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分列行進、放水訓練4年ぶりに 釜石市消防団消防演習 団員ら防火、防災へ志高く

4年ぶりに分列行進を行った釜石市消防団消防演習=5月28日

4年ぶりに分列行進を行った釜石市消防団消防演習=5月28日

 
 釜石市消防団(坂本晃団長、団員533人)は5月28日、2023年度の消防演習を市内3会場で行った。新型コロナウイルス感染症の影響で20年度以降、中止や規模を縮小しての開催となっていたが、本年度は分列行進や放水訓練を再開。団員らが士気を高めるとともに、市民への防火思想の普及を図った。
 
 鈴子町の消防庁舎駐車場で行われた開会行事には団員310人と来賓、関係者55人が参加した。東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた後、統監の野田武則市長が訓示。地震や集中豪雨など大規模自然災害への対応、火災予防や早期鎮圧という消防任務の重要性を改めて示し、「有事の際、何よりも頼れるのは地域の消防団。より一層、火災予防啓発活動や日ごろの訓練に精励されるよう願う」と述べた。
 
統監の野田武則市長の訓示(左下写真)を受け、気を引き締める団員ら

統監の野田武則市長の訓示(左下写真)を受け、気を引き締める団員ら

 
姿勢を正し敬礼。真剣なまなざしで演習に臨む

姿勢を正し敬礼。真剣なまなざしで演習に臨む

 
 災害現場や火災予防で優秀な活動をした団員や部をたたえる「釜石市長表彰」では、14人の団員に功績章、5つの部に竿頭綬(かんとうじゅ)が贈られた。在職3年以上で職務精励、消防技能に優れた団員8人には「市消防団長表彰」として精勤章が授与された。
 
 本年度の新入団員は5人。代表の第5分団第2部の佐々俊樹さん(26)が坂本団長から辞令を受け、「良心に従って誠実に消防の義務を遂行する」と宣誓した。最後に、統監らによる観閲が行われ、整列した団員の服装などを見て回った。
 
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竿頭綬を受ける各部の代表ら/左下写真は功績章(右)、精勤章の授与

 
新入団員を代表し辞令を受けた第5分団第2部の佐々俊樹さん(手前)

新入団員を代表し辞令を受けた第5分団第2部の佐々俊樹さん(手前)

 
統監を先頭に行われた観閲

統監を先頭に行われた観閲

 
 分列行進は大町の目抜き通りで行われた。4年ぶりのパレードを見ようと沿道に集まった市民らを前に、参加した全団員と消防車両38台が整然と行進。坂本団長以下団本部、各分団が訓練で培った規律ある行動を見せ、団の心意気を示した。市内9小学校、1中学校が加入する市少年消防クラブから児童生徒12人も行進に加わった。
 
坂本晃団長(左)のもと分列行進を行う団員/市少年消防クラブの児童生徒も行進し、防火思想の普及に協力(右下写真)

坂本晃団長(左)のもと分列行進を行う団員/市少年消防クラブの児童生徒も行進し、防火思想の普及に協力(右下写真)

 
久しぶりの分列行進で士気を高める団員ら

久しぶりの分列行進で士気を高める団員ら

 
 初めて分列行進を見学した平田の菊池さやかさん(38)は団員や消防車両の数に驚き、「これだけ多くの方が市の消防のために働いてくれていることを知り、とても安心したし、頼もしいと感じた。震災で被災した時は消防団の方々に大変お世話になった。若い世代の団員がもっと増えて活躍してくれたらいいですね」と期待。消防車が大好きという長男創太ちゃん(2)はたくさんの車両に大興奮。「かっこよかった」と目を輝かせた。
 
消防車はライトを点滅させながらゆっくりと進む

消防車はライトを点滅させながらゆっくりと進む

 
圧巻の車列に沿道の子どもたちは大喜び。盛んに手を振って応援

圧巻の車列に沿道の子どもたちは大喜び。盛んに手を振って応援

 
 演習の最後は放水訓練。千鳥町の甲子川河川敷に8つの分団の車両が一列に並び、川に向かって一斉に放水した。団員らは訓練で身に付けた技能を発揮。火災発生時の消火活動を迅速、確実に行うことへさらなる意識を高めた。
 
放水訓練も4年ぶりの実施。高々と水柱が上がる(写真提供:釜石市消防課)

放水訓練も4年ぶりの実施。高々と水柱が上がる(写真提供:釜石市消防課)

 
 釜石市内では今年に入り6件の火災が発生。3月の建物火災で1人が亡くなっている。発生件数は昨年1年間の5件を既に上回っており、団や消防本部ではさらなる予防、警戒活動へ気を引き締める。

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「出発合図はエール」藤井叡王、小山四段(釜石出身) 三鉄・宮古駅に登場【釜石新聞NewS記者レポート】

笑顔で敬礼!藤井聡太叡王(中)と小山怜央四段(右)

笑顔で敬礼!藤井聡太叡王(中)と小山怜央四段(右)

  
 5月下旬、将棋の8大タイトルの一つ叡王戦5番勝負の第4局が岩手県宮古市で開かれた。6冠を保持する藤井聡太叡王(20=竜王、王位、棋王、王将、棋聖)が来県するとあって現地は大盛り上がり。そして、大盤解説を担当するのが、釜石市出身で棋士編入試験を突破してプロになったばかりの小山怜央四段(29)となれば、同じ沿岸・三陸地域からも熱視線があったはずだ。記者も気になってはいたが、取材範囲外の地域での話題と一歩引いていた…。そこへ届いた「叡王戦対局者の訪問」という三陸鉄道(本社・宮古市)からの情報。2人が一日駅長を務めるとあって「これ、チャンス」とミーハー心全開で行ってきた。
   
