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日本製鉄釜石SW リーグワン3季目総括「課題はディフェンス」 6季内の1部昇格目標も示す 

日本製鉄釜石シーウェイブス 2023-24シーズン総括記者会見=市球技場クラブハウス

日本製鉄釜石シーウェイブス 2023-24シーズン総括記者会見=市球技場クラブハウス

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は7日、2023-24シーズンの総括会見を行った。6チーム中6位(1勝11敗)、3部との入れ替え戦(2勝0敗)で2部残留を決めたリーグワン3季目。坂下功正総監督は失点の多さを敗因に挙げ、来季に向け「ディフェンス(防御)の強化」を最重要課題とした。会見では、来季から6季以内の1部昇格を目指すチーム目標も示された。
 
 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)が会見。試合内容、集客など事業面についてデータを示しながら説明した。SWのレギュラーシーズン10試合の得点は210、失点は457(得失点差-247)で勝ち点7。プレー成績ではチームトライ数4位、オフロードパス回数2位、ボールキャリー数2位、ゲインメーター総距離3位(いずれも6チーム中)。攻撃面では成長が見られたものの、目標としていた“3位以上”には届かなかった。
 
3月10日の試合で決勝点となるトライを決めたWTBヘンリージェイミー選手(右)。2部の最多トライゲッターを受賞した

3月10日の試合で決勝点となるトライを決めたWTBヘンリージェイミー選手(右)。2部の最多トライゲッターを受賞した

 
 坂下総監督は「アタック(攻撃)面は向上しているが、失点数が非常に多い。この得失点差が結果としてチームが勝てないことにつながっている」と分析。来季の課題として「ディフェンス面の強化」を最大のポイントに挙げ、「しっかり克服し、強い組織力を持ったチームにしていかねばならない」とした。
 
 「望む結果を得られず、責任を感じている」と須田HC。タックルの成功率は上がっているものの、組織としてのディフェンス力が足りなかったことを反省点に挙げた。「重要な局面でのエラーでチームが勢いを失ってしまった部分がある」とも。ハンドリングエラーからディフェンスに転じてしまう局面もあり、「もう一度精査し、改善を図りたい」と述べた。
 
リーグワン3季目を振り返る(写真上段左から)桜庭吉彦GM、坂下功正総監督、須田康夫HC

リーグワン3季目を振り返る(写真上段左から)桜庭吉彦GM、坂下功正総監督、須田康夫HC

 
 23-24シーズンのホストゲーム(公式戦)5試合の平均観客数は1642人(前季比147%)。3月10日に釜石鵜住居復興スタジアムで行われた東日本大震災復興祈念試合(対九州電力キューデンヴォルテクス戦)は3947人が来場した。桜庭GMは集客増加の要因として「昨年から始めた釜石・大槌地区の小中学生向けドリームパスポートの定着、スポンサーや地域との連携が背景にある」とし、「恒常的に増やしていくのが今後の課題。『うのスタ6千人満員』を達成できるよう施策を重ねたい」と話した。
 
3947人が来場した3月10日の東日本大震災復興祈念試合。ホーム戦初勝利に沸く観客

3947人が来場した3月10日の東日本大震災復興祈念試合。ホーム戦初勝利に沸く観客

 
 会見では1部昇格までの段階的期間目標も示された。①2024-25、25-26シーズン=2部3位以内、②26-27、27-28シーズン=2部首位、1部入れ替え戦勝利・昇格、③28-29、29-30シーズン=1部参入―。坂下総監督は「組織の経営状況、予算を含めた議論の中で設定した目標」とし、達成に向け努力していく考えを示した。
 
 リーグワン2部は来季、3チームが新たに参入し、8チームで戦う。今季以上に「熾烈(しれつ)な戦い」が想定される。
 
▽リーグワン2部2024-25シーズン所属チーム
花園近鉄ライナーズ(23-24シーズン1部12位)
豊田自動織機シャトルズ愛知(同2部2位)
NECグリーンロケッツ東葛(同2部3位)
レッドハリケーンズ大阪(同2部4位)
九州電力キューデンヴォルテクス(同2部5位)
日本製鉄釜石シーウェイブス(同2部6位)
日野レッドドルフィンズ(同3部1位)
清水建設江東ブルーシャークス(同3部2位)

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空高く“水のカーテン” 守る!心構え示す一斉放水 釜石市消防団演習 任務遂行へビシッと

空に向けた一斉放水で防火への心構えを示す釜石市消防団員

空に向けた一斉放水で防火への心構えを示す釜石市消防団員

 
 釜石市消防団(坂本晃団長、全8分団36部、団員524人)の2024年度消防演習は9日、鈴子町の釜石消防庁舎駐車場などで行われた。団員443人、ポンプ車など38台が出動。ビシッと姿勢を正して観閲を受けたり、空に向けた一斉の放水訓練などを繰り広げ、災害や火災から「住民の安全安心を守る」と心構えを示した。
 
 開会行事で、統監の小野共市長が訓示。全国各地で頻発する地震や近隣自治体で発生した山林火災などに触れながら、「いざという時に頼れるのは消防団。地域に密着した防災活動の中核として職務に尽力してほしい」と求めた。統監らによる閲覧を受けた団員たち。姿勢を正し、任務遂行へ士気を高めた。
 
統監の小野共市長の訓示(左下写真)に聞き入る団員ら

統監の小野共市長の訓示(左下写真)に聞き入る団員ら

 
消防団を背負う団員たち。敬礼し、職務遂行へ気を引き締める

消防団を背負う団員たち。敬礼し、職務遂行へ気を引き締める

 
 災害現場や火災予防で優秀な活動をした団員や部をたたえる市長表彰として、17人に功績章、5つの部に竿頭綬(かんとうじゅ)を授与。在職3年以上で職務精励、消防技能に優れた5人に市消防団長表彰の精勤章を贈った。
 
