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「上小川・中小川集会所」落成 供用開始祝う会で住民にお披露目 2町内会合併で組織力強化へ

新築された「上小川・中小川集会所」のホールで歌や食事を楽しむ住民ら=27日

新築された「上小川・中小川集会所」のホールで歌や食事を楽しむ住民ら=27日

 
 釜石市甲子町の上小川、中小川両地区住民が利用できる新しい集会所が完成し、4月から供用を開始した。27日、新しい施設のお披露目を兼ねた落成を祝う会が開かれ、歌や踊り、食事を楽しみながら住民が交流した。両地区の町内会は本年度から合併。単一組織として新たな住民活動をスタートさせる。
 
 新集会所の名称は「上小川・中小川集会所」。甲子町第15地割内、住宅型有料老人ホーム「カサ・デ・ファミリア」の隣接地に市が整備した。敷地面積は1674平方メートル。建物は木造平屋建てで、延べ床面積は214平方メートル。ホール、会議室、和室、調理室などを備え、物資収納に活用できるロフトも整備した。昨年5月に着工、今年2月に完成した。
 
 両地区にはこれまで、それぞれに集会所(上小川は地域所有・管理)があったが、共に築45年余りが経過。老朽化が進んでいたことから、住民から建て替えの要望が出されていた。市は世帯数、人口の減少を鑑み、各地区町内会と協議し、両地区住民が利用可能な施設整備を検討。2024年度事業で建設した。
 
甲子町第15地割内に整備された「上小川・中小川集会所」。広い駐車スペースも確保

甲子町第15地割内に整備された「上小川・中小川集会所」。広い駐車スペースも確保

 
調理室はホールと隣接。格子戸を開けると続き間に…

調理室はホールと隣接。格子戸を開けると続き間に…

 
 新集会所の建設と並行し、両町内会は組織の再編を模索。上小川町内会が役員不足などで5年間活動を休止していたことから、中小川町内会が上小川住民の加入を受け入れる形で、新・中小川町内会を発足することになった。役員会や新規加入の住民説明会を経て、27日に合併に伴う初の町内会総会を開催。新組織の役員に上小川住民が入り、中小川町内会長を務めてきた佐々木正雪さん(75)が新町内会の会長に選出された。
 
 総会後は新集会所落成を祝う会がホールで開かれた。町内会婦人部が調理したひっつみ汁や惣菜をテーブルに並べ、飲食とステージイベントを楽しんだ。同市在住の歌手・尾崎都さんの歌、舞踊家・尚玉泉さんの踊りに続き、「釜石応援ふるさと大使」の書家・支部蘭蹊さん(宮城県仙台市在住)による書のパフォーマンスがあった。支部さんは大判紙に「夢」「希」などの字を書いて見せたほか、同集会所に掲げるケヤキの看板に集会所名などをしたためた。
 
集会所落成記念の会を盛り上げた尾崎都さん(右)と尚玉泉さん(中)

集会所落成記念の会を盛り上げた尾崎都さん(右)と尚玉泉さん(中)

 
上小川、中小川地区の住民が手拍子をしながらステージを楽しんだ

上小川、中小川地区の住民が手拍子をしながらステージを楽しんだ

 
支部蘭蹊さんが集会所に掲げる看板を揮毫。「蛍の里」もアピール

支部蘭蹊さんが集会所に掲げる看板を揮毫。「蛍の里」もアピール

 
 食事の準備をした町内会婦人部の女性(80)は「新しい集会所は調理室も広くて使いやすい。ありがたいですね。コロナ禍などでしばらく行事もできなかったので、これからここを利用してみんなで集まる機会を増やせれば」と望んだ。新町内会に加入した上小川地区の女性(71)は「歴史ある上小川町内会に終止符が打たれるのは寂しいが、高齢化や役員のなり手不足、未加入世帯の増加などで町内会運営は難しい時代」と、今回の合併を受け入れ。近年、多発する自然災害を見据え、「やはり町内会単位の連絡が密でないと…。横のつながりは一層必要。互いに助け合っていかなければ」と気を引き締める。
 
 約420世帯が暮らす両地区は周辺が山に囲まれ、地区内には小川川が流れる。同河川は市内有数のゲンジボタルの生息地で、古くから住民らによる環境保全活動が続けられてきた。中小川町内会は防災活動も盛ん。佐々木会長は新集会所の整備について、「紆余(うよ)曲折あったが、長年の懸案がようやく解決できた」と一安心。新町内会のスタートにあたり、「人口減や高齢化は避けられないが、年間行事を活発化させ、両地区住民、世代間の交流を図れれば。要支援者の支援、防災活動にもさらに力を入れていきたい」と話した。

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釈迦の誕生祝い「花まつり」 釜石・正福寺幼稚園 華やかに稚児行列 ほころぶ春彩る

華やかな装束をまとい保護者らと練り歩く正福寺幼稚園の園児

華やかな装束をまとい保護者らと練り歩く正福寺幼稚園の園児

 
 釜石市甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児25人)は27日、お釈迦(しゃか)様の誕生日(4月8日)を祝う「花まつり」を行った。きらびやかな装束姿の園児が近隣を行進。誕生を祝う歌を響かせながら、かわいらしく歩く姿に沿道から笑顔がこぼれた。
 
 「灌仏会(かんぶつえ)」とも呼ばれる仏教行事の一つ。誕生時に天から降りた竜が甘露水を注いだという伝説から、「甘茶を仏様へ灌ぐ(そそぐ)」のが習わしとなっていることが由来とされる。祝いに合わせ、華やかな稚児衣装を着て練り歩くと、釈迦の功徳を授かって健やかに成長できると伝わり、子どもたちの健康を祈る行事でもある。
 
かわいらしく着飾った子どもたち。おすまし顔でパチリ

かわいらしく着飾った子どもたち。おすまし顔でパチリ

 
 同園では、隣接する正福寺(須藤寛人住職)の行事に参加する形で毎年行っている。出発式で、同園を運営する学校法人釜石学園理事長でもある須藤住職が「お釈迦様はみんなが元気に幼稚園に来られるよう見守っています。お釈迦様が生まれた時、枯れ木ばかりの山で一気に花が咲いたことから、お祝いのため花まつりと呼びます。みんなが誕生日に甘いものを食べるように、お釈迦様には甘い水をかけてお祝いしましょう」などとあいさつした。
 
須藤寛人住職(右下の写真)の話に耳を傾ける園児ら

須藤寛人住職(右下の写真)の話に耳を傾ける園児ら

 
 年中、年長児15人が参加した。赤や緑色の上衣と紫色のはかま、男児は烏帽子(えぼし)、女児は宝冠を身に着け、父母らに付き添われ園を出発。行列には釈迦像を乗せた白象をかたどった山車も加わり、近隣を周回する約1.5メートルの道をゆっくりと歩いた。
 