 三鉄訪問は、第4局から一夜明けた5月29日。午前9時20分過ぎ、三鉄の制服に身を包んだ2人が宮古駅近くの車両基地に姿を見せた。2度にわたる「千日手」指し直しで長丁場となった熱戦を制し、3連覇を達成した藤井叡王に疲れた様子は見えなかった。むしろ、にこやかな表情。鉄道好きとして知られており、実際の車両に乗り込んで運転体験したり、車輪などをのぞき込んだり、ウキウキ感たっぷりな姿がほほ笑ましかった。
   
三陸鉄道職員の案内で車両基地を見学。運転も体験したり

三陸鉄道職員の案内で車両基地を見学。運転も体験したり

  
敬礼!三鉄の車両前でびしっとポーズを決めた

敬礼!三鉄の車両前でびしっとポーズを決めた

   
 近くの宮古駅に移動し、ホーム上で三鉄の石川義晃社長から一日駅長のたすきを託された藤井叡王。あいさつを求められると、「ん~…」。映像などでよく目にする、少し間をとって考えを巡らせているようなしぐさを生で拝見。そして続く言葉。「三鉄さんは震災後いち早く運転を再開させ、三陸地域の復興の象徴だと思う。(一日駅長を)しっかり務めたい」。この受け答えに記者は、情報を整理して言葉を選び出したのだろうと、一人感心した。
  
進行!三鉄宮古駅の一日駅長として出発の合図 

進行!三鉄宮古駅の一日駅長として出発の合図

   
 午前10時30分、釜石方面行きの発車ベルが鳴ると、小山四段とともに右手を高く上げて出発合図をし車両を見送った。記念撮影に応じたり終始にこやかな藤井叡王。「制服もズボンまで一式用意していただいて、ここまで本格的とは思っていなかった」とうれしそう。声が小さいとの印象があったが、楽しい気持ちが乗った時の声はよく聞こえた。車両基地前構内での運転体験のこと。「まさか…本当に実際の車両でやると思っていなかった。運転免許を持っていないのでいいのかなと…。緊張したが、すごく素晴らしい経験ができた」。ちゃめっ気たっぷりに話し、周囲の笑いを誘った。
   
 「本当に大変な将棋で、苦しい場面も少なからずあったが、その中でなんとか勝ち、防衛できてとてもうれしい」と前日の戦いを振り返っていた藤井叡王。三陸の食も楽しみながら、つかの間の休息を楽しんだ様子。一日駅長の役目を終えると、市庁舎などが入る複合施設イーストピアみやこ前から次なる勝負の場へ向かった。
   
イーストピアみやこに集まった大勢の市民らが藤井叡王を見送った

イーストピアみやこに集まった大勢の市民らが藤井叡王を見送った

   
 そして、釜石市民が注目するのが、4月に本県初の将棋のプロ棋士となった小山四段。デビュー戦は5月23日。ヒューリック杯第95期棋聖戦の1次予選トーナメント1回戦で室岡克彦八段(64)と対戦し、見事勝利。初陣を白星で飾った。
   
 その後に臨んだのが今回の大盤解説。「2回の千日手という大熱戦。最後まで仕事をやり遂げたことにほっとしている」と胸の内を明かした。対局場に足を踏み入れる機会があったといい、「素晴らしく緊張感のある場で、いつか私もその場に立ちたいという気持ちが新たに芽生えた」と刺激を受けた様子。宮古での将棋タイトル戦は10年ぶりだったが、「次は対局者として来れたら最高」と目の奥に熱い闘志を感じた。
   
三鉄の名札を手に「貴重な体験だった」と話す小山四段

三鉄の名札を手に「貴重な体験だった」と話す小山四段

   
 三鉄訪問では「藤井叡王に便乗して体験できたことだが…」と控えめな小山四段。人の話に耳を傾けて言葉を選んで丁寧に受け答えする姿や、冷静な中にも熱いものを持つ雰囲気など、「藤井叡王と似ているのでは」と感じることもあった。勝負の世界は険しいと思うが、地元出身の身近な存在として小山四段を応援し続けたい。そう思った。
   
一日駅長を務めた2人に感謝する石川義晃社長(右)

一日駅長を務めた2人に感謝する石川義晃社長(右)

   
 「2人の出発合図は震災を経験し、今もなお三陸地域の復興に取り組む全ての人たちのエールにもなる」と石川社長。一目見ようと多くの人が集まった宮古駅周辺。勝負の世界で活躍する人、夢を諦めず実現する人、頑張る若者―そうした存在が地域に活力をもたらすことを実感した一日だった。
 

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クマ出没注意!釜石でも 目撃相次ぎ、地元猟友会「ほぼ毎日出動」~県内、被害増で7年ぶり警報も

釜石市只越町で目撃されたクマ=5月26日午後4時頃、市提供

釜石市只越町で目撃されたクマ=5月26日午後4時頃、市提供

  
 釜石市内では5月以降、クマ(ツキノワグマ)の目撃情報が相次いでいる。25日までに34件の情報が寄せられ、その後も連日、防災行政無線での注意喚起が続く。26日には只越町の市役所前にクマ1頭が出没、約3時間後に捕獲という緊張を強いられる状況が発生。人や施設などの被害は報告されなかったが、市は警戒を呼びかける。岩手県内では人身被害が多発していることから、全域に「ツキノワグマの出没に関する警報」が発令中。2016年度以来7年ぶりで、今回で2回目となる。
   
 5月26日、午後4時過ぎの釜石市内に響いた防災無線。「本日、午後3時半頃、市役所付近でクマが目撃されています」。現場は、こども園や復興住宅がある市街地。釜石署が市役所前の市道の通行を一時規制したほか、住民に屋内にとどまるよう注意を呼びかけるなどし、周辺は騒然とした。
   
