「橋野の自然の一番の魅力は巨木が多いこと」と話す三浦勉さん

橋野の豊かな自然を記録、三浦勉さん写真展〜動植物との共生アピール

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「橋野の自然の一番の魅力は巨木が多いこと」と話す三浦勉さん

 

 釜石市橋野町青ノ木出身で野田町に住む三浦勉さん(68)は、長年にわたり橋野の豊かな自然を写真に記録。自ら山に入り発見した巨木、滝、岩、山中で出くわした動物などの写真80点を鵜住居町のいのちをつなぐ未来館で公開している。動物による食害や土砂災害など、山の自然の変化が人間生活に及ぼす影響は大きい。三浦さんは写真展を通じて「自然、動物との共生を訴えたい」と話す。

 

 同写真展は、津波伝承や防災学習の役目を担う未来館が「防災意識を高めるには地元の自然を知ることも大事」と考え、多くの自然写真を撮りためている三浦さんに協力を依頼。4月2日から館内での展示が始まった。

 

 A4判の写真は、三浦さんが20年以上前から趣味の山歩きで記録し続けてきたもの。中でも圧巻は、推定樹齢が数百年級の巨木の数々。広大な森が残る橋野地域には、各所に“御神木”とされる大樹が脈々と生き、人々にあがめられてきた。トチ、ナラ、カツラなど樹種はさまざま。青ノ木西又沢にある「マダの巨大木」(地元ではシナをマダと呼ぶ)は幹回り約8メートル、推定樹齢700年の古木。「真ん中が空洞で、冬はクマが冬眠に使っていると思われる」と三浦さん。他にも人がくぐれる大きさの穴が開いたカツラの木もあり、その生命力に驚かされる。神社の御神木も複数あり、周辺にはかつて人が住んでいた屋敷跡が残る場所もあるという。

 

 沢伝いに山に入ることが多い三浦さんは、地形や季節でさまざまな表情を見せる滝も多数確認。大平の外ヒサゴ沢では、地元で“幻の滝”と言われてきた推定落差30~40メートルの大滝のほか、下流に落差約8~15メートルの4つの滝を見つけている。

 

 奇妙な形状の岩も印象的。青ノ木大森山にある烏帽子型の大岩(高さ5・5メートル)は、表面にマリア像の姿が浮き出たような凹凸が見られ、脇には供物台のような上部が平らな岩がある。「橋野で製鉄業が栄えたころ、ドイツ人がこの地に入っていたという話を伝え聞く。岩は欧州の方角を向いており、もしかしたら、外国人のキリスト教信仰の痕跡かも」と三浦さん。

 

 人がなかなか入れない場所の巨木や滝にはほとんど名称が無く、展示写真には、三浦さんが付けた仮称が添えられる。写真説明には実測や推定の数字データ、アクセス、クマやシカの出没情報なども記載。確認した場所は、橋野の山々を俯瞰(ふかん)した地図に落とし込み、位置関係も分かるようになっている。

 

 三浦さんは「人の知らない所に入るのが好き。橋野の山にはまだまだ足を踏み入れていない場所がある。覚えるだけでも財産。これからも続けたい」と未知の世界に期待を膨らませる。橋野鉄鉱山の世界遺産登録後は、釜石観光ガイド会員としても活躍中。「橋野鉄鉱山が36年も続いたのは、鉄鉱石はもちろん、高炉を造る石、木炭となる木、水車を動かす水がそろっていたから。フイゴにはタヌキの毛皮も使われた」と、同所の自然の豊かさを強調。「可能な限り、自然そのままの状態を後世に残していけたら」と願う。

 

 未来館スタッフの蟹江美幸さん(39)は「防災意識は知識だけでは根付かない。自分たちの住む地域を守りたいと思うような郷土愛を育む機会も必要」と、同展開催の意義を示す。展示は30日まで(未来館は水曜定休)。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

 

会場の「いのちをつなぐ未来館」は、新型コロナウイルスの影響により、4月21日〜5月6日まで臨時休館となりました。

 