母親らに付き添われて練り歩く子どもたち

母親らに付き添われて練り歩く子どもたち

 
住職らが先導した稚児行列。笑顔を見せながら近隣を巡った

住職らが先導した稚児行列。笑顔を見せながら近隣を巡った

 
白象の山車。釈迦の母親が白い象の夢を見た後に釈迦が生まれたとの伝説に由来する

白象の山車。釈迦の母親が白い象の夢を見た後に釈迦が生まれたとの伝説に由来する

 
 音に誘われた住民らが外に出て、笑顔で見守った。祝いに駆け付けたお礼として、園関係者が縁起物の「散華(さんげ)」を配布。保護者たちはわが子の晴れ姿に口元をほころばせ、「かわいいね」などと話しながら写真を撮っていた。
 
お祝いに駆け付けた住民らに縁起物を手渡す

お祝いに駆け付けた住民らに縁起物を手渡す

 
道端に咲く春の花と一緒に釈迦の誕生日をお祝い

道端に咲く春の花と一緒に釈迦の誕生日をお祝い

 
 正福寺本堂前には花で飾られた小さなお堂「花御堂(はなみどう)」が用意され、行列を終えた釈迦像を安置。同寺梅花講のメンバーが仏の教えをたたえる和讃(わさん)を唱える中、園児がひしゃくで甘茶をかけて祝福した。
 
稚児行列に参加し、釈迦像にひしゃくで甘茶をかける子ども

稚児行列に参加し、釈迦像にひしゃくで甘茶をかける子ども

 
 柴田明心(あこ)ちゃん(5)は「(衣装が)きれい。楽しかった」とうなずいた。昨年は参加できなかったといい、今回が最初で最後の稚児行列。父親の晃裕さん(39)は「昔の服装を着る機会は少なく、いい思い出になった。健康に育ち、季節の行事に触れながら友達と楽しく過ごしてもらえたら」と目を細めた。
 
 同園では、仏教の教えを保育に取り入れ、「子どもたちが持つ潜在的な能力を伸ばし、元気や優しさ、明るさ、協調性、思考力を育む」との理念を掲げる。松岡園長は「行事を通じ、人に対する思いやり、感謝する気持ちを感じてもらえれば。そうした心を忘れないでいれば道が開けるということが伝わるといい」と見守った。

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釜石広域風力発電 来春から新風車で稼働 橋野・県道沿いに新管理棟完成 地域住民も祝福

ユーラス釜石広域ウインドファームの新管理棟開所を祝う関係者によるテープカット=20日

ユーラス釜石広域ウインドファームの新管理棟開所を祝う関係者によるテープカット=20日

 
 釜石、遠野、大槌2市1町にまたがる風力発電施設「ユーラス釜石広域ウインドファーム」の新しい管理棟が、釜石市橋野町荻の洞の県道釜石遠野線沿いに完成した。20日、事業者のユーラスエナジーホールディングス(諏訪部哲也代表取締役社長、本社:東京都千代田区)による開所式が現地で行われ、関係者と地域住民約80人が新拠点の落成を祝った。同施設は現在、風車の建て替え工事が進行中で、2026年4月からの運転開始を目指す。風車増設の計画もあり、「2050年ゼロカーボン達成」を目指す釜石市にとっても追い風になることが期待される。
 
 開所式で同社常務執行役員、国内電源開発ユニット長の伊藤健さんは「新しい事務所、発電所が皆さまの身近な存在となり、岩手、日本の持続可能なエネルギー推進に寄与するよう努力していく。地元の信頼に応えるべく、地域創生にも力を入れていきたい」とあいさつ。来賓の小野共釜石市長は「地域脱炭素に向けた取り組みがさらに加速することを願う。当市の再生可能エネルギー事業導入にもアドバイスをいただくなど、発電事業にとどまらない地域貢献に感謝する」と述べた。
 
開所式ではユーラスエナジーホールディングスの伊藤健常務執行役員(左下)があいさつ

開所式ではユーラスエナジーホールディングスの伊藤健常務執行役員(左下)があいさつ

 
 設備の保守・点検、事故対応などに当たる新管理棟は風車の更新、拡張計画に伴い移転整備。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積約523平方メートル。倉庫棟(同平屋建て、同約264平方メートル)も併設した。県道から約3キロ、和山高原登り口付近の通称・瀞渡(とろわたり)にある既存事務所周辺には雪上車車庫も新設した。今後、事務所機能を移転させ、5月からの供用開始を予定する。
 
橋野町荻の洞の県道釜石遠野線沿いに新設された管理棟(右奥が倉庫棟)

橋野町荻の洞の県道釜石遠野線沿いに新設された管理棟(右奥が倉庫棟)

 
開所式後、地域住民らが管理棟内を見学した

開所式後、地域住民らが管理棟内を見学した

 
ユーラスエナジーの社員らが各部屋の役割などを説明。この日は会議室を使って橋野町振興協議会の総会も開かれた(写真左下)

ユーラスエナジーの社員らが各部屋の役割などを説明。この日は会議室を使って橋野町振興協議会の総会も開かれた(写真左下)

 
 同ウインドファームは、1998年の県の風況調査で釜石市の和山高原一帯に発電に適した一定の風エネルギーがあることが判明し、市が地権者と協議し事業化への取り組みを開始。公募で選ばれたユーラス社が事業開発を行い、和山牧場、貞任山口・琴畑牧場(遠野市)、新山・白見牧場(大槌町)にわたる丘陵地帯に43基の風車(総出力4万2900キロワット)を建設。東北電力に売電する方式で、2004年12月から運転してきた。
 
 運転開始から約20年となり高経年化が進んだことで、23年3月に営業運転を終了。設備の全面的な更新(建て替え)を行うことになった。既存の43基を撤去し、国内最大級となる1基あたり出力4200キロワットの風車を11基建設。ローター(羽根部分)の直径は以前の約1.9倍の117メートル、風車の高さは約1.4倍の142メートルとなる。総出力は以前と同じ4万2900キロワット。これは一般家庭約3万1000世帯相当分の電力供給量となり、年間約4万4000トンのCO2削減効果が見込まれる(同社試算)。既存風車の撤去は完了し、現在、新設風車の基礎工事などが進められている。更新風車の営業運転開始は26年4月を予定する。
 
 同社は合わせて事業拡張も計画する。3市町の高原地帯に風車25基の増設を検討していて、更新分と合わせると総出力14万1500キロワット(一般家庭約10万世帯相当分)の事業規模となる見込み。一帯は国の天然記念物イヌワシの生息地であることから、環境保全措置として釜石市の楢ノ木平牧場に代替餌場の整備を進めている。
 
 地権者の一般社団法人栗橋地域振興社(旧栗橋牧野農業協同組合)の菊池録郎代表理事会長は「ユーラス社の事業拡大は、牧場の有効活用、地域活性化につながるものと期待している。管理棟が町の中心部に移り、住民との距離も一層近くなった。新たな拠点の完成、発電事業の発展は今年70周年を迎える振興社にとってもうれしいこと」と話す。
 
新管理棟開所記念の餅まきも。子どもから大人まで幅広い世代が楽しんだ

新管理棟開所記念の餅まきも。子どもから大人まで幅広い世代が楽しんだ

 
当たり券が入った餅を拾った人には菓子や食品をプレゼント(写真右

当たり券が入った餅を拾った人には菓子や食品をプレゼント(写真右)