釜石市役所前の道路を封鎖し、ワナを設置して捕獲を試みた

釜石市役所前の道路を封鎖し、ワナを設置して捕獲を試みた

   
 クマは市役所前のアパート駐車場に逃げ込み、居座った。釜石署員や市職員、猟友会など総勢約20人が周囲を取り囲み、ワナを仕掛けてクマを誘導。同6時40分頃に捕獲した。クマは体長1メートルほどで、成獣とみられる。
   
市役所前にあるアパートの駐車場に居座るクマ=5月26日午後4時頃、市提供

市役所前にあるアパートの駐車場に居座るクマ=5月26日午後4時頃、市提供

  
成獣と見られるクマ。約3時間後に無事捕獲された=5月26日午後4時頃、市提供

成獣と見られるクマ。約3時間後に無事捕獲された=5月26日午後4時頃、市提供

   
 市によると、クマの目撃情報は4月が17件だったが、5月に入ると増加。釜石大槌猟友会の舘鼻春雄会長(71)も「ほぼ毎日出動している」と話す。目撃場所も橋野、鵜住居、唐丹、大平、甲子、小佐野、定内と市内一円にわたり、対応の難しさをにじませる。加えて、「山に餌となる木の実が少ないようで、ふんを見ると葉を食べている形跡があった。また市街地に姿を現す可能性がある」と指摘。残飯などを屋外に置かないことや、果樹は実を付けたままの状態にしないことなど、クマを寄せ付けない対策を求めた。
   
捕獲したクマをドラム缶のワナごと搬出。舘鼻さん(写真左)はクマを寄せ付けない対策を呼びかけた

捕獲したクマをドラム缶のワナごと搬出。舘鼻さん(写真左)はクマを寄せ付けない対策を呼びかけた

   
 同日、県はクマ警報を発表した。県自然保護課によると、本年度の人身被害は8件9人(26日現在)と、前年度同期(4件5人)を上回るペースで発生。うち5件6人が山菜採りの際の被害だった。こうしたことから、注意喚起のため4月18日に出していた注意報を警報に切り替えた。
   
 山に入ることはクマの生活場所に入ること―。県は「山林はクマとの遭遇リスクが高く、入山の必要性を十分に検討して」とする。入山時の対策として、▽地域のクマ情報の事前確認▽複数人で行動し、鈴やラジオなどを携行▽撃退グッズ(忌避スプレー、鉈など)の携帯―などを挙げる。もし遭遇してしまったら、▼持ち物を静かに置いて、目を離さず静かにゆっくり後退する▼クマとの間に木や岩を挟むようにする―といった対策を講じ、至近距離の場合には「致命傷を避けるため両腕で顔面や頭部を覆ってうつぶせになる」などの対策を呼びかける。
 
 

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コーバ釜石が5周年 大観音仲見世通り シェアオフィスで「よりヘビーな関係づくりを」

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

5周年を迎えた「コーバ釜石」に集う利用者ら

  
 釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りにあるコワーキング・シェアオフィス「co-ba kamaishi marudai(コーバ・釜石・マルダイ)」が5周年を迎えた。運営する一級建築士・宅建士の宮崎達也さん(51)=宮崎建築事務所代表取締役=によると、現在の会員数は12人(事業者を含む)、法人登記するのは5社。働く人や挑戦する人らが集う場として、人の流れを生み出しているという手応えを感じている。こうした動きを同通り全体に広げようと奮闘する。
   
コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

コーバ釜石を運営する宮崎達也さんが将来を展望した

  
 5月20日に開かれた5周年イベントで、宮崎さんは「働くことが楽しいと思ってもらえるよう、新しい働き方を提供したい。仲見世ビジョンとしては、観光で釜石を元気にすることを目指す」と力を込めた。
   
 1970年代に形成された仲見世通り商店街は20店舗以上が軒を連ねたが、閉店が相次ぎ、2017年12月には稼働店舗がゼロとなった。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた通りに着目した若者の一人が宮崎さん。東日本大震災の復興に携わるため三重県から来釜し、土産物店だった木造2階建ての物件を仲間と共に改修して18年5月にコーバ釜石をオープンさせた。
  
釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

釜石大観音仲見世通りに明かりをともすコーバ釜石

  
 1階の半分と2階を個人事業主などが複数入居できるシェアオフィスとし、プリンター、Wi-Fi、キッチンなどを装備。テーブル席のほか、カウンター、ソファ席もあり、多様な働き方に対応する。2階はイベント会場としての貸し出しも可能で、落語会やセミナーなどを開催。1階にあるギャラリースペースではアート展などが催された。
  
 三重と釜石の二地域居住(二拠点生活)を続ける宮崎さん。コロナ禍で変化した働き方を受け、自身と同じような働き方、場所や時間にとらわれず働くリモートワーカーを増やすことを思い描く。「会員制のスポットだが、地域の人に広く知ってほしい。コミュニティーの広がりを感じ、地域のやりたいことができる場所として運営していきたい」と展望。本業の傍ら、同通りを再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手がけていて、「これまでよりもヘビーな関係づくりができるよう仕掛けていきたい」と継続を視野に入れる。
  
さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

さまざまな体験を行うイベントスペースとしての活用も可能だ

  
 記念イベントに集まった約20人がその思いに耳を傾けた。大槌町でデザイン会社「RAYLAB(レイラボ)」を経営する平舘豊さん(43)は仕事に集中したい時や打ち合わせ場としてコーバを利用。「24時間利用可能だったり、他業種の人と出会えて事業に新たな展開を見いだせたりすることも。すてきな場所」と喜ぶ。同通りがにぎやかだったことを覚えているといい、「ここを拠点に活性化されれば、うれしい」と見守った。
   