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木製の遊具やおもちゃが並ぶ交流スペース

平田子育て支援センター開所〜平田ニュータウン、“コロナ自粛”の親子サポート

平田ニュータウンに開所する子育て支援センター

平田ニュータウンに開所する子育て支援センター

 

 就学前の子どもと保護者のための施設「平田子育て支援センター」が20日、釜石市平田ニュータウン改良住宅1階(上平田ニュータウン西入り口バス停そば)に開所する。子育て相談や遊び場の提供などを行う施設で、市内5カ所目。市内で母子支援活動に取り組むNPO法人「母と子の虹の架け橋」(小佐野町、山野目久子理事長)が市の委託を受け、運営する。

 

 保育施設として利用されていた同住宅1階部分(約160平方メートル)を利用。交流スペース、休憩室(和室)、調理室を設け、子ども用のトイレや手洗い場は保育施設の面影を残した。

 

 交流スペースは床板などに釜石産木材を使い、ぬくもり感あふれる空間に。子どもは広いスペースでのびのびと遊びながら友達づくり、保護者は育児の情報交換ができる。

 

 釜石のまちをイメージした立体遊具、卵型の木がたっぷり入ったプールなどを配置。積み木やパズル、ままごとセットなど、素朴ながら繰り返して遊びたくなる木製のおもちゃ約30点も置いている。

 

木製の遊具やおもちゃが並ぶ交流スペース

木製の遊具やおもちゃが並ぶ交流スペース

 

 保育士、看護師、子育て支援員などスタッフ7人が交代で勤務。平日午前10時~午後3時まで受け入れる。

 

 支援センターは、広い場所での子どもとの触れ合い、保護者同士の交流、育児の不安・疑問の解消など家庭での子育てだけでは難しい部分をサポートする。甲子、中妻、市東部(天神町)、鵜住居地区にあるが、市南地区(平田、唐丹町)をカバーする施設はなく、課題になっていた。

 

 同法人では子育て世代の居場所を確保する必要性を感じており、子育て環境・サービスの充実を進めたい市の施策と合致。当初、1日からの開所を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い延期されていた。

 

 開所に当たり、▽予約制(利用日の前日までに申し込み)▽かぜの症状、発熱(37・5度以上)などの症状がある場合は利用不可▽利用する保護者は必ずマスクを着用―など条件を設定。当面、午前、午後に分けて親子を受け入れ、それぞれ最大5組に絞る。密閉・密集・密接の「3密」を避ける対策を取り、定期的な換気などにも配慮する。

 

 平田のセンター長を兼ねる山野目理事長(60)は「自粛傾向の中でもできることで子育てを応援したい。木のおもちゃで遊べるのが特徴で、香り、ぬくもりを楽しんでほしい。ママたちにもゆっくりしてもらい、気持ちを切り替える時間に。利用者と信頼関係を築きながら、使いやすい施設づくりを目指す」と意気込んだ。

 

 問い合わせは平田子育て支援センター(電話0193・27・5223)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

タクシー事業者も支援求める、県協会釜石支部〜買い物代行利用券など提案

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

 

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による外出自粛などで利用者が大きく減っている釜石市内のタクシー業者らが16日、タクシーを活用して高齢者向けの新たな事業を立ち上げるなどの支援策を講じるよう市に求めた。要望に対し野田武則市長は「タクシーを含め市独自に市内の事業者への支援策を急いでとりまとめたい」などと応えた。

 

 要望したのは県タクシー協会釜石支部(岩松松生支部長、10事業者)に所属する5つの事業者と乗務員が加盟する連合岩手釜石・遠野地域協議会などの労働団体。苦境にあえぐタクシー事業者の支援を視野に、外出の機会が減っている高齢者の生活を支える取り組みとしてタクシーや買い物代行の利用券を配布する事業などを立案。これをまとめた要望書を釜石タクシー(大町)の小澤伸之助社長が代表して野田市長に手渡し、実現するよう求めた。

 

