歌に踊りに、餅つき!釜石平田地区・つながるカフェ 高齢者と中学生 心通わす


2024/01/30
釜石新聞NewS #地域

つながるカフェでは高齢者も中学生もみんな笑顔

つながるカフェでは高齢者も中学生もみんな笑顔

 
 釜石市平田地区の住民は22日、大平町の大平中(髙橋信昌校長)の1年生(19人)と交流し、餅つきや合唱などを楽しみながら心を通わせた。
 
 市(平田地区生活応援センター)と、地区内の特別養護老人ホームあいぜんの里を運営する社会福祉法人清風会が主催する「つながるカフェ」の一環。心身の健康維持や孤立予防などにつなげるのを狙いに継続し、17回目。
 
 上平田ニュータウン集会所に高齢者ら約30人が集まり、きねと臼を使った餅つきに挑戦。住民と生徒が2人一組になってきねを持ち、調子を合わせて振り上げた。周囲で見守る人たちは「よいしょー、よいしょー」と掛け声を上げて応援。つき上げた餅は小さく切り分け、お汁粉に入れて味わった。
 
餅つきで交流する大平中生と平田地区の住民ら

餅つきで交流する大平中生と平田地区の住民ら

 
「よいしょ」の掛け声と手拍子で餅つきを応援

「よいしょ」の掛け声と手拍子で餅つきを応援

 
 住民を楽しませようと、生徒たちは合唱を披露。「地域の支えで学校生活を送ることができる」と感謝を込めて選曲した「ふるさと」では住民も歌声を重ねた。“腹ごなし”に住民らが取り組む100歳体操を体験したり、「釜石小唄」に合わせて踊ったり。みんな笑顔で、気持ちを一つにして触れ合いを楽しんだ。
 
歌声を重ねる曲は「ふるさと」で決まり

歌声を重ねる曲は「ふるさと」で決まり

 
「釜石小唄」では自然に踊りの輪が広がった

「釜石小唄」では自然に踊りの輪が広がった

 
 孫世代との交流を喜ぶ佐藤清さん(80)は「若いパワーをもらって、より元気になった。孫たちは遠方にいて、子どもと交わる機会は少ないから、こういう場を設けてもらってありがたい。こうした時間を共有することで、地域に愛着を持ってもらえたら」と目を細めた。
 
みんなで元気に100歳体操も楽しむ

みんなで元気に100歳体操も楽しむ

 
 同校では総合的な学習の時間を活用し、3年間、福祉について学ぶ。同法人の支援を受け、介護の現場見学や技術体験、認知症サポーター養成講座などに取り組む。6年目の今年度、1年生はコミュニケーションについての座学で高齢者との関わり方などを学習。同ホームでの実践を予定していたが、感染症の影響で見送っていた。
 
準備や運営も住民と中学生が力を合わせる

準備や運営も住民と中学生が力を合わせる

 
つながるカフェで触れ合いを楽しんだ参加者

つながるカフェで触れ合いを楽しんだ参加者

 
 中島優南さんは、隣り合わせた高齢者に自分から声を掛けた。心がけたのは「ゆっくり、大きな声で話すこと」。家族以外の高齢者と触れ合う機会は少ないが、座学で福祉の大切さを実感。今回の実践は地域の人を知る場になり、「見かけたら、あいさつしたい」と笑顔を見せた。見守る教諭は「つながるカフェは実践の場。子どもたちが主体となって企画、運営できるようになれば」と先を見据えた。

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