 コーバ釜石の情報は、ウェブサイトで見ることができる。

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*花*いっぱいの園で心の成長を 上中島こども園児 地域の造園業者の協力で植栽活動

いろいろな種類の花に興味津々!上中島こども園の植栽活動=18日

いろいろな種類の花に興味津々!上中島こども園の植栽活動=18日

 
 釜石市上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児48人)で18日、園児らによる花苗の植栽活動が行われた。園児の保護者で、源太沢町で造園業「緑仁舎」を営む木村仁寿さん(43)の提案で実現。園児らは色とりどりの花に目を輝かせながら、力を合わせてプランターに苗を植え付けた。今後、水やりなどの世話もして大切に育てる。
 
 木村さんと同社の女性スタッフ3人が園を訪問。作業を行う2~5歳児を前に木村さんは、国内には約20万種の花があり、品種改良などで毎日その種類が増えていることを紹介。「木や花には皆さんと同じ心があり、人の手を通していろいろなことを感じ取ります。声をかけて植えてあげると、元気をもらってどんどん大きくなります。自分の大切な人、大好きな人のことを思い浮かべて植えてみよう」と呼び掛けた。
 
花苗の説明をする木村仁寿さん(上段左から2人目)。園児らは元気に「よろしくお願いします」

花苗の説明をする木村仁寿さん(上段左から2人目)。園児らは元気に「よろしくお願いします」

 
 この日用意された花苗はマーガレット、ラベンダー、ゼラニウムなど色違いも含めて15種類ほど。園児らは3人一組になり作業を開始した。プランターに土を半分ほど入れた後、好きな花を選び配置。倒れないように根元にたっぷり土をかぶせた。15のプランターを完成させた園児らはきれいな姿に大満足。クラスごとに記念写真を撮るなどし、春の思い出を胸に刻んだ。
 
プランターに土を入れる作業から開始。スコップを使ってうまくできるかな? 

プランターに土を入れる作業から開始。スコップを使ってうまくできるかな? 

 
数種の花を寄せ植え。根元に土を入れて固定した

数種の花を寄せ植え。根元に土を入れて固定した

 
 「元気に育ってねー」。やさしく声をかけながら土を押さえる

「元気に育ってねー」。やさしく声をかけながら土を押さえる

 
 藤原眞白君(5)は「ピンクと紫のお花を植えた。スコップで土をかぶせるのが楽しかった。大きく育ってほしい」、寄松結ちゃん(5)は「たくさんのお花を見てうれしい気持ちになった。『元気になあれ、大きくなあれ』と声をかけてあげた」と成長を楽しみにした。
 
 同園は甲子川沿いに位置し、対岸に山を臨む豊かな自然環境に囲まれる。園児らは散歩の際に足元の花や昆虫などにも興味を示しているという。楢山園長は「木村さんには素敵なお話をいただいた。植物との触れ合いは情操教育にもつながる。お世話をすることで優しい気持ちが育っていけば」と期待を寄せる。
 
 「ちゃんと植えられたよ」。きれいな花のプランターに大満足の園児

「ちゃんと植えられたよ」。きれいな花のプランターに大満足の園児

 
 同活動は3年前に一度計画したが、新型コロナウイルス禍で実施がかなわなかった。コロナの収束傾向で本年度の園行事を見直す中、話が再浮上。3年越しの実現に木村さんは「子どもたちが喜んでくれて良かった。大人になっても花や草木を大切にする気持ちを持ち続けていってほしい」と願った。この日は園に花の種もプレゼント。園舎玄関用にフラワースタンドも制作して設置した。
 
約1時間の作業で15のプランターを完成させた

約1時間の作業で15のプランターを完成させた

 
夏のような暑さの中、「みんなで頑張りました」

夏のような暑さの中、「みんなで頑張りました」

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かまいし学生エール便 2023

 

今年で4回目となる「かまいし学生エール便」は、学生のみなさんに市内事業者の商品詰め合わせをお送りするものです。釜石市は、学生のみなさんが有意義な学生生活を送れるよう、応援しています!
 
※本事業は(株)かまいしDMCに委託しています。
申込によって取得したデータは、市と(株)かまいしDMCが適切に管理いたします。

対象者

①釜石市出身の学生(大学、大学院、短大、専門学校、高専、予備校等)
※住民票を移した方、移していない方、どちらでも対象です。
②岩手大学釜石キャンパスに通う学生

 

お問い合わせ例
・実家は釜石だが、住民票を移して自分が世帯主。
 ⇒対象です。
・実家は釜石。今学生だがひとり暮らしではない(寮、下宿)。
 ⇒対象です。
・実家は釜石だが、市外の高校を卒業した。
 ⇒対象です。
・実家は釜石だが、市外の高校に通っている。
 ⇒申し訳ありませんが、高校生以下は対象外です。
・市外の実家から釜石市内の高校に通った。
 ⇒申し訳ありませんが、対象外です。
・実家は釜石で、岩手県内の大学に通っている。
 ⇒対象です。
・オンライン授業のため釜石の実家にいて、戻る時期未定。
 ⇒受付期間内に戻らない場合は、実家の住所で申し込んでください。

受付期間

令和5年6月1日(木)から6月30日(金)

申込み方法(申込フォーム)

申込フォームから、必ず学生本人がお申込みください。
(かまいしDMCのホームページ内)
※6/1より受付開始します。

学生のみなさんへお願い

本件をまわりの釜石出身の学生の方へお知らせください!