 新規入団者4人が辞令を受け、代表して第8分団2部(唐丹町本郷)所属の伊藤康生さん(22)が「良心に従って誠実に消防の義務を遂行する」と宣誓した。
 
表彰では優れた活動を続ける部や団員をたたえた

表彰では優れた活動を続ける部や団員をたたえた

 
坂本晃団長の前で宣誓を行う新入団の伊藤康生さん

坂本晃団長の前で宣誓を行う新入団の伊藤康生さん

 
 千鳥町の甲子川河川敷にポンプ車を並べ、豪快な放水訓練を実施。川からくみ上げた水を天高く放ってつくった“水のカーテン”に、見守る市民から大きな拍手が送られた。近くに住む大澤七奈さん(9)は「生で見るのは初めて。水の勢いがすごかった」と目を大きくし、父賢一さん(43)は「このような放水が行われることがないようにしなければいけないが、身近にたくましい人たちがいるのを感じてもらえただろう」とうなずいた。
 
川に向かって一斉放水。訓練で身に付けた技能を発揮した

川に向かって一斉放水。訓練で身に付けた技能を発揮した

 
 岩手県防災ヘリコプターによる救助救出訓練もあった。風水害や大雨による河川氾濫、津波の浸水などが発生し、ビル(建物)の屋上で孤立している要救助者がいるとの想定。消防庁舎訓練棟周辺の上空に到着した防災ヘリから航空隊員がロープで降下し、要救助者役の釜石消防署員を抱えるなどしてヘリに引き上げた。団員や市民らは離れた場所から救助の様子を見つめた。
 
岩手県防災ヘリとの連携を確認する救助救出訓練

岩手県防災ヘリとの連携を確認する救助救出訓練

 
放水訓練や消防車両を見ようと釜石消防署周辺に市民が集った

放水訓練や消防車両を見ようと釜石消防署周辺に市民が集った

 
 釜石市内では昨年、10件の火災があり、1人が死亡、3人が負傷した。今年はこれまでに5件の火災が発生。前年の5月末までと比べると1件少ないだけで、警戒が必要だ。坂本団長は「頼られる団であるよう団員一丸となって訓練に励み、組織の充実、強化を図っていく」と気を引き締めた。

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母校の後輩にエール! 釜石高同窓会宮城支部 空手防具を寄贈 16年連続のインターハイ出場に力

支援の防具を空手道部の男女部長に手渡す釜石高同窓会宮城支部の大久保賢蔵支部長(左から2人目)と佐々木達也事務局長(左)

支援の防具を空手道部の男女部長に手渡す釜石高同窓会宮城支部の大久保賢蔵支部長(左から2人目)と佐々木達也事務局長(左)

 
 釜石高同窓会宮城支部(大久保賢蔵支部長、会員約300人)は4日、母校の空手道部(男10人、女12人)に組手試合で使う防具を寄贈した。2018年に開始した部活支援の一環。同部は1、2の両日に行われた県高総体団体組手で男女ともに優勝。16年連続のインターハイ出場を決めている。先輩方の応援の気持ちを受け取り、全国の舞台での活躍を誓う。
 
 贈呈式は釜石高(青木裕信校長、全日制387人、定時制16人)の校長室で行われた。同支部の大久保支部長(74、1968年卒)、佐々木達也事務局長(57、1985年卒)が同校を訪れ、空手道部男子の倉澤威琉部長(3年)、同女子の石村海鈴部長(同)に防具を手渡した。寄贈したのは足の甲と脛(すね)に装着するもので、サイズ違いの計12セット(10万円相当)。
 
 倉澤部長は「今まで使っていたのはつま先がないタイプ。新しい防具でけがも少なくなると思う」と喜び、「先輩方の応援は自分たちの力になる。常に応援されるチームでいられるよう、伝統ある部活をつなげていきたい」と意気込んだ。石村部長は「自分たちの部に支援をいただき、本当にうれしい。これを使って早く試合がしたい」と胸を躍らせ、「インターハイに向け、全員で練習を頑張る」と誓った。
 
校長室で行われた贈呈式。県大会で何度も手にしてきた優勝旗のペナントには釜石高の名前が…

校長室で行われた贈呈式。県大会で何度も手にしてきた優勝旗のペナントには釜石高の名前が…

 
防具寄贈に感謝する青木裕信校長(左)、空手道部男子の倉澤威琉部長(右から2人目)、同女子の石村海鈴部長(右)

防具寄贈に感謝する青木裕信校長(左)、空手道部男子の倉澤威琉部長(右から2人目)、同女子の石村海鈴部長(右)

 
 同支部は同校伝統の“文武両道”を貫く後輩たちを応援したいと、2018年から部活支援を開始。年1回の支部総会で集めた会員の募金(毎年5万円)を母校に寄付してきた。新型コロナウイルス禍でしばらく総会をできずにいたが、今年1月、5年ぶりに開催。支援活動の復活について協議したところ、「今、必要な物を形で」との声が上がり、部から要望を聞いての現物寄贈に切り替えた。その第一弾が長年、全国大会連続出場を果たしている空手道部。
 
大久保支部長、佐々木事務局長は空手道部の部員らとも対面

大久保支部長、佐々木事務局長は空手道部の部員らとも対面

 
釜石高の先輩方からの支援を喜ぶ部員ら

釜石高の先輩方からの支援を喜ぶ部員ら

 
 贈呈式後、大久保支部長らは県大会を終えたばかりの部員らと顔を合わせ、インターハイ出場決定を祝福。「全国大会出場を何年も成し遂げているのは実に素晴らしい。ぜひ、この調子で頑張って」とエールを送った。仙台市を中心に宮城県には多くの釜高同窓生がいて、さまざまな分野で活躍中。「集まると、母校のために何かしたいという話になる。少しでもお役に立てて良かった」と大久保支部長。
 
 佐々木事務局長は「野球の甲子園出場時には各方面から支援が集まるが、他にも活躍している部活はある。今後も各部が必要とする支援を続け、頑張っている生徒たちをできる限り後押ししていきたい」と意を強くした。
 
 同校空手道部は今年の県高総体で団体組手の男女優勝のほか、個人形、個人組手で男女合わせて5人が上位入賞を果たし、インターハイ出場を決めた。インターハイ空手道競技は8月1~4日まで長崎県佐世保市で行われる。
 