 
 なお、本年中は新設風車の設置工事のため、周辺道路は大型車両の通行があることから、一般車の理解と協力を呼び掛ける。

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開校!釜石初のタレント養成所「C-Zeroアカデミー」 1期生23人、夢への一歩踏み出す

釜石から夢への一歩を踏み出した「C-Zeroアカデミー」第1期生

釜石から夢への一歩を踏み出した「C-Zeroアカデミー」第1期生

 
 エンターテインメントでまちを盛り上げよう―。釜石市初のタレント養成所「C-Zero(シーゼロ)アカデミー」が開校した。20日に入校式を開催。演技やダンスなど芸能活動に生かせる知識や技能を学ぶ基礎科(1年)に1期生23人を迎えた。「演劇人に」「音楽のプロデュースをしたい」「憧れに挑戦」など、思い描く未来は人それぞれ。個々の希望に寄り添った多彩なカリキュラムを提供し、夢の実現を後押しする。
 
 養成所は、同市の芸能事務所「FUKUプロモーション」代表の菊池由美子さん(57)が芸能の世界を夢見る人たちの応援に加え、“地方だからできる”芸能活動の創出やエンタメによる地域活性化、若者が住みたくなるまちづくりなどを目指して立ち上げた。思いに賛同する地元の企業や劇団代表者、演出家らと実行委員会を組織して運営する。
 
 30年以上、芸能界のさまざまな仕事を経験してきた菊池さんが校長に就任。実行委メンバー、民謡やダンスの指導者らに講師になってもらい、それぞれで培ってきた育成ノウハウを生かしたレッスンを提供する。基礎科修了者の次なるステップとして研究科も用意。さまざまなことに前向きにチャレンジできる環境を整え、生徒一人一人と向かい合いながら個性、魅力を伸ばしていく。
 
釜石初のタレント養成所に入校した第1期生、講師陣ら

釜石初のタレント養成所に入校した第1期生、講師陣ら

 
 入校式は大町の釜石PITで行われ、約60人が出席。校長としてあいさつした菊池さんは「さあ、いよいよ始まりますよ。1年後、どんな自分になっていたいですか」と問いかけた。プロとして芸能界入りを目指すだけでなく、「自分の殻を破りたい」「人生を楽しみたい」など年齢も社会経験も異なる人が集まっているとし、「目標や夢は一人一人違うから、人と比べる必要はありません。戦う相手は自分。それぞれのペースで焦らず前に進みましょう」と助言。全力でサポートすると強調し、「ここ釜石から、夢の扉を一緒に開いていきましょう」と呼びかけに熱を込めた。
 
アカデミー校長の菊池由美子さん(左の写真)らの激励に1期生が耳を傾ける

アカデミー校長の菊池由美子さん(左の写真)らの激励に1期生が耳を傾ける

 
 実行委の坂本由加さん(三陸ブロードネット代表取締役)が「やってみたいという気持ち、挑戦に遅すぎることはない。新たなスタートは皆さんの人生を豊かにすると信じる。いつか一緒に仕事ができる日が楽しみ」と激励。演技部門の講師を務める小笠原景子さん(劇団もしょこむ主宰、脚本・演出家)が「アカデミーに入ることで本当に必要なこと、得られる情報の質は変わる。進む道を自分で選択する力をつけてもらえるようサポートする。きょう踏み出した一歩を自信に、どんどん挑戦して」と促した。
 
俳優、声優、アイドル…夢実現へ期待を膨らませる1期生

俳優、声優、アイドル…夢実現へ期待を膨らませる1期生

 
 1期生は、7~76歳と幅広い。地元釜石を中心に、岩手県内8市町から集まった。演劇専攻の大学進学やエンタメ業界での活躍を目指す釜石高3年の森美惠さんは「歌って演技もできる俳優に。さまざまなレッスンを通して自分の表現の幅を広げたり、コミュニケーション能力や人間性を高めるような1年にしていきたい」と意欲を見せる。
 
「囲み取材」体験で夢や目標を話す1期生、見守る菊池さん

「囲み取材」体験で夢や目標を話す1期生、見守る菊池さん

 
 「首都圏などに行かないと経験はできない」と思う人が多い、タレント養成所が地元にできたことを喜ぶ声は共通。自営業(建設関係)の行森勇人さん(30)は県内での音楽プロデュース活動を志しており、「自分が経験し、学びを生かした活動をしたい。岩手だからこそ作っていけるものがあると思う。声の逸材を見つけたい」と挑む。
 
 「やらないと後悔する」と扉をたたいたのは、紫波町のパート漆田真理さん(56)。演劇、声を使った仕事に興味があったものの、やらずに半世紀が経過。「この年だからできることがある」と挑戦を決めた。すると、入校前にCM出演のオファーが舞い込み、撮影を経験。「無駄にせず頑張りたい」。これから先の学びの刺激になったよう。レッスンには高速道路の釜石自動車道で約1時間半かけて通う。「何かあれば皆さんも釜石から盛岡に出かけていたと思うので、逆もありかなと」。明るい笑顔を見せた。
 
 式の後には、講師陣が指導する団体による民謡・民舞、ダンスのパフォーマンスが披露された。菊池さんは日本舞踊「藤間流」の名取でもあり、藤間宣福として長唄「越後獅子」を紹介。1期生は真剣な表情で見つめ、レッスンのイメージを膨らませた。
 
軽快な踊りで日本舞踊の魅力や楽しさを伝える菊池さん

軽快な踊りで日本舞踊の魅力や楽しさを伝える菊池さん

 
ステージ上で繰り広げられる演舞にじっと見入る1期生ら

ステージ上で繰り広げられる演舞にじっと見入る1期生ら

 
 レッスン開始は24日から。俳優や声優、アイドルなどを目指す人が多く、ボイストレーニングにも力を入れる。アカデミーの構想を2年間あたためた菊池さんも夢を一つかなえた。感慨に浸りつつ、「大事なのはこれから」と気を引き締める。実行委メンバーや協力・協賛企業の力を借りながら、生徒一人一人の背中を押し、熱いハートで引っ張っていく。

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いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT 飛鳥FC戦

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Wゲストとして、選手OB益子義浩さん・スタジアムDJ下山和也さん 来場決定‼

前回に引き続き選手OBの益子義浩(MF)さんの来場決定!
さらに、いつもホームゲームを熱く演出してくださるスタジアムDJの下山和也さんも釜石PITに来場します!
解説やミニトークを交え楽しくサッカー観戦をお楽しみ頂けます!
この他、グルージャグッズのプレゼント抽選会も開催予定です!
釜石から“ICHIGAN”で応援しましょう!

開催概要

2025年 第27回日本フットボールリーグ 第8節
vs. 飛鳥FC AWAY戦 

 

2025年5月3日(土) 13:00 キックオフ(開場 12:15)
試合終了後 抽選会を開催

 

【入場無料】1ドリンク制…ご入場後ソフトドリンク(¥150)orノンアルドリンク(¥200)をご購入いただきます。

 

いわてグルージャ盛岡公式グッズ&会場限定のオリジナルグッズも販売します!

