールプレオープンイベント 施設見学会 OPEN TETTO

日時・内容

①2017年12月17日(日) 10:00~16:00
<ホールA:音楽ホール形式(音響反射板仕様)>
クラシック音楽や合唱などの演奏会などに使用されるスタイル
②2017年12月24日(日) 10:00~16:00
<ホールA:劇場形式(袖幕仕様)>
講演会や式典、ポップス・演歌などのコンサート、演劇などに使用されるスタイル
③2018年1月14日(日)  10:00~16:00
<ホールA+B:オールフラット形式>
ホールA~ロビー~ホールBまで平土間で繋がるスタイル
※当日、会場へお越しください。各日とも30分毎にスタッフがご案内いたします

見学方法

①受付で施設資料とパスカードをお受け取り下さい。
②見学順路に沿って施設内をご覧ください。
③見学コースの各ポイントで職員が施設の概要を説明します。
④施設利用相談コーナーでは、さらに詳しい内容を相談できます。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEO:0193-22-2266 / FAX:0193-22-3809

 

釜石市民ホールオープニングチラシ

釜石市民ホールオープニングチラシ

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市民ホールについての最新情報は、公式Facebookページ(公式サイトは近日OPEN予定)で随時発信されていますので、こちらもチェックしてください。

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

 

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

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【目次】
表紙:市道港町2号線の橋の名称が決まりました
P02:マイナンバー制度の本格運用が始まりました
P03:道路の除雪作業にご理解・ご協力を、住宅用新エネルギー導入支援事業費補助金 など
P04:釜石市民ホールTETTO「邦楽の調べ」三味線出演者を募集します、釜石市民ホールTETTOの施設見学会を開催します、釜石情報交流センター&ミッフィーカフェかまいしオープン2周年記念感謝祭
P05:魚河岸にぎわい創出施設検討委員会の委員を公募します、市道新町堤防線への切り替えのお知らせ、オリジナルフレーム切手を販売します
P06:今月のインフォメーション
P08:岩手大学地域連携フォーラムin釜石を開催します など

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1214490_2596.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

ラグビーW杯へカウントダウン〜市役所前に表示板、盛り上げに大きな力

 ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

 

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催に向け、釜石市で1戦目の試合が行われるまでの残り日数を表示するカウントダウンボードが釜石市役所にお目見えした。釜石での第1戦まで672日となった22日に除幕式が行われ、野田武則市長が市職員らにアピール。「選手が最高のコンディションで戦える環境、来訪者に喜んでもらえるおもてなしができるまちづくりを進めていこう」と呼び掛けた。

 

 市役所本庁舎正面玄関前に設置されたボードは縦1メートル20センチ、横1メートル60センチ。発光ダイオード(LED)で文字を表示する電光板が取り付けられ、大会までの日数を周知する。30分に1回、大会キャッチコピー「4年に一度じゃない。一生に一度だ。ONCE IN A LIFETIME」がスクロール表示される。事業費は230万円で、ラグビーW杯2019釜石開催実行委員会事業として実施した。

 

 除幕式で、野田市長は「震災被災地、東北6県の代表としての開催で、日本のみならず世界からいただいた支援に対し、ラグビーを通じて感謝を伝え、復興の姿を見せる機会になる。意義、目的を確認しながら、期待を持ってW杯を迎えてほしい。来庁した市民の目に触れ、盛り上がりにつながれば」と期待した。

 

 W杯の周知、機運醸成を狙いにしたカウントダウンボードについて、釜石商工高生も製作を進めており、12月に釜石市民ホールに設置する予定。ラグビーW杯2019アンバサダーの桜庭吉彦さん(釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャー)は「W杯開催までの具体の日数が見え、開幕に向けた盛り上げの大きな力になる」と話した。

 

 釜石では、建設中の「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」で2試合が行われる。9月25日にフィジーとアメリカ地区2位が、10月13日にアフリカ地区1位と敗者復活戦勝者が対戦する。

 

(復興釜石新聞 2017年11月25日発行 第642号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

高炉稼働時代の森を復元、「橋野」で育樹祭〜釜石市と国 共同事業

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

 

 ユネスコ世界遺産の橋野鉄鉱山で、鉄を生産していた160年前の森を復元する「稼働時代の森づくり育樹祭」が18日、釜石市橋野町の現地で行われた。市と周辺の国有林を管理する林野庁東北森林管理局三陸中部森林管理署(大船渡市、畠沢重年署長)が共催。100年をかけて針葉樹と広葉樹の豊かな森をつくる壮大なプロジェクトがスタートした。

 

 育樹祭は、橋野町青ノ木の第一高炉跡の東側にあるスギ林(約1・2ヘクタール)で行われた。樹齢12年の高さ8ヘクタールほど、胸高径12センチ前後の約3千本が育つ。市産業振興部の似内敏行部長ら市職員、森林管理署職員、同署管内の林業関係者、県職員のほか、地元橋野町や栗林町などから市民ボランティアを含む小学生から80代まで約60人が参加した。

 

 背の高さまで枝打ちしたほか、生育不良木を除伐。多くはのこぎりで作業し、根元から曲がって隣の木に掛かった数本を伐り倒した。

 

 枝打ちは、木肌を整え付加価値を高めるために欠かせない。最後にシカの食害から守る防除ネットを幹に巻き付け、約1時間の作業を終えた。

 

 稲作のほか山林も所有する栗林町の川﨑正次郎さん(77)は「それぞれができることをして協力しないと。地域の多くの人がかかわれば、遺産の関心が高まり、お客さんも呼ぶことができる」と活動の意義を語った。

 

 息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

 

 畠沢署長によると、間伐は20年に1回をめどに繰り返し、50年後に伐期を迎える。針葉樹と広葉樹の「混交林」は製鉄に欠かせなかった木炭の原料を提供するとともに、建屋など関連施設の建設にも活用された。スギ林を管理し続けることで、徐々にかつての自然林のサイクルを取り戻す。

 

 畠沢署長は参加者に感謝し、「しっかりと森林を管理し、橋野鉄鉱山に多くの人が訪れるよう協力したい」と意欲を伝えた。

 

(復興釜石新聞 2017年11月22日発行 第641号より)

 

復興釜石新聞

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