 市内タクシー5社の3月の利用実績は前年と比べて3割から4割減っているという。4月はさらに減る見込み。事業者らは「このままではコロナの影響が収束する前に地元企業が倒産などで消えてしまう。市独自の支援策を実行してほしい」と訴える。

 

 釜石タクシーの小澤社長は「乗る人がいないと事業は成り立たない。新しい取り組みの具体策はこれからだが、新しいことにチャレンジしなければ事業を継続することはできない。地域のニーズに応える新しい形のサービスを一緒に考えたい」と話す。文化タクシー(中妻町)の平松篤社長は「タクシー業者と労働団体が連携、協力して難局を乗り越え、事業を継続していきたい」と危機感を募らせる。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

客足止まり飲食店悲鳴、新型コロナウイルス影響〜市の独自支援策要望

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大で釜石市内の飲食店も大きな打撃を受けている。政府の会食自粛要請もあり、「客足がガックリと落ちた」と悲鳴が上がる。こうした窮状を受け、市内の飲食業者らが15日、市役所を訪ね、野田武則市長に支援策を要望。「このままでは店がつぶれてしまう。待ったなしの状況。一刻も早く市独自の支援策を」などと訴えた。

 

 要望に訪れたのは、釜石地区生活同業組合連絡協議会の藤井和幸会長のほか、釜石すし組合の細田勝夫組合長、釜石社交飲食組合の山崎公平組合長、釜石中華組合の坂本倉蔵組合長、釜石飲食業組合の平松正浩組合長。代表して平松組合長が野田市長に要望書を手渡した。

 

 コロナウイルスの影響で市内の飲食業者や宿泊業者(約90店)は利用者が激減、宿泊のキャンセルも相次いでいるという。要望書では「事業者の多くは東日本大震災で甚大な被害を受け、昨年10月の台風19号で再び被災。コロナウイルスの影響で二重、三重の苦難を強いられている。政府の救済策が不透明な中、事業継続か廃業かで揺れ動いている」とし、テナントの家主に賃貸料の支払い延期を求めるなど市の救済策を訴える。

 

 連絡協議会の藤井会長は「戦う相手は見えない敵。コロナの出どころが飲食店という風評被害もある。40年も店をやっているが、こんなに苦しい状況に追い込まれるのは初めて」と窮状を漏らす。

 

 「客がゼロの日もある。災害の一つと捉えてほしい」「自助努力ではどうにもならない。我慢にも限りがある。このままでは休業、廃業の道をたどるしかない」と嘆く事業者もあった。

 

 野田市長は「今月末にも県の支援策が発表されると聞いている。足りない部分を補う形で市独自の支援策を考えたい」などと回答。平松福寿産業振興部長は「スピード感を持ち、できる限りのことをやっていきたい」との姿勢を示した。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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テイクアウトやデリバリーサービスを行う市内飲食店の皆様 お店の情報を教えてください!

テイクアウトやデリバリーサービスを行う飲食店の皆様 店舗情報を募集します

テイクアウトやデリバリーサービスを行う市内飲食店の皆様 お店の情報を教えてください!

 

釜石市では、市内飲食店などが取り組む持ち帰り(テイクアウト)や配達(デリバリー)といったサービス情報を周知するため、市内の飲食店などの店舗情報を集めています。ぜひ、皆様の情報をお寄せください。

 

募集及び提出方法

下記用紙に記載した項目を記入の上、FAX、メール又は電話にてご提出ください。
※電話受付時間:平日8時30分~17時15分(土、日及び祝日を除く)

募集及び提出方法

一次締切:令和2年4月30日(木)
※締切り後も情報を随時募集します

募集用紙

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この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020042000071/
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前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

コロナ影響の長期化懸念〜登録から5周年の世界遺産「橋野鉄鉱山」も客足減少

前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

前日に降った雪が残る高炉場跡=11日

 