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

主催

釜石まちづくり株式会社
協力:株式会社いわてアスリートクラブ

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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住民の絆つなぐライトアップ花見会 栗林町砂子畑で4年目の開催 “笑顔”も咲く

地元が誇る桜のもとで花見会を楽しむ栗林町砂子畑地区の住民ら=19日夕方

地元が誇る桜のもとで花見会を楽しむ栗林町砂子畑地区の住民ら=19日夕方

 
 釜石市内の桜前線が市街地から山間地域に移る中、同市栗林町砂子畑地区では19日夜、ライトアップした桜を愛でる花見会が開かれた。地元町内会「砂子畑共正会」(栗澤陽一会長、113世帯)が主催する地域交流行事の一環。今年で4年目の開催で、約30人が飲食を共にしながら、楽しい時間を過ごした。
 
 ライトアップされたのは、市指定文化財(天然記念物)の巨木「明神かつら」からほど近い、鵜住居川沿いの私有地に生えるソメイヨシノ。土地所有者の藤原信孝さん(76)の弟啓二さん(故人)が1985年ごろに植えたもので、根本から7本に分かれて幹を伸ばす姿が独特の樹形を生み出している。背後の藤原さん宅の庭には、同時期に濃桃色の花を咲かせるハナモモの木などがあり、開花時期には3色の花が競演。川をはさんだ対岸を走る県道釜石遠野線からも目に付く春の光景となっている。
 
植樹から約40年が経過した藤原信孝さん方のソメイヨシノ

植樹から約40年が経過した藤原信孝さん方のソメイヨシノ

 
ライトに照らされ、夕闇に美しい桜景色を広げる。写真右側に流れるのが鵜住居川

ライトに照らされ、夕闇に美しい桜景色を広げる。写真右側に流れるのが鵜住居川

 
 藤原さんによると、今年の桜の開花は例年より2~3日遅かった。当初、花見会を予定した12日時点では2~3分咲きだったため、1週間延期してこの日の開催となった。その間に風雨に見舞われる日もあり、花は満開のピークを若干過ぎていたが、ライトに照らされた桜は例年通りの存在感を放った。
 
 参加者はビールやお茶を飲みながら、おでんや焼きそば、ホルモン焼きなどを食した。近所に住む女性(78)はライトアップされた桜を眺め、「すてきだよね~。見ると気持ちが浮き浮きする」とにっこり。「こうしてみんなと話をするのも好き。いろいろな情報も入るので。他にも行事をやってほしい」と望んだ。
 
アルコールも入って気分上々。会話も弾む花見会

アルコールも入って気分上々。会話も弾む花見会

 
町内会単位の花見会は今では数少ない光景。住民同士をつなぐ

町内会単位の花見会は今では数少ない光景。住民同士をつなぐ

 
 桜のライトアップは栗澤会長(65)が発案。新型コロナウイルス禍で2年ほど町内会行事ができなかったこともあり、感染拡大が収束に向かった2022年に初めて試験的に実施した。夜桜を見ながらの飲食も解禁。以来、町内会行事として継続している。栗澤会長は「今年は開花時期が読めなくて、周知がうまくいかなかったところもあるが、開催できて何より。会は世代間交流の場にもなっている。少子化などで人口減は避けられないが、そうした中だからこそ大切な機会。ぜひ、これからも続けていきたい」と話した。
 
河川敷につながる土手にはカラフルなイルミネーションも設置(写真左)。年に1回のお楽しみ!

河川敷につながる土手にはカラフルなイルミネーションも設置(写真左)。年に1回のお楽しみ!

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初のTETTO開催 浜千鳥のすべてを楽しむ会 ファン100人25銘柄味わい尽くす

奥村康太郎杜氏(右)から各銘柄の特徴などを聞き、酒の試飲を楽しむ参加者

奥村康太郎杜氏(右)から各銘柄の特徴などを聞き、酒の試飲を楽しむ参加者

 
 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は18日、浜千鳥のすべてを楽しむ会を大町の市民ホールTETTOで開いた。春恒例の催しは今年で33回目。市内外から約100人が参加し、今季醸造の酒など全25銘柄を飲み比べながら、その味わいを堪能した。昨年12月、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、その価値にも注目が集まる日本酒。同社はさらなる消費拡大、認知度向上に期待を寄せる。
 
 この催しは1989年にスタート。当時、あまり認知されていなかった同社醸造の酒の種類(純米酒、本醸造、純米吟醸…など)を広く知ってもらおうと企画された。以来、冬から春にかけての酒造りを締めくくる催しとして多くの浜千鳥ファンに親しまれている。開会にあたり新里社長は、2003年から始まった大槌町での酒米生産を機に、より地域資源にこだわった酒造りが進んでいることを明かし、「地酒メーカーとして歩み続ける当社の特徴ある酒を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
 
TETTOホールBを初めて会場にした「浜千鳥のすべてを楽しむ会」

TETTOホールBを初めて会場にした「浜千鳥のすべてを楽しむ会」

 
参加者全員で乾杯! おいしい酒に笑顔がこぼれる

参加者全員で乾杯! おいしい酒に笑顔がこぼれる

 
 全員で乾杯した後は、同社の全銘柄を味わえるパーティー。各テーブルには大槌町源水地区の湧水で仕込んだ限定醸造の「源水純米吟醸」、釜石鉱山の仙人秘水で仕込んだ「仙人郷純米酒」などが並んだほか、試飲コーナーには吟醸酒、純米酒、米焼酎、梅酒とさまざまなラインナップがずらり。中には1991年、2001年醸造の30年、20年ものの古酒もあった。参加者は同社社員らの話を聞きながら、気になった銘柄を飲み比べ。味や香りの違いを楽しみ、日本酒への理解を深めた。
 
おつまみは料亭幸楼の仕出し料理(写真左上)。試飲コーナーには古酒(同右上)を含む浜千鳥のさまざまな酒が並んだ。

おつまみは料亭幸楼の仕出し料理(写真左上)。試飲コーナーには古酒(同右上)を含む浜千鳥のさまざまな酒が並んだ。

 
 5種の酒を判別する利き酒コーナーも人気。多くの人が挑戦した。初チャレンジという山田町の三田地千絋さん(32)は「飲めば飲むほど分からなくなった。甘口と辛口ぐらいは分かるが、どれとどれが同じかは…??」と笑い、結果発表を楽しみに。華やかな香りとすっきりとした味わいが特徴とされる吟醸酒が好みといい、「移住してから沿岸の蔵元の酒をよく飲むようになった。浜千鳥さんの梅酒も大好き」と地域が育む味をお試し中。杜氏の多い本県の酒造り文化にも興味が湧いているという。
 