部は贈られた防具を手にする姿を写真に収め、宮城支部に送った(写真提供:空手道部)

部は贈られた防具を手にする姿を写真に収め、宮城支部に送った(写真提供:空手道部)

 
部員らは支援に力をもらい、8月のインターハイに向け、さらなるレベルアップを目指す 

部員らは支援に力をもらい、8月のインターハイに向け、さらなるレベルアップを目指す 

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自然を感じ歩く、味わう 開通5周年!みちのく潮風トレイル 釜石で記念イベント

潮風を感じながら根浜海岸沿いを歩く参加者たち

潮風を感じながら根浜海岸沿いを歩く参加者たち

 
 岩手県沿岸部を含む長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」の全線開通5周年を記念した「鵜住居トレイル&畜養ウニ剝(む)き体験ウォーク」が1日、釜石市鵜住居町で行われた。地元の観光地域づくり会社かまいしDMCと市が共同で企画。県内外から約20人が参加し、海沿いの景色や旬の味を楽しみながら歩いた。
 
 潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ全長1025キロの自然歩道。東日本大震災を経て、被災地に人を呼び込む復興支援策として検討が進み、2019年6月9日に全線が開通した。
 
 釜石区間は国指定天然記念物の三貫島や太平洋を望む海岸線、江戸時代から三陸を結ぶ生活の道として多くの旅人が往来した浜街道、震災後の復興の歩みを感じる市街地をめぐる約68キロのコース。市関係者らによると、「景色がよく自然を体感できるが峠道が多く、どちらかと言えば玄人向けかな」ということだ。
 
みちのく潮風トレイルは海景や自然を体感できるのが魅力

みちのく潮風トレイルは海景や自然を体感できるのが魅力

 
 そこで、初心者や歩き慣れていない人にトレイルの楽しみ方を知ってもらおうと、アップダウンの少ない特別コースを用意。鵜住居地区の海岸沿いの景観を楽しみつつ、復興まちづくり、震災の教訓にも触れることができる往復約6キロのルートで、同社の菊池啓さん(56)がガイドを務めた。
 
スタート前に三陸鉄道鵜住居駅前の広場で集合写真をパチリ

スタート前に三陸鉄道鵜住居駅前の広場で集合写真をパチリ

 
 三陸鉄道鵜住居駅をスタートした参加者は、片岸海岸の防潮堤や鵜住居川水門の上を通って根浜海岸へ。地元で「夫婦岩(めおといわ)」と呼ばれる岩石、震災の津波や地盤沈下で失われたものの人工的に再生された砂浜を眺めながら歩いた。
 
釜石鵜住居復興スタジアムを背に鵜住居川沿いを進む

釜石鵜住居復興スタジアムを背に鵜住居川沿いを進む

 
鵜住居川水門を見学して防災・減災に理解を深めながら歩く

鵜住居川水門を見学して防災・減災に理解を深めながら歩く

 
古い時代の地層⁉…参加者は「夫婦岩」に興味津々

古い時代の地層⁉…参加者は「夫婦岩」に興味津々

 
 観光施設「根浜シーサイド」のレストハウスではウニ剝きに挑戦。唐丹湾で人工的に育てられた畜養のキタムラサキウニが提供され、参加者はキッチンバサミを使って殻を割り、中に残る海藻などをピンセットで丁寧に取り除いた。スプーンで身をすくってパクリ。「おいしい」と顔をほころばせた。
 
レストハウスで畜養ウニの殻むきを体験し満足げな参加者

レストハウスで畜養ウニの殻むきを体験し満足げな参加者

 
 海の恵みを堪能してウオーキングは後半戦に。震災で被災した鵜住居小と釜石東中の跡地に建てられた釜石鵜住居復興スタジアムへ移動し、施設の特徴など説明を聞いた。そして、同小中の児童生徒が津波から避難した経路をたどって追体験。新しい街並みを進んで、駅に戻った。
 
 同市浜町の藤元裕一さん(71)、福子さん(71)夫妻は普段からウオーキングを楽しんでいて、潮風トレイルに興味があった。「車で通る時には気づかなかったことを発見したり、感動がたくさん。歩くことで釜石の良いところを知った。鳥のさえずりを聞いたり風を感じたり、自然を体験するぜいたくな時間だった」と笑顔を重ねた。ウニ剝きでは漁業者の細やかな仕事ぶりを実感。おいしさを届けてくれていることに感謝した。
 
松林が美しい根浜海岸を通り抜ける足取りは軽やか

松林が美しい根浜海岸を通り抜ける足取りは軽やか

 
潮風トレイルの魅力を体感し笑顔を見せる参加者たち

潮風トレイルの魅力を体感し笑顔を見せる参加者たち

 
 5周年を迎えた潮風トレイルは、英紙タイムズが掲載した記事「日本で訪れるべき場所14選」で取り上げられるなど、海外からも注目を集める。同社や市では誘客に期待し、コース整備に取り組む考え。今回の企画のような魅力発信につなげるイベントを秋頃にも催したいとしている。

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クマ被害防止へ対策を! 釜石市内でも目撃情報多数 自宅周辺、入山時、寄せ付けない工夫を

釜石市内で目撃されたツキノワグマ(資料写真提供:三浦勉さん)

釜石市内で目撃されたツキノワグマ(資料写真提供:三浦勉さん)

 
 釜石市内でも春以降、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。目撃件数が大幅に増加した昨年同時期よりは少ないものの、市内各地で目撃があり、市は注意を呼び掛ける。例年5~6月は目撃件数が増加する時期。地形上、民家の背後に山が接近する同市では、登山や山菜採りなど意図して入山する以外にも、家屋周辺にクマを寄せ付けるものを放置しないなどの日常生活での対策も求められる。
 
 市水産農林課によると、今年に入り同市に寄せられたクマの目撃件数は74件(6月9日現在)。春を迎えてからは4月が6件(昨年同月16件)、5月が26件(同47件)で、昨年同時期に比べるとほぼ半減しているが、餌となるクワの実がなる6~7月は例年、目撃情報が多くなることから注意が必要。
 