 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に歯止めがかからぬ中、釜石市内でも観光、宿泊、飲食など各方面への影響が顕著になってきている。橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」は冬期休館していたインフォメーションセンターが3月20日から開館し、見学者を受け入れているが、4月7日に政府の緊急事態宣言(7都府県対象)が出されて以降、客足は減少傾向に。世界遺産登録から5周年を迎える今年、市は各種記念行事を計画しており、影響の長期化が懸念される。

 

 同センターは、昨年10月の台風19号被害から復旧した三陸鉄道の全線運行再開に合わせ、例年4月1日からの開館を前倒しし、3月20日に開館。3月の来館者数は267人で、震災復興による三鉄リアス線運行開始に合わせ23日から開館した昨年(23~31日151人)を100人余り上回るシーズン入りとなっていた。4月になってからも昨年並みに推移していたが、7日の緊急事態宣言で一層の外出自粛が要請されたことで、同鉄鉱山を訪れる人も減少傾向にある。

 

 11日も来訪者はまばら。昼ごろには市内の家族連れ2組が訪れた。上中島町の家族4人はドライブ途中に同センターに立ち寄り、スタッフの勧めで昼食を取った。父親(52)は「窓を開けながらドライブするぐらいなら大丈夫かなと思って。ここは世界遺産登録前に訪れて以来。今日は天気も良く、リフレッシュできた」と“コロナ疲れ”のストレス解消にもつながった様子。

 

インフォセンターで休憩する市内の家族連れ

インフォセンターで休憩する市内の家族連れ

 
 センター前の緑地にある遊具や駐車場の空きスペースでのスケートボードを楽しんだのは千鳥町の柏木渉さん(37)、理伯君(10)親子。渉さんのおい、めいも連れて初めて同鉄鉱山に足を運んだ。「休校になってからは家の中にいることが多かった。今日は子どもたちをのびのびと遊ばせたいと思い、少し遠出をした。高炉跡も見学していこうかな」と渉さん。岩手県内では感染者は確認されていないが、全国的な感染者増に「これからどうなるのか…。人も亡くなっているので怖いですよね」と不安も。学校が再開した理伯君は「友達と会えてうれしいけど、マスクをしないと授業できないし、手洗いや消毒などにも気を使う」と、感染対策をしながらの生活はやはり違和感があるよう。コロナの感染拡大に「志村けんさんが亡くなったのが悲しい。バカ殿とかテレビで見ていたから。早く治まってほしい」と強く願った。

 

センター前の遊具で遊ぶ子ども。日ごろのコロナストレスを発散!

センター前の遊具で遊ぶ子ども。日ごろのコロナストレスを発散!

 
 市の委託でセンターの来館者応対などを担う橋野町振興協議会のスタッフは「入館前の手指のアルコール消毒は必ずお願いしているが、ここまで感染拡大が進んでくると心配。県外から来る人も多いので」と対策強化を望む。

 

 同鉄鉱山は2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」(8エリア23資産)の構成資産の一つとして世界文化遺産に登録された。市世界遺産課によると、登録5周年記念行事は6月からスタート。7月には、台風被害でしばらく開催を見送っていた採掘場跡の一般公開、12月には同遺産のある北九州市と連携した企画展示会を予定。継続してきた鉄のフォーラムも開催する。

 

 青ノ木地区の春はこれからが本番。同鉄鉱山周辺を彩る八重桜並木と高炉場跡内の石割桜の開花は、例年並みの5月初旬と予想される。

 

(復興釜石新聞 2020年4月15日発行 第884号より)

 

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市長からのメッセージ

市長からのメッセージ

市民の皆様へ

 

 令和2年4月16日、国において、緊急事態宣言が発令され、岩手県を含む全国都道府県が対象区域とされました。

 

 当市においては、国の基本的対処方針を確認し、岩手県の本部員会議の内容を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため適切な対応を行っていきます。

 

 一つは、市民の皆さまに、他地域への不要不急の往来を避けていただくこと、また、他県からいらした方について当市に着いてから、2週間外出を控えていただくことを、これまでにも増して、強くお願いします。

 

 二つ目は、当市施設の利用制限について、屋内体育施設に加え、図書館などの文化施設も閉館し、人と人の接触する機会をなるべく少なくするよう市民の皆さまのご理解をお願いします。