お楽しみの利き酒コーナー。成績優秀者には認定書と賞品のプレゼントが…

お楽しみの利き酒コーナー。成績優秀者には認定書と賞品のプレゼントが…

 
 会には東京など県外からの参加者の姿もあった。秋田県から夫婦で足を運んだのは佐藤一徳さん(60)。地元店舗のオープン記念でもらった「仙人郷」を飲んだのがきっかけで、浜千鳥の蔵元見学や酒造り体験塾参加を重ね、今回、念願の“楽しむ会”に初参加。「定年で時間的余裕ができたこともあり、やっと来られた。今まで飲んだことがない味もあってとても楽しめた。地元の仕込み水と杜氏さんの技術が相まって非常に魅力的な酒に仕上がっている印象。これからも機会あるごとに足を運びたい」と顔をほころばせた。
 
 会では、奥村康太郎杜氏(44)がユネスコの無形文化遺産に登録された日本の「伝統的酒造り」について、その歴史や技術、評価されたポイントなどを解説。こうじ菌を使った酒造りは日本の気候風土に適し、その技術は清酒のみならず焼酎や泡盛などにも応用され、祭礼や年中行事に欠かせない文化として発展を遂げてきたことを紹介した。新里社長は同登録を「日本酒を見直すきっかけになったと思う」と歓迎。本県沿岸に足を延ばす訪日外国人観光客の増加にも期待し、「酒蔵見学などで日本酒を正しく理解してもらうのはもちろん、ぜひ、地元食材を使った料理と一緒に味わってほしい」と望んだ。
 
浜千鳥の新里進社長(中)と「はい、ポーズ!」

浜千鳥の新里進社長(中)と「はい、ポーズ!」

 
客の好みに合う酒を社員らが提案(写真左)。日本酒にはやっぱり和食。飲んで食べて参加者同士の交流も(同右)

客の好みに合う酒を社員らが提案(写真左)。日本酒にはやっぱり和食。飲んで食べて参加者同士の交流も(同右)

 
 この催しをTETTOで開くのは初めて。市中心部で100人規模の宴会などを開催できる場所がなくなったため、同ホールに相談。ホールBを会場とし、仕出し料理を持ち込んでのパーティーが実現した。新里社長は「当社の場合はこれまでも従業員が飲料提供のサービスをしてきたこともあり、違和感なく運営できた。会場内にはあらかじめ、ごみ箱を設置。皆さんにもご協力いただく形にした」とし、同所利用の新たな可能性を示した。

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「ありがとう」と笑顔で100歳 盛トセさん 長寿を囲み 釜石の特養ホームで祝う会

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の盛トセさん(左)、長男の久男さん

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の盛トセさん(左)、長男の久男さん

 
 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(千葉敬施設長、長期利用66人、短期利用14人)で暮らす盛トセさんが15日、満100歳を迎えた。誕生日に合わせ、同施設では「百歳を祝う会」を開催。施設に入居する仲間や職員らから「すごいね」との感嘆の声と拍手を受けた盛さんは手を合わせて「ありがとう」と思いを返した。
 
 祝う会には、盛さんの長男久男さん(75)が滝沢市から駆け付けた。市保健福祉部の鈴木伸二部長も出席し、盛さんに特別敬老祝い金や羽毛肌掛け布団などを贈った。同施設を運営する社会福祉法人陽風会の清野信雄理事長は「これからも健康で楽しく毎日を過ごして」と花を手渡した。
 
「いつまでもお元気で」。誕生祝いの花を受け取る盛さん(中)

「いつまでもお元気で」。誕生祝いの花を受け取る盛さん(中)

 
盛さんの100歳を祝う家族、施設や市の関係者ら

盛さんの100歳を祝う家族、施設や市の関係者ら

 
 盛さんの生い立ちや生き方について、清野理事長が紹介した。1925(大正14)年4月15日、遠野市上郷町生まれ。子どもの頃は、子守奉公に出て働き手となったため、小学校にはほとんど通えなかったという。時を経て、20代前半に釜石鉱山で働いていた才太郎さん(故人)と結婚。ヤクルトの販売や学研の教材の配達などをしながら、2男を育てた。
 
 甲子町内の自宅前の畑で野菜を育て近所の人に配ったり、漬物にしてお茶飲みに誘ったりもしたそう。性格は穏やかで、人の悪口は言わない。思いやりがあり、近所づきあいを大切に生活。認知症になった知り合いの様子を毎日のように見にいっていたことなど、人柄が分かるエピソードを披露した。
 
 同施設の利用は2002年から。始まりはデイサービス、21年から短期滞在も利用し、25年2月から長期入居となった。最近は車いすでの移動がほとんど。耳も遠くなったが、近くで大きめの声でゆっくり話せば、笑顔を返す。施設職員や入居する仲間とお茶飲みしながら雑談するのが日課だという。
 
 長い付き合いとなったデイサービスの担当職員らもプレゼントを用意。思い出を切り取った数枚の写真が貼り付けられたメッセージカードには「明るい笑顔のかわいらしい盛さんにたくさんの幸せが訪れますように」と願いがつづられた。
 
デイサービス担当の職員からの贈り物に感謝する盛さん

デイサービス担当の職員からの贈り物に感謝する盛さん

 
施設職員と記念にパチリ。盛さんはにこやかに笑う

施設職員と記念にパチリ。盛さんはにこやかに笑う

 
 祝福されるたびに手を合わせて、頭を下げる盛さん。そばに寄り添った久男さんは「こんな素晴らしいお祝いをしてもらい、ありがたい」と感謝する。「働き者」の母に、子どもの頃はよく怒られていたというが、施設では心穏やかに過ごしていると実感。「何十年もお世話になり、かわいがってもらっている。元気になって、(母も)満足しているだろう」と肩の力を抜いた。
 
ちゃんちゃんこへの変身をサポートしてくれた職員に「ありがとう」

ちゃんちゃんこへの変身をサポートしてくれた職員に「ありがとう」

 
穏やかに笑う盛さん(左)を久男さんが見守る

穏やかに笑う盛さん(左)を久男さんが見守る

 
 同施設には100歳以上が3人おり、盛さんは4人目。「長寿の先輩にあやかって、みんなで長生きしましょう」。昼食には赤飯が用意され、入居者で味わった。
 
 釜石市の高齢化率(65歳以上)は3月末現在で40.9%。100歳以上は盛さんを含め32人(男性2人、女性30人)いる。最高齢は105歳の女性(市外施設に入所中)。

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夢へ、踏み出す一歩 釜石市国際外語大学校で入学式 日本・ミャンマー・ネパール人学生、決意新たに

釜石市国際大学校の入学式で在校生の歓迎を受ける新入生

釜石市国際大学校の入学式で在校生の歓迎を受ける新入生

 
 釜石市国際外語大学校(及川源太校長)の入学式は15日、同市大町の市民ホールTETTOで行われた。開校して2年目となる学びやに、留学生を含む22人が仲間入り。「釜石と世界をつなぐ存在に」「将来は日本で働きたい」など、それぞれが思い描く夢をかなえるために一歩を踏み出した。
 
 日本人向けの外語観光学科に市内外から3人が入学。外国人対象の日本語学科はネパール、ミャンマー出身の19人を迎え入れる。入国時期が遅れている学生(ネパール人)もいて、入学式には15人が参加した。
 