クマは餌となる木の実などを求めて樹木に登る。頭上にも注意(資料写真提供:三浦勉さん)

クマは餌となる木の実などを求めて樹木に登る。頭上にも注意(資料写真提供:三浦勉さん)

 
クマの目撃情報は市内各地である。防災行政無線や市のLINEなどで情報収集を

クマの目撃情報は市内各地である。防災行政無線や市のLINEなどで情報収集を

 
 同市の2023年度のクマ目撃件数は、前年度の2倍以上となる321件。人身被害は10、11月に計2件発生し、高齢女性2人が負傷した。自宅近辺のカキの木が誘引物になったとみられている。5月には只越町の市役所付近で、クマ1頭がアパート駐車場に居座り、約3時間後に捕獲されるという事案もあった。
 
 釜石警察署によると、市内では今年、クマによる人身被害は今のところ発生していないが、6月に入り、米ぬかを保管していた倉庫が荒らされるクマによるものとみられる被害が発生している。
 
 クマの目撃は例年、夏場は減少するが、カキやクルミ、クリなどの実がなる秋は再び増加傾向にある。山に入る際はクマよけの鈴や笛、ラジオなど音の出るもの、クマ撃退スプレーを携帯し、複数人で行動。見通しの悪い場所、周りの音が消される沢沿いでは特に意識して音を出し、人間の存在をクマに知らせることが大切だ。クマの目撃情報がある場所は避け、ふんや爪痕を見つけたら引き返す判断も。
 
クマが引っかいたとみられる爪痕が残る樹木

クマが引っかいたとみられる爪痕が残る樹木

 
クマの目撃情報がある場所では特に注意が必要

クマの目撃情報がある場所では特に注意が必要

 
 被害に遭わないためには自宅周辺の対策も必要。▽納屋などに果物、穀物、アルコール類など、においが強いものを保管しない▽生ごみは収集日の朝に出す▽庭や家庭菜園に果実などを放置しない(クマが寄り付く前に収穫など)▽墓の供え物は持ち帰る―。人間の居住区にクマを寄せ付けないことが重要だ。
 
 市では目撃情報が寄せられるたびに地元猟友会などと現場に出向き、状況把握や原因分析、爆竹を鳴らすなどの追い払いを行っている。市水産農林課の清藤剛林業振興係長は「民家近くへの出没の多くがカキ目当て。誘引物をなくすと来なくなるケースがほとんど。木の所有者には適正な管理をお願いしたい」と呼び掛ける。入山時については「(クマが)いる所に入っていくということを意識してほしい。目撃が多い朝、夕は避け、出没情報がある場所にはできるだけ行かないことも大事」と警戒を促す。
 
伐採した木など朽ちた木片に集まるアリもクマの誘引物となるので注意(資料写真提供:三浦勉さん)

伐採した木など朽ちた木片に集まるアリもクマの誘引物となるので注意(資料写真提供:三浦勉さん)

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祝・かまいしこども園開設10年 人気絵本作家サトシンさんが記念の読み聞かせライブ

絵本作家サトシンさんのライブを楽しんだかまいしこども園児と保護者

絵本作家サトシンさんのライブを楽しんだかまいしこども園児と保護者

 
 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児80人)は本年度、開設から10年目を迎える。5月29日、記念イベントとして、人気絵本作家のサトシン(本名:佐藤伸)さん(61)を招いての読み聞かせライブが園内で行われた。作品を歌で伝えたり、物語を作る面白さを園児に体験させたりと、絵本のさまざまな楽しみ方を提案。この日は保育参観日で、園児と保護者がかけがえのない時間を過ごした。
 
 サトシンさんは新潟市出身、在住。広告制作プロダクション勤務、専業主夫、フリーのコピーライターを経て40代前半から絵本作家に。これまでに50作品以上を手掛ける。2010年に出版した「うんこ!」は数々の賞を受賞。大きな反響を呼んだ。テレビやラジオ番組、全国を回ってのライブなどで、絵本の楽しさや大切さを伝えている。
 
 今回は釜石では初のライブ。自身の代表作をさまざまな手法で聞かせた。あいさつの大事さを表現した作品「こんにちは、ばいばい」は同園の教諭と掛け合い。登場する動物の鳴き声で楽しませた。いろいろな曲調で物語を歌で伝える活動もしているサトシンさんは、「とこやにいったライオン」などを歌って聞かせた。虫好きが高じて作った「はやくおおきくなりたいな」、子どもたちへのメッセージが込められた「おとなからきみへ」も披露した。
 
トレードマークの王冠帽子とマント姿で、園の先生と絵本を読み聞かせるサトシンさん(写真右)

トレードマークの王冠帽子とマント姿で、園の先生と絵本を読み聞かせるサトシンさん(写真右)
 
日本昔ばなしや自身の作品を歌で披露。「ソング絵本」としてCDも発売している

日本昔ばなしや自身の作品を歌で披露。「ソング絵本」としてCDも発売している
 
スクリーンにページを写しながら読み聞かせ(写真上)。物語の世界に引き込まれる親子(同下)

スクリーンにページを写しながら読み聞かせ(写真上)。物語の世界に引き込まれる親子(同下)

 
 サトシンさんを一躍有名にした「うんこ!」は楽しい絵本の代表格。近寄ってきたネズミやヘビ、ウサギに「くっさーい」と敬遠されながらも、仲間を探す旅に出るうんこが主人公。最後は農家さんに出会い、肥やしになっておいしい野菜を育てるのに役立つ。悔しがる時に発する「くっそー」、考える時の「うん、こーしよう」など駄じゃれを交えたセリフもあり、会場の親子は一緒に声を出して楽しんだ。
 