詰め合わせ商品イメージ

通常セット(イメージ)

通常セット(イメージ)

 

レディースセット(イメージ) ※生理用品は袋に入れて同梱となります。

レディースセット(イメージ) ※生理用品は袋に入れて同梱となります。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 U・Iターン推進係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-7222 / Fax 0193-27-6277 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023052300049/
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守る!国蝶オオムラサキ舞う地域 釜石の自然保護団体 日向ダムにエゾエノキ植樹

エゾエノキの成長を期待するかまいし環境ネットワークの会員ら

エゾエノキの成長を期待するかまいし環境ネットワークの会員ら

 
 釜石市に生息する国蝶(こくちょう)オオムラサキを守ろうと、市内で自然保護活動に取り組む「かまいし環境ネットワーク」(加藤直子代表)は17日、小川川上流にある日向ダム(甲子町)の敷地内に幼虫の餌となるエゾエノキの苗木8本を植えた。準絶滅危惧種となっているこのチョウを増やすため、20年ほど前から地元産苗木を育成するなど保護活動を継続。加藤代表(76)は「オオムラサキが飛び交う地域を未来につなげたい」と力を込める。
 
 同ネットワークの会員や市、県の関係者約20人が参加。ピクニック広場近くなどに1メートルほどに育った幼木を植えた。地元の建設会社も協力し、シカの食害対策として防護ネットを設置した。
 
協力してエゾエノキの苗木を植える参加者

協力してエゾエノキの苗木を植える参加者

 
日向ダム周辺で活動。自然の豊かさを体感した

日向ダム周辺で活動。自然の豊かさを体感した

 
 苗木は、会員の菊地利明さん(58)が提供。1997年のダム完成時にスポーツ広場近くにエゾエノキを植えていて、立派に成長した大木から実を採取し、種から育てた。「成長が早い木なので、5~10年でオオムラサキが卵を産み付けて幼虫が発生するんじゃないかな」と期待。地元に根づく樹木を活用しているため生態系への影響は少なく、「釜石ならではのオオムラサキを増やしていけたら」と思い描く。
 
 オオムラサキは羽を広げると10センチほどになり、オスは光沢のある青紫色の優美な姿が特徴。1957年に日本昆虫学会が国蝶に選んだ。釜石市内ではエゾエノキが生育している日向ダム周辺などで確認されている。
 
オオムラサキの特徴などを紹介する菊地利明さん

オオムラサキの特徴などを紹介する菊地利明さん

 
写真左はオオムラサキの雄(資料)、右は日向ダムで見られた雌=菊地さん提供

写真左はオオムラサキの雄(資料)、右は日向ダムで見られた雌=菊地さん提供

 
 菊地さんによると、オオムラサキの寿命は約1年。幼虫で冬を越し、夏に成虫(チョウ)になり、産卵を終えると成虫は死んでしまう。幼虫時代はエノキ、エゾエノキの葉を食べ、成虫になるとクヌギやナラなどの樹液を吸い、森とつながる雑木林を好むという。採集は禁止されていないが、都市化が進んで雑木林が少なくなってきたことで生息数は減少しており、環境省は準絶滅危惧種に指定。オオムラサキの成長に必要な樹木を植えて保護活動や子どもたちの環境学習に役立てている地域もある。
 
 エノキが自生するのは太平洋側では宮城県が北限で、岩手県内で育つのはエゾエノキが主。釜石地域のオオムラサキにとってエゾエノキは生命の源であり、成長に欠かせない。なぜなら「エゾエノキで生まれ、葉を食べてチョウになり、またエゾエノキに卵を産み、そのそばで命を終えるから」と菊地さんは教えてくれた。
 
日向ダムの完成時に植えられたエゾエノキ。この大木の実から苗木を育てた

日向ダムの完成時に植えられたエゾエノキ。この大木の実から苗木を育てた

 
 日向ダム敷地内には2009年にもスポーツ広場や語らいの森そばに植えられている。そこでは、葉と同じ緑色をした幼虫が成長中。野田町の紺野節子さん(73)は「(エゾエノキの)葉っぱが柔らかくておいしそうだね。たくさん食べて無事にチョウになってほしい」と見つめた。植樹に参加することで、地元の自然の豊かさを改めて実感。「小さい努力かもしれないが、この環境を守っていきたい」とうなずいた。
 
語らいの森にあるエゾエノキで幼虫探し

語らいの森にあるエゾエノキで幼虫探し

 
オオムラサキの幼虫。順調に育ち、羽ばたくことを期待する

オオムラサキの幼虫。順調に育ち、羽ばたくことを期待する

 
テングチョウ(写真左上)の幼虫(同右上)もエゾエノキで成長中。ゴマダラチョウ(同下)も見られるかも=菊地さん提供

テングチョウ(写真左上)の幼虫(同右上)もエゾエノキで成長中。ゴマダラチョウ(同下)も見られるかも=菊地さん提供

 
 オオムラサキは羽ばたきが機敏で滑空するような飛び方をするというが、加藤代表は同ダムでの保護活動を続ける中で何度か、その姿を確認した。「美しさと大きさに驚く。たくさんの人に会いに来てほしいし、豊かな自然が広がるすてきな所があると知ってほしい」と期待。同ネットワークでは松倉神社や甲子小周辺でも植樹を行っていて、「オオムラサキが訪ねてきている。会うチャンスがあるかも。未来の子どもたちが喜んでくれたら」と願った。

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ファジョン合唱 母の日に届ける子守歌 釜石市内2カ所で披露 地元出身者が縁つなぐ

ファジョン合唱「母の日」ミニコンサート=甲子町「陽子の庭」、14日

ファジョン合唱「母の日」ミニコンサート=甲子町「陽子の庭」、14日

 
 東京を拠点にオンラインレッスンを行う「ファジョン合唱」(飯田夏代主宰)のメンバー5人が14日、釜石市内2カ所で「母の日」にちなんだミニコンサートを開いた。深い愛情で子どもを育ててきた母親への感謝と敬意、子育て真っ最中の母親へのねぎらいの気持ち…。さまざまな立場で抱く“母”を思う心を子守歌7曲に込め歌い上げた。地元出身で東京都在住のメンバー小笠原悦子さん(60)が縁をつなぎ、実現した。
 
