日本製鉄釜石SW 今季の応援、支援に感謝 来季も2部で ファンら「もっと上へ」と期待


2024/06/04
釜石新聞NewS #スポーツ

日本製鉄釜石シーウェイブス ファン感謝祭=5月31日

日本製鉄釜石シーウェイブス ファン感謝祭=5月31日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は5月31日、今季を締めくくるファン感謝祭を開いた。25日の2、3部入れ替え戦でクリタウオーターガッシュ昭島を下し、2部残留を決めた釜石SW。レギュラーシーズン1勝9敗、4~6位順位決定戦2敗で6チーム中最下位と厳しい結果に終わった今季だが、応援を続けるファンらは選手をねぎらい、来季への期待を口にした。
 
 ファン感謝祭は大町の市民ホールTETTO前広場で開かれ、選手、スタッフ、ファンらが参加した。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーはリーグワン3年目の今季について「なかなか勝利を届けることができなかったが、チームは着実に成長している。皆様の応援が本当に力になった」と感謝。8チームに増える来季2部を見据え、「よりし烈な戦いが待っている。日々成長できるよう取り組んでいく」と決意を示した。
 
 河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯。選手らは支えてくれたファン、スポンサー、雇用先の人たちに感謝の気持ちを伝えながら歓談した。会場にはホームの釜石鵜住居復興スタジアムでの試合時に出店したキッチンカーなどが並んだ。選手、スタッフが使用したウエアなどを格安販売するガレージセール、今季チームグッズの販売もあった。
 
感謝祭に集まったファンらを前に桜庭吉彦ゼネラルマネジャーがあいさつ

感謝祭に集まったファンらを前に桜庭吉彦ゼネラルマネジャーがあいさつ

 
河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯した

河野良太クラブキャプテンの発声で乾杯した
 
選手らはシーズン中の応援に感謝しながら来場者と歓談。記念撮影にも応じ交流を深めた

選手らはシーズン中の応援に感謝しながら来場者と歓談。記念撮影にも応じ交流を深めた

 
 同祭に初めて足を運んだ大槌町の岩間裕子さん(55)は「近くで選手に会えてうれしい」と交流を楽しんだ。今季の戦いに「頑張ったけど…つらかったね」と一言。来季は全チームの「真ん中ぐらい(の成績)までいってほしい。もうちょっと安心できる試合を」と願い、地元の応援がもっと増えることを望んだ。
 
 各種受賞の発表も行われた。今季最も活躍したと思う選手に投票してもらう「ファン選出MVP」は5位から発表。名前が呼ばれるたびに会場は盛り上がりを見せた。投票総数282票中74票を獲得し1位に輝いたのは、昨季、アーリーエントリーで加入した若き司令塔SO落和史選手(23)。投票者からは「冷静な判断とチャレンジ精神でチームに貢献した」「80分戦い抜くフィジカルとメンタルを持った頼もしい存在」などの声があった。落選手は「シーズンを通して自分のポジションの重要性を知ることができた。来シーズンは感じた責任、プレッシャーをスタートからプレーで体現できるよう頑張りたい」と意欲を見せた。
 
「ファン選出MVP」に輝いた落和史選手

「ファン選出MVP」に輝いた落和史選手

 
 チームが選ぶシーズンMVPは今季新加入で、全14試合スタメン出場したプロップ山田裕介選手(26)。先に発表されたリーグワン2023-24アワードでは、8トライを決めたWTBヘンリージェイミー選手(34)が最多トライゲッター(2部)を受賞。リーグワン所属チームの選手が実際に受けたタックルから選ぶ、ベストタックラーへのゴールデンショルダー(2部)はフランカー武者大輔選手(34)が受賞していて、同祭でそれぞれお披露目された。
 
「チームMVP」に選ばれた今季新加入の山田裕介選手(写真右)

「チームMVP」に選ばれた今季新加入の山田裕介選手(写真右)

 
リーグワン2023-24アワードで「最多トライゲッター」受賞のヘンリージェイミー選手(右)、「ゴールデンショルダー」受賞の武者大輔選手(左)

リーグワン2023-24アワードで「最多トライゲッター」受賞のヘンリージェイミー選手(右)、「ゴールデンショルダー」受賞の武者大輔選手(左)

 
 ヘンリージェイミー選手はスタッフ、チームメートに感謝。「アワードが決まってびっくり。個人としては良かったが、試合の結果が良くなかった。ゲーム内容に波があるので、(失点につながる)ミスを減らして来季はもっと勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。
 
 SWアカデミーで活動する中学2年の佐伯晴さん、後藤理人さん(ともに13)は入れ替え戦でトライしたセタ・コロイタマナ、阿部竜二両選手の活躍が印象に残っているという。佐伯さんは「SWはかっこよくて憧れる存在。将来はSWでプレーし、日本代表を目指したい」、後藤さんは「来季は1部に上がってほしい。自分もSWの人たちと一緒にピッチに立つのが目標」と未来を見つめた。
 
 SWジュニア保護者会長でもある大和田崇士さん(47)は「一般企業に入りながらプレーしている選手はラグビー以外にも仕事関係の付き合いがあったり、親近感がわく。今季は残念な結果ではあったが、もっと上を目指せるチーム。子どもたちにも夢を持たせられる存在になってくれたら」と期待を込める。
 
今季の試合を終え、リラックスした表情を見せる選手、スタッフら

今季の試合を終え、リラックスした表情を見せる選手、スタッフら

 
毎回人気のガレージセール。今年も早々に完売

毎回人気のガレージセール。今年も早々に完売

 
 この日は今季で退団する選手10人、スタッフ1人もあいさつした。7年間在籍した釜石出身のロック高橋聡太郎選手(29)は「このチームでたくさんの出会いがあった。ここでの経験がこれからの人生を支えてくれると思う」と感謝。「チームのためにできることを一生懸命やってきたつもり。そういった文化が後輩らに伝わり、チームがもっと強く大きくなっていくところを見たい。これからも応援していく」と話した。
 
今季で退団する選手、スタッフもあいさつ。写真右:高橋聡太郎選手、同左:吹越大清選手

今季で退団する選手、スタッフもあいさつ。写真右:高橋聡太郎選手、同左:吹越大清選手

 
最後は参加者全員で記念撮影

最後は参加者全員で記念撮影

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