発売から10年で50万部売れた人気作品「うんこ!」。掛け声で楽しめるのはライブならでは

 発売から10年で50万部売れた人気作品「うんこ!」。掛け声で楽しめるのはライブならでは

 
サトシンさんのエネルギッシュなライブに拍手と笑顔

サトシンさんのエネルギッシュなライブに拍手と笑顔

 
 サトシンさんが考案した「おてて絵本」という遊びも紹介。手のひらを絵本に見立てて即興で物語をつくるもので、園児も体験した。この日は好きな動物から話を展開。サトシンさんが園児に質問しながら会話するうちに、自然と1つの“お話”が出来上がった。「子どもは大人に話を聞いてもらいたい生き物。親がその気持ちを受け取り、やり取りする中でコミュニケーションが生まれ、子どもは満足する。作っている話の中で日常では見えなかった子どもの気持ちが見えてくることもある」とサトシンさん。絵本を読んだり物語を考えたりすることで「想像力が育まれる」とも。
 
「おてて絵本」で“物語作り”体験。希望した園児と藤原園長が挑戦した

「おてて絵本」で“物語作り”体験。希望した園児と藤原園長が挑戦した

 

 
 言葉遊びの面白さ、何げないやり取りの中に込められた自分らしく生きるためのヒント…。子どもだけでなく大人にも響く作品を存分に楽しんだ親子は、たくさんの笑顔を広げた。サトシンさんの作品に初めて触れた久保梓ちゃん(4)は「楽しかった!絵本大好き」とにっこり。母静樺さん(27)は「子ども向けの絵本だけど、深いメッセージが込められている。サトシンさんご自身の言葉で聞けて良かった」と大満足。夜、寝る前の読み聞かせを習慣にしていて、「絵本は子どもとの貴重なコミュニケーション。忙しい中でもその時間は大事にしている。今日聞いたことも今後に生かしたい」と話した。
 
 ライブ後は本の販売やサイン会、記念撮影も行われた。サトシンさんは「自分の人生を自分のカラーで切り開いていって」などと声を掛けながら、親子と親しく会話。思い出に残るひとときを提供した。この日は、同園が開設する子育て支援センターバンビルームの記念イベントとしても同ライブが行われ、大町の市民ホールTETTOで市内の親子連れや大槌町のこども園の園児らが楽しんだ。
 
会場では絵本の販売も。サトシンさんからサインももらった

会場では絵本の販売も。サトシンさんからサインももらった

 
一緒に写真も撮って思い出づくり。かけがえのない時間となった

一緒に写真も撮って思い出づくり。かけがえのない時間となった

 
 両ライブでサトシンさんは「絵本を読む時間はほんの3~4分。忙しい中でもできる。子どもにとって一番うれしいのは、大好きなお父さん、お母さんが寄り添って言葉や愛情をかけてくれること。家庭でもぜひ、親子で絵本を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
 
 かまいしこども園は2015年に開園した。前身の釜石保育園(大渡町)が11年の東日本大震災津波で被災。甲子町の旧釜石南幼稚園舎を借りて保育を続けた後、幼保連携型認定こども園に衣替えし、現在地で新たな歴史を刻む。藤原園長は「多くの人の助けがあってここまでこられた。応援してくれる方、頑張ってやってきてくれた職員がいるからこその10年。本当に感謝」と目を潤ませる。7月には10年の歩みを振り返るイベントも開催予定。19日は同園の施設見学、20日は市民ホールTETTOで夏まつりを企画する。

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9カ月間事故死ゼロ 岩手県警本部、釜石市に賞賛状 記録伸長へ「気を引き締め」

 「交通事故死ゼロ」継続へ気持ちを引き締める関係者

「交通事故死ゼロ」継続へ気持ちを引き締める関係者

 
 釜石市は、交通死亡事故ゼロ9カ月を5月24日に達成し、31日に岩手県警察本部(増田武志本部長)から賞賛状が贈られた。同市役所で伝達式が行われ、小野共市長や同席した交通安全関係者らが事故防止に向けてさらに意識を高めた。
 
 釜石署の三浦正人署長、八重樫徹交通課長らが市役所を訪ねた。菊池重人釜石地区交通安全協会長、佐藤鉄太郎市交通指導隊長らが見守る中、三浦署長が小野市長に賞賛状を伝達。「官民一体の事故防止活動によって地域の安全な交通環境が確保された。この記録がさらに伸長されるのを期待する」と引き続きの協力を求めた。
 
三浦正人署長が小野共市長(左)に賞賛状を伝達した

三浦正人署長が小野共市長(左)に賞賛状を伝達した

 
 小野市長は「市民、警察、交通安全関係者の協力のおかげ」と強調。一方で、全国的には子どもたちを巻き込んだ事故、あおり運転、飲酒運転などさまざまな事故を誘発する行動が連日報道されているとし、「交通死亡事故抑止を9カ月で終わらせず、長く続くよう力を尽くしていきたい」と気を引き締めた。
 
 同署によると、市内では2023年8月24日に鵜住居町内の主要地方道で農業用運搬車を運転していた高齢の男性が車両の下敷きになり犠牲となる事故があって以来、死亡事故が発生していない。ただ近年はこのケースのように想定外、思いがけない事故が発生。防波堤からの転落など沿岸部特有の事故も目立つという。
 
 交通安全・事故抑止の広報啓発は人や車両の通行が多いところで展開されるが、菊池会長や佐藤隊長は想定外の事故発生を見据えた取り組みの必要性を指摘。高齢の独居者が増える市内の状況を踏まえた呼びかけ強化についても連携して実行したい考えを伝えた。
 
懇談では事故抑止への思いを語り合った

懇談では事故抑止への思いを語り合った

 
 今年4月に甲子町内の東北横断道で高齢者による死亡事故が発生しているが、高速道路上での事故はこの制度では含まないとのこと。ただ、利用も多いうえ、「油断した時に事故は起きる」ことから、同署では高速道路交通警察隊などとも協力して事故抑止を図る考えだ。
 
 県警による顕彰制度は基準日数(人口規模によって異なる)に達した市町村に贈られる。17年4月に改正され、抑止期間が1年から9カ月に変更。釜石市は、23年3月にも9カ月達成の賞賛状を受けている。

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~釜石まちづくり(株) 創業10周年記念企画~『釜石新聞NewS展』

