9カ月間事故死ゼロ 岩手県警本部、釜石市に賞賛状 記録伸長へ「気を引き締め」
「交通事故死ゼロ」継続へ気持ちを引き締める関係者
釜石市は、交通死亡事故ゼロ9カ月を5月24日に達成し、31日に岩手県警察本部(増田武志本部長)から賞賛状が贈られた。同市役所で伝達式が行われ、小野共市長や同席した交通安全関係者らが事故防止に向けてさらに意識を高めた。
釜石署の三浦正人署長、八重樫徹交通課長らが市役所を訪ねた。菊池重人釜石地区交通安全協会長、佐藤鉄太郎市交通指導隊長らが見守る中、三浦署長が小野市長に賞賛状を伝達。「官民一体の事故防止活動によって地域の安全な交通環境が確保された。この記録がさらに伸長されるのを期待する」と引き続きの協力を求めた。
三浦正人署長が小野共市長(左)に賞賛状を伝達した
小野市長は「市民、警察、交通安全関係者の協力のおかげ」と強調。一方で、全国的には子どもたちを巻き込んだ事故、あおり運転、飲酒運転などさまざまな事故を誘発する行動が連日報道されているとし、「交通死亡事故抑止を9カ月で終わらせず、長く続くよう力を尽くしていきたい」と気を引き締めた。
同署によると、市内では2023年8月24日に鵜住居町内の主要地方道で農業用運搬車を運転していた高齢の男性が車両の下敷きになり犠牲となる事故があって以来、死亡事故が発生していない。ただ近年はこのケースのように想定外、思いがけない事故が発生。防波堤からの転落など沿岸部特有の事故も目立つという。
交通安全・事故抑止の広報啓発は人や車両の通行が多いところで展開されるが、菊池会長や佐藤隊長は想定外の事故発生を見据えた取り組みの必要性を指摘。高齢の独居者が増える市内の状況を踏まえた呼びかけ強化についても連携して実行したい考えを伝えた。
懇談では事故抑止への思いを語り合った
今年4月に甲子町内の東北横断道で高齢者による死亡事故が発生しているが、高速道路上での事故はこの制度では含まないとのこと。ただ、利用も多いうえ、「油断した時に事故は起きる」ことから、同署では高速道路交通警察隊などとも協力して事故抑止を図る考えだ。
県警による顕彰制度は基準日数(人口規模によって異なる)に達した市町村に贈られる。17年4月に改正され、抑止期間が1年から9カ月に変更。釜石市は、23年3月にも9カ月達成の賞賛状を受けている。
釜石新聞NewS
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