 在日韓国人の音楽家ファジョンさんが制作する楽曲を歌う同合唱。釜石とのつながりのきっかけは、東日本大震災から10年となった2021年3月11日に魚河岸テラスで開いたオンライン合唱イベント。国内外から約150人が参加し、被災地の思いを共有したのが始まりで、以降毎年、趣旨に賛同するメンバー数人が震災命日の訪問、献歌を続けている。
 
 今回は、新たに制作された母のための子守歌を届けたいと「母の日」に合わせて訪問。大平町の釜石大観音、甲子町の私設フラワーガーデン「陽子の庭」の2カ所で歌声を披露した。飯田代表(44)、小笠原さんのほか、都内からは柳玉江さん(72)、新潟県から藤崎理子さん(57)、神奈川県から藤田富美子さん(48)が駆け付けた。
 
東京、神奈川、新潟から駆け付けた「ファジョン合唱」のメンバー

東京、神奈川、新潟から駆け付けた「ファジョン合唱」のメンバー

 
母親のための子守歌7曲を心を込めて歌い上げた

母親のための子守歌7曲を心を込めて歌い上げた

 
 午後に訪れた陽子の庭では地元住民らが集まる中、「誰よりも」「この手を」「星をみつめて」「証(あか)し」など7曲を披露。歌の合間にはメンバーが曲に込められた思いや自身の母に対する思いなども話し、母親が子どもに注ぐ愛の深さや家族の大切さなどを観客と共有した。
 
 地元で合唱活動を行う「甲子歌う会」の代表、坂本慶子さん(77)は「一般的な子守歌とはまた違う世界観。歌や言葉から心のきれいな方たちなんだなと感じた。現役で子育てをしている若い世代のお母さんたちにも聞かせたい。気持ちが洗われると思う」と話し、歌のプレゼントを喜んだ。
 
美しく穏やかな歌声に魅了され、拍手を送る釜石市民ら

美しく穏やかな歌声に魅了され、拍手を送る釜石市民ら

 
 「母の日」に思いを共有した合唱メンバーと観客

「母の日」に思いを共有した合唱メンバーと観客

 
 子どものころテレビでアフリカ難民の過酷な状況を目にしたことで、国際協力の仕事にも従事した経験を持つ飯田代表。人間は日々、さまざまな感情を抱えて生きているが、「歌うことで気持ちがリラックスしたり幸せを感じたりすると、自分の周りの人にも優しくできるようになる。その連鎖が世界の平和につながっていく。今日の歌で少しでも心が楽になれば…」と期待。自身の釜石訪問は4回目。「すべてを受け入れてくれる温かいハートを持った人たちに感激している。こういう場所があることをもっと発信していきたい」と話した。
 
新たな出会いを生んだコンサート。左下写真:中央が小笠原悦子さん、右が飯田夏代代表

新たな出会いを生んだコンサート。左下写真:中央が小笠原悦子さん、右が飯田夏代代表

 
 大槌町で生まれ、18歳まで釜石市で過ごした小笠原さん。「私は釜石の方々におがして(育てて)もらった。その恩返しがしたい」。古里への強い思いを胸に、今回の訪問も仲間と実現させた。「子育てで苦労しているお母さんたちが、私たちの歌で少しでも元気になり、家庭円満にもつながっていけば。人間愛を感じながら、誰もが自分らしく生きていけることを願う」と思いを込めた。メンバーらは大槌町でも歌を披露した。
 
大空と新緑に囲まれた空間で笑顔を輝かせながら歌を届けた

大空と新緑に囲まれた空間で笑顔を輝かせながら歌を届けた

 
背後の庭では間もなく複数種のバラが開花する。「来年はバラの咲くころに…」とメンバー

背後の庭では間もなく複数種のバラが開花する。「来年はバラの咲くころに…」とメンバー

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4年ぶりのにぎわい!橋野鉄鉱山八重桜まつり 餅まき、豚汁ふるまいに市民ら笑顔

橋野鉄鉱山周辺の八重桜並木の下を散策する人たち=14日

橋野鉄鉱山周辺の八重桜並木の下を散策する人たち=14日

 
 釜石市橋野町青ノ木の春を彩る「橋野鉄鉱山八重桜まつり」は14日、同鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場で開かれた。橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)、栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が主催。花の観賞のほか、地元住民による食の振る舞いが好評の同まつりは、新型コロナウイルス禍で2020年以降、中止が続いていたが、今年4年ぶりに復活。恒例の餅まきや豚汁の提供に来訪者が笑顔を広げた。
 
 同まつりは両組織が共催する「はしの四季まつり」の一つ。国内最古の洋式高炉跡を有し、2015年に世界遺産登録された「橋野鉄鉱山」周辺に連なる八重桜並木の開花に合わせ、登録前から行われている。11年の東日本大震災後は甲子町から会場まで無料送迎バスが運行され、来場者増に拍車をかける。今年は大型バス2台に計約70人が乗車して訪れた。
 
 釜石観光ガイド会(瀬戸元会長)会員の案内で高炉場跡を見学するツアーでは、八重桜を愛(め)でながら史跡エリアに向かった。2人のガイドが先導。参加者は3基の高炉や水路、山神社跡などが残る現場で、日本の近代化の礎を築いた当時の鉄づくりについて学んだ。
 