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釜石まちづくり株式会社(愛称:フェリアス釜石)は、2024年4月に創業10周年を迎えました。
東日本大震災からの復興の担い手の一員として設立され、中心市街地の商業と賑わいの再生(フロントプロジェクト1)を軸に歩みを進め、フェーズの変化とともに復興のその先を見据えて広域に事業を展開して参りました。
施設の管理・イベントの実施・様々な情報発信などを続ける中で、たくさんの市民の皆様に支えられて来た10年間に感謝し、現在の中核事業の1つでもある「釜石新聞NewS」及びその前身の「復興釜石新聞」の記録と合わせ、2014年から最近に至るまでの10年を振り返る『写真展』を開催します。

 

日時

2024年6月27日(木)~7月1日(月)
9時~21時(7月1日(月)は17時まで)

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

観覧無料

「釜石新聞NewS」について

2021年3月の第930号をもって惜しまれつつも廃刊を迎えた「復興釜石新聞」を、“このまま無くしたくない”との想いからWEB専門媒体の形で引き継ぎ、「釜石情報ポータルサイト~縁とらんす」のニュースコンテンツとして運営しています。
NewSには一般的なnewsという意味のほかに、New Stage/New Step/New Style などの意味を込め、震災からの復興を情報発信の面から支え続けた「復興釜石新聞」の10年間を、私どもにできる限りの形で引き継ぎました。
新たな局面での新たな一歩を新しい形で担い始めて早3年、街の話題をこれからも内外に発信し続けて参りますので、「釜石新聞NewS」をよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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160種のバラが彩るオアシス空間にうっとり… 釜石甲子「陽子の庭」10日まで一般公開

バラの開花に合わせ一般公開されている「陽子の庭」=甲子町洞泉

バラの開花に合わせ一般公開されている「陽子の庭」=甲子町洞泉

 
 釜石市甲子町洞泉の高台傾斜地に広がる私設ガーデン「陽子の庭」の一般公開が1日から始まり、市内外から訪れる人たちを魅了している。公開は今年で9年目。菊池秀明さん(76)、陽子さん(77)夫妻が自宅敷地に手作りした庭園には160種のバラが植えられていて、目にも鮮やかな花風景に驚きと感動の声が上がっている。一般公開は10日まで。週末の8、9両日には市内のバンドによる演奏も予定される。
 
 広さ約700坪の庭園は、菊池さん夫妻が16年ほど前から少しずつ造り上げてきたもの。自宅周辺の山の斜面を造成し、自然石のほか東日本大震災の被災者から託された庭石などを用いて、エリアごとに和洋の異なる趣を醸す空間を実現した。日本庭園、イングリッシュガーデン、ロックガーデン…。多種多様な草木が植えられた園内は、季節ごとにさまざまな花が咲き誇る。4年前にはバラ専用エリアも設けられた。
 
山の斜面を使って造成された庭園。さまざまな植物が植えられている

山の斜面を使って造成された庭園。さまざまな植物が植えられている

 
被災者から提供された庭石を組んだ「ロックガーデン」。雨に濡れた石が味わい深い光景を見せる

被災者から提供された庭石を組んだ「ロックガーデン」。雨に濡れた石が味わい深い光景を見せる

 
4年前に新設された“バラ専用”のスペース。色や形、香りもさまざまな品種が並ぶ

4年前に新設された“バラ専用”のスペース。色や形、香りもさまざまな品種が並ぶ

 
 5~6月は多くのバラが開花する時期。陽子さんが植え始め、年々規模を拡大してきたバラは、夫妻の丹精込めた世話で株も大きく成長。ボリューム感を増している。秀明さんによると、毎年1月中旬から2月にかけての約1カ月間はせん定作業に追われる。中でも60本あるという“つるバラ”は「塔や棚にきれいに巻いてやらないと、つるが密集しすぎたり全体のバランスが崩れてしまう。時には全部ほどいてやり直すことも」。その後も、根や葉を食べる虫を寄せ付けないよう対策したり、年間を通した管理によって美しい花姿が保たれている。
 
(左上から時計回りに)ウルメールムンスター、ゴールデンボーダー、チャイコスキー、朝雲

(左上から時計回りに)ウルメールムンスター、ゴールデンボーダー、チャイコスキー、朝雲

 
つるバラの「春風」。花がきれいに見えるよう這わせるのが難しい。はみ出た茎はせん定

つるバラの「春風」。花がきれいに見えるよう這わせるのが難しい。はみ出た茎はせん定

 
 近年は地球温暖化の影響も顕著。早咲き種は開花がこれまでより早まり、今年は1週間ほど早い5月15日ごろに咲き始めた。1~2月が暖かったため、花芽が出るのも早かった。「3月にはかなり芽が出始め、膨らみも見られた」という。一方で遅咲き種は例年並みの開花で、「花の見られる時期が広がっている印象」と秀明さん。2日現在でまだつぼみが残っている種もあり、天気が回復する公開期間後半はさらに開花が進みそう。
 
 公開初日から3日間は雨に見舞われたが、1、2の両日はイベントもあり、多くの人が訪れた。同市の佐々木保之さん(52)は、めいの佐々木碧依さん(7)を連れて観賞。約3年ぶりに訪れた保之さんは「毎回思うけど(行き届いた管理)すごいよね。おかげで楽しませてもらっている」と感謝。初めて訪れた碧依さんは「きれいなバラがいっぱいでうれしい。写真も撮った。お母さんとおばあちゃんに見せてあげる」とにっこり。保之さんは“入場無料、ご自由にどうぞ”という心遣いにも感激し、「まだ知る人ぞ知るみたいなところもあるので、ぜひ多くの人に訪れてほしい」と薦めた。
 
2日はあいにくの雨模様。しっとりと濡れた花を傘を差して見学

2日はあいにくの雨模様。しっとりと濡れた花を傘を差して見学

 
ファジョン合唱と甲子歌う会のコラボ。子守歌の「HELLO MY SHINE」という曲で歌声を重ねた

ファジョン合唱と甲子歌う会のコラボ。子守歌の「HELLO MY SHINE」という曲で歌声を重ねた

 
 公開初日のイベントは合唱。昨年5月に同所で母の日ミニコンサートを開いた東京のファジョン合唱(飯田夏代主宰)が、地元の甲子歌う会(坂本慶子会長)とコラボ。2021年から釜石を訪れるメンバーが同園での出会いを機に、新たな交流の輪を広げた。会員約30人で共演した同会の坂本会長は「庭を見に来ていて、いつかここで歌いたいと思っていた。実現してうれしい。来年は公開10年目になるので、ぜひ私たちも歌で盛り上げたい」と望んだ。
 
