日本製鉄釜石シーウェイブス 2023-24シーズン総括記者会見=市球技場クラブハウス
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は7日、2023-24シーズンの総括会見を行った。6チーム中6位(1勝11敗)、3部との入れ替え戦(2勝0敗)で2部残留を決めたリーグワン3季目。坂下功正総監督は失点の多さを敗因に挙げ、来季に向け「ディフェンス(防御)の強化」を最重要課題とした。会見では、来季から6季以内の1部昇格を目指すチーム目標も示された。
桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)が会見。試合内容、集客など事業面についてデータを示しながら説明した。SWのレギュラーシーズン10試合の得点は210、失点は457(得失点差-247)で勝ち点7。プレー成績ではチームトライ数4位、オフロードパス回数2位、ボールキャリー数2位、ゲインメーター総距離3位(いずれも6チーム中)。攻撃面では成長が見られたものの、目標としていた“3位以上”には届かなかった。
3月10日の試合で決勝点となるトライを決めたWTBヘンリージェイミー選手(右)。2部の最多トライゲッターを受賞した
坂下総監督は「アタック(攻撃)面は向上しているが、失点数が非常に多い。この得失点差が結果としてチームが勝てないことにつながっている」と分析。来季の課題として「ディフェンス面の強化」を最大のポイントに挙げ、「しっかり克服し、強い組織力を持ったチームにしていかねばならない」とした。
「望む結果を得られず、責任を感じている」と須田HC。タックルの成功率は上がっているものの、組織としてのディフェンス力が足りなかったことを反省点に挙げた。「重要な局面でのエラーでチームが勢いを失ってしまった部分がある」とも。ハンドリングエラーからディフェンスに転じてしまう局面もあり、「もう一度精査し、改善を図りたい」と述べた。
リーグワン3季目を振り返る(写真上段左から)桜庭吉彦GM、坂下功正総監督、須田康夫HC
23-24シーズンのホストゲーム(公式戦)5試合の平均観客数は1642人(前季比147%)。3月10日に釜石鵜住居復興スタジアムで行われた東日本大震災復興祈念試合(対九州電力キューデンヴォルテクス戦)は3947人が来場した。桜庭GMは集客増加の要因として「昨年から始めた釜石・大槌地区の小中学生向けドリームパスポートの定着、スポンサーや地域との連携が背景にある」とし、「恒常的に増やしていくのが今後の課題。『うのスタ6千人満員』を達成できるよう施策を重ねたい」と話した。
3947人が来場した3月10日の東日本大震災復興祈念試合。ホーム戦初勝利に沸く観客
会見では1部昇格までの段階的期間目標も示された。①2024-25、25-26シーズン=2部3位以内、②26-27、27-28シーズン=2部首位、1部入れ替え戦勝利・昇格、③28-29、29-30シーズン=1部参入―。坂下総監督は「組織の経営状況、予算を含めた議論の中で設定した目標」とし、達成に向け努力していく考えを示した。
リーグワン2部は来季、3チームが新たに参入し、8チームで戦う。今季以上に「熾烈(しれつ)な戦い」が想定される。
▽リーグワン2部2024-25シーズン所属チーム
花園近鉄ライナーズ(23-24シーズン1部12位)
豊田自動織機シャトルズ愛知(同2部2位)
NECグリーンロケッツ東葛(同2部3位)
レッドハリケーンズ大阪(同2部4位)
九州電力キューデンヴォルテクス(同2部5位)
日本製鉄釜石シーウェイブス(同2部6位)
日野レッドドルフィンズ(同3部1位)
清水建設江東ブルーシャークス(同3部2位)