釜石観光ガイド会会員の案内で高炉場跡に向かう

釜石観光ガイド会会員の案内で高炉場跡に向かう
 
ガイドから同所の鉄づくり、世界遺産の価値について学んだ

ガイドから同所の鉄づくり、世界遺産の価値について学んだ

 
 お楽しみの餅まきには大勢の人たちが集まった。同振興協の菊池会長(68)は「振興協議会では皆さまをお迎えするために、4月末に周辺の道路清掃を行うなど準備を進めてきた。夏にはラベンダーまつり、秋には水車まつりなども開催する。ぜひ橋野に足を運んでいただきたい」とあいさつ。地域の代表や来賓がトラックの荷台に上がり、約1500個の餅をまいた。約100個には地元の産地直売所「橋野どんぐり広場」で使える金券が入れられた。
 
毎回好評の餅まき。久しぶりのにぎわい風景が広がった

毎回好評の餅まき。久しぶりのにぎわい風景が広がった

 
 豚汁のお振る舞いには今回も長い列ができた。振興協女性部が腕を振るう豚汁は地元産の野菜をふんだんに使い、手作りみそで仕上げる自慢の一品。今年は生シイタケや山菜(ワラビ、フキ、ウド)も入り、一層うまみが増した味に…。来訪者はそのおいしさに大満足といった様子で箸を進めた。
 
橋野の恵みが詰まった豚汁を300食お振る舞い

橋野の恵みが詰まった豚汁を300食お振る舞い

 
お振る舞いに長い列ができた会場内=橋野鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場

お振る舞いに長い列ができた会場内=橋野鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場

 
 会場には市内で人気のキッチンカー2台が出店。どんぐり広場の出前産直も行われた。産直は開店と同時に人だかりができた。客のお目当ては旬の山菜。コゴミ、シドケ、ヒメタケ、ウルイなどが並び、あっという間に売り切れた。定番商品の漬物や団子のほか、おにぎりも販売された。大槌町のバンド「ZENBEY絆」は歌で楽しませ、新曲の「橋野音頭」も披露した。
 
「橋野どんぐり広場」の出前産直。旬の山菜が次々に売れた

「橋野どんぐり広場」の出前産直。旬の山菜が次々に売れた

 
新曲「橋野音頭」などで楽しませたバンド「ZENBEY絆」

新曲「橋野音頭」などで楽しませたバンド「ZENBEY絆」

 
 同所の八重桜は1980年代に釜石ライオンズクラブが植樹。今年は他の桜同様、開花が早まり、大型連休最終日の7日に満開を迎えた。翌8日は季節外れの雪に見舞われ、地面が白く染まった。雪の影響で花色の濃さが若干落ちたが、まつり当日まで何とか花は残り、桜吹雪が舞う中でのイベント開催となった。
 
 栗林町の佐々里沙さん(32)は家族3人で来訪。「たくさんの桜が目の保養になる。ここは公園もあるので子連れで楽しめる場所。まつりには初めて来た」と話し、親子の休日を満喫した。送迎バスを利用し、毎回来ているという東前町の70代女性は「ここの豚汁は最高。今年は特にもおいしかった。餅も何個か拾えた」と喜びの笑顔。コロナ禍でまつりがない時も桜だけは見に来ていた。「きれいな花を見ると気持ちが晴れる。夫を亡くしたばかりで落ち込んでいたが、やっぱり外に出た方がいい」と、少し心の元気も取り戻した様子。
 
 この日は昼どきを中心に約500人が訪れ、まつりを楽しんだ。菊池会長は「コロナ禍前に近い人出。リピーターが増えているのもありがたい。迎える側もみんな一生懸命やってくれて、地域に久しぶりの活気が生まれた」と話した。

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守る!アユ育つ自然環境 釜石・甲子川へ稚魚放流 釣り解禁は7月上旬

アユの稚魚を放流する甲子川鮎釣協力会メンバーら

アユの稚魚を放流する甲子川鮎釣協力会メンバーら

  
 釜石市の中心部を流れる甲子川に今年もアユの稚魚が放たれた。河川環境を守るため、甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)、甲子地域会議、クボタ環境エンジニアリングの3者が協力して継続する取り組み。11日、稚アユ約3万匹(総重量約300キロ)が川中で元気に泳ぎ出した。釣り解禁日は7月2日。「たくましく育って」と送り出した関係者らによると、水温が安定し、極端な大雨などがなければ、20センチほどに成長した姿がみられるという。
  
松倉橋そばの甲子川で放流作業。バケツで静かに送り出す

松倉橋そばの甲子川で放流作業。バケツで静かに送り出す

 
元気いっぱいの稚アユ(右下写真)が勢いよく泳ぎ出す

元気いっぱいの稚アユ(右下写真)が勢いよく泳ぎ出す

  
 この日の作業には同会メンバーら約50人が参加した。体長10センチほどの稚魚を甲子町洞泉から中妻町までの区間、約20カ所に放流。釜石高裏の松倉橋付近ではバケツやホース使って川に放つと、跳びはねるなどして瞬く間に泳ぎ去った。
  
稚魚を入れた水槽が搭載されたトラックからホースを延ばして放流

稚魚を入れた水槽が搭載されたトラックからホースを延ばして放流

  
 河川漁協がない甲子川は、誰でも自由に釣りを楽しむことができる。入漁料を徴収しないため、稚魚の放流は同会に寄せられる釣り人らの善意で続けられている。今年も、そうした協力金を使って、大船渡市の盛川漁協から稚魚を購入した。事業費は約115万円。
  
 安久津会長(82)は「ここは農業排水などの流入がない自然のままの川で、アユの味日本一になったことも。魚が住む環境を維持していきたい。元気に、たくましく育ってほしい」と期待。稚魚の成育のため、6月1日から全魚種が禁漁となるが、「ここは市民の川。マナーを守って、その時が来たらみんなで楽しい釣りをしてほしい」と呼びかける。
  
「たくましく育ってこい」。期待を込めつつ、かわいい稚魚を放つ

「たくましく育ってこい」。期待を込めつつ、かわいい稚魚を放つ

  
 鵜住居川では一足早く7日に約400キロを放流した。同様に6月は禁漁となり、解禁は7月9日。釣りには河川漁協の組合員証か遊漁券が必要となる。

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広報かまいし2023年5月15日号(No.1808)

広報かまいし2023年5月15日号(No.1808)
 

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広報かまいし2023年5月15日号(No.1808)

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【P1】
表紙

【P2-3】
ありがとうSL銀河!