東京から駆け付けたファジョン合唱のメンバーの歌を来園者が楽しんだ

東京から駆け付けたファジョン合唱のメンバーの歌を来園者が楽しんだ

 
甲子歌う会は花にちなんだ2曲も歌った

甲子歌う会は花にちなんだ2曲も歌った

 
 菊池さん夫妻の愛情あふれる庭園は観賞の楽しみとともに、そこに集う人たちの新たなつながり、交流を生み、心温まる空間を広げている。陽子さんは「花がきれいに咲いてくれるとそれまでの苦労が報われ、気持ちも晴れる。また、毎年見にきてくれる方、ボランティアで演奏してくれる方など多くの人たちとの触れ合いも励みになっている」と継続の原動力を明かす。来年迎える10年という節目に「後は体力の問題だけだね。来年まではやりたいが、それ以降持つかどうか…」と秀明さん。せん定講習なども考えながら、その後の方向性を模索する。
 
毎年庭を公開している菊池秀明さん(右)、陽子さん夫妻。2人の愛情を受けて育つ花々が来園者を出迎える

毎年庭を公開している菊池秀明さん(右)、陽子さん夫妻。2人の愛情を受けて育つ花々が来園者を出迎える

 
 「陽子の庭」の一般公開は10日まで(午前9時~午後4時)。8日は午前11時からと午後1時からの2回、エレキバンド「釜石ベンチャーズ」の演奏、9日は午前11時から「MiA&リアスバンド」によるシャンソン、ジャズ演奏が予定される。場所は、市街地から向かう場合は国道283号を釜石鉱山方面に西進。内陸からは釜石自動車道を釜石仙人峠インターチェンジで降り、同方向へ。道の駅釜石仙人峠を過ぎて少し行くと右手に誘導看板が見える。

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安全、確実、迅速に!消防救助の技 訓練成果披露 岩手県大会に向け選考会 釜石・大槌署

煙道内から要救助者を救出する技術の練度を見せる消防署員

煙道内から要救助者を救出する技術の練度を見せる消防署員

 
 消防救助技術岩手県大会に向けた釜石大槌地区行政事務組合消防本部(駒林博之消防長)の選手選考会が5月29日、釜石市鈴子町の釜石消防署(小林太署長)で開かれた。釜石、大槌の2署から隊員17人が出場。県大会でエントリーする陸上の部4種目で訓練の成果を見せた。
 
 消防の基本技能となる15メートルの「はしご登はん」、高所に水平に張られた長さ20メートルのロープを渡って対面する塔上の要救助者を助け出す「ロープブリッジ救出」(4人一組)、8メートルの煙道をくぐって要救助者を救出・搬送する「ほふく救出」(3人一組)、地下などでの災害を想定した訓練で空気呼吸器を装着して下降しロープを用いて要救助者を引き上げる「引揚救助」(5人一組)を実施。それぞれ動作の正確さ、タイム、安全性などを確認した。
 
指導陣が見守る中で行われた県大会派遣メンバーの選考会

指導陣が見守る中で行われた県大会派遣メンバーの選考会

 
ロープを渡って要救助者を助け出すロープブリッジ救出

ロープを渡って要救助者を助け出すロープブリッジ救出

 
地下やマンホール内などでの災害を想定した引揚救助

地下やマンホール内などでの災害を想定した引揚救助

 
 はしご登はんは、命綱を作る「結索(けっさく)」から、高さ15メートルの壁にかかったはしごを登るまでの合計タイムで競われる。ロープで作った命綱の端の長さや輪っかの大きさなども採点されるため、正確性も求められる。
 
 その競技に挑んだのは2人。釜石消防署の篠原優斗さん(25)は「普段通りにできなかった。しっかり修正し、今後も頑張っていく」と前を向き、大槌消防署の大津果穂さん(23)は「高いところで救助を待っている人を素早く、安全確実に救助できるよう、学んだ技術を生かしたい」と力を込めた。
 
一本勝負!成果披露の本番に向けて集中力を高める

一本勝負!成果披露の本番に向けて集中力を高める

 
高さ15メートルのはしごを勢いよく登る出場者

高さ15メートルのはしごを勢いよく登る出場者

 
 出場者は5月上旬からそれぞれ鍛錬。その努力を発揮しようと競技に臨み、「いいぞ、Go!」「最後まで、丁寧に」など互いに声援を送り合った。磨いた技術を出し切った署員もいれば、救助の流れの正確さを欠くなどして審査が中止された種目も。各自課題を見いだし、選考会後には先輩署員の助言も受けながら訓練を重ねた。
 
選考会で課題を確認し、向上心を高めた隊員ら

選考会で課題を確認し、向上心を高めた隊員ら

 
救助技術を磨こうと選考会後も熱心に訓練に臨んだ

救助技術を磨こうと選考会後も熱心に訓練に臨んだ

 
 成績上位者は6月27日に矢巾町の県消防学校で行われる県大会に出場する。同本部の選手たちが目指す東北地区指導会は7月27日に青森県八戸市、全国大会は8月23日に千葉県市原市で実施。また、水上の部は7月17日に東北地区指導会(宮城県利府町)があり、同本部から「溺者救助」(3人一組)に選手を派遣する予定だ。

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釜石PIT 2024年6月のスケジュール

 

釜石PITの6月のスケジュールです。
太字で表示されているイベントは一般の方も参加できます。イベントに関するお問い合わせは、各主催者までお願いいたします。
 
施設に関する詳細はこちらのページをご覧ください。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

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日本製鉄釜石SW 今季の応援、支援に感謝 来季も2部で ファンら「もっと上へ」と期待

