釜石でラグビー教室を開いた(右から)立川理道選手、垣永真之介選手、茂野海人選手、中村亮土選手、堀越康介選手、中野将伍選手
ラグビー男子日本代表選手らによるラグビー教室が7月29、30の両日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。新型コロナウイルスの影響で減ってしまったファンとの交流、競技に励む子どもたちの夢の後押しにと6選手が来釜。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)会場となった同スタジアムで、技術指導やプレー体験、サイン会などを行い、「ラグビーのまち釜石」を活気づけた。
釜石を訪れたのはFWの垣永真之介選手(30)、堀越康介選手(27)、BKの立川理道選手(32)、茂野海人選手(31)、中村亮土選手(31)、中野将伍選手(25)。リーグワン1部チーム所属のトップ選手が顔をそろえた。
30日の教室には市内外のジュニアチームに所属する小中学生、一般のラグビーファンら約250人が参加。小学校高学年はパス、中学生はタックルを中心とした技術指導を受け、体験コーナーではハイパントキャッチ、キック、トライ、ラインアウト体験などが行われた。世界を舞台に活躍する選手らの直接指導、触れ合いの機会に参加者は大感激。サイン会や記念撮影の時間も設けられ、最高の笑顔を輝かせた。29日は高校生向けの指導が行われた。
茂野海人選手(黒Tシャツ)が見守る中、パス練習に励む小学生
中学生らにタックルの技術指導を行う中村亮土選手(手前左)
教室ではさまざまな練習メニューも体験した
体験コーナーでキックに挑戦する子どもたち
釜石シーウェイブスアカデミーでプレーする三浦心友姫さん(甲子中2年)は、“世界に通用するタックルスキル”と評される中村選手の指導を受け、「タックルは苦手だったが、入る前の動きなどを教わってすごく納得したし、これからに生かせる」と学びを深めた様子。「19年のW杯で見ていた選手たちに会えて、めっちゃうれしい。こういう機会がもっとあるといい」と望んだ。
千葉県柏市のラグビースクールに通う浅井啓太君(9)は「茂野選手にパスの基本、立川選手にオフロードパスの練習を教えてもらった」と大喜び。日本代表選手らを目の前に「うれしいけど緊張する」と胸を躍らせた。自身の目標は「日本代表になること」。両親は「日本代表になる方は人となりも素晴らしい。技術面はもちろん、そういう部分も見て何か感じてくれたら」と目を細めた。
ロッカールームでは日本代表選手が試合で着用したジャージーを着て記念撮影
憧れの選手にサインをもらって記念撮影!
トークショーでは参加者からのさまざまな質問に答えた
今回の企画は立川、垣永両選手が発案。「コロナ禍でもファンとのつながりを」と、2人で始めた音声配信「ハルのいろり話」内で構想が持ち上がった。番組グッズの販売収益を東日本大震災の被災地のために役立てたいとの思いもあり、釜石市を最初の開催地に選んだ。幅広い世代がラグビーを楽しむ姿に、「これがやりたかったこと。実現できてうれしい。トップ選手との触れ合いで、日本代表やリーグワンの選手を目指す子が増えれば」と立川選手。今後は年1回程度の開催を目指し、「ラグビーが盛んでない地域でもできれば」と思いを膨らませた。