在校生や教職員らの拍手を受けながら入場する新入生

在校生や教職員らの拍手を受けながら入場する新入生

 
 新入生は真新しいスーツ、民族衣装のロンジー(ミャンマー)やサリー(ネパール)に身を包み入場。期待や不安が入り交じる様子だったが、自分の名前が呼ばれると「はい」と返事し、深くお辞儀した。
 
 式辞に立った及川校長は「日本人と留学生が同じ屋根の下で共に学び、成長できる『釜国』での学生生活を思いっきり楽しんで。それぞれの国で培ったグローバルな視点と、今いる地域で何ができるかという視点を持ち合わせた大人となり、未来を築いてほしい」と期待した。
 
「共に学び、成長を」などと式辞を述べる及川源太校長

「共に学び、成長を」などと式辞を述べる及川源太校長

 
真剣な表情で式辞や祝辞に耳を傾ける新入生

真剣な表情で式辞や祝辞に耳を傾ける新入生

 
 外語観光学科代表の小笠原奈那さん(19)は「ここで出会った仲間と刺激し合いながら自己実現のために学びを深めていく。多様なルーツや文化、価値観を持つ日本語学科の皆さんとも積極的に交流し、理解し合える関係を築いていきたい」と誓いの言葉を述べた。大槌町出身で、東日本大震災を機に釜石市に転居。地元で学べることへの感謝を口にし、「釜石と世界を言葉でつなげる存在、グローバルな人材になるため挑戦していく。切り開いた道を全力で歩み、恩返しをしていきたい」と前を向いた。
 
外語観光学科の新入生代表として決意を述べる小笠原奈那さん(手前)

外語観光学科の新入生代表として決意を述べる小笠原奈那さん(手前)

 
 日本語学科代表として決意を述べたのは、ミャンマー出身のタン タン ソーさん(25)。「釜石に来ることができて、とてもうれしいです。2年間、日本語の勉強を頑張ります」と片言の日本語で思いを伝えた。7日に来日し、自然豊かな景色に好感を持った様子。「釜石の人は優しい。まちで会った時、あいさつをしたら、優しい顔であいさつを返してくれます」といったエピソードも紹介した。
 
意気込みを伝える日本語学科代表のタン タン ソーさん(手前)

意気込みを伝える日本語学科代表のタン タン ソーさん(手前)

 
 鈴子町の校舎で学ぶ在校生が「ここは多くの素晴らしい出会いや経験を重ね、仲間と共に成長できる、すてきな場所。励まし合いながら進んでいきましょう」と歓迎。半年前から学ぶ日本語学科2年のタマン プラヂプさん(21)=ネパール出身=は「家族から離れて寂しくなったとしても、心配しないでくさい。学校に通って、だんだんに生活に慣れます。私たちは自分の夢をかなえるために来ているので、皆さんも一緒に勉強して、自分の夢をかなえましょう」とアドバイスを送った。
 
心待ちにしていた新しい仲間を在校生が歓迎した

心待ちにしていた新しい仲間を在校生が歓迎した

 
 同校は学校法人龍澤学館(盛岡市)が運営する専門学校。外語観光学科(2年制)では英語や観光マネジメントなどを学べる。新入生の小笠原さんは公務員志望で、そうしたニーズに応じ、選択制の試験対策講座も用意する。在籍は新入生を含め計5人となった。
 
記念撮影で笑顔を見せる外語観光学科の新入生と保護者ら

記念撮影で笑顔を見せる外語観光学科の新入生と保護者ら

 
ビシッと!日本語学科の新入生と学校関係者らも記念撮影

ビシッと!日本語学科の新入生と学校関係者らも記念撮影

 
 日本語学科は1年半と2年の2コース(4月と10月の年2回入学制)がある。1年半コースではネパール人16人が学んでいて、2年コースの新入生を含めると計35人が在籍。ミャンマーから留学生を迎え入れるのは初めてとなる。
 
 ミャンマーでは3月28日に中部のマンダレー近郊を震源とする大地震が発生。同国からの留学生6人は南部のヤンゴン出身で、直接の被害はなかった。ただ、被災地の甚大な被害状況に、タンさんやアウン へインさん(20)は「とても悲しい。心配している」と気遣う。来日前には、募金をしたり支援を行ってきたという。
 
手を合わせて「こんにちは」とあいさつするミャンマー人留学生

手を合わせて「こんにちは」とあいさつするミャンマー人留学生

 
 6人はそれぞれ夢を抱いて日本にやってきた。写真好きのタンさんはフォトグラファー、車に関心のあるアウンさんはトラックドライバーを夢見る。ほかにも、介護や自動車整備、ビジネスを学びたいと希望は各人各様。多くは日本で働くことを望み、2年間の学びで、日常会話レベルへの到達が目標。卒業後は日本国内の大学や専門学校への進学を見据える。「悲しいけど、釜石で頑張りたい」。共通の思いを胸に仲間と共に歩み続ける。
 
入学式を終えリラックスした表情のネパール人留学生。夢の実現に向け釜石で一歩を踏み出した

入学式を終えリラックスした表情のネパール人留学生。夢の実現に向け釜石で一歩を踏み出した

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釜石SW 首位愛知に23-40 後半反撃もホーム連勝ならず/SMC 2年目の出展ブース大盛況

リーグワン2部第11節 日本製鉄釜石シーウェイブス-豊田自動織機シャトルズ愛知=12日、釜石鵜住居復興スタジアム

リーグワン2部第11節 日本製鉄釜石シーウェイブス-豊田自動織機シャトルズ愛知=12日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は12日、釜石鵜住居復興スタジアムでリーグ首位の豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦。23-40(前半6-26)で敗れた。第8節から4連敗となった釜石は2勝9敗、勝ち点11で最下位。今季リーグ戦は残り3試合。次節は20日、初のリーグ戦会場となる北上市のウエスタンデジタルスタジアムきたかみで、6位の清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
 前半は釜石がPGで先制。SOミッチェル・ハントが安定のキックで8分、20分と得点を重ねた。愛知の1トライで中盤までは6-7。その後、相手の速い攻撃でディフェンスの穴を突かれた釜石は、33分までに3連続トライを許してしまう。前半の残り時間が少なくなる中、釜石も幾度となくゴール前に迫るも、ラインアウトのミスなどでトライまで持ち込むことができず、6-26、20点差で折り返した。
 
 後半8分、愛知の追加トライでさらに引き離された釜石。流れを変えたのは20分すぎ。敵陣中盤エリアでのスクラムを起点に、SH村上陽平がタップキックで素早く展開。後半出場のナンバー8ミューラー・ウェイス、SOハントがゴール前に運び、最後はフランカー河野良太がチーム初トライ。27分にはWTB阿部竜二がハーフウェイライン付近から蹴り上げたボールを自ら走り込んでキャッチ。サイドでフォローしていたFB落和史につなぎ、落が独走トライ。連続得点で16-33とした。33分にはロック、ハミッシュ・ダルゼルがトライを決め追い上げたが、点差を埋めることはできず、23-40で敗れた。
 
後半27分、FB落和史がトライ(写真左)。パスを出したWTB阿部竜二、SH村上陽平主将が駆け寄り祝福(同右)