日本製鉄釜石シーウェイブス ファン感謝祭=5月31日

日本製鉄釜石シーウェイブス ファン感謝祭=5月31日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は5月31日、今季を締めくくるファン感謝祭を開いた。25日の2、3部入れ替え戦でクリタウオーターガッシュ昭島を下し、2部残留を決めた釜石SW。レギュラーシーズン1勝9敗、4~6位順位決定戦2敗で6チーム中最下位と厳しい結果に終わった今季だが、応援を続けるファンらは選手をねぎらい、来季への期待を口にした。
 
 ファン感謝祭は大町の市民ホールTETTO前広場で開かれ、選手、スタッフ、ファンらが参加した。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーはリーグワン3年目の今季について「なかなか勝利を届けることができなかったが、チームは着実に成長している。皆様の応援が本当に力になった」と感謝。8チームに増える来季2部を見据え、「よりし烈な戦いが待っている。日々成長できるよう取り組んでいく」と決意を示した。
 
 河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯。選手らは支えてくれたファン、スポンサー、雇用先の人たちに感謝の気持ちを伝えながら歓談した。会場にはホームの釜石鵜住居復興スタジアムでの試合時に出店したキッチンカーなどが並んだ。選手、スタッフが使用したウエアなどを格安販売するガレージセール、今季チームグッズの販売もあった。
 
感謝祭に集まったファンらを前に桜庭吉彦ゼネラルマネジャーがあいさつ

感謝祭に集まったファンらを前に桜庭吉彦ゼネラルマネジャーがあいさつ

 
河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯した

河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯した
 
選手らはシーズン中の応援に感謝しながら来場者と歓談。記念撮影にも応じ交流を深めた

選手らはシーズン中の応援に感謝しながら来場者と歓談。記念撮影にも応じ交流を深めた

 
 同祭に初めて足を運んだ大槌町の岩間裕子さん(55)は「近くで選手に会えてうれしい」と交流を楽しんだ。今季の戦いに「頑張ったけど…つらかったね」と一言。来季は全チームの「真ん中ぐらい(の成績)までいってほしい。もうちょっと安心できる試合を」と願い、地元の応援がもっと増えることを望んだ。
 
 各種受賞の発表も行われた。今季最も活躍したと思う選手に投票してもらう「ファン選出MVP」は5位から発表。名前が呼ばれるたびに会場は盛り上がりを見せた。投票総数282票中74票を獲得し1位に輝いたのは、昨季、アーリーエントリーで加入した若き司令塔SO落和史選手(23)。投票者からは「冷静な判断とチャレンジ精神でチームに貢献した」「80分戦い抜くフィジカルとメンタルを持った頼もしい存在」などの声があった。落選手は「シーズンを通して自分のポジションの重要性を知ることができた。来シーズンは感じた責任、プレッシャーをスタートからプレーで体現できるよう頑張りたい」と意欲を見せた。
 
「ファン選出MVP」に輝いた落和史選手

「ファン選出MVP」に輝いた落和史選手

 
 チームが選ぶシーズンMVPは今季新加入で、全14試合スタメン出場したプロップ山田裕介選手(26)。先に発表されたリーグワン2023-24アワードでは、8トライを決めたWTBヘンリージェイミー選手(34)が最多トライゲッター(2部)を受賞。リーグワン所属チームの選手が実際に受けたタックルから選ぶ、ベストタックラーへのゴールデンショルダー(2部)はフランカー武者大輔選手(34)が受賞していて、同祭でそれぞれお披露目された。
 
「チームMVP」に選ばれた今季新加入の山田裕介選手(写真右)

「チームMVP」に選ばれた今季新加入の山田裕介選手(写真右)

 
リーグワン2023-24アワードで「最多トライゲッター」受賞のヘンリージェイミー選手(右)、「ゴールデンショルダー」受賞の武者大輔選手(左)

リーグワン2023-24アワードで「最多トライゲッター」受賞のヘンリージェイミー選手(右)、「ゴールデンショルダー」受賞の武者大輔選手(左)

 
 ヘンリージェイミー選手はスタッフ、チームメートに感謝。「アワードが決まってびっくり。個人としては良かったが、試合の結果が良くなかった。ゲーム内容に波があるので、(失点につながる)ミスを減らして来季はもっと勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。
 
 SWアカデミーで活動する中学2年の佐伯晴さん、後藤理人さん(ともに13)は入れ替え戦でトライしたセタ・コロイタマナ、阿部竜二両選手の活躍が印象に残っているという。佐伯さんは「SWはかっこよくて憧れる存在。将来はSWでプレーし、日本代表を目指したい」、後藤さんは「来季は1部に上がってほしい。自分もSWの人たちと一緒にピッチに立つのが目標」と未来を見つめた。
 
 SWジュニア保護者会長でもある大和田崇士さん(47)は「一般企業に入りながらプレーしている選手はラグビー以外にも仕事関係の付き合いがあったり、親近感がわく。今季は残念な結果ではあったが、もっと上を目指せるチーム。子どもたちにも夢を持たせられる存在になってくれたら」と期待を込める。
 
今季の試合を終え、リラックスした表情を見せる選手、スタッフら

今季の試合を終え、リラックスした表情を見せる選手、スタッフら

 
毎回人気のガレージセール。今年も早々に完売

毎回人気のガレージセール。今年も早々に完売

 
 この日は今季で退団する選手10人、スタッフ1人もあいさつした。7年間在籍した釜石出身のロック高橋聡太郎選手(29)は「このチームでたくさんの出会いがあった。ここでの経験がこれからの人生を支えてくれると思う」と感謝。「チームのためにできることを一生懸命やってきたつもり。そういった文化が後輩らに伝わり、チームがもっと強く大きくなっていくところを見たい。これからも応援していく」と話した。
 
今季で退団する選手、スタッフもあいさつ。写真右:高橋聡太郎選手、同左:吹越大清選手

今季で退団する選手、スタッフもあいさつ。写真右:高橋聡太郎選手、同左:吹越大清選手

 
最後は参加者全員で記念撮影

最後は参加者全員で記念撮影