【P4-5】
すすむ釜石市DX
新型コロナワクチン接種のお知らせ

【P6-7】
市営住宅・復興住宅の入居者を募集
低所得の子育て世帯生活支援特別給付金 他

【P8-9】
市民のひろば
まちの話題

【P10-11】
まなびぃ釜石
交通規制のお知らせ 他

【P12-13】
まちのお知らせ

【P14-15】
保健案内板
保健だより

【P16】
ラベンダー観光農園整備の取り組み

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023050900043/
釜石市

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将棋の世代間交流大会 釜石で4年ぶり開催 プロ棋士・小山怜央四段誕生で地元愛好熱高まる

2019年以来の開催となった「釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会」

2019年以来の開催となった「釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会」

 
 日本将棋連盟釜石支部(土橋吉孝支部長)主催の釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会は4月30日、上中島町の中妻公民館で開かれた。新型コロナウイルス禍による休止を経て4年ぶり5回目の開催。同市は、この4月に本県初のプロ棋士となった小山怜央四段(29)の出身地。朗報で地元が盛り上がる中、再開された大会に県内外から約40人の愛好者が集い、団体戦で市長杯の栄冠を目指した。
 
 大会は3人1チームの団体戦。スイス式トーナメント戦4局を行い、勝ち点などで順位を競った。対局では段や級の棋力差に応じて駒落ちハンディ(最高6枚落ち)を採用。下手(棋力が下の者)の希望により平手(ハンディ無し)も可とした。対局時計を使用し、各20分の持ち時間で行われた。
 
 今大会には県内の支部や愛好会、学校の同級生などで組んだ12チームが参加。小学4年生から85歳まで、棋力もさまざまな愛好者が真剣勝負を繰り広げた。勝負が決まると互いの健闘をたたえ合い、他メンバーの対局の行方を見守った。対局の合間には地域や年代を超えて言葉を交わし、親睦も深めた。
 
県内各地から12チームが参加。次の手を考え、頭をフル回転

県内各地から12チームが参加。次の手を考え、頭をフル回転

 
小学生も参戦。見事な集中力で大人たちとの対局に挑む

小学生も参戦。見事な集中力で大人たちとの対局に挑む

 
 市内小川町の佐々木満さん(74)は小学5年の孫とチームを組み初参加。第1局では特別参加の野田武則市長との対局も楽しんだ。3年ほど前に佐々木さんが将棋を教え、教室にも通うようになったという孫。「どんどん腕を上げ、今では私が負けるほど。かなりのめり込んでいる」とその成長ぶりに驚く。「将棋はものの考え方の勉強になる。1つだけでなく複数の方法を考えられる力がつくと、挫折しても他の道を考えながら前に進んでいけるようになる」と、柔軟な思考への効果も期待する。
 
 釜石中の3年生は同じクラスの将棋仲間でチームを結成。大会初参加の大下桜雅さんは「いろいろな年代、レベルの人との対戦は普段無いのでいい経験。駒が少ない状態でどう戦えばいいのかも相手から学べた。また出てみたい」と次回大会へ意欲。小学生以来3回目の参加となった野嶋晏慈さんは「駒落ちの対策とかを考えてその成果を出せた。狙った作戦が決まるとうれしい」。午前の2局はいずれも勝利し「全勝したい」と意気込みを語っていたが、その言葉通り4戦全勝し、個人の全勝賞を獲得した。
 
釜石中チームは同級生3人で参加。真剣な表情で盤上を見つめる

釜石中チームは同級生3人で参加。真剣な表情で盤上を見つめる

 
「次はどう出る?」仲間の勝敗の行方にも目が釘づけに…

「次はどう出る?」仲間の勝敗の行方にも目が釘づけに…

 
 2016年に始まった同大会は駒落ちハンディを取り入れた団体戦という独自スタイルで、幅広い愛好者が勝負の面白さを感じ、多くの人と交流できるようにしている。第1回大会には、今春からプロの道を歩み始めた小山四段が弟真央さん、母聖子さんとチームを組み参加している。全日本アマチュア名人戦全国大会で県勢初の優勝を果たした後で、プロ棋士への夢も語っていた。
 
 土橋支部長は大会復活に、「4年ぶりに会う人たちの元気な顔が見られてほっとした。小山新四段をきっかけに、またみんなで将棋を楽しんでいこうという雰囲気が感じられてうれしい。釜石の将棋文化をさらに盛り上げたい」と話す。野田市長も参加者の熱心な姿を肌で感じ、「子どもたちも頑張っていた。みんな目標を持って取り組んでいる。小山怜央さんのこともあり、将棋への興味、関心が高まっていると思うので今後が楽しみ」と期待した。
 
市長杯のトロフィーはどのチームに? 静かなる熱戦が続く会場

市長杯のトロフィーはどのチームに? 静かなる熱戦が続く会場

 
【団体戦結果】
1位/遠野支部(新沼光幸、中村道典、萩野良三) 2位/山田将棋愛好会(黒澤由次、山内秀一、白土輝男) 3位/久慈支部(笹原賢二、星川勝久、中川原達哉) 
 
【個人全勝賞】
野嶋晏慈(釜石中学校)、川畑裕也(朋哉とその仲間たち)、相澤誠(チーム稜平)、坂下晴規(チームうみねこ)、中村道典(遠野支部)