後半27分、FB落和史がトライ(写真左)。パスを出したWTB阿部竜二、SH村上陽平主将が駆け寄り祝福(同右)

 
後半33分、ロック、ハミッシュ・ダルゼルがトライ。ゴールも決まって23-40

後半33分、ロック、ハミッシュ・ダルゼルがトライ。ゴールも決まって23-40

 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチは前半の連続失点について、「自分たちの小さなほころびを得点につなげられてしまった。タックルの次のフェーズでできた穴を狙われた」などと分析。「得点を取り切る場面でしっかり取り切れていない、ボールを奪われているのが課題」とし、セットピース(ラインアウト、スクラム)を含めた攻撃面の改善を見据えた。村上陽平主将も「前半は相手のアタックにうまく順応できず、簡単に得点されてしまった。後半、修正できたような相手が嫌がるディフェンスをスタート時点からできなければ勝てない」と反省。「残り3戦、絶対に落とせない。高いワークレート(仕事量)で一人一人が働き続けなければいけないことを自覚し、いかに結果にこだわってやれるか。リーダーとして、しっかりチームを引っ張っていきたい」と意を強くした。
 
試合後、選手は応援への感謝を伝えにバックスタンド席へ…。観客が拍手で迎える

試合後、選手は応援への感謝を伝えにバックスタンド席へ…。観客が拍手で迎える

 
会場入り口では大船渡市山林火災の義援金を呼び掛ける募金活動が行われた

会場入り口では大船渡市山林火災の義援金を呼び掛ける募金活動が行われた

 

SMC 2年目のマッチスポンサーに 8月完成予定の遠野サプライヤーパークをPR

 
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マッチスポンサーのSMCが開いたブース。外には順番待ちの長い列ができた

 
 釜石鵜住居復興スタジアムでの今季リーグ最終戦となった12日の試合は、釜石SWのチームスポンサーSMC(髙田芳樹代表取締役社長、本社:東京都中央区)がマッチスポンサーとなり、自社出展ブースなどで試合会場ににぎわいをもたらした。昨年3月に続く2年目の企画。今年は同社遠野工場の隣接地に建設中のサプライヤーパークを紹介するブースも設けられ、大勢の来場者が地元産業に理解を深めた。
 
 SMCは空気圧制御機器製造で世界首位の企業で、国内6カ所の生産拠点のほか、海外にも工場を持つ。本県には釜石、遠野両市に工場があり、釜石市では5工場が稼働。外国人労働者も多数、就労する。現在、同社に各種部品を供給する主要企業の集積地「遠野サプライヤーパーク」を建設中で、8月に完成予定。17社が入る見込みで、年内の本格稼働を目指す。
 
 スタジアムのイベントスペースに2棟の仮設ハウスを設置。サプライヤーの紹介ブースには15社が出展した。パンフレットや映像、製品サンプルなどで事業内容をPRした。見学した釜石市の松田卓也さん(49)は「ほとんどが聞いたことのない会社で興味深い。全国規模の会社がこの地に参入するのはいいこと。求人も増え、地元雇用拡大にもつながりそう」と期待。
 
サプライヤーパークに入る企業も出展。記念品なども配り来場者と交流した

サプライヤーパークに入る企業も出展。記念品なども配り来場者と交流した

 
各社の担当者が事業内容などを説明。来場者はものづくりの技術や製品に興味津々

各社の担当者が事業内容などを説明。来場者はものづくりの技術や製品に興味津々

 
子どもたちが楽しめる体験も(写真右上)。入り口には遠野サプライヤーパークの完成イメージ模型が設置された(同左下)

子どもたちが楽しめる体験も(写真右上)。入り口には遠野サプライヤーパークの完成イメージ模型が設置された(同左下)

 
 サプライヤーの一社、精密金属部品の切削加工を行うSANKA(神子島岩男代表取締役、本社:新潟県三条市)は、SMC遠野第2工場内で2年前から先行操業。この日はアルミ製のミニけん玉を組み立てる体験で子どもたちを喜ばせた。来場者の応対にあたった同社郡山工場の大内清美次長は「新たな施設では機械設備を増設し、事業規模を拡大していく予定。SMCさんと一緒に私たちの会社も成長できれば」と話した。
 
 SMCのブースは今年も大人気。工場生産ラインの自動化などあらゆる産業に使われる空気圧制御機器を応用した各種体験コーナーが用意され、幅広い年代が楽しんだ。会場内出店のキッチンカー飲食券が当たるクレーンゲーム機、的が動く輪投げ、吸着装置で菓子をゲットする縁日コーナーなど、同社の技術を駆使したアトラクションに長蛇の列ができた。模型で同社の事業や技術を紹介するコーナーも。今や同市誘致企業の代表格としてその名を知られる工場に、来場者も注目のまなざしを向けた。
 
SMCは空気圧機器を応用したアトラクションで楽しませた。記念ロゴ入りの限定エコバッグもプレゼント(写真左下)

SMCは空気圧機器を応用したアトラクションで楽しませた。記念ロゴ入りの限定エコバッグもプレゼント(写真左下)

 
会場内は終始、大にぎわい。社員らも応対に大忙しだった

会場内は終始、大にぎわい。社員らも応対に大忙しだった

 
 昨年は降雪の影響で試合が中止になったSMCプレゼンツマッチ。今年は大勢の来場者で同社ブースも終始混雑が続いた。久保至釜石工場長は「無料配布の綿あめの材料がなくなり追加発注した」と笑い、予想以上の盛況ぶりに喜びの表情。サプライヤーパークの完成で納期短縮や製品の安定供給が図られることに期待感を示し、「地元のより近くで部品生産してもらえるのは大きなメリット。ほとんどが関東圏などとの2拠点生産になるので、災害発生時の相互供給も可能。生産能力を高め、釜石のものづくりの工場としてさらに貢献していければ」と望んだ。

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かまいし春まつり

ゴールデンウィークの5月3日(土)、4日(日)に「かまいし春まつり」を釜石市鈴子町釜石駅周辺、シープラザ釜石とサン・フィッシュ釜石で開催します。
それぞれの施設で催しや企画があるほか抽選会も開催しますので、沿岸釜石にお立寄りの予定がある方は、是非JR釜石駅隣のシープラザ釜石とサン・フィッシュ釜石にお越しください。
また、魚河岸テラスでは「漁船クルーズ」の運行も予定されておりますので是非ご検討ください。

日時

2025年5月3日(土)、4日(日) 10:00〜15:00 

場所

釜石市鈴子町釜石駅周辺
シープラザ釜石
サン・フィッシュ釜石

内容

■シープラザ釜石 西側駐車場
・西側駐車場出店コーナー キッチンカー、テント出店
・のりもの広場 電動カートの走行(有料)
・親子木工教室 県産材を使った木工教室
 
■シープラザ釜石 館内
・バルーンパフォーマーたかしくん
・かまいしを知るパネル展 2階アイデアフロア
・釜石観光案内所
①シープラザ釜石、サン・フィッシュ釜石、西側駐車場出店エリア合同ガラポン抽選会(各店舗買い物、飲食1,000円で抽選補助券1枚進呈、3枚で1回抽選)
②GW期間中(5/3〜6)電動レンタサイクル特別料金でレンタル
 