 

 市内小中学校においては、学校再開から間もないこと、県内発生が見られないことから、マスク、手洗いの励行を基本とし、十分な感染対策を行った上、授業を継続します。行事については、随時見直しを行い、児童・生徒の感染予防に取り組みます。

 

 市民の皆さまには、引き続きご不便をおかけいたしますが、市内での感染者ゼロを目指し、密閉、密集、密接の3密を避け、手洗いや咳エチケットをはじめとした基本的な感染症対策について、より一層の注意を払っていただくようお願いします。

 

 なお、このメッセージは緊急事態宣言を受けて発信しておりますが、特にも大型連休期間中の取り組むべき事項については、改めて連休前にお示しします。

 

釜石市長 野田 武則 
(新型コロナウイルス感染症対策本部)

 

<元記事公開日:2020年04月17日>

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 保健福祉部 健康推進課 成人保健係
〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
電話:0193-22-0179 / Fax 0193-22-6375 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020041700071/
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市東部地区に完成した避難路。散歩などで利用する人の姿が見られる

グリーンベルト通行可能に〜東部地区の避難路完成、平時は遊歩道の利用想定

市東部地区に完成した避難路。散歩などで利用する人の姿が見られる

市東部地区に完成した避難路。散歩などで利用する人の姿が見られる

 

 釜石市が東部地区に整備を進めてきた避難路(通称・グリーンベルト)が完成し、1日から通行可能となった。堤状に盛り土して造っており、災害発生時に港湾利用者らが市街地の高台に安全に、そして最短で避難できる施設。市街地への浸水を抑える効果も期待され、湾口防波堤、防潮堤と合わせ多重防災型まちづくりの一端を担う。平時は遊歩道としての利用も想定。散歩などを楽しむ人たちの姿が見られる。

 

 港町の釜石港湾事務所付近と、浜町の市営釜石ビル前の交差点付近を結ぶ。延長約750㍍。緑地が続く盛り土部分と橋(デッキ)や擁壁などの構造物から成り、標高8~12メートルを確保する。市道などからの上り口として階段6カ所、スロープ5カ所が設けられ、高台の緊急避難場所(浜町避難道路)まで安全に逃げることができる。

 

 堤防の役割を果たす門戸「陸閘(りっこう)」(2カ所)も避難路の一部。国道45号高架橋の下にあるこの陸閘は通常時、車両などの通行を確保するため開いているが、津波警報発令時には閉じられ、只越町~嬉石町間で車両通行ができなくなる。

 

国道45号高架橋の下にある陸閘も避難路の一部

国道45号高架橋の下にある陸閘も避難路の一部

 

 2013年度に整備を始め、今年の3月中旬に陸閘の遠隔操作による開閉点検を行って19年度末に完成となった。総事業費は約53億円。国の社会資本整備総合交付金などを活用し、市の持ち出しは約7900万円。

 

 当初、18年秋の事業完了を目指していたが、盛り土して造るため地盤沈下への対策と、それに伴う不発弾調査などが必要となったことから、工期が約1年半延びた。市都市整備推進室の本間良春室長は「工事の遅れがあったが、やっと完成。住民の避難行動を守る要素を一つ加えることができた。平時は遊歩道のように利用してもらい、親しまれる施設になれば」と期待する。

 

一般利用が始まったグリーンベルトの港町・海側の入り口

一般利用が始まったグリーンベルトの港町・海側の入り口

 

 今、日本を含め世界中の人たちを悩ませているのは新型コロナウイルスの感染拡大。県内ではいまだ感染者が確認されていないが、さまざまな方面で自粛ムードが広がる。

 

 感染拡大に注意を払う必要はあるが、迎えた春は暖かな陽気に誘われ外出する機会が増える季節。自然の風に触れる散歩は体にいいし、頭のリフレッシュにもなる。

 

 このグリーンベルト、歩けば片道約10分。家族や友人…誰かと一緒に歩けば、家の中、普段とは違う会話もでき、変化のある時間が過ごせる。

 