■サン・フィッシュ釜石
3日、4日共通
・毛蟹釣りチャレンジ(有料)
・岩手大学タッチプール
3日
・産直市(捌き方体験も実施)
4日
・マグロ重量当てチャレンジ
・マグロ解体ショー&販売会
 
■JR釜石駅
・釜石駅クイズラリー
釜石駅内の主なスポットに隠されるキーワードやクイズを探して答え、正解数に応じて景品がもらえる
5/3 ①10:00〜②13:00〜③14:30〜 
※改札内入場は入場券150円を買い求める必要有り

>主催

一般社団法人釜石観光物産協会

共催

JR釜石駅、釜石地方林業振興協議会、釜石駅前商業協同組合、シープラザテナント会

問い合わせ

釜石観光案内所
TEL 0193-27-8172

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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樹形、ボリューム、夜桜…見どころ満載 釜石2巨木桜満開 大畑/上栗林 地域が誇る春風景今年も

「大畑の一本桜」の愛称で親しまれる巨木桜=甲子町、15日午前撮影

「大畑の一本桜」の愛称で親しまれる巨木桜=甲子町、15日午前撮影

 
今年もライトアップが行われている市指定文化財「上栗林のサクラ」=栗林町、14日夕方撮影

今年もライトアップが行われている市指定文化財「上栗林のサクラ」=栗林町、14日夕方撮影

 
 釜石市内はさまざまな種類の桜が咲き誇り、各所で花の競演が見られている。先週から今週前半にかけては曇りや雨の日が続き肌寒さも感じたが、市街地を中心にほぼ満開を迎えた。中でもひときわ存在感を放つのが、長い年月をかけて大きく成長した「一本桜」。甲子町大畑、栗林町上栗林に根付く一本桜は、古くから地域住民に親しまれてきた2大巨木で、樹形やボリューム感たっぷりの花姿が訪れる人を魅了している。市指定文化財(天然記念物)となっている上栗林の一本桜は今年も、夜のライトアップが行われていて、20日まで夜桜見物も楽しめる。
 
 甲子町大畑の一本桜は、市老人福祉センター隣の私有地に生える。一段高い農地跡の斜面から太い幹が斜めに伸び、複数の枝が上方と横方向に張り出す。土地を所有する一族の方によると、この地で製氷や稲作の仕事をしていた先祖が植えたものとみられ、「樹齢は100年以上ではないか」と話す。数年前に樹木医に見てもらったところ、エドヒガン系の品種とのこと。車両の通行に支障が出ないよう枝払いをしたことはあるが、ほぼ手を入れることなく、現在に至っている。
 
農地の斜面に根を張り、独特な樹形を見せる一本桜

農地の斜面に根を張り、独特な樹形を見せる一本桜

 
根元の左右に連なる石垣は製氷場の跡。冬季に水を張って氷を作り、市街地に卸していたという

根元の左右に連なる石垣は製氷場の跡。冬季に水を張って氷を作り、市街地に卸していたという

 
 昨春は開花前に野鳥に花芽を食べられる被害があり、見られる花が大幅に減少したが、今年は食害もなく、「花の付きもいいよう」。11日ごろから開花が進み、15日午前には9分咲きにまでなった。周辺には他の桜の木も点在。近くにある自然散策路が整備された「福祉の森」では桜以外にもツバキなどが花を咲かせていて、色彩のコラボレーションも楽しめる。
 
野鳥の食害もなく、枝いっぱいに花を咲かせている。咲き始めは淡い桃色が際立つ

野鳥の食害もなく、枝いっぱいに花を咲かせている。咲き始めは淡い桃色が際立つ

 
周辺ではツバキやレンギョウ、スイセンも開花。春ならではの色彩風景

周辺ではツバキやレンギョウ、スイセンも開花。春ならではの色彩風景

 
 所有者一族の女性(83)は「開花時期としては少し寒いので、逆に花も長く楽しめそう。近所の人だけでなく、地区外から写真を撮りにくる人もいて、皆さん楽しみにしているようだ。枝ぶりもいいので、ぜひ多くの人に見てもらいたい」と話す。市中心部から向かう場合は国道283号を西進。左手の甲子中を過ぎてまもなく、「老人福祉センター滝の家」への左折看板が見える。左折後は上り坂を道なりに進み、釜石自動車道をまたぐ陸橋を渡って左折すると、すぐ右手に見えるのが大畑の一本桜。
 
 一方、栗林町上栗林の一本桜は、県道釜石遠野線を橋野町方面に進む途中の右手にある。道路から見え、昼なら「上栗林のサクラ」の標識で、夜ならライトアップで識別可能。地元町内会「上栗林振興会」が行う夜のライトアップは13年目を迎え、12日から点灯が始まった。
 
 上栗林集会所に隣接する私有地に自生している同桜はエドヒガン種。地元では「種蒔(たねまき)桜」と呼ばれ、開花が農事の目安にされてきた。樹齢は400年以上と推定される。2007年に市の文化財に指定された。13年から始めたライトアップで認知度が一気に高まった。幹や枝は今も成長を続けているとみられる。
 
雨上がりの夕空を背景に一味違った風情を醸す「上栗林のサクラ」

雨上がりの夕空を背景に一味違った風情を醸す「上栗林のサクラ」

 
夕方(写真上)から夜のライトアップ(同下)にかけて目に映る色彩の変化も楽しめる

夕方(写真上)から夜のライトアップ(同下)にかけて目に映る色彩の変化も楽しめる

 
 今年は9日に5~6輪咲いているのが確認され、その後、順調に開花が進んだ。14日は日中、強雨に見舞われたものの、花の落下はほぼ無く満開を迎えた。夕方には雨も上がり、日が落ちて暗くなると空には星が輝いた。雨で足元はぬかるんでいたが、貴重な“やみ間”を逃すまいと、見物客が足を運んだ。
 
上栗林集会所側から臨む桜。暗闇に浮かび上がる花姿が美しい

上栗林集会所側から臨む桜。暗闇に浮かび上がる花姿が美しい

 
枝が垂れ、シダレザクラのようになった箇所も。撮影アングルにもおすすめ

枝が垂れ、シダレザクラのようになった箇所も。撮影アングルにもおすすめ

 
 愛用のカメラで写真撮影にいそしんだのは鵜住居町の男性(62)。東日本大震災で被災し栗林町の仮設住宅に入居していた当時、笛吹峠を通って出張から帰る機会があり、ライトアップ中の桜を偶然目にした。以来、同桜のとりこに…。開花時期には欠かさず足を運んでいるという。「素晴らしいですね。これほどの巨木(桜)は県内にはないのではないか。目の前にすると厳かな気持ちになる」。支柱や枝吊りもなく、自然のままの状態で維持されていることにも驚いた様子。「貴重な文化財。ぜひ後世にまでつないでいってほしい」と願った。
 
 上栗林のサクラのライトアップは20日までを予定。点灯時間は午後6時半から午後9時半まで。