(復興釜石新聞 2020年4月15日発行 第884号より)

 

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桜の巨木 夜空に映え、栗林町の天然記念物〜光の演出 年々進化、15日ごろまでライトアップ

桜の巨木 夜空に映え、栗林町の天然記念物〜光の演出 年々進化、15日ごろまでライトアップ

今年も豪華な花姿がライトアップされた上栗林のサクラ

今年も豪華な花姿がライトアップされた上栗林のサクラ

 

 釜石市栗林町にある市指定文化財(天然記念物)の巨木「上栗林のサクラ」は4日夜からライトアップされ、夜空に雲が沸き立つような威容を見せている。昨年は13日に点灯されており、それより10日ほども早い開花となった。その後一時寒気が戻ったことなどから、桜の見ごろは10日ほど続くと予想される。

 

 この巨木はエドヒガン系で、江戸中期から地元住民に守られてきた。別名「種蒔(たねまき)桜」と呼ばれ、開花は春耕の季節を告げる。2006年の市の調査では胸高幹周りが約4・9メートルあり、翌年3月に市の文化財に指定された。中央の大幹が強風で折れるなど姿は変えてきたが、高さ、枝の張り出しなど堂々とした威容は健在だ。

 

 ライトアップは地元町内会の上栗林振興会(三浦栄太郎会長、20世帯)が東日本大震災後の13年から始め、今年で8回目。照明の演出は年ごとに進化し、今年は白色光と電灯色20基を配置、全体の花姿を柔らかな明かりで包むようアレンジした。

 

 7日までの寒の戻りで、開花のスピードは抑制された模様。同振興会役員の川崎悦三郎さん(67)は「開花は去年より11日も早かった。花が続く限り照明は続ける。遅くて15日ごろまで」と予想する。

 

 新型コロナウイルス感染問題に対応し、恒例の住民花見会は中止した。同振興会は、立ち寄る一般の花見客にも感染防止行動を呼び掛けている。

 

 照明の点灯は荒天でない限り、日暮れから午後9時ごろまで。場所は鵜住居町の国道45号から主要地方道釜石遠野線を橋野町、遠野市方向へ約8キロ、車で10分ほどの所の右手に見える。数台分の駐車スペースもある。

 

(復興釜石新聞 2020年4月11日発行 第883号より)

 

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完成を報告した佐野よりこさん(左から2人目)

古里の復興後押し民謡集、佐野よりこさんCD制作〜「天までとどけ」と願い込め、ネットで資金募り 一般販売も

完成を報告した佐野よりこさん(左から2人目)

完成を報告した佐野よりこさん(左から2人目)

 

 釜石市鵜住居町出身の民謡歌手、佐野よりこさん(49)=盛岡市在住=が、東日本大震災の教訓を伝える民謡CD制作のため、インターネットで資金を募っていたクラウドファンディングは目標額を達し、録音が実現した。3日、完成したCD「佐野よりこ民謡集~天までとどけ」を持参し、野田武則市長を訪ね、「支えてくれた皆さんに感謝。心に潤いを与える音楽で復興への願いと元気を届けられたらうれしい」と思いを話した。

 

 佐野さんにとって初のCD化。外山節や南部牛追唄など全国大会で優勝した際に披露した岩手の民謡を中心に13曲を収録した。

 

自身初のCD「佐野よりこ民謡集」。古里への思い、震災の教訓を歌の力に込めた

自身初のCD「佐野よりこ民謡集」。古里への思い、震災の教訓を歌の力に込めた

 

 収録曲の一つ「新・津波てんでんこ」は福島県の民謡である新相馬節の替え歌として佐野さん自らが作詞している。

 

 ♪頃は三月枕を濡(ぬ)らす
 逢(あ)えぬ我が子を夢に見る
 黒い波来たあの日を想い
 消えぬ悲しみ伝えゆく
 早く逃げろと教えてくれた
 願い忘れずてんでんこ

 

 残された家族の悲しみや津波の恐ろしさを訴える。

 

 古里の“ソウルソング”「釜石小唄」「釜石浜唄」も収録。釜石小唄は1950年の発売以来、70年ぶりの再録という。

 

 佐野さんは震災の津波で実家も、大切な両親も亡くした経験から制作を決意。古くから地域の生活に根ざした民謡を通して震災の教訓を届け、語り継ぐためプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングに挑戦した。

 

 昨年11月7日から今年1月16日まで募り、目標額300万円を上回る400万円超が集まった。団体・企業を含め247人が応援。地元釜石や県内を中心に、宮城、東京、福井などからも寄せられたという。

 

 市役所を訪れたのは佐野さんと、釜石観光物産協会の澤田政男会長、和田利男事務局長の3人。釜石観光物産親善大使も務める佐野さんが取り組みを報告し、「歌い続けることで両親の思いもつないでいける気がする。つらいことだけではない、明るい部分も発信していきたい」と力を込めた。

 

 野田市長は「熱の込もった歌声。釜石の宝。聴くたびに涙が出る。歴史や文化を継承してほしい」と今後の活躍を期待した。

 

 CDは1800枚制作。支援者に返礼品として贈るほか、一般販売される。市内では釜石観光総合案内所、かまいし特産品店(シープラザ釜石内)、道の駅釜石仙人峠、釜石情報交流センター、野村商店(鵜の郷交流館内)、桑畑書店など。県内では東山堂でも取り扱い、インターネットでも購入できる。

 

 価格は2100円(税抜き)。収益の一部は釜石市の災害義援金として寄付する予定だ。

 

 問い合わせは釜石観光総合案内所(電話0193・22・5835)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年4月11日発行 第883号より)

 

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広報かまいし2020年4月15日号(No.1734)

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広報かまいし2020年4月15日号(No.1734)

 

広報かまいし2020年4月15日号(No.1734)

広報かまいし2020年4月15日号(No.1734)

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【表紙】聖火「復興の火」展示
【P2-5】令和2年度施政方針/令和2年度当初予算のあらまし
【P6-9】事業再建支援制度のお知らせ/浄化槽設置費補助金制度のお知らせ/まちのお知らせ/各種相談
【P10-11】まちの話題/震災から9年 あの人、あの日々を忘れない
【P12-13】遊び場づくりワークショップメンバー募集/「釜石市働く婦人の家」前期定期講座/こどもはぐくみ通信
【P14-15】保健案内板/保健だより
【P16】釜石の歴史よもやま話1 釜石の鉄学編(1)

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“前線”駆け足 桜満開、小川の並木は早くも見ごろに〜釜石市内も各地でほころび始める

見ごろの桜を〝借景〟に、インスタ映えを工夫しながら撮影に夢中の女性グループ=4日、小川町

見ごろの桜を“借景”に、インスタ映えを工夫しながら撮影に夢中の女性グループ=4日、小川町

 

 新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する中、桜の〝開花前線〟が駆け足で北上し、釜石市内の桜もほころび始めた。各地のソメイヨシノには、日当たりに恵まれて見ごろを迎えた木も混在する。早咲き系のほかヤマザクラ、エドヒガン、シダレザクラも一斉に庭先、山肌を彩り、レンギョウ、白モクレン、コブシと美しさを競っている。

 

 県の南部地域では4月に入って早々、相次いで桜の開花宣言を発表し、いずれも平年から10日前後早まった。昨年は4月中旬に桜が満開となった釜石市も、今年は開花の時期が早まっている。

 

 晴れて穏やかな天気となった4日午前、花見の名所の一つ、小川町の小川川に沿う桜並木では、見ごろとなった木の下を散策する住民の姿もあった。

 

 市内の水産加工場で働く水産加工技能実習生の若い外国人女性グループは、春らしい装いで桜の撮影に興じていた。母国の家族や知人に送信するのか、アングルを入念に調整し、何度もスマホのシャッターを押した。

 

(復興釜石新聞 2020年4月8日発行 